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製作国
中国
監督
ピングアン・チャン
脚本
ジン・ジアン
出演者
ルオ・イークン
レイナ・ワン
グオ・リシン
ディエゴ・ダティ
今回は中国のアクション映画、Mr.&Mrs.ボディガード(原題:王牌保镖之疾速追击/Ace Bodyguard)の感想。
先に言っておくとこの映画のストーリーはかなりガバガバです。
妻を救い出す夫という単純構成なのにガバガバです。
もし、ストーリーも良いアクション映画を見たいなんて方がいたらこの映画は即刻やめましょう。
この映画はストーリーではなく短い映画の中に詰め込まれた豊富なアクション、これだけを楽しみに見るべき映画です。
アクションはボスラッシュから最後にはっちゃけたりなど色々なものがあるのでアクション目当てなら1つくらいは気になる物があると思いますよ。
ジャンルはアクションで上映時間は約71分となります。
目次
あらすじ
引退した最強のボディガードに襲い掛かる世界中の暗殺者たち 巨悪組織に囚われた妻を護るため、男は凶器と化す!
Rakuten TVより
引退したトップボディガードの夫婦。旅行中に何者かによって襲撃に遭い、妻が誘拐されてしまう。妻はある組織の特殊任務に就いていて、その失敗によって捕らえられたことが分かり、誘拐された妻を救う為、ハンはかつての仲間と手を組み、殺し屋組織コブラ団が待ち受ける敵の要塞へ侵入する。しかし、背後には黒幕による巨大な陰謀が動いていた・・・
Mr.&Mrs.ボディガードを配信している配信サービス
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登場人物
・チャン・ハン
237回の警護任務にて失敗は0の元T1ボディガード
会社ではたった1人のT1級ボディガードだった
乱闘のエキスパートで数々の武器を使いこなす
攫われた妻ヤーシュエンを救うために交換条件となったジェームズの身柄を拘束しに行く
・ヤーシュエン
チャンの妻
夫のチャンには内緒で1年前から彼の所属していた会社に所属して仕事を請け負っていた
製薬会社ファンヤのボディガードに失敗してその特約として彼らの狙うジェームズの交換条件として攫われた
・ジェームズ・キュラス
密輸業者
他社より安く薬を売り市場を支配しつつあり
製薬会社のファンヤ、その他にも懸賞金を懸けられ狙われている
・セリーナとジェニー
チャンのサポーター
チャンから連絡を受けて駆けつける
・シャオシェン
チャン夫婦の息子
喧嘩し不仲な両親に心痛めている
・教官
チャンの所属していた会社の教官
ヤーシュエンの誘拐、そしてチャンの危機を事前に知り駆けつけチャンを救う
ストーリーはおまけです
この映画、言うまでもなく(?)アクションをやらすための舞台を作るためくらいのノリで話を展開しているのでストーリーはほぼおまけと言っていいです。
元凄腕最強ボディガードが攫われた妻を救うために独自のサポートを使い行動するなんていう話なので特に驚きもなく、
一応裏に陰謀があったりはするんですがそれも緻密さもなくガバい上に予測もかなり容易なのでストーリー面はアクションのためのお膳立てですね。
投げ捨てられた夫婦の不仲
この映画、冒頭からなぜかチャン夫婦の仲がとても悪い状態で始まります。
この夫婦の不仲、何かストーリー面で活かされるのかと思ったら、何も活かされない上に完全に意味が無くしかも投げ捨てております。
まず夫婦が不仲になった理由が一切の説明が無いのです。
普通ならチャンの仕事関係かな?と思うのですが、寧ろチャンは家族を危険に巻き込まないために仕事を辞めており、
逆に妻のヤーシュエンの方が内緒でその危険な仕事につき今回の誘拐の原因の1つになっているのです。
これだけ見るとチャンが家族のことを考えるいい夫でヤーシュエンは家族に秘密を隠してしかも危険に晒すダメな妻という構図になってしまっているんですよ。
いや、最初からそういうつもりに描いている可能性はあるんですが。
そもそもヤーシュエンがボディガードを仕事にした理由も最後まで不明(これは一応黒幕が関わっている可能性があります)、
なのでチャンに怒っている理由も危険な仕事についた理由も不明とこの夫婦関係はかなり投げ捨てておりますね。
というかそもそもこれ別に不仲じゃなくても成立するストーリーなんですよ。
チャンは何があろうと妻のヤーシュエンを救いに行くし、救われたら何だかんだで仲直りするとか、
結局不仲の原因を明かさないなら、別に最初から仲良くても普通に成り立つストーリーだよなぁとしか言えないです。
これが例えばヤーシュエンが捕まっている時に不仲な夫が救いにやってくると何だかんだで信じているとかあればまだ納得もいったんですけどねぇ。
なので冒頭でわざわざ強調した夫婦の不仲という要素は完全に投げ捨てておりますし、そもそも必要のない要素だったということですね。
仲が悪くても救いに行くという美しさを入れたかったのかな?
独自で救いに行くチャンはカッコいい
妻を救いに元上司の教官の手も借りずに独自の手段を取るというチャン。
これに関しては結構ワクワクする展開でしたね。
自分の抱えているサポーターである2人の女性セリーナとジェニー(案外こういうのが夫婦の不仲の原因なのかもしれません)
彼女達が装備を用意したり、ハッキングやルートを探ったりなど、
やはりこういう装備の準備シーンなどはワクワクするもんですね。
彼女達のサポートを受けてクラブに乗り込み、後で語りますが、
ちょっとゲーム的な構成を乗り越えて目標であるジェームズの元に辿り着くのは明らかこの映画の見どころで面白い部分です。
彼女達のサポートっぷりもいいのですが、チャンの彼女達に対する信頼に報いる姿もまた良いんです。
途中で攫われたジェニーを見捨てようとせず救い先に逃すなど、
こういう所がチャンの人間性と凄腕っぷりの強調にもなっておりチャンの描写に関しては不満が無いです。(やっぱ不仲になったのこれのせいなきがする)
そして攫う対象であるジェームズとの関係性もいいですね。
この映画の人間関係だとこの関係性が1番マシ好きです。
ジェームズの密輸をやっている理由と自分が狙われてもしょうがないという覚悟、
そして自身は亡くしていることから妻とチャンの方は妻と添い遂げられるように彼に手を貸すと、
僅かな邂逅でありながらも妻という共通点で信頼関係が生まれるのは男のドラマって感じでいいんですよ。
その後ジェームズが連れ去られてフェードアウトしてしまうのは内緒。
自分の罪を理解してそれでも人のためになる部分を理解して死すら受け入れている姿はいいですね。
そしてサポーターだと有能なセリーナが大分個人的に好みでした。
眼鏡美人でハッキングを行いチャンが向かうべきルートや敵の情報の特定、しまいには黒幕の存在だって突き止める、
更におまけでチャンの息子のシャオシェンを守り抜くなど、
正直この映画を見た人は妻のヤーシュエンよりセリーナの方を魅力的な女性と思うこと間違いなしでしょう。
ここまで有能で献身的だと最早あざといの域まで入っていますが、
これもチャンの人徳が成せる信頼ということにしておきましょう。(絶対夫婦の不仲の原因この2人だわ)
黒幕の計画(あんま気にすることないけどネタバレあります)
本作の誘拐騒ぎにおける黒幕の存在。
その黒幕の計画のガバさには色々と突っ込みどころを感じました。
実際すぐにすぐにチャンに疑われてバレてるし。
まずさっさと黒幕の存在を明かしますが、それは冒頭でチャンを救いにきた教官、彼が黒幕です。
計画としては入社1年で未熟なヤーシュエンをファンヤのボディガードに付けて仕事を失敗させて48時間以内に1つ要求を満たすという特約を発生させる。
そしてその特約としてヤーシュエンを攫わせチャンを救い、ファンヤの標的であるジェームズを凄腕のチャンに生け捕りにさせるという物です。
彼の目的はジェームズに懸けられた1000万ドルの懸賞金だったと。
まぁ正直ガバいですよね。
ジェームズの守りが固いからチャンに攫わせるという手段を取るためにこうしたのでしょうが、
ヤーシュエンが入社1年で重要な仕事ついたという露骨さで早々にチャンに疑われて会社も口座も調べられてますし、大分不安定な計画ではありました。
ヤーシュエンが攫われる旅行先もジェームズがいる東アジアにしたのも教官ですが、
仕事にしても旅行先にしてもヤーシュエンの心変わり1つで破綻する計画なんですよね。
不仲な夫婦なんだから旅行に行かない、行っても一緒に行かない、これだけで1発破綻ですよ。
でも別に良いんです。上で書いた通りあくまでアクションのため、チャンのかっこよさのためのお膳立てでしかないストーリーなんですから…
と言いたい所なんですが教官に関して言えばこのお膳立てすら無駄にしてしまっていたり、
雌雄を決する前の2人の、
「映画にあるだろう秘密を知った者は殺される」
「俺の好みはヒーロー映画だ」
このやりとりはメチャクチャ好きなんですが、教官が分が悪くなったら逃げて戦闘終了。
エピローグで逮捕されましたという報道が出てきて終わりなんですもの。
あんだけアクションとチャンのかっこよさを描くためだけのようなストーリーで何てカタルシスのない終わり方しとんねん!と、
これだけは本当にこの映画で擁護出来ないポイントだと思います。
色々な話のガバさは許すけどチャンのかっこよさで締めるというカタルシスだけは外すなよ、これが1番重要だろと、
何というか最後の最後でエンタメから変に外れてしまう形をとってしまったなと思いましたね。
この2人のアクションそのものはいきなり様式が変わって笑えたので正直かなり残念な結末。
色々なアクションは見れるよ
ストーリーのガバさは置いておいてこの映画の見どころはアクション。
実際アクション自体は種類は豊富、しかもほぼスタント無しでやっているように見受けられるので見応えもあります。
様式としては準リアル感といった感じで現実はベースとしてありますが、
冒頭のカーチェイスで敵の車に飛び乗ってから華麗に蹴りでガラスぶち破るところなど見てもケレン味重視なのが分かりますね。
でもこの映画のアクションで面白いのは色々なアクション見せるために完全に割り切ったような構成でしょう。
特にジェームズのところに乗り込む構成、これは完全にゲームな構成でしたよ。
完全にゲームのステージ形式、でも小規模映画のアクションの見せ方としては正解かも?
というわけでジェームズのところに辿り着くまでのアクション形式。
これは完全にゲームです。疑いようも無いくらいのゲームです。
どういうのかと言うとジェームズの元に辿り着くには4つのエリアがあり、そこに各種ボスが控えているという物です。
バー、ジム、剣道場、ダイニングルーム、これらを突破してジェームズに辿り着け、もうこんなん完全にステージ制のゲームのボスラッシュとしか言えないでしょう。
作中で初めてこれが話に出た時に自分は笑いとワクワクが止まりませんでしたよ。
そして4つの…もうステージって言ってしまいますが、ステージに出てくる敵も個性が抜群。
最初は暗殺者2人の使う十手と大剣に警棒で剣戟バトル。
個人的にこのボスラッシュで見た目的に1番好きなのはここだったりします。
2人目は部下を先に仕掛けてチャンが狙う場所に防具をつけてから格闘戦を挑んでくる巨漢のボクサー。
剣道場では誰もの予想通り、日本刀を使うサムライ。
最後のステージでは鏡を利用する早撃ち野郎と銃で勝負、と思わせて卑怯者なので格闘戦で返り討ちにあって終わったりします。
どいつもこいつも個性に溢れていて趣向の違うアクションが堪能出来たのでとりあえず楽しかったです。
ちょっとゲームロジックすぎる構成でしたが、分かりやすく開き直って色々なアクションを見せようとするその心意気は自分は買いましたし、気に入りましたよ。
どうせガバいんだからアクション見せるためにはこれくらいの開き直りがある方が潔いってもんです。
極まったボディガード2人の戦い
この映画の最後のアクション、黒幕である教官との戦闘。
このアクションの開き直りっぷりはここまでケレン味重視をするなら受け入れるしかねぇと思わせるクオリティでした。
かつての師匠とのバトルとなるともう今までとノリが違う、中国お得意ワイヤーアクションでビュンビュン飛び回って最早異能バトルの域。
ぶっちゃけ空飛んでます。
この世界では極まったらこうなるのでしょうと思わざるを得ない2人の戦いは間違いなく今作で一線を画していたアクションでした。
だからこそ上で書いた通り決着が逃走で終わってしまうのが勿体無い。
ここまで来たら行くとこまで行って気とか出しても自分は受け入れたんですけどねぇ。
ここまでのアクションで何気に特筆すべき点なんですが、この教官との戦いでもチャンは銃を持ってきているのに関わらず相手に合わせて格闘戦しています。
何ならヤーシュエン救う時に大量の敵相手にも格闘戦です。
そして上でのボスラッシュでも敵の形式に合わせる、
これを見ると戦闘の形式では常に相手の形式に合わせる任侠な世界なのかもしれません。
ボクサーと早撃ちの戦闘中に卑劣なことをした相手だと制限解除するのもされっぽい
まとめ
ストーリーはかなりガバいですがまぁアクション映画としてみれば色々な物が見れるので楽しい映画ではありました。
ストーリーはジェームズはちゃんと生き残れたのか?とか、息子はあまり活かされなかったなぁとか、ヤーシュエンはボディガードなのに弱いなぁとか本当色々とガバかったですね。
ガバさにも限度があるぞってタイプの人には間違いなく勧められないガバさではあります。
ただアクションは豊富なんでね。それ目当てなら1つくらいは気に入る内容はあると思います。
アクション見て気持ちよくなれればそれでいいそんな方にオススメ(?)な映画ですよ。
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