【映画】28年後… 白骨の神殿 感想 この歪さの構成がたまらん

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製作国

イギリス、アメリカ

監督
ニア・ダコスタ
脚本
アレックス・ガーランド
出演者
アルフィー・ウィリアムズ
ジャック・オコンネル
レイフ・ファインズ
エリン・ケリーマン
チ・ルイス=パリー
キリアン・マーフィ

 『28年後… 白骨の神殿』見てきました!

 久しぶりのシリーズ復活でテンポ良く、続編が展開されていく。これだけでも嬉しいもんですが、今回は歪さのある、でも意図は良く分かる構成が個人的にはかなり楽しめる内容でした。

 ジャンルはホラーで上映時間は約109分となります。

あらすじ

レイジウイルスのパンデミック発生から28年後… 映画「28年後..」のラスト、 感染者の製察により地に陥ったスパイクは、
カルト集団<ジミーズ)に救われる。
だがそれは救済ではなく、
狂気と絶望に支配された地獄への入り口に過ぎなかった。

公式サイトより

狂気と優しさの人間らしさ

 前作ラストで出会ったジミーズに捕まったスパイクとメメント・モリにいた医師であるケルソン。
 主にこの2つの視点で進行する本作。

 スパイクが巻き込まれたジミーズ達による狂気の視点。驚異である感染者のサムソンと交流するケルソンと。

 まぁ、これを見ても分かる通りに本作の脅威は完全に感染者ではありません。

 ゾンビ物のお約束過ぎてまたかよ…とここら辺嫌になった人もいるんでしょうが、元々人間というものをピックアップしているシリーズだと思っているので、個人的にはここは引っかかりませんでした。

本作は特に意図的だと思いますしね。

 悪魔崇拝によって狂気のままに突き進むジミーズ達とケルソンの治療によって確実に癒やされていく感染者のサムソンというこの対比は、凶暴な感染者も狂気に狂った人間も脅威としては最早変わらないそう思わせる展開でした。

 スパイクが連れ去られて参加させられたジミーズなんか、いきなり入れ替え戦やらされてスパイクは早々に殺人を経験してしまう。

 そして普通の共同体も襲撃して崇拝の名の下に人々の皮を剥いだりなど、正直視聴者視点だと感染者より恐ろしい存在として描かれていたと思います。

 しかも皮剥ぎとか、全然暈さない。前作からそうとはいえ、今回は人の悪意による物なのでなんか嫌悪感が一層やばかったですね。

 そんな狂気の中でもスパイクを気にかけてくれるケリーもいるので、多少は緩衝材になるんですが、それでもスパイク視点はきつい。
 最後にスカッとするための部分でもあるとはいえこの凶行はラストでは補いきれないくらいの嫌悪感であり、そして狂気に駆られた人間の感染者との違いが曖昧になっている部分でもあるなぁと思いましたね。

 それに対してケルソン視点はシリーズ的には歪さはあるもののとても穏やか。
 感染者であるサムソンを何度も薬で朦朧とさせながら確実に交流と治療を進めていく。

 人間達のみで凶行とホラーを進めているのに、感染者との交流で穏やかさがあるというのは本当に歪。
 でもそれと同時に優しさや使命感という別種の人間らしさがあるパートでもありましたね。

 特にサムソンが徐々に治療されていくのは、ゾンビ映画の位置付けであるこのシリーズにおいて、ちゃんと共同体も作り、知恵も残っていると思わせる設定をちゃんと活かした展開だと感じました。

 もうね、この映画で感染者の方に癒されるとは正直思いませんでしたからね。そういった意味でケルソンの役割はこの映画ではそれこそ次回作にも影響力ありありですよ。

 この2つのパートを見てると、感染者が感染によって凶暴性が顕在化する。人のまま狂気に駆られる。
 うん、やっぱり改めてどちらも大して変わらないのではとまで思いますね。

 これが今回の映画の狙いであり、だからこそ感染者の脅威は極力抑えてジミーズ達の凶行をメインにしたんでしょうね。

 そして2つのパートで進むということは当然この視点は交わることになり、終息に向かっていくわけですが、ここの展開は凄いですね。

 ジミーとケルソンが出会い、ジミーは頭の中の覇王がケルソンではないと分かるのですが、ジミーズはケルソンを覇王だと思っているので、ジミーズからの求心を維持するためにケルソンに対して命を奪うかもしれないという脅しで一芝居させる。

 そこの一芝居がアイアン・メイデンの曲流してご機嫌になりまくっているのは本当に狂気なんですが、それでも最後はケルソンという人物の人間性が表れてすごくいい。

 ジミーズの1人がスパイクと気付いて彼を救うために本来の打ち合わせを超えてジミーを始末しようとするんですが、当然失敗して刺されてしまう。

 でもそこでスパイクがジミーを刺して彼の歩みは止まり、逆さ十字の状態で感染者に襲われて命を落とすと、前作の冒頭で神より悪魔を崇拝するようになった彼の心情は良くわかるのですが、それでも今回の狂いっぷりを見ると、正直生温い結末だなぁとは思いました。(でも感染者に襲われただけならワンチャン次回感染者として登場する可能性もありますね)

 で、ここからのケルソンの結末がすごくいい。

 治療に成功したサムソンが彼の元に訪れて、彼に感謝の言葉を紡ぎ、僅かな会話をし、そして埋葬するためなのかどこかに彼を担いで消えていく。

 これはこの映画においては悲しい結末であり、彼が作り出した希望でもあるんですよ。
 今まで…それこそ28週後でも成し遂げられなかった感染者の完全な治療を成功させた。

 つまり、次回以降の解決の手立てという道もある程度は見えたかもしれません。だからこそケルソンの行動の意味はとても深い。

 人として狂気に駆られ突き進むパートと人として優しさを持って感染者を療すパート。
 どちらがこの世界においての狂気や常識かは判断しかねますが、やっぱ人間の情で展開されるのがこのシリーズの良さだと思いました。

 何というか命の価値を等しく“人間”という形で括るケルソンが今回の主役ポジションとしてすげえハマってたんですよね。神
 も悪魔もおらずあくまで“人間”しかいないというこの姿勢がジミーズであったケリーから信仰を取り除いたとも言えますし。
 姿勢が一貫しているから好感も持てるし、ちゃんと道を作れるいい大人ですわ。

 そして命の価値を語るからこそ凶行による拷問や死の瞬間も相変わらず暈さない。映画館のスクリーンで見るのはシンプルにキツいものではあるんですが、これはこれで命への敬意だよなぁと思いますね。

 それはそれとして今回の映画で気に掛かるのは次作のスパイクとサムソンの心情がどうなるのか。

 ジミーズという狂気の集団で結果として殺人もしてしまったスパイクやずっと感染者のアルファとして生きてきたサムソン。

 正直どちらも行動に後悔は生まれるでしょうし、彼らは感染者からも社会からも隔絶した立場になってしまったように思えるんですよね。

 ここら辺の葛藤が次回展開されるかも個人的には注目しております。

ジムぅぅ!

 前作で出なくて残念だったジム。

 今回はラストで出てくれましたよ!しかも娘のサムまでいて。

 結局感染者達の中にいて彼も28年過ごしてしまったのかと思うと、少し暗い気持ちにもなりますが、しかし、最後にスパイクとケリーと合流する兆しを見せたのは熱い。

 ゾンビ物で熱いって何だ?って思わなくもないですが、新旧主人公の共演なんだからしょうがない。

 しかもエンドロールで28日後のテーマ曲流して終わるとか、次回のジムの活躍が楽しみでしょうがねえですわ。

まとめ

 というわけでめっちゃ楽しかったです。

 映像的にはうおっグロ!ってなることも多かったですが、やっぱ自分は人間で展開されていくこのシリーズがたまらなく好きなんですよねぇ。

 特に今回は怖いのはやっぱり人間という割と陳腐になってきた部分も癒されていく感染者との対比で意味が重くなったのもいいです。

 しかもジムも最後に合流しましたし、3部作らしいこの28年後の次回の最終作への期待も爆増。

 1つ願うのは前回頼もしく終わったスパイクが人間の狂気に触れ過ぎて今回はだいぶ弱々しくなってしまった(これ人間らしさが強く残っている証明でもありますけど)ので彼が次回はジムに頼り過ぎずに活躍してくれることを期待したい。

 自分にとってはやはり外れていないこのシリーズ。復活してからの展開も早さも素晴らしいですし、最終作もちゃんと見届けたいと思います!


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