ガレキ漁りのカラスダイアリーhttps://crow-diary.comゲームや映画を中心とした底辺の雑記場Sun, 20 Apr 2025 17:14:56 +0000jahourly1https://crow-diary.com/wp-content/uploads/2021/11/cropped-1CD41440-2EFB-4920-8700-33ADBB0C5AB4-32x32.pngガレキ漁りのカラスダイアリーhttps://crow-diary.com3232 【LUNAR リマスターコレクション】画像付き、盗賊ギルドの証で開けられる宝箱の場所【シルバースターストーリー】https://crow-diary.com/lunar-remastered-collection-silver-star-story-treasure-chest/https://crow-diary.com/lunar-remastered-collection-silver-star-story-treasure-chest/#respondSun, 20 Apr 2025 17:09:11 +0000https://crow-diary.com/?p=19015

 シルバースターストーリーの方で盗賊ギルドの証を手に入れてから開けられる宝箱の場所を画像付きで紹介。  ちなみにこの宝箱を全部開けるのはトロフィー、実績の条件にもなっています。  村長の家の2階で鍋のふたが入手可能です。 ... ]]>

 シルバースターストーリーの方で盗賊ギルドの証を手に入れてから開けられる宝箱の場所を画像付きで紹介。

 ちなみにこの宝箱を全部開けるのはトロフィー、実績の条件にもなっています。

ブルグ村 村長の家2階

 村長の家の2階で鍋のふたが入手可能です。

ゴートの森

 北の木に隠れている宝箱から怒りの指輪が入手出来ます。

港町サイス

 南西にあるこの家の2階から守りの指輪が入手出来ます。

魔法オババの家

 魔法オババの地下から白銀の光が入手出来ます。

自由都市メリビア

 南西にある家の中から2000s入手出来ます。

地下水路

 メリビアのメルの館内から入れる地下水路から白銀の光が入手出来ます。

魔法都市ヴェーン

 北西にある建物の影に隠れている宝箱から封魔のネックレスが入手出来ます。

試練の迷宮

 試練の迷宮からせっけんが入手出来ます。

ナンザスの関所

 地下南西にある寝室から水晶のネックレスが入手出来ます。

ナンザスの峠・南

 ナンザスの峠の南方面で入り口から見える東の宝箱から白銀の光が入手出来ます。

ランの村

 入り口すぐに見える家の横にある宝箱から白銀の光が入手出来ます。

リッツアの町

 西にある木とタルに隠れている宝箱から白銀の光が入手出来ます。

ミロードの村

 南西にある家の影から白銀の光が入手出来ます。

ミロードの森

 ミロードの森北東にある木の影に隠れている宝箱から幸運の指輪が入手出来ます。


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【映画】侠客-闇狩り- 感想 推理と派手なアクション、これは実質コ◯ンだな!https://crow-diary.com/the-mans-secret-2023-chinese-movie-review/https://crow-diary.com/the-mans-secret-2023-chinese-movie-review/#respondSun, 20 Apr 2025 05:25:48 +0000https://crow-diary.com/?p=18922

最初に定められたリアリティラインから繰り広げられる推理とアクションそして最後は愛と復讐、腐敗と正義でしっとりと…まるでコナン映画のような楽しみ方が出来る!  今回はアマプラにて観賞の中国映画、侠客-闇狩り-(原題:长安诡 ... ]]>

製作国

中国

監督
リー・ジーウェン
フェイ・シャオ
出演者
サイモン・ヤム
ゼン・メンシュエ
クララ・リー
ウェイ・シャン
チュンユー・シャンシャン

最初に定められたリアリティラインから繰り広げられる推理とアクション
そして最後は愛と復讐、腐敗と正義でしっとりと…
まるでコナン映画のような楽しみ方が出来る
!

 今回はアマプラにて観賞の中国映画、侠客-闇狩り-(原題:长安诡事传/The Man’s Secret)の感想。

 派手なワイヤーアクション、そんなことが出来るリアリティラインから展開される連続殺人事件の捜査とトリック!

 アクションと推理の合体映画なんで日本人的にはもう実質コナン映画でいいでしょう!

 でも最後は任侠な終わり方でしっとりともさせてくれますよ。

 ジャンルはサスペンスアクションで上映時間は約84分となります。

(C)Starlight Alliance Pictures (Beijing) Co.

あらすじ

その闇、必ず暴いてみせる!
唐の時代、深刻な干ばつに見舞われ司天台のガオ・シェンヤオが雨乞いの儀式を執り行うが、儀式によって恵みの雨ではなく大量の油が降り注ぎ千の頭の悪魔が出現、儀式に参加した多くの人が襲われ副官であるルオ・ハも惨殺される。ガオは過去に江南の地で起きた水猿による未解決事件を解決した実績をもつ死刑囚ドグに調査を依頼、ドグは調査の間だけ死刑を免れ釈放されることに。監察御史のリン・チェンユエや大理寺少卿チー・ドーダオと共に調査に乗り出したドグは、卓越した知識と推理力で事件にチョウセンアサガオの毒が使用されたことに辿りつき、その流通ルートが夜市であることを突き止める。だが、再び千の頭の悪魔が現れ、ルオの妻であったシャン・イェが死亡、彼女を訪ねてきた妹ホワ・レイも捜査に参加したいと申し出る。夜市を裏で仕切る謎の女イェ・ティエンズーからチョウセンアサガオの毒の売人の情報を聞き出すことに成功し、事件の真相へと近づくも、次々に浮き彫りとなる事件とそれに関わる人物たちの闇と秘密、そして、陰謀。そして、それはドグも例外ではなかった。果たして、ドグは事件を解決出来るのか!?

Rakuten TVより
プルーク公式チャンネル

この映画を配信している配信サービス

※2025年4月20日時点

登場人物

ドグ

死刑囚の男

上からの命により“千の頭の悪魔”の起こした殺人事件の捜査を任される

チー・ドーダオ

大理寺少卿

ドグの監督と事件の捜査のためにリンと共にドグと行動する

リン・チュンユエ

監察御史

事件解決までの間ドグを監督するためにドグとチーと共に捜査に携わる

ホワ・レイ

ルオの妻シャン・イェの妹

“千の頭の悪魔”に殺害された義兄と姉の敵を打つためにドグ達に同行を申し出る

ガオ・シェンヤオ

風や雨を操れるとされる司天台

自身が行った雨乞いの儀式の結果“千の頭の悪魔”が現れた

上からの命で事件の捜査をドグに任せることに

ドグが死刑囚になった件にも関与していた

サイ・リー

有力名家であるサイ家の当主

ガオとは繋がりがある

ルオ・ハ

ガオの副官

“千の頭の悪魔”に殺害される

シャン・イェ

ルオの妻

“千の頭の悪魔”に殺害される

イェ・ティエンズー

夜市を仕切る女性

事件に使われた様々な道具の出所についてドグに捜査される

ざっくり概要

 ここからは例によって中盤までのざっくりとした内容を。

 唐王朝の永徽時代。

 干ばつに苦しむ民のために司天台ガオ・シェンヤオによって行われて雨乞いの儀式。
 その儀式の結果雨が降ってきて沸く民達だったが、時が経つにつれそれが雨ではなく油であることに気付いていく。

 そしてその油と共に“千の頭の悪魔”が現れ、民達を次々と襲っていく。
 そしてガオの副官であるルオもまた“千の頭の悪魔”の手にかかり、命を落とすのだった…

 一夜明け雨乞いの儀式で起きた事件、その調査が開始されたが、その事件を担当することになったのはガオの指名により今日死刑が執行されることになっていた男ドグだった。

 7日後に行われる中原の儀式、それまでの6日間で事件の解決を求められるドグ。
 だが自らの儀式で起こした事件は自らで払うべきでは?とドグは一度は断る。

 死刑囚に事件を担当させることに不安視する大理寺のチャン・シュンはドグの経歴をガオに尋ねる。

 ドグは3年前に起きた川の悪魔“水猿”の手によって起きていた有力者の子供だけを殺害していた事件を解決した者だったが、
 実際には彼自身が水猿だった、だが有力者の勅命で今回ドグの釈放が決まったと説明するガオ。

 改めてドグに事件の捜査を頼むガオ。

 雨乞いの仕組みについて話し、学者に教わり黒煙を発生させ雨雲に見立てそこに火薬を使い偽の雷を発生させる、そして風に揺られ吊られた袋から水が落ち雨が振る、これが雨乞いの仕組みだとドグに抑えるガオ。

 この科学的な手法を知っている他の誰かによって嵌められ、このままでは自身が破滅してしまうと言うが、自分の家族を殺したガオに協力するつもりはないとドグは強く詰め寄る。

 だが実は生きているというドグの娘の居場所を条件にドグは“千の頭の悪魔”が起こした殺人事件の捜査に協力することを決断するのだった。

 大理寺のチー・ドーダオ、監察御史のリン・チュンユエ。ドグの監督役でもある2人の男と共に捜査を始めるドグ。

 事件の現場には数千人のもの人間がおり、そこで全員が無数の頭が宙に舞っていたと錯覚するほどの仕掛けは何なのか?また多彩すぎる殺害方法の凶器は?
 現場に落ちていた灰から嗅ぎ取った香の中にある異質な香りに気付いたドグはまずこの香りから捜査を開始する。

 歓楽街に訪れるドグ達一向。

 そこの遊女の1人ルーユエに会いに行き、彼女の香を用いて自身を美女と錯覚させるほどの仕掛けが出来る彼女に現場に落ちていた灰の香りについての質問をする。

 ルーユエは灰の香りから事件に用いられたのはチョウセンアサガオの毒だと推察する。
 この毒は相手に思い通りの幻覚を見せるほどの毒。

 その出所を夜市だと聞いたドグ達は次の目的地を定める。

 その夜“千の頭の悪魔”によって再び多くの人間の虐殺が行われる事件が発生する。
 そしてその被害者の中には最初の犠牲者ルオの妻シャン・イェも含まれていた…

 現場に行き遺体を調べようとするドグだったが、その時何者かの気配を感じ取ったチーがその様子を覗いていた女性を捕まえる。

 その女性は殺害されたシャンの妹ホワ・レイと名乗る。なぜこの遺体が姉だと分かったのかと尋ねるドグに対して自分が作った服を着ているからと返すホワ。

 捜査の邪魔だとチーに追い返された後、改めて棺の中のルオの遺体を調べるドグ。

 ルオの遺体の脇から出てきた謎の接着剤、そして体毛が無くなっていたことにも気付く。

 ルオの遺体を検視した検視官トントンに改めてルオの検視を頼むドグ達。前回は確かに体毛があったと語るトントン、
 そして体毛がないのは脇に塗られていた接着剤が全身に塗られておりそれを剥がして毛が抜けたのかもしれないと推察する。

 検視の後から手の痒みが治らないというトントンに接着剤をつけて無理やり剥がすドグ。
 何か肉眼では見えないものがあるのかもしれないと付着した物について調べるように頼む。

 またルオが事件当日来ていた服についても質問するドグ。服は遺族に返したが、第二の事件の後、服は見つからなかった。
 おそらくは犯人が持ち去っていた物だと推察するのだった。

 夜市の時間までの間に“千の頭の悪魔”の宙に浮いていた仮面について考えるドグ達。

 犯人は事前にチョウセンアサガオの毒を仕掛け幻覚を見せ、そして“千の頭の悪魔”だと叫んだ。そうすることで悪魔の仕業とを信じ込ませた。

 殺害方法は絹糸、凧糸でも手が切れるなら特殊な絹糸であれば人の首を落とすのは容易。そしてイェ殺害の現場にあった白旗からは香の灰と似た匂いが漂っていた。

 ただ分からないのはルオの家族まで殺害に及んだ動機。
 復讐にしてはあまりに大掛かりすぎるとここだけが分からない。

 現場の柱から糸の痕跡が見つかるもやはり動機は不明なまま。
 そんな折にホワが大量の桐油を持って現れ、1人で姉の敵を取るために捜査するとドグ達に宣言する。

 夜が更けて夜市に訪れるドグ達3人。

 不気味な雰囲気な中で現れた紙の人形に招待状を渡すと途端に景色が普通に戻る。
 盗賊も娼婦もおり、更には少女の腕すら切られ売買される世界。

 そこでチョウセンアサガオの売人の手掛かりを探している最中、何者かに雇われた刺客がドグ達を襲撃する。

 それは夜市を仕切る女イェ・ティエンズーだった。

 追ってきていたホワ共々窮地に陥るがドグは先ほど渡した招待状に毒を染み込ませ、解毒剤と交換条件に売人の情報を渡すように取引を持ちかける。

 ティエンズーから受け取った情報から売人の元に向かい彼を問い詰めるドグ達。

 売人は確かに大量に売ったが事件の現場に毒を巻き散らかすには自分の持っていた毒の量では遥かに足りないと説明する。

 それを聞いて桐油を使ったのだと気付くホワ。桐油を買った時に皮膚の治療にも使うと聞き、それなら毒と桐油を混ぜ体内に浸透させれば少ない量で効果が出ると。

 そして売人から誰に売ったのかを聞き出すドグ達。

 買った者の名はサイ・チェンリャン。それは指折りの名家であるサイ家の息子だった。

 権力ある名家への家宅捜索を渋る大理寺のシュンだったが、最終的には折れてサイ家の家宅捜査の許可が下りる。

 突然の家宅捜索にもまるで怯まないチェンリャンだったが、ドグが見つけ出した隠し扉の先にいた大勢の監禁されたホワも含む女性達の姿、更にチョウセンアサガオと仮面、そして部屋にあった反逆の企てとも取れる書面。

 これらが見つかったことでチェンリャンは“千の頭の悪魔”の殺人事件の容疑者、そして反逆の罪で逮捕されるのだった。

 チェンリャンに捕まっていたホワを送り届けるドグ。

 だがその最中にチェンリャンの父親リーが現れ、ホワを人質に取り、ドグにこれ以上の手出しをするなと脅してホワを連れてその場を後にする。

 1つの確信を得るためにティエンズーの元に訪れ、その反応を見て彼女を雇い自分達を襲撃させた魔のこそ真の黒幕だと確信する。

 チェンリャンの審問の日。

 ドグは彼の無実を証言して、家宅捜索によって得た1つ1つの証拠の不備を説明する。
 “千の頭の悪魔”、そして反逆については疑いが晴れるも、女性達の監禁について問われるとただモテるだけとされ、それすらも権力によって無罪とされてしまう。

 ドグによって釈放されるチェンリャン。それを知った民達は権力に屈した男としてドグを非難するのだった。

 釈放されたチェンリャン。

 女遊びをする彼だったが、その時3年前に捕まったはずの水猿が現れ、チェンリャンを引き摺り込み殺害するのだった。

 事件の真の黒幕は誰なのか?そして再び現れた水猿の正体は?
 中原の儀式の時、真実が暴かれる。

色々と盛り合わせなサスペンスアクション!

 中国、唐の時代を舞台に繰り広げられる推理映画。

(C)Starlight Alliance Pictures (Beijing) Co.

 最初に設定したリアリティラインをベースに始まる“千の頭の悪魔”が起こした事件の捜査、そしてその捜査をするのは死刑囚、そして途中で現れる過去に捕まえたはずのもう1つの悪魔“水猿”

 今の事件と過去の事件、そして死刑囚たるドグの過去、推理物らしく二転三転する展開(最後はハイスピードでやりすぎ)とそしてアクションが楽しめて、中国映画らしい推理で視覚的な楽しさがかなり豊富でした。

 主演はサイモン・ヤム。

 この映画だと若く見えるので正直最初気付かなかった。バリバリワイヤーアクションもしてるので体も若いですねぇ。

これは実質コナンだな!

 この映画は実質コナンです。

 いきなり何言ってんだと思われるでしょうが、ここまで推理とアクション、両方が楽しめるなら日本ならコナンという評価でいいでしょう。

 冒頭の“千の頭の悪魔”の登場、この初手の段階で派手派手にワイヤーアクションしてこの映画はリアリティラインを定めた中で展開されていく推理。

(C)Starlight Alliance Pictures (Beijing) Co.

 このアクションは推理物なのに常に合間合間に挟まれて、視覚的な飽きを与える暇をこちらに与えてきません。

しかも高クオリティ。

 平然と数メートルはジャンプで飛びますし、糸や人形を操った高等技術だって披露される。
 この推理物であろうとアクションは派手にしてやるぜという気概はやはりコナン…!

(C)Starlight Alliance Pictures (Beijing) Co.

 しかもこのアクションの力技が許されるということは糸で平然と大量殺人したトリックの方にも活かされる。

 このリアリティラインからの殺害方法はファンタジー映画で魔法があること前提で展開される推理物を見ている感じで、
 こういうのはなかなか日本の実写では見れない展開でこういうアニメ的なことを実写で大真面目にやれるのは新鮮だし、ここら辺は中国の強みでもあるなと思いましたね。

 しかもこのリアリティラインで割と真っ当に推理をやっているのも面白い。

 怪人が出てきて人を殺害していくというのはこれ自体はそれこそ金田一とかで馴染みはあるんですが、時代設定ですよね。

 それを唐の時代、600年代から900年代に設定したことで、人々が伝承や儀式をより簡単に信じやすい。 誤解を恐れずに今風に言うなら教育レベルが低く情報リテラシーも低い状態。
 だからこそそれに惑わされない現代的な見方を出来るドグが感覚的にも共感しやすく際立つ訳です。

 この現代的な見方というのも割と気持ちよくなりやすくてですね。

 言ってしまえば当時の情報リテラシーレベルだったら今の時代の義務教育レベル程度の情報リテラシーでも高等レベルなわけですよ。
 自分みたいなその程度の人間でもこいつら馬鹿だなぁとある種の優越感を感じながら気持ち良く見させる上手さがありました。

 このリアリティライン故に相当な力技のあるトリックがあるのも確かでしたが、推理と派手なアクション、この両方を楽しめるのはやはり実質コナンという評価でいいでしょう!

事件の真相

 この映画のメインストーリーとなる“千の頭の悪魔”による殺人事件。

 これは推理物ではよくある復讐物だったわけですが、手段はやはりこのリアリティラインですからちょっと強引ではありましたかね。

 犯人は途中で現れた女性ホワとそして一応作劇的にはサプライズとなる死んだはずのルオの妻イェの姉妹。

 実は生きていた人間が犯行は割と反則技の1つではあるんですが、事件自体は実は生きていた人間が死を偽装した後に犯行を行っていないのでここはセーフでしょう。

 で、動機の方は国を滅ぼされた(?)復讐。

 雨乞いの儀式をしたガオ、そして有力者であるリー、この2人が自身の立場を利用して星の巡りを書き換えて自分たちの国に凶兆が出ているとして攻め込んで来たからなわけです。

 目的自体はその国に大量にあった桐油、これを得るためにこのようなでっち上げをして攻めさせたわけですが、
 このような星の巡りだけで攻めこむ理由になってしまうというのは迷信や占星術を行動基盤としてしまいそれを意図的に書き換えられてしまっても気付かないという時代設定の成せる技であり、ここら辺も設定の使い方の上手さはありましたね。

 そして犯行手段は糸による殺害だったわけですが、使われたのはまたまたその国で取れた石綿。現代で分かりやすく言うならアスベストですね。

 これとチョウセンアサガオの毒を使った思い通りの姿に見せる幻覚を使って“千の頭の悪魔”として犯行を行った訳ですが、この両方の手段がこの映画の設定したリアリティラインだからこそ許された手段ですよね。

 この都合よく何にでも見せる幻覚と首すら切れるアスベストで作った糸とその技術とか普通の推理物なら許されませんが、この映画が最初に示したリアリティラインなら許される!

 フィジカル重視の犯行だったりするところがある種の面白さであり、この映画らしさだと思いますよ、自分は。

 こんな便利すぎる手段と技術があれば普通ならバレませんが、なぜ証拠が残ってしまったのかと考えるとなかなかに物悲しい。

 幻覚に使われたチョウセンアサガオの香りはともかく、アスベストの方に関しては彼女達の愛ゆえに生まれた証拠。

 最初に殺害されてしまったルオ、彼の死は彼女達にとって本当に不本意なことで、油と火を使った犯行であるが故にアスベストを使った耐火服をルオに着せていた。

 けどそれがルオの体に付着したことで犯行手段がバレることになりそうで彼の体に接着剤をつけて体毛ごと石綿を取った。
 この体毛が無いことと残った接着剤、これが真相への道筋に近づくことになってしまったというこの愛故に瓦解してしまったというのは推理物らしさでもあり、中国映画らしさもある展開でこれこそ復讐劇の推理物だよなって変な言い方嬉しくなりましたよ。

 ルオのことは本当に信頼し、愛していた姉妹。
 ルオ自身も不正の証拠を掴んで告発をしようとしていたそうですから、これは本当に不幸な話です。

 彼女達の復讐の結末もガオ達の死だけでは止まらず、皇帝の殺害も目論んだために中原の儀式で再び犯行に及んだ訳ですが、

個人的な見解としてはイェが止まらなくなってしまったのはルオを殺害してしまったからというのもあると踏んでいます。

 ですが、最後はドグ達と行動したホワがドグを庇ってイェの刃によって命を落とし、失意の中でイェは逮捕されてしまう。

(C)Starlight Alliance Pictures (Beijing) Co.

 故郷への愛によって復讐を誓い、愛する者を手にかけてしまったことで止まることは出来ず、そして行動を共にしたことで生まれた信頼でホワのように命を落としてでも最後は踏みとどまる側が生まれると。
 この後に別の人物同士でも出ますが同じ道でも出会った人物や行った行動、秘めた思いで別の道に進むというのはこの映画の軸ではあったように思えます。

 こうして見るとメインの事件の話は徹頭徹尾まで愛の話でしたね。
 うん、こういう恥ずかしげもないド直球なベタなことをしてくれるから中国映画は自分は好きですよ。

二転三転するラスト(あまりいらないと思う)

 事件の解決があってもまだ残された謎。

 それはドグの死刑の真実と再び現れた水猿の存在。

(C)Starlight Alliance Pictures (Beijing) Co.

 ここの真相についてはドグのパーソナリティに触れるという意味では必須なんですけど、
 あまりにもハイスピードで話を二転三転させているんでもう少しスマートに持っていってもいいんじゃないかなと思いましたね。

 3年前にも現れ有力者の子供を殺害したが、ドグによって捕まった水猿、しかし再び現れ、同じ有力者の子供であるチェンリャンを殺害するという事件。

 当初はすぐに捕まり模倣犯として死刑にあったのですが、実際の真相は違った。

 この“現在の”水猿は共に捜査に当たっていたチーだったのですが、ここからの二転三転は本当にややこしくしているだけでした。

 最初は3年前の水猿もチーだったと本人が自白するのですが、この後10分も経たないうちに3年前についてはドグがチョウセンアサガオの幻覚を利用してチーが自分だったと思い込ませただけ。

(C)Starlight Alliance Pictures (Beijing) Co.

 そして実際は3年前の方はドグだったと、それがガオにバレて自分の道具として自分の障害となる存在を消すように要求されるも断り、
 その結果家族が殺害され、更にその罪を着せられて死刑囚になったのがドグの死刑囚としての真相でした。

 ドグとチーの2人の水猿としての目的自体は腐敗して政治への不満、有力者がどれだけ罪を重ねても不満となる世界への手段だったのですが、
 チーの邪心に気付いたドグはそれに反対していたという過去も明らかになる、要はチーの方はヒーロー物とかによくあるありえた姿としての存在でした。

 ただそんなガオがなぜ自分にも手が及びかねないドグに捜査を頼むことになったのか?それはより上の命令によってだったわけですが、それは皇后の命令だったと。

 姉妹への復讐のための情報も渡しており、更にそこの捜査を任せるのはドグに、その目的は政に関われない自分に代わり、貴族達の腐敗を一掃するためだったというわけです。

 うん、やっぱラストで急にまどろこしっくなりましたね。

 とにかくチーの3年前の水猿の話があまりに余計過ぎる上に20分も掛からずにすぐに解決するからあんま必要性を感じないんですよね。

 さっさと腐敗した貴族に対する怒りを覚えていたドグと皇后がこれからも協力するで終わらせても良かったと思うんですが、ちょっと推理物っぽくややこしくしたかっただけなんでしょうか?

 色々余計な部分に引っ掛かりはしましたが、実は生きていた娘の保護も皇后によって行われ、そしてドグは今後も牢の中で皇后の命令を待つ身として誇らしく終わる。
 こういう腐敗と正義という任侠の話に着地するのは時代劇って感じがするんでいいんですけどね。

(C)Starlight Alliance Pictures (Beijing) Co.

 続編もいくらでも出来る終わり方ですし、劇場版コナンなノリをこれからも続けてほしいですね。

最後に明かされるドグのライ・ジュンチェンという本当の名は向こうの歴史なり創作なりで有名だったりするんでしょうかね?

まとめ

 アクションも推理も楽しめる実にコナンな推理映画。

 最初のリアリティラインからそのラインに沿ったアクションと推理の仕掛けをちゃんとやり切ったのは何気に架空の時代劇推理物としては相当頑張った映画なんじゃないでしょうか。

 後半の流れこそ無駄がありましたが、視覚的に楽しみが続く推理物というのは実写だと意外と珍しい。

 愛と復讐、腐敗と正義。

 こういう不変的な感情と政治。正解は見つからなくても携わる人間によって最後は変わる。
 それがホワとイェ、ドグとチーの違いになってしまったんでしょう。

 こういう小難しい部分を置いておいてもアクションと推理の一粒で2度美味しい映画なんで、中国アクションが嫌いじゃないなら結構楽しい映画ですよ。


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【LUNAR リマスターコレクション】損はさせない 序盤で絶対にせっけんだけは最低2個買っておけ!https://crow-diary.com/lunar-remastered-collection-soap/https://crow-diary.com/lunar-remastered-collection-soap/#respondSat, 19 Apr 2025 04:10:57 +0000https://crow-diary.com/?p=18967

 Lunarシリーズの久々の新作というか展開となるリマスターの発売。  自分も青春の1作ということでノータイムで購入致しましたよ。  このリマスターで収録されているのはシルバースターストーリーとエターナルブルー。 前者は ... ]]>

 Lunarシリーズの久々の新作というか展開となるリマスターの発売。

 自分も青春の1作ということでノータイムで購入致しましたよ。

 このリマスターで収録されているのはシルバースターストーリーとエターナルブルー。
 前者はPSP版の移植などがありましたが、後者は人気の割にそういった展開に恵まれていなかったので嬉しい時代になったものです。

 そしてその中のシルバースターストーリーの方。

 かつてとある桃源郷のために血眼になった先達としているか分からないリマスターからの新規プレイヤーのために1つだけアドバイス。

 最序盤のサイスからメリビアに行く船旅で船内で購入出来るせっけんというアイテム、これだけは絶対に2個確保しておきましょう!

 単純にムービーのコンプに必要ということもありますが、リマスターで表現規制がかかっていない限りは将来の男子の夢となる桃源郷への投資となります。

 もしこれを忘れて後に入手出来るせっけんを不用意に使ってしまった日には愕然とする事実に直面することは間違いなし。

 確実に桃源郷の女神を目撃するためにこの段階でせっけんだけは絶対に確保しておきましょう。

 値段は2つで2000s、序盤だとお高いですが、それでも損はさせない。
 騙されたと思ってお金を貯めてせっけんを購入しておいてください。

男の夢が後半に待っているぜ!


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【Soul Stalker】俺はここから動かない…! 放置が最強ヴィタス・ヴァルナスhttps://crow-diary.com/soul-stalker-vitas-varnas/https://crow-diary.com/soul-stalker-vitas-varnas/#respondMon, 14 Apr 2025 15:10:33 +0000https://crow-diary.com/?p=17262

 他の次元からやって来た悲劇の冒険者。静止している時間が長いほど、敵に与えるダメージが増加する。  移動せずに戦闘で勝利する。  どの戦闘でもいいので一度も移動をせずに戦闘をすればOK。  戦闘が20秒で終わるマップでリ ... ]]>

キャラ説明

 他の次元からやって来た悲劇の冒険者。静止している時間が長いほど、敵に与えるダメージが増加する。

アンロック条件

 移動せずに戦闘で勝利する。

 どの戦闘でもいいので一度も移動をせずに戦闘をすればOK。

 戦闘が20秒で終わるマップでリトルナイフなど攻撃間隔の短い武器かインペイラーなどの広範囲武器で陣取れば比較的安全にアンロック可能。

 ペットがいると更に簡単だが、そこまでする必要はないはず。

初期ステータス

ステータス1

最大HP70
再生力30
速度4.5
パワー80%
器用さ110%
攻撃範囲100%
推力100%
プッシュバック100%
金運100%
回避5%
クリティカル率5%
クリティカルダメージ200%

ステータス2

追加ショット0
出血ダメージ20
出血チック0
稀出血0%
貫通数0
照準コーン
敵の数100%
クリティカル時回復0
凍結確率0%
爆発力100%
幸運4
熟練5

キャラ解説

 その場から動かず、留まる時間が長ければ長いほど攻撃の威力が増加する特性を持つキャラクター。

 その特性から近接武器はやや苦手だが、遠距離武器を揃えた時は無類の強さを誇る。

 欠点としては自分のいる位置にポップする敵やエリートやボスなど問答無用でこちらに近付き特性の真価を発揮する前に移動せざるを得ない敵の存在。

 自分の真下に出るのは運が悪いと思い諦めるにして、
 エリートやボスなどは定期的に相手の対角線上に位置付けて、なるべく近づかれるまでの距離を稼ぎ特性の効果を発揮するように立ち回りたい。

オススメ装備

武器

 特性的には遠距離武器が最適性。

 ただ敵の遠距離攻撃を消すために手裏剣だけを選ぶなどということは許されないことは頭に入れておきたい。

インペイラー

 遠距離、凍結、広範囲、敵の遠距離攻撃を消せるとヴィタスの特性と噛み合っている武器。

 パワー依存のため初期能力とはやや噛み合わせは悪いが、そこは本人の特性で十分カバーは可能。

手裏剣

進化前
推力に依存するダメージを与える高速の発射物を放つ。4体の敵を貫通する。
進化後
推力に依存するダメージを与える高速の発射物を放つ。4体の敵を貫通し、出血させる。

 お馴染みの遠距離武器。

 手裏剣だけは非推奨だが、手裏剣の回転率と殲滅力自体は敵を近づかせたくないヴィタスには噛み合っているため1つか2つかは持たせたい武器。

アクセサリー

不気味な雪

 相手に与えた凍結の効果時間を増やすアクセサリー。

 インペイラー装備時にはこれをつければ敵が更に近づくまでに時間がかかるようになり、ヴィタスの特性の効果を発揮しやすくなる。

 エリートやボスにもしっかり効果があるのも◯

すごいカブ、モメンタムノック

 いつもの3点セット…ではなく2点セット。

 ターゲットはパワーを下げてしまうためインペイラーを軸にしたいヴィタスにはやや不向き。

 そのため手裏剣を使うならターゲットを除いたこの2点で構築することを推奨。


他のキャラ紹介


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【映画】カウンターアタック 感想 描かれるのは英雄ではなく現実【Netflix】https://crow-diary.com/contraataque-2025-netflix-movie-review/https://crow-diary.com/contraataque-2025-netflix-movie-review/#respondSat, 12 Apr 2025 05:32:04 +0000https://crow-diary.com/?p=18296

 描かれるのは“英雄”ではなく“現実” そんな“現実”の中でも彼らは正しさを貫き、そしてその正しさの価値を知っている。 そんな彼らの戦いは間違いなく尊い物。  今回はネトフリオリジナルのメキシコ映画カウンターアタック(原 ... ]]>

製作国

メキシコ

監督
チャバ・カルタス
出演者
ルイス・アルベルティ
ノエ・エルナンデス
ルイス・クリエル
レオナルド・アロンソ
ダビッド・カルデロン
ギジェルモ・ナバ
イスラエル・イスラス

 描かれるのは“英雄”ではなく“現実”
 そんな“現実”の中でも彼らは正しさを貫き、そしてその正しさの価値を知っている。
 そんな彼らの戦いは間違いなく尊い物。

 今回はネトフリオリジナルのメキシコ映画カウンターアタック(原題:Contraataque/Counterstrike)の感想。

 この映画は自分の中ではめちゃくちゃクリティカルでした。

 構成自体はよくあるアクション映画、でも舞台となるメキシコの現状、その中で主役となるコウモリ隊の面々の信念、この2つだけで物凄く胸に来るものがありました。

 何というか正しさの価値を貫く男達の物語というものはやっぱいいもんだなと思える映画ですよ。

 ジャンルはアクションで上映時間は約85分となります。

あらすじ

人質救出作戦で新たな敵を作ったゲレロ大尉。彼とその精鋭の部下たちを待ち受けていたのは、犯罪者グループによる急襲だった。

Netflixより

この映画を配信している配信サービス

※2025年

登場人物

ゲレロ大尉

特殊部隊“コウモリ隊”の隊長

麻薬組織の摘発を担当した結果、休暇中に彼らに狙われることになり、仲間達と共に撤退戦に臨むことになる

タンケ

コウモリ隊の隊員

ポロ

コウモリ隊の隊員でスナイパー

コンボ

コウモリ隊の隊員で軍医

トロ

コウモリ隊の隊員

ホセフォ・ウリアス

麻薬密売組織のリーダー

自身の逮捕に動くコウモリ隊の休暇を狙い始末しようとする

カルラとルシア

ウリアスの組織によって殺害された軍人の大量の死体を見つけた女性達

通報しようとしたとこほを攫われそうになり、ゲレロに助けられるが死体の捜査の後に誘拐されてしまう

ざっくり概要

 ここからはいつも通りに途中までのざっくりとした話の内容を。

 バーで飲んでいた特殊部隊“コウモリ隊”のリーダー、ゲレロ大尉。
 飲み終わり外に出たところ、警察に何かを通報しようとしていた女性2人が男達に攫われそうになるところを目撃する。

 共に飲んでいた友人が男達はホセフォ・ウリアス率いる麻薬密売組織の人間であり、
 その中の1人にホセフォの弟がいることでゲレロに関与するのをやめるように忠告するもゲレロは構わず女性達を助けに入る。

 彼女達が目撃し通報しようとしたのは麦畑に埋められていた大量のバラバラの遺体だった…

 操作の結果埋められていた10人の遺体はウリアスを追っている最中に行方不明になっていた軍人達のだと判明する。
 これを受けて軍、そしてコウモリ隊はホセフォ・ウリアスとその仲間達を追うことを決定すし、ゲレロがその事件を担当するのだった。

 その頃ホセフォは弟に遺体が見つかったこと、女性達を始末出来ずに通報させたことを責める。

 そしてホセフォと通じている長官からコウモリ隊とゲレロの情報を渡し、彼らを奇襲して始末しろと命令を下す。

 ゲレロ達はホセフォの情報を得るためにまず彼の組織の重要人物でもあるエドゥアルド・メディナ、通称“エル・マラーノ”の確保に動く。
 それはエドゥアルドを逮捕することで、彼にホセフォの情報と引き換えに自由を保障する証人保護の交渉をするためだった。

 無事敵の1人の殺害のみというスマートな結果でエドゥアルドを逮捕したコウモリ隊。
 検察庁に彼を引き渡し、ひとまずの任務を終え、ゲレロ達は休暇に入る。

 しかし、ホセフォは長官から彼らの休暇の情報を得る。そして弟に彼らの奇襲を命じるのであった。

 休暇に入ったコウモリ隊のメンバー。
 ゲレロ、タンケ、ポロ、コンボ、トロ。

 車で移動する5人に車でぶつかり襲撃する組織の男達。第一陣を退けるコウモリ隊だったが、間髪入れずにホセフォの弟達が現れて彼らを追い詰めていく。

 何とか返り討ちにするも弟の手によりタイヤはパンク、それにより更なる襲撃を予感するも、基地までは40キロ、そして検問所へは20キロもの距離があり、
 ゲレロは基地に増援を頼み徒歩で検問所まで行くことを決断する。だがその道は6時間もかかる道であった…

 道路を外れて移動するゲレロ達、だが9人の追手を確認し、弾が足りないながらも再び銃撃戦に入りながら撤退する。
 徹底の最中で見つけた洞穴を利用して再び襲撃を凌ぐもポロとタンケが負傷してしまう。

 2人を応急処置しながら追手の早さを怪しんだゲレロは全員の携帯を追手の遺体の上に残して再び検問所へと向かう。

 傷が酷くなっていくポロ、脱水症状により膿む可能性が高いタンケ。そしてホセフォの弟の携帯を調べることで長官の裏切りを知るゲレロ。
 様々な問題を抱えながらも検問所へと向かう道中で密売組織の敷地を見つけるコウモリ隊。

 心許ない残りの弾薬と仲間の負傷、治療と武器の確保のために彼らは“寄り道”をすることを決断する。

 しかし、その一方でホセフォ達は血の跡を辿り、確実にコウモリ隊へと迫っているのであった…

どうしようもない現実の中でも正しさを貫くこと

 この映画の主役であるコウモリ隊の“信念”の描かれ方。これは自分の中ではグサグサと刺さるくらいに感動出来る物でした。

 この映画の製作、そして舞台はメキシコ。

 映画の描かれ方がどれほどの現実感の伴うものかは日本にいる自分達にははっきりと理解出来る物ではありませんが、
 それでも自分達より麻薬、暴力、汚職、こういったものが遥かに近くに隣にあるのは間違いない世界なのでしょう。

 そしてそれこそニュースなどの又聞きでしかなく申し訳ありませんが、
 正しさを主張する政治家の台頭に対しては妨害や殺害などが行われたこともたまに耳にするような世界です。

 そんなある種傍観や諦めを強要するような世界の中だからこそなのか、
 この映画の中で正しく力を使おうとするコウモリ隊の尊さというものがすごい胸を打つんですよね。

 この映画の話自体は本当に良くある構成なんですよ。

 汚職や巨大組織に対して対抗した数人がそいつらな狙われて生き残ることを目指して撤退戦をする。こんなのはそんなに珍しいものではありません。

 でもメキシコという舞台、そしてコウモリ隊の善人っぷりがこのよくある構成を輝かせているわけですよ。

 この傍観や諦めが強要される世界でどこまで行っても彼らは善人として、そして力を持った軍人として正しくあり続けるんですよね。

 こういう映画だとゲスい仲間がいたりするもんですが、そんなのするいなく彼らは高潔。
 仲間は見捨てず、民間人は絶対に守り抜こうして、彼女達に気遣いだって見せる最高の軍人達です。

 そして彼らは正しいからこそ困難に向き合い挑まざるを得なくなり、そして正しさのために戦い散ってしまう仲間も出てくる。
 この正しい人達散っていく哀しさと虚しさがこの映画の味であり、そして絶対に忘れてはいけない部分でしょう。

 最後の籠城戦は死亡フラグを立てる仲間が出てくるんですが、この頃には本当にやめてくれよ…生き残ってくれよぅ…って自分は本当に懇願してしまいましたからね。

 そして最後まで彼等は彼等らしくてですね。

 仲間達が散ったことへの復讐心だってあるでしょうに、それでも正しさを持っているからこそ、密売組織のボスであるホセフォを法の裁きに委ねるんですよ。

 どれだけ葛藤があろうとも最後まで正しさで耐え切るのがすごい。最後まで正しさを一貫したからこその感動と虚しさがあると思うんです。

“悪が勝つために唯一必要なのは善人が何もしないこと”

 この最後のテロップの通りの人間であるコウモリ隊。

 こんな世界で正義を心から信じ切れているわけでもないでしょう。
 世の中を簡単に変えられるとも思ってもいないでしょう。
 でもそんな現実を理解しながらもも正しさを貫くことの価値もまた確実に知っている、だからこそこの映画の彼らの戦いは尊いのです。

 「こんなことがあると時々軍隊を辞めたくなる、そして続けたくもなる」

 これを言える人間がどれほどいるのか、久しぶりに本当の意味で格好いい映画の軍人を見た気がします。

英雄ではなく現実のアクション

 アクション映画なので当然アクションは大事。

 この映画のアクションはアクション映画比で現実感のあるアクションです。
 でも特殊部隊だからこその練度を感じられるアクションでもあります。

 冒頭のアクションだけでヒーロー的な動きではないのものの急な襲撃にも連携をしながら冷静に対処して、武器がないから回り込んでナイフなどで敵を始末して武器を奪っての火力確保。
 更には定期的な応急処置でも彼らの練度というものが一瞬で分かるようにしている。

 動きはリアルな重さと速さなんですけど、それを理解した構図や人物の魅せ方というものが上手い印象でしたね。

こんなんを冒頭の2分で見せてくれるんだぜ!

 後、これはメキシコだからと言うべきか、敵の練度も中々の物でどう見ても無能そうなホセフォの弟ですら死に際にコウモリ隊の車をパンクさせて移動手段を無くす、そして手榴弾を投げて最後まで抵抗したりと
 メキシコの環境故の雑魚ポジでもこれくらいの最低基準の練度を見せつけてくるというのも中々に上手い情報の提示でした。

 合間合間でも当然見せ場はあり、洞穴を活かした戦闘は素直に良かったですね。

 洞穴に3人が先に入り、残りの2人で奇襲してそこに追い込むとか数に劣りながらも勝てる戦いをするのは特殊部隊としての練度が見えて惚れ惚れしてしまいます。

 そして感極まる物しか出てこない最後の籠城戦。

 ここでは絶望感かなりある戦闘なんですが、それでもコウモリ隊の冷静さと意地が光ってたまんない。
 多勢に無勢をいいとこなんですが、それでも民間人を励まし、絶対に脱出させると語るゲレロとかもうね、もうねぇ!

 M2機関銃とか絶望感ある物出されても、それでは誰も死なないのがまたコウモリ隊の実力の魅せ方として素晴らしいんですよ。
 機関銃な弾切れになったのを全員が一斉に察知して反撃に転じるのとか、すげえいいなって思いますもん。

 そんな派手な銃撃戦の締めが意地の格闘戦なのもいいんですよ。

 ここの格闘戦は今までと比較してももっさり。本当にもっさり。でもそれがいいんです!

 仲間を失い多勢に無勢を乗り切った満身創痍の格闘戦。このもっさりこそが彼らの正しさと耐え切った証とも言えるアクションなんですから。

まとめ

 自分はこの映画、滅茶苦茶好きです。

 良くある構成のアクション映画なのに舞台や登場人物の味付けだけでここまで光輝く物になるのかと、感嘆してしまう。

 こんなよくある話で予測も可能な話なのに、後半頼むからみんな死なないで欲しいと願い、
 死に直面した時には胸を打たれ涙してしまったのはそれだけのめり込めた証と言えるでしょう。

 ネトフリオリジナルは高級なB級感を求めている身なのですが、これもそうだと言えば間違いなくそう。
 でもそれだけでは済まない感想が自分の中には芽生えたのも間違いない映画でした。

 短くもしっかりとまとまって見やすいので個人的にはかなりオススメです!


他の映画感想

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始まったアマプラ広告君 実際にどれくらいの頻度なのか少し検証https://crow-diary.com/amazon-prime-video-advertisement-frequency/https://crow-diary.com/amazon-prime-video-advertisement-frequency/#respondFri, 11 Apr 2025 06:05:19 +0000https://crow-diary.com/?p=18898

最初に纏めて広告出して、途中で挟まないようにしてほしいかな。  4月8日、以前からの予告通りにプライムビデオ視聴中に広告が入るようになりました。  普段から利用している人には事情は理解出来てもどう足掻いても改悪なのは確か ... ]]>

最初に纏めて広告出して、
途中で挟まないようにしてほしいかな。

 4月8日、以前からの予告通りにプライムビデオ視聴中に広告が入るようになりました。

 普段から利用している人には事情は理解出来てもどう足掻いても改悪なのは確かな今回の施策。

 とはいえ実情を調べずに批判だけするのも建設的ではないため、実際にどれくらい挟まるのかを少し検証してみました。

検証方法

 というわけで多くの人が視聴していると勝手に思っているアニメと映画で検証。

 アニメは適当に3話ほど、映画は1時間半の物を2本、垂れ流してみました。

試行回数が少ない?どうやっても時間は有限だから仕方ないんだ。

 何であくまで参考記録です。

アニメ

 まずはアニメ3話分ですが、まずどれも冒頭に広告が出ました。まぁこれに関しては予想の範疇ですし、多くの人が飲み込める広告でしょう。

 肝心なのは本編の方でどれくらい挟まるかですが、アニメ3話中で1話は広告が1本挟まり、残りの2話では広告が2本途中で差し込まれました。

 これを見ても分かる通り、頻度や回数にあまり法則性は無さそう。

 自分的にはアニメならこれくらいは許容範囲ですね。

映画

 続いては映画。

 こちらは1時間半程のものを2本垂れ流ししましたが、冒頭に関しては1本は広告が流れず、もう1本は広告が流れました。

これを見てもやはり法則性がない。

 本篇中に差し込まれた広告は1本は2回、もう1本は1回とあまりアニメとは変わらない感じ、時間だけでいうなら映画の方が時間的なお得感があるかもしれない。(これも人によっては多分回数増えてそう)

 ただ挟み込まれたタイミングは結構酷め。

 今回で検証に使った映画、これがあったら嫌だなぁという懸念も考えて敢えてミュージカル映画2本にしたのですが、その内1本で懸念が当たってしまいました。

 えぇ、見事にミュージカルシーン真っ最中に広告が挟み込まれましたよっと。

 垂れ流しくらいの関心だったから良かったものの、本気で見ようと思っている映画だったら、このタイミングで挟まれるのは間違いなく冷めるでしょうね。

まとめ

 検証回数は少ないですが、それでも分かったこととして広告が流れる回数はある程度ランダム、そして挟まれるシーンでの配慮は特になく、盛り上がるシーンでも遠慮なく流れることがあるってことですね。

 広告全体で流れる時間自体はそこまで長くはないです。ただ途中に挟まるのはやはりノイズですね。

 個人的には途中に挟まって合計時間2分よりも、冒頭で5分広告流されてもその後は流れないという方が好ましいですかね。

 とはいっても現状はこれに従うしかなし。

 嫌なら月額追加料金390円を払う、もしくはブロックするかでしょうね。

 まぁあくまでこれは最初に言った通り試行回数の少ない検証なので、あくまで参考程度と考えてください。


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【映画】キリング・フィールズ 失踪地帯 感想 湿度の高い“土地”を描いた映画https://crow-diary.com/texas-killing-fields-2011-american-movie-review/https://crow-diary.com/texas-killing-fields-2011-american-movie-review/#respondThu, 10 Apr 2025 18:00:29 +0000https://crow-diary.com/?p=18857

犯罪多発地域。そこで起きている当たり前になってしまっている出来事や認識。それらをドライに土地だけに焦点を当てて描いている映画でした。  今回はアマプラにて鑑賞の映画、キリング・フィールズ 失踪地帯(原題:TEXAS KI ... ]]>

© 2011 Gideon Productions,LLC All Rights Reserved.

製作国

アメリカ

監督
アミ・カナーン・マン
脚本
ドナルド・F・フェラローネ
出演者
サム・ワーシントン
ジェフリー・ディーン・モーガン
ジェシカ・チャステイン
クロエ・グレース・モレッツ
ジェイソン・クラーク
アナベス・ギッシュ
シェリル・リー
スティーヴン・グレアム
ジェームズ・ヘバート

犯罪多発地域。
そこで起きている当たり前になってしまっている出来事や認識。
それらをドライに土地だけに焦点を当てて描いている映画でした。

 今回はアマプラにて鑑賞の映画、キリング・フィールズ 失踪地帯(原題:TEXAS KILLING FIELDS)の感想。

 正直人物描写はそれっぽいだけで浅め、サスペンスとしてはあまりにもそのまんますぎる展開と映画として楽しいかと言われるとまぁまぁ疑問はあり。

© 2011 Gideon Productions,LLC All Rights Reserved.

 ただ犯罪多発地域という土地を題材にした映画と見ると、この描き方でも考える物がある映画にはなっているかなという内容でした。

 ジャンルはサスペンスで上映時間は約106分となります。

© 2011 Gideon Productions,LLC All Rights Reserved.

あらすじ

サム・ワーシントン、クロエ・グレース・モレッツ競演! 巨匠マイケル・マンの実娘がメガホンをとったクライム・サスペンス。
巨匠マイケル・マンの実娘アミ・カナーン・マンが、『モールス』のクロエ・グレース・モレッツ、『アバター』のサム・ワーシントンを競演に迎えて放つ本格派クライム・サスペンス。実在する米・テキサスの犯罪多発地帯で、謎の失踪を遂げた少女を救うべく、殺人課の刑事たちが捜査に奔走する。ハリケーン“カトリーナ”が直撃した後のニューオーリンズで撮影した、荒廃した風景にも注目。
テキサス州の警察に在籍する刑事・マイクは、NYから転属してきたブライアンと共に、連続少女失踪事件の捜査にあたっていた。そんな矢先、ブライアンが気にかけていた孤独な少女アンが、“殺人地帯”と呼ばれる犯罪多発地域で失踪してしまう。アンが事件に巻き込まれたと直感したブライアンに引っ張られるように、マイクも次第にアンの失踪事件に深く入り込んでいく。

Rakuten TVより
マイシアターD.D. 公式チャンネル

この映画を配信している配信サービス

※2025年4月11日時点

登場人物

マイク・サウンダー

刑事

相棒のブライアンと共に少女殺害事件の犯人を追う

ブライアン・ヘイ

NYからやってきてマイクと組んだ刑事

アンと交流があり、彼女を気にかけている

パム・ストール

マイク、ブライアンとは別の管轄を担当する刑事

少女の行方不明事件を追う

マイクとは元夫婦

アン

保護監察中の少女

母ルーシーの乱れた生活などで追い込まれており、ブライアンと交流する

レボン・シャルマース

前科者の男で殺害された少女と関与があったことから容疑者となる

ルール・バリー

タトゥーを入れた男

少女殺害の容疑者

ライノ

アンの母ルーシーの家に入り浸っている男

アンの兄とも交流がある

マイクから怪しい男として目をつけられる

実在の問題地域を元に描かれるサスペンス

 テキサス州で起きている実在するらしい犯罪多発地域で起きる2つの箇所で起きた少女達の行方不明、そして死亡した事件を巡るサスペンス映画。

© 2011 Gideon Productions,LLC All Rights Reserved.

 かなり淡白かつ、人の背景は分かりにくいし、事態では突発的なことが起きる映画なんですが、画面から滲み出てくる雰囲気だけは確かな良さがありました。

 突っ込みどころもかなり多いのですが、まぁこの雰囲気が好きになれるかどうか、雰囲気の方を好きになれたとしてもこの突発的なことが多い話が好みかどうか、
 賛否としては間違いなく否よりが多いことにになるのは間違いない映画でしたね。

湿度が高い土地と雰囲気

 この映画、サスペンスにしては話的には上で書いた通りに突発的なことが起きるし、伏線も碌に無いし、あるがままをただ見るだけで成り立ってしまう内容です。

 ただ話はこんなんでも作品の中に漂い続けるジメッとした雰囲気だけは本物かなと擁護したい部分だったりします。

 登場人物も田舎の雰囲気もそして現場も全てジメッとしている。
 湿地帯で起きる事件だからというのでは済まされない湿度です。

 田舎独特の排他的な雰囲気、その雰囲気から生まれたような荒れた家庭、その結果として少女達が誘拐、殺害されてしまう事件が起きているような、
 そんな閉塞感のある湿度が話の中で起きている事態全てに繋がって常に巡り続けているような感覚があるんですよね。

 登場人物達も訳ありそうな離婚歴を持つ刑事マイク、都会からわざわざここにやってきて刑事をしているブライアン。

© 2011 Gideon Productions,LLC All Rights Reserved.

 この主要な2人すら曰くありげな過去がありそうなのに語られず、なのにその過去を動機として動いたり感情をぶつけているこの映画こんな描写がとにかく多いんですよね。
 主要人物ですら、この煮え切らない情報なのがまた湿度が高いと言いますか、何かこの映画の話の方針を打ち出しているように思えます。

常に苛立っているから梅雨の時期に過ごしているかのような湿度。

 で、序盤から登場して後半のキーパーソンになる少女のアンですら、ほぼ舞台装置扱い。

© 2011 Gideon Productions,LLC All Rights Reserved.

 全体的にこれ何だったの?と思うよう人物描写が多くやはり人にはあまり興味がなさそうな映画なんですよ。

 主要人物ですらこれなんで、何というか、人よりも土地を映し出している映画なんですよね。
 その土地の風土や空気、それに染まること、それがこの映画で起きている事件、そして実際に現実で起きている事件を表しているような…

 こういった部分からも自分がこの映画を一言で表すなら湿度だなと言い切れますね。

現実の根の深さが何となく分かる後半

 この映画のメインとなる事件。

 マイクとブライアンの管轄で起きた少女の殺害事件、パムの管轄で起きた行方不明(誘拐)事件。

 この2つを同時に調べていき、誰が犯人なのか捜査する訳なんですが、蓋を開けてみると、作中で提示された怪しい人物は全員犯人でした。

© 2011 Gideon Productions,LLC All Rights Reserved.

 殺害された少女と関与していたレボンとルールは本当に誘拐していました。
 アンの家で出会いマイクが怪しんだライノは本当に少女を殺害していましたって話ですからね。

まぁ、強いて言えばアンの兄貴の関与がサプライズ?

 そして2つの事件は完全に別々の話で後半になって1つの出来事として収束するというわけでもない。

 サスペンス映画としては推理も推測もあったもんじゃないこのオチ。
 ですが、この映画が土地を描いていると考えるとこれはこれでありじゃないかなとも思えるようにはなりました。

 完全に別々の事件、なのに狙われたのは共通して少女達だった。ここの根の深さを感じる部分を問題にしたいのだろうなと。

 主要人物ですら人物描写を明らかにしない映画ですが、それは今回の両方の事件、両方の容疑者も同様なんです。
 彼らがそれを行った動機は一切語られない、ただ行ったことに対して逮捕やバレて仲間割れが起きるだけで終わる。

 動機が描かれないということは深い理由もなく当たり前の出来事ということ、当たり前になっているのはそれだけ頻発しているということ。

 人を深く描かないことでこの事実が浮き彫りになっているように見える。
 こういった犯罪多発地域の根の深い現実を映しているんじゃないかなと。

 この映画は実際の出来事を元にした映画ではありますが、
 明確な1つの事件という枠組みが小さく人が見える題材ではなく、犯罪多発地域という大きな枠組みで土地を題材に描いていることからも、その地域で当たり前になってしまっているのでは?という部分を問題にして描いていることが分かるような気がします。

 とにかく人に興味のない映画ですが、刑事でも容疑者でも誰かしらにスポットを当てて掘り下げてしまうと、その人の英雄譚や悲劇、狂気の話になってしまうので、
 “その土地の当たり前”を描く上ではこの人への興味のなさは必要ではあったのかなと納得はしましたね。

あんまり考えていないだけな可能性もある。

まとめ

 ジメッとした雰囲気はいいものの、その湿度に合わせてか物凄く面白くなりそうな雰囲気のままで進んで終わってしまう煮え切らない映画でもありましたね。

 自分の場合は色々と頭の中で納得する材料を揃えて考察なり推察なりで煮え切らなさもこういう映画なんだろうと納得させましたが、その上で評価はあまり高くはないです。

 現実に起きていることを伝えるという意味では意義はあったのでしょうし、土地の問題を描くために人に興味を持たないドライさの意図も分かります。

 でもそれが映画として面白いと感じるかはまた別の話ですからね。

 分かりやすい面白さを足すのはこの映画の場合だとそれはそれで台無しでしょうけど、ここまでドライなのも問題。

 感情移入先の人物がいないのでイマイチ乗り切れないし、その上単独行動して出し抜かれたりなどおバカな一面も頻発するため、冷めてしまう部分が多め。

 やっぱ自分は登場人物の誰かを通して物語を見たいタイプなんだなぁと思いましたね。
 やっていること、やり方はいいんですけど物語の映し方においては自分には合わない映画でした。


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【シャニソン】楽しかったぜ初めてのエイプリルフール… その思い出をここに遺す…【65枚】https://crow-diary.com/the-idolmster-shiny-colors-song-for-prism-april-fools-screenshot-65/https://crow-diary.com/the-idolmster-shiny-colors-song-for-prism-april-fools-screenshot-65/#respondTue, 08 Apr 2025 15:25:02 +0000https://crow-diary.com/?p=18778

 シャニソンのエイプリルフール終わってしまいましたね…  始めたばかりでまだ衣装も少なく、撮影対象も思いっきり好みだけに寄せていますが、 この期間にスクショ、スクショを繰り返したので独断と偏見で撮影した画像を前回の通りに ... ]]>

 シャニソンのエイプリルフール終わってしまいましたね…

 始めたばかりでまだ衣装も少なく、撮影対象も思いっきり好みだけに寄せていますが、
 この期間にスクショ、スクショを繰り返したので独断と偏見で撮影した画像を前回の通りにここを己のための保管庫として存分に利用させてもらいます。

【シャニソン】スクショが止まらない!

 一応、容量的なことを考えて閉じておいています。

 いやー、とても楽しい期間でした。

 衣装も足りないし、着せ替え解放も少ない。
 そんな始めたばかりの自分にとっては衣装交換だけでも楽しかったのですが、そこに更に髪色や目の色、そしてARまでついたので1週間じゃ全く時間が足りなかったですね。

 今回のエイプリルフールで限定解放されたこれらの機能、課金解放でもいいのでこのまま恒常化することを祈りたい…!

 ついでに髪型と髪色の変更を別にして、目の色と眼鏡なども別にして、ARでは表情指定可能になってくれたら更に嬉しいですね。


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【映画】キャッシュトラック 感想 ステイサム映画としては1つ1つ少しずつ物足りないhttps://crow-diary.com/wrath-of-man-2021-american-movie-review/https://crow-diary.com/wrath-of-man-2021-american-movie-review/#respondTue, 08 Apr 2025 04:54:51 +0000https://crow-diary.com/?p=18729

映画としては悪くないかもしれないけど、ステイサム映画としては物足りない!特に溜めに溜めたのに最後のカタルシスが足りない!  今回はアマプラにて観賞の映画、キャッシュトラック(原題:Wrath of Man)の感想。  こ ... ]]>

(C)2021 MIRAMAX DISTRIBUTION SERVICES, LLC ALL RIGHTS RESERVED.

製作国

アメリカ

監督
ガイ・リッチー
脚本
ガイ・リッチー
出演者
ジェイソン・ステイサム
スコット・イーストウッド
ホルト・マッキャラニー
ジェフリー・ドノヴァン
ニアフ・アルガー
ラズ・アロンソ
ジョシュ・ハートネット
アレックス・ファーンズ
バブス・オルサンモクン
リン・レネー

映画としては悪くないかもしれないけど、
ステイサム映画としては物足りない!
特に溜めに溜めたのに

最後のカタルシスが足りない!

 今回はアマプラにて観賞の映画、キャッシュトラック(原題:Wrath of Man)の感想。

 この映画、自分としてはステイサム映画として期待して観賞したのですが、実際にはかなり真面目な作りでステイサムの暴れっぷりもそれに従う内容。

 過去のある男、その目的、それが明らかになる時の暴れ…が足りないというカタルシスを得るより微妙にフラストレーションが溜まってしまう映画でした。

 ジャンルはアクションで上映時間は約119分となります。

(C)2021 MIRAMAX DISTRIBUTION SERVICES, LLC ALL RIGHTS RESERVED.

あらすじ

英雄〈ヒーロー〉か悪党〈ヒール〉か
LAにある現金輸送専門の警備会社フォーティコ・セキュリティ社。そこに雇われた新人パトリック・ヒル、通称“H”。試験をぎりぎりで合格した彼は周りから特に気に留められる存在ではなかった。しかし、彼の乗ったトラックが強盗に襲われた時、驚くほど高い戦闘スキルでそれを阻止する。彼は一体何者なのか?周囲が疑心暗鬼に陥る中、全米で最も現金が動く日“ブラック・フライデー”にとある強奪計画が進行していた…。

Rakuten TVより
Klockworx VOD

この映画を配信している配信サービス

※2025年4月8日時点

登場人物

パトリック・ヒル

とある目的を持って警備会社“フォーティコ・セキュリティ”に就職した男

以前は別の警備会社で倒産したオレンジ・デルタ警備で働いていた

仕事ではHと呼ばれるようになる

ジャン

元軍人の男

仲間達と共に強盗を現金輸送車などを襲う強盗を繰り返している

ブレット

Hの上司

ダギー

現金輸送車が強盗に襲われた事件で偶然立ち会ってしまい殺害された少年

ざっくり概要

 ここからはいつも通りに途中までのざっくりとした内容を

 発端は現金輸送車の強盗。

 その事件で警備員2名とその場に立ち会ってしまった少年が殺害された。

 “フォーティコ・セキュリティ”

 パトリックは現金輸送車の武装警備が専門のこの会社に以前勤めていた警備会社の倒産したため面接に来ていた。

 常に1500万ドル近くの金に関わり悪党に狙われやすい仕事。
 彼は訓練の結果ギリギリの成績でこの会社に就職することに成功する。

 上司のブレットによりHと名付けられた彼は同僚のデイヴと共に初仕事に向かう。

 殺された警備員の話をデイヴから聞きながら無事初めての仕事を終え、同僚達とバーで飲むH。
 デイヴの以前の相棒だったジョンに絡まれるも軽くいなしてその日を終えるのだった。

 翌日1万ドルを運ぶ次の仕事につくHとデイヴだったが、なかなかブレットからの連絡がつかないことを訝しむ。
 するとその瞬間、ブレットの悲鳴が通信から聞こえ、ブレットを生かしたければ指示に従えという要求の声が聞こえてくる。

 規則に従いブレットを見捨てようとするデイヴだったが、Hは彼を見捨てられないとして要求の通りに動こうとする。

 覚悟を決めたデイヴと共に要求に従い、誘導された地点まで運転をする2人。

 要求された場所につくとその場にはブレットがいたが、同時に周囲を囲まれてしまう。

 金をトラックの荷台に積むように催促され、従うHだったが、その隙を見て1人を射殺する。
 更にその後も冷静に他の強盗も1人1人始末していくH。

 そして追い詰めた最後の男に黒幕は誰だ?と問いただす。
 だが求めた答えを出さなかった男をHは冷酷に始末するのであった。

 FBIからの聴取を受けるH。

 訓練の結果とはかけ離れた実戦での射撃能力、6人相手に無事だったこと、これらを見て少しの疑いをかけられる。

 その後今回の事件が以前発生した強盗事件と関連があるかを確認するために当時の事件の映像を見せられる。

 そこに映っていた1人の男を食い入るように確認するHだったが、FBIには関連はないと答えるのだった。

 帰宅したHは謎の女性から頼んでいた従業員の資料、同僚の女性デイナの家族の写真、そしてダグラス・ハーグリーヴズという男性の検視報告書を受け取り確認する。

 3ヶ月後。

 再び輸送中に襲撃されるH達。
 だが強盗達はHの顔を見た途端になぜか逃走していってしまう。

 その夜デイナに飲みに誘われるH。彼女の家で寝たHはデイナを起こしてとあることを問いただそうとする。

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 デイナの家にあった謎の札束。この出所について躊躇なく威嚇射撃をして聞き出そうとするH。

 デイナはそれは受け取りの担当者が見逃した物を拾い、仲間もおらず単独でやったことと説明をする。
 それを聞いたHは彼女の家族の写真を見せながら嘘を言っていたら自分が本気だと教えてやると語り彼女の家を後にするのであった。

 5ヶ月前。

 ギャングのボスであるHことメイスは息子のダギーと久しぶりの団欒を楽しんでいた。

 しかし、その途中部下が仕事をしくじり、メイスに輸送車の方向先だけでも確認してくれた頼まれる。
 休暇中のために渋るメイスだったが、この仕事にかかった準備期間を考えて仕方なく引き受ける。

 ダギーを車に残し、輸送車の方向を確認するメイス。
 だがその時現金輸送車が襲撃され、その場にいた警備員、そしてダギーが目の前で射殺されてしまう。

 激昂して射殺した男の元に向かうメイスだったが、彼もまた撃たれ意識を失ってしまうのだった。

 3週間後。

 病院で意識を取り戻したメイスはダギーの死を思い出し、そして妻からは息子を殺したも責められ別れることに。

 復讐のためにダギーを殺した男を探すメイス。

 FBIの繋がりを使い、リストを入手した彼は20年かから仕事を2週間で終わらせてやると伝える。
 それに対してリストの連中は好きにしていいがあまり長い間目を逸らせてはやれないと答えられる。

 部下を使いリストの連中を“徹底的に”調べるメイス。
 その過程で他の危険な連中を始末するが、一向にあの男を見つけることが出来なかった。

 苛烈になっていく状況に部下のマイクからこのままではいつかこっちがやられることになることから、もうやめようと打診される。
 それを表向き受け入れたメイスはとある行動に移る。

 彼は名をパトリック・ヒルに変え偽装し、襲われた現金輸送車のある“フォーティコ・セキュリティ”に就職する形で潜り込んだ。
 そして事件当時に内部の手引きがあったことを疑い、Hとして会社全員の身元を調べていたのであった。

 野獣ども

 元兵士だけでつるんでいた男達。
 彼らは戦場で感じたスリル、そして金を求めて強盗を繰り返していた。

 そしてそのエスカレートしていく行動は内部の手引きという手段を手に入れ、現金輸送車の襲撃へと変わっていく。

 6週間かけた準備。

 その決行日に襲った現金輸送車。そこにいたのはメイスとダギーが乗っていた車。

 男達の1人、ジャンはその強盗で警備員に反撃された際に勢いで警備員を射殺してしまう。そして自分の顔を目撃したダギーをも…

 メイスことHの復讐、強盗を繰り返す元兵士達の中にいる復讐相手ジャン。

 彼らの強盗計画が再び動き始める時、復讐がついに交わるのであった…

同じ出来事を異なる視点で迫るストーリー

 ステイサム映画なのでアクションバリバリ!…ではなく、1つの出来事を巡って異なる視点でそれを映し出し最後に収束するというサスペンス重視のストーリー。

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 ステイサム演じるただ者ではない過去がありそうな男が何かを目的に突き進み。

 過去と現在の時系列を行き来し、異なる人物の視点を移動させていき、その男の素性や目的が明らかになっていくというものですね。

 何でまぁ、俳優面で期待するよりはお上品にまとまっている内容となっていました。

ステイサムにしては大人しい

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 ステイサム映画には基本的に2種類あります。

 その作品の雰囲気や作法に従わずにぶっ壊して大暴れする映画と雰囲気や作法に従ってその枠の中で暴れる映画。

 今作はサスペンス重視の作風なので後者の方となり、
 アクション的な大暴れよりは自身の経歴や立場を使ったスマートな暴れ方をするステイサム映画となっていました。

 勿体ぶらずに中盤で明かされ、別に隠すほどの真実でもないためさっさと正体を言ってしまいますが、今作のステイサム演じるHはギャングのボスです。

 そのため暴れ方もその作法に合わせて部下を使って相手を追い詰め、情報がなかったら通りすがり様に銃で始末したり、
 FBIの1人と繋がっているため正体がバレても取引で自由に動いたり、
 いざ潜んでいる職場で強盗が起きても顔見せるだけで退散させたりと、直接的な暴力ではない大暴れをする傾向が強いわけですね。

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 それだけでは流石に間が持たないし、期待にも応えられないと思っているからか、ちゃんと序盤で場数の違いを感じさせる冷酷な銃撃戦も行ったりはしますが、それでもやはりアクションとしては大人しめですね。

 ただギャングのボスとしては他のギャングよりはマシっぽくは見せており、目的となる相手を追い詰める過程でその目的のために犠牲になる哀れな連中もいるわけですが、
 情報を与えた人間や自分らよりもクズなギャングの犠牲者には恩赦を与えるという、あくまでギャング比ではありますが、こういうところで主役らしい部分を強調はしていました。

 そしてそんなステイサムの標的となった更に哀れな連中もやはり作品の作法に合わせてか行動はスマートな連中。

 金とスリル目当ての強盗をやっているような連中ですが元軍人なだけあり、基本は殺人をせず、
 メインとなり、そして因縁が繋がる現金輸送車の強盗も自然と道を塞ぎクレーンを使って車体後方を持ち上げるなど無駄はない。

 こちらも明確に練度を感じさせるような存在に仕上げてはいましたが、
 1人のトラブルによって復讐心を芽生えさせてしまうところは練度が高い者同士ではあるものの主役とそうじゃない立場の違いではあるんでしょうね。

 そんなただでさえ作風と主役達の練度からスマートな上に作品が同じ時間軸を別の視点で繰り返すため、
 本当の意味で盛り上がりどころは映画残り1/3に差し掛かったあたりの終盤まで我慢。

 作中最大規模の強盗、現金が集められて車庫を襲撃する強盗計画。

 ここも強盗側が防弾などの装備は完璧、内通者もおり、計画も万全なため、銃弾を防ぎながら着実に目的に近づいていく駆け引きは見応え十分。

 警官の動きも予測するため強盗が始まってからも溜めは長い、
 ですがここまで溜めたからこそステイサム演じるHの戦闘には待ってました感が生まれるのも確かでした。

 これはステイサムという俳優への期待値を十分に活かした構成ではありました。
 ステイサム以外でここまで観客に我慢を求め、実際に我慢することの出来る俳優はそうはいないでしょうからね。

 ま、結局ここまで溜めすぎな上にその戦闘やアクションが溜めに対してカタルシスがあるほどではなく物足りないのは大問題だったんですけどね。

 総じてステイサム映画としては大人しめなアクション。
 個人的には我慢させられた分の派手派手な大暴れは欲しかったところですね。

復讐の結末は…カタルシスには足りないかも?

 この映画の目的は復讐。

 過去や視点をシャッフルして収束していく真実はHの息子が殺されたこと、そしてその犯人の存在なわけですが、
 ちょっと話を構成の方にずらしてしまいますがこれあんまりシャッフルした意味は無かったですね。

 ただその視点や時系列で明らかになることが明らかになるだけで、
 別に交わった時に実は細かい描写の中に隠された出来事が結びついて新しい真実が明らかになるとかもなかったので。

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 この手の物には交わった時に膝を打つような何かが欲しいのですが、そこは正直欠けていましたね。
 とはいえ目的が明らかになるまでの期待感や何者か分からない緊張感には繋がったので無駄とまでは言いませんが。

 話を戻してHの復讐の結末。

 強盗側のスマートな計画を1人混じるクズのジャンのせいでHの息子ダギーを射殺して怒りを買い、本編に繋がる訳なんですけど、
 本音を言うとこのメインとなる復讐に自分はあんまりノレなかったりしました。

 理由としてはシンプルでHは当然ダギーを愛しているのですが、観客視点だと別に思い入れがそこまで無いと言いますか…

 ダギーとの親子の交流が殺されるまでの僅かな時間なので全然悲しくもない、ただ射殺されたなぁという事実しかないんですよね。

 何と言いますか幼馴染ヒロイン的な存在というか主人公からすると長年過ごした相手ですけど、観客視点だと初めて出会った相手なので感情にギャップがあるんですよ。

 そもそもの話を言うならHがギャングのボスっていうのもあって、息子の復讐のために動いてはいてもこいつは多分もっと多くの相手に復讐したいと思われているんだろうなぁと考えてしまうのも良くない部分かもしれません。

 わざわざストーリー構成的に溜めに溜めてカタルシスを得るための復讐の動機なんですから、ここはもう少し積み重ねて欲しかった部分ではあります。

 個人的にはどうせなら同僚との交流がもう少しあり彼らに思い入れが生まれそこからの協力や信頼があれば好みだったんですけどね。

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 観客目線だと曲がりなりにもわずかな交流が描写された同僚達の方がまだ思い入れあるんですよ。
 だからこの部分を強化してある程度の交流があれば、後半無惨にもあっさりと殺されていく同僚達の仇というカタルシスがついでに生まれますし、
 ただ過去を見せられるだけの息子の死よりも、現在生きている同僚達を使って観客へのカタルシスを産んで欲しかった。

 ストーリーとしては復讐の動機というのはHは息子の方でいいんですが、
 観客的には同僚という存在を用意した方が後半の感情の持って行きどころは分かりやすかったかなぁと。

 作中でも正直同僚達を殺したブレットの方がジャンよりも微妙にむかつくんですよ。
 なのにそのブレットを殺すのが金目的で裏切ったジャンなので、そもそも微妙に観客の感情の行方を分かっていないような気もしますね。

 ただ潜り込んでもサイコパスと思われて同僚からの信頼も得られない、襲撃が起きても息子を始めとして作中で交流した人物を誰も守らない、そして何もかも残らない結末。
 この結末こそがいくらでも恨みを買っている所詮ギャングの男の復讐の末路としては正しいのかもしれません。

 でも溜めに溜めた復讐者のラストとして見るとこちらの感情面でのカタルシスはかなり足りない映画でしたね。

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でも息子の撃たれた臓器を全て意趣返しする復讐は好き。

まとめ

 溜めに対しての物足りなさが目立つ映画でしたね。

 完全にこちらの勝手な期待でしかないんですけど、ステイサム使って復讐するなら少しの荒唐無稽さは欲しかった。

 1つの映画として完成度が低いわけではないんですけどね。
 自分が求めるのはステイサムが出てると求めるのはステイサム映画ですから。

 でも今回は振るわなかったものの、あんだけ溜めてもステイサムだからきっと挽回してくれるだろうと我慢させられることの出来るのはやはり俳優としての実績や力の成せる技だなぁと。

 これが確認できたのがもしかしたら1番大きい映画だったのかもしれません。


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【映画】啓示 感想 信仰により歪む認知【Netflix】https://crow-diary.com/revelations-2025-netflix-movie-review/https://crow-diary.com/revelations-2025-netflix-movie-review/#respondFri, 04 Apr 2025 15:07:22 +0000https://crow-diary.com/?p=18505

 深い信仰により偶然は奇跡、苦難は試練、気付きは啓示へと、後悔は呪い、そして使命は狂気にと。 信仰により認知が歪み、反転していく、秀逸なサスペンス映画でした。  今回はネトフリオリジナルの韓国映画、啓示(原題:계시록/R ... ]]>

製作国

韓国

監督
ヨン・サンホ
脚本
ヨン・サンホ
チェ・ギュソク
原作
ヨン・サンホ
チェ・ギュソク
出演者
リュ・ジュンヨル
シン・ヒョンビン

 深い信仰により偶然は奇跡、苦難は試練、気付きは啓示へと、後悔は呪い、そして使命は狂気にと。
 信仰により認知が歪み、反転していく、秀逸なサスペンス映画でした。

 今回はネトフリオリジナルの韓国映画、啓示(原題:계시록/Revelations)の感想。

 信仰、認知、犯罪者の管理などどこか日本とは縁遠い物が描かれた映画ではありましたが、そこはエグみには定評のある韓国映画。

 人間の怖さをベースに描いた事でグッと引き込む映画に仕上がっておりましたよ。

 ジャンルはサスペンスで上映時間は約122分となります。

あらすじ

神の啓示を信じる牧師と過去の幻影に苦しむ刑事。失踪事件の背後に潜む真実を追うふたりはやがて、内なる悪と対峙(たいじ)することになる。

Netflixより
Netflix Japan

この映画を配信している配信サービス

※2025年4月5日時点

登場人物

ソン・ミンチャン

“使命の国教会”の牧師

敬虔な信者だったが、妻の不倫、クォンとの出会い、これらにより起きた出来事で“神の啓示”を受ける

イ・ヨニ

凶悪犯罪課強力4班に転勤した警部補

妹を自殺により失っている

その原因である彼女を監禁暴行した性犯罪者であるクォンを尾行している

罪悪感から妹の幻影を見る

クォン・ヤンレ

元受刑者

ヨニの妹であるヨンジュを長くに渡り監禁暴行し逮捕された

過去に凄惨な虐待を受けており、その事実が裁判で明らかになった結果世間から同情を受けた

シン・アヨン

女子中学生

ミンチャンの教会に礼拝に来た後に誘拐され、行方不明となる

イ・ナクソン

精神科医

かつてクォンの裁判で彼が受けていた虐待について証言した

現在もクォンを担当している

ざっくり概要

 ここからはいつも通り途中までのざっくりとした内容を。

 “使命の国教会”

 ここで長年牧師をしている男、ソン・ミンチャンの元に見慣れない1人の男が礼拝に紛れ込む。

 男に声をかけて、教会への登録を進めるために写真を撮り、名前も聞くミンチャン。
 そのタイミングで前妻の不貞を疑い以前から頼んでいた探偵からの連絡が入り、妻の不貞が確定した連絡を受けてしまう。

 動揺しながらも男の元に戻るミンチャンだったが、その男クォンは既に発とうとしていた。
 靴を履こうとする彼の手伝いをしようと彼の足を捲るミンチャン。
 その目に飛び込んできたのは犯罪者の監視用に使われる電子足輪だった。

 教会を出たクォンを監視する女性。

 クォンが少女の後をつけているのを見て尾行していたその女性は後をつけられていた少女アヨンとつかの間の会話をする。

 その女性ヨニは凶悪犯罪課に転属した刑事。かつて妹を監禁暴行した男であるクォンが近くに住んでいると知り尾行をしていた。
 それを察したヨニの父は「お前まで失いたくない」と言ってもう忘れるように彼女に懇願するのだった。

 ミンチャンは妻を送り届けた後に“SKY平安教会”の牧師であるチョンに新しく立てられる教会について聞くために会いにいく。
 そこの新しい主任牧師になる期待を抱いていたミンチャンだったが、チョンの口からは期待の言葉は出ては来なかった。

 やや意気消沈するミンチャンの前にチョンの息子であるファンスが現れる。
 ファンスは新しい教会の牧師は自分が率いるべきだと言われていたことを明かし、その適性は自分ではなくミンチャンの方が相応しいと言ってくれるのであった。

 教会で祈りを捧げるミンチャン。

 その最中に妻シヨンからの連絡が入り、息子ヨヌの迎えはどうしたのかと聞かれる。
 その事を忘れていたミンチャンにヨヌが知らない男に保育園から連れて行かれたと伝えられる。

 ヨヌが誘拐された事実に動揺するミンチャン。
 その時天井からの雨漏りの水滴が先ほど撮ったクォンの写真を濡らしていた…

 “性犯罪照会”でクォンの位置を調べるミンチャン。

 その一方でヨニはクォンによって自殺した妹ヨンジュが自分を責める幻影に苛まれていた。

 クォンの家についたミンチャンはクォンがスコップを車に載せているのを目撃し、急いで警察に通報をするも途中で電源が切れてしまう。

 充電をしながらクォンを車で尾行するも途中で見失ったミンチャンは何となく“キツネ峠”に入っていく。

 峠に入ってクォンを探すもいつの間にか後ろに回り込まれていたミンチャン。
 尾行していたことを質問してくるクォンの車の中に外された電子足輪を見つける。

 それに気付き揉み合いとなるミンチャンとクォン。その果てにクォンは崖から転げ落ちて岩に頭を打ちつけてしまう。

 救急車に電話しようとするミンチャンだったが、その時シヨンからの連絡が入り、ヨヌは友達の家にいたと伝えられる。

 息子の行方不明に無関係だったクォンを殺害してしまったミンチャンは岩肌にキリストの顔を見る。
 それを見た彼は何かを確信し、クォンを更に崖下の川に捨てるのであった…

 一夜明け、警察に初出勤するヨニ。

 初日でありながら事件だと会議室に向かわせられる。
 それは昨日あった女子中学生アヨンが行方不明になったと言う事件、そしてその容疑者は妹を自殺に追い込んだあのクォンだった…

 昨日のことで自首を考え過失致死罪について調べるミンチャン。
 だがそのタイミングでクォンを探すヨニ達が訪ねてきて昨夜の通報について質問される。

 息子が誘拐されたと思い通報したが、結局勘違いだったと事実を説明するミンチャン。
 続いてこの教会にもよく訪れていたアヨンの失踪についても説明される。そして通報した後の行動も。

 通報した後すぐに家に帰ったと説明したはずのミンチャンだったが、ヨニは彼の靴の汚れに気付くのだった。

 チョンに呼び出されたのはクォンの件についてだと思い、罪の告白をしようとするミンチャン。
 しかし、呼び出された理由はファンスが不倫をしたことによる相談だった。

 ファンスの不貞により、新しい教会の牧師は彼ではなくミンチャンが推薦される。
 その時ミンチャンの目には再びキリストの絵画が映るのだった。

 クォンとアヨン捜索を進める警察。

 クォンの担当医であるナクソンに最近の彼の状態を聞くが、彼の素行に問題はなかったはずだと返される。

 それを見ていたヨニはナクソンに複雑な感情を抱く。
 それはナクソンはかつてクォンの裁判で彼が幼少期から父からの凄惨な虐待を受けていたことを発言し、その結果としてクォンは世間の同情を買い、それを見た妹ヨンジュは自殺を選んだからだった。

 キツネ峠で見つかったクォンの車。

 警察とアヨンの両親、そしてそれを送ったミンチャンが現場にそれぞれ訪れる。
 当日降っていた雨などの影響で手がかりもアヨンも一向に見つからず、まるで神が味方しているようだと嘆く警察。

 動揺するアヨンの両親と共に“死体”は見つかったのか?と尋ねたミンチャンにヨニはまた違和感を抱くのだった。

 後日ミンチャンはボランティアに向かう前に妻シヨンの不貞について糾弾し、“ヨンジン老人ホーム”へと向かう。

 その道中で道にハマった救急車を見つけ、手伝おうと提案するが、そろそろレッカー車が来るから問題ないと返されて、そのまま老人ホームへと向かうことに。

 老人ホームへ着くと救急車が来ないことに苛立ちを覚えているヘルパーが、彼女は泥と血だらけの男が先ほど現れそのために救急車を呼んだのだと語る。

 それに何かを察したミンチャンは先に帰ると言いながら、老人ホームの中で男が看病されているとされる病室に向かう。

 そこにいたのは傷だらけとなったクォン。彼は牧師が俺を殺そうとしたとうわ言を発していた。

 それを聞いたミンチャンは再び外の雲にキリストを見る。それを見た時、クォンを急ぎ車椅子に乗せて連れ去るのだった。

 通報を受け老人ホームに捜査に来たヨニ達警察。

 看病された男がクォンだと確認し、行方不明になった彼の捜査をする。
 しかし、監視カメラは故障、クォンと同室にいた老人は認知症で「神が彼を連れ去った」という証言しか得られなかった。

 だがその言葉が引っかかったヨニはボランティアに訪れていた夫人会の中から誰が牧師の妻なのか調べるように頼む。

 クォンを廃墟に連れ込んだミンチャン。

 神がなぜこのような悪魔の元に何度も自分を遣わされるのか、それを神の“啓示”による物だと確信したミンチャンは再び神にクォンの処遇を任せようとする。

 するとクォンは自分を殺すと誘拐したアヨンの居場所は分からなくなると言い、教えて欲しければ警察をこの場に呼べと言い放つ。

 アヨンの居場所を聞き出すためにクォンを暴行するが、口を割らない彼に業を煮やし、彼の頭をテープで巻きそのまま廃墟に監禁してしまうのだった。

 決定的な情報が見つけることが出来ない警察。

 配属間もないヨニを帰るように言い、ヨニもそれに従う。
 だが帰る途中のヨニに同僚のウンギュから先ほどの夫人がどこの教会の牧師の妻なのか伝えられる。“使命の国教会”と。

 汚れた靴、“死体”はと確認した牧師、神が連れて行ったという認知症の老人の証言、それら全てに繋がるのはミンチャンと確信したヨニは彼の車を調べる。

 彼の車に付着した物から桑の実の臭いを感じ、近くの桑の実牧場を調べ、ヨニはそこに向かうのだった。

 信仰に傾倒し神の啓示を受けた男、かつて虐待を受けて神に見放された男、そしてその男によって家族を失った女。

 彼らの対峙の時が刻一刻と迫るのであった。

信仰による認知

 皆さんは神を信じるでしょうか?

 自分はドロップアウトした人間なので、1番きつい時に救ってくれなかった神を信じてはいません。
 いてほしいとは内心願ってはいますが、救ってくれることを期待はしていません。
 でも人間ってやっぱそこまで強くないので都合のいい時に平気で神頼みして願掛けなんかはしてしまったりもします。

 少し話が逸れてしまいましたが、この映画は自分とは真逆に深い信仰を持つ男、その信仰によって歪む認知、その怖さを描き、そして信仰によって救われなかった者、その救われなかった者によって生まれた犠牲者などもまた描かれていました。

 とにかく心のバランスが崩れた時に生まれる魔物。その存在について突き詰めまくっています。

深い信仰を持つ者ミンチャン

 この映画の主人公である牧師ミンチャン。この映画のタイトルを象徴している存在ですね。

 彼は深い信仰により誤った道を進む認知を正当化しようとしてしまう男です。
 息子が誘拐されたと思った時に天井からの雨漏りによって性犯罪者クォンの写真が濡らされているのを見て彼の“啓示”が始まります。

 そのクォンを追いかけ、揉み合いの末に手をかけてしまい、本来ならそこで救急車を呼ぼうとしたその時に息子の無事を聞かされて自分の行いの罪が深くなった時に彼は主であるキリストの顔を岩肌に見ます。

 その瞬間に彼の認知は己の罪が神の啓示による物だとその深い信仰故に歪み正当化していくわけですね。

 しかもその後も彼には悪い事が起きたりはするんですが、なぜか都合良く決定的な不幸にまではいかない。
 それはまるで試練と福音を交互に繰り返しているかのように。

 それは神に傾倒して現在進行形で“啓示”を受けていると認知している人間にとっては麻薬のような気持ちよさがあるだろうなと思うんですよ。

 どれだけ最悪になりかけても都合良くそれだけは避ける、特にクォンを誘拐する所なんて象徴的です。

 クォンが生きているという最悪に、たまたま老人ホームに向かおうと思った、たまたま救急車が道にハマって遅れていた、そして誘拐する時には監視カメラと目撃者がいたのに、カメラは壊れていて目撃者は認知症。

 こんなんスリルと緩和で脳汁がドバドバ出たことでしょう。

 実際この流れは神がいるようにしか思えない部分はあるんですが、
 それでも結局彼の正当化にしか使われていないというのは最終盤の彼の決定的な認知の歪みで分かるんですよね。

 クォンによって誘拐され、自分の教会に礼拝に訪れていたアヨン。
 行方不明の彼女なんですが、誘拐した本人であるクォンが何度もアヨンが生きていると言っても彼は誰に言われるまでもなく“彼女が死亡した”と途中から認知する。

 それは彼の中の神にも他の人物からも誰にも言われていない、
 つまりこの部分の認知こそが彼が自分を正当化するために神を使っているということに他ならない部分だと思うんですよね。

 そしてアヨンを救い出したヨニにそれを突きつけられた時にハッとしたような顔をするのですが、結局彼は牢の中の壁の染みにキリストの顔を見て何度もそれを拭いてもそれを見てしまう。
 まぁ自分は何度も拭かれた結果、悪魔のような顔に変わって行っているように見えたのですが…

 深い信仰により偶然は奇跡、苦難は試練、気付きは啓示へ、そして使命は狂気へと変わってしまう。

 こうして見ると深い信仰はまるで病巣のよう。

 信仰を利用して人を傷付けるというよくある人物ではなく、
 信仰が深く、それ故に己を守るためにその信仰を自分の中でいつの間にか利用して反転してしまうという、狂気の描き方が上手い人物でしたね。

信仰に見放された者クォン

 この映画のクズであり、過去だけは同情出来る物を持っているのが元性犯罪者の受刑者クォン。

 彼はミンチャンと比べると神から見放された男です。
 幼少期に凄惨な虐待を受け、母がその虐待の側で讃美歌を歌い続けていて救われず、そこで認知が歪んでしまった男と言えるでしょう。

 ここだけなら同情出来る存在。

 しかし、作中でやっていることは全て性犯罪、とても許せる存在ではないのも確かです。

 韓国映画らしい凄惨な過去の持ち主。
 でも正直ね、このレベルの犯罪を犯した奴の境遇なんて知ったこっちゃねえよって切り捨てたくなるのも確かなんです。

 はっきり言ってこいつを作中描写で好きになれる要素ってないんですもん。開き直るし、詫びも一度も入れない。韓国映画らしい露悪的な部分が強いですから。

 ただそれでももし幼少期にどこかで一度でも救われていたのなら何か変わったのかもしれないとミリ程度思ったりしたりしなかったりするんです。

 実際出所後はある程度は立て直していた部分があったのに一つ目窓というどこにでもありそうなトラウマで再びバランスが崩れた部分もありますし。
 その軽すぎるきっかけでまた元に戻ってしまうほどの凄絶さというのは生きづらい存在ではあると思います。

 後半の自殺したヨンジュを侮辱するヨニへの呪詛である数日の苦しみで自殺しているなら俺は1万回自殺しているという言葉。
 これがクォンの最大の本音ではあるんでしょう。

 責め苦にあったのに誰も救ってくれずに自死も選ばず耐え続けたなら悪魔になってもしょうがないだろというある種の開き直りでもあり、
 自分と同じような目にあってもこんな簡単に死を選んで俺のせいにするんじゃねえよって事なんでしょうが…うーん、それでもやっぱ理解は出来ても作中の行動や言動なので同情や共感までには決して至らないですね。

 それでもアヨンのためとはいえ自分をヨニが救おうとしたところを見た彼が死に際に残したヒントというのは、
 もし過去に自分が救われていた時の可能性ではあったのかなと。

 本当全くもって同情は出来ないんですが、もっとも心のバランスが崩れた…というか崩壊した人物なのでそもそも絶対に同情や共感という認知の外にいなきゃいけない存在なんですよね。

 強いて同情や共感を覚えるならばクォン自体ではなく彼の境遇の方。
 でもこれはクォンという人間を見ていない認知のあり方なので作中的には不正解。
 作中の社会も彼の境遇の方に同情した結果、ヨンジュの自殺も招いていますしね。
 なので彼をちゃんと1人の人間として見る、その上でやっぱり許せねぇが正解なんだと思います。

  これでクォンが犯すのが性犯罪ではなく社会という物に向けられた犯罪だったら、多分それなりに共感出来てしまう人物になってしまうので、
 クォンの心のバランスは悪くても作中配置としてはこの形が1番バランスいいんでしょうね。

過去に苦しむ者ヨニ

 この映画のもう1人の主人公で最も信仰の外にいるのがこの刑事であるヨニ。

 彼女は信仰による認知の歪みはないですが、信仰によって歪んだものの犠牲者ではある存在。

 上記のクォンによって自殺してしまった妹ヨンジュがその犠牲者なんですが、彼女は妹を救えなかった罪悪感による呪いを受けているわけですね。

 何度もドアを開くたびに姉がヨニが助けに来てくれると信じていたのにいつも現れるのはクォンだったと。

 だからこそ心を病んでいるヨニも認知は歪んでいる。

 再び起きたクォンによる物と思われる少女の誘拐事件に対して、妹を奪ったクォンのことを悪魔と思い(しゃーない)、1人の人間としては見ていないで捜査に当たっている。

 捜査そのものはクォンが実際に誘拐していたので全くもって正しいんですが、
 この認識のままだとアヨンには辿り着けなかったというのがこの映画の本質なのでしょう。

 事件を追い、ミンチャンというもう1人の認知の歪みにたどり着いた時に彼女の歪みはほんの少しだけ訂正される。

 そして当時クォンに有利な発言をしたもう1人の憎い人物とも言える精神科医のナクソンの元に訪れて、クォンという人物を知ろうとするわけですね。

 その結果として彼のトラウマを起因した物を見つけ、最期の彼のヒントから今度こそドアから現れたヨニがアヨンを救う。

 この映画唯一の認知を治して、戻って来れた人間になれたと言えるでしょう。

 この結末の皮肉なところは最も信仰から程遠い存在がそれになっているという事。
 信仰に傾倒せず常に過去の後悔という呪いに向き合ったもののみに本当の福音が訪れているんですよね。

まとめ

 人が己を保つバランスというものを上手く描いた映画でしたね。

 実際には崩れているのに信仰によって保とうとする者、とっくの昔に崩れており、立て直そうとしたのに過去のトラウマで完全に崩壊する者、過去の罪悪感から崩れている者と、様々な視点で崩れておりました。

 この映画だと信仰が無意味なようにしか見えないのですが、実際のところはバランスなんですよね。

 人間自分の土台を支えるもののバランスが崩れてどこかに偏った時に途端におかしくなるもんです。
 この映画の場合はその天秤が自我と信仰だったってだけの話なんだと思います。

 縋るのにも責任を負わせるのにも便利な信仰。

 それにどれだけ縋って都合のいい奇跡という偶然が起きようとそれはあくまで偶然。
 そして所詮は人間は人間でしかなく、神でも悪魔でもない、その認知だけはちゃんと持とうって事ですね。

 この映画を見た後だと自分としては今後も都合良く使う存在に留めておこうと改めて認知しましたよ。

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