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ここではクロステイルズの育成、戦闘面でのシステムやバランスについての感想。
何だかんだで色々調べながらプレイしていたら両ルート合わせて100時間以上とか訳分からんプレイ時間になっていたため、
それなりに信憑性はある感想にはなっていると思います。
目次
育成面について
まずは育成面に関して、先に総評として。
ベースがオウガやFFTのジョブシステムであり、
SRPGとして固有キャラの個性という物を際立たせつつ、
パッシブの装備量の多さやサブジョブの存在により結構な育成、ビルドの自由度はあったように思えます。
ジョブレベルに対してキャラのレベルが少々上がりやすすぎるきらいはありますが、
まぁそこまでガッチガチなゲームでもないのでこれくらいでいいんじゃないかなと思いました。
ただこれは戦闘面の方で語るべきことかもしれませんが、
EXマップでの敵の強さの出し方によってビルドの自由度が大分制限される形になったのは勿体なかったかなと。
一部キャラ以外には意味のない要素もあったりし、ここら辺は育成の果てのご褒美として全キャラに恩恵与えてほしい部分もありました。
とはいえこれくらいの規模のゲームとしては十分に深くビルドを構築する楽しみはありますし、
特に固有キャラの強みや個性の出し方をシステム的に揺るがない形で構築しているのは個人的には好みな方向性でした。
気軽さのあるジョブシステム
育成面の要として置いてあるのがジョブシステム。
物攻、支援、魔攻系と用意されており、ジョブのレベルを上げていき、
解放条件のレベルにまで達せれば新しいジョブが解放されるととてもオーソドックスな育成形態ですね。
キャラクターレベルが10になるとメインジョブだけではなくサブジョブも解放され、
これによりアクションスキルを2つ使えるようになるわけです。
これがまず気軽かつ分かりやすくて好感触でしたね。
装備したジョブのアクションを使えるようになるという分かりやすさは勿論、特に恩恵大きいのが装備面。
当然装備はメインジョブが装備できる物しか使えないわけなんですが、
これサブジョブで使いたい武器が装備出来るなら単純にメインとサブを入れ替えるだけで簡単に問題解決出来たりするんですよね。
2つのジョブを装備する理由なんてアクションスキルだけなんですから、
サブ側に特に制限が無いお陰でこんな気軽さがあり、試しやすさにも繋がるといういいシステムだったと思います。
この気軽さというのはジョブシステム全体にある要素でしたね。
そしてそれぞれのジョブで習得出来るようになるパッシブスキル。
これも装備枠がキャラクターレベルごとに解放されていき、レベル70で最大6枠まで解放されます。
これも装備するにあたって特に制限はなく自由。
所謂カテゴリという物が存在しないため、パッシブの組み合わせは文字通り自由に構成することが可能です。
最終的には強パッシブに委ねることにはなりますが、それでも道中での自由度はなかなかのもの。
楽に進行するための構築や最終的な構築を考える楽しみはこの気軽さから生まれた物でしたね。
スキル習得に関してもとにかく気軽です。
ジョブを解放したら後はお金払って習得、スキルレベルを上げるだけです。
ジョブレベルによる条件なども一切無し、ジョブさえ解放されれば後は財力で全部解決可能です。
その代わりにあれもこれも習得していたらお金はカツカツになりますが。
こんな感じで全体的に育成においては気軽さが打ち出されています。
制限の中での面白さというものも確かに存在はする物ですが、
本作に関してはこの気軽さが売りや遊びやすさになっていると言えるでしょう。
固有キャラの個性の出し方は上手い
SRPGでジョブシステムと言うと最終的には固有キャラですら、
没個性になりがちな部分がありますが、このクロステイルズは1つのやり方で解決しています。
それが固有ジョブの存在。
このゲームの固有ジョブは上にあるジョブシステムの枠外にあり、
常にセットされている第3のジョブという形となっています。
つまりどのキャラクターもメインジョブ、サブジョブ、固有ジョブの3つのジョブで構成されるということですね。
個人的にこれがこのゲームで上手いと思った要素の1つですね。
固有ジョブがメインやサブの枠に装備する選択先ではなく完全に固定で装備されている、
このことにより強制的に個性を出すことが出来ている訳ですね。
当然固有ジョブにな汎用ジョブでは習得出来ない、固有アクションやパッシブが習得出来るようになっている。
これによりキャラの得意なことと言うのも明確に育成方針も決めやすくなると、
ジョブシステム採用するSRPGなら他のゲームでも採用してもいいんじゃないかと思うくらいに好感触でした。
強くしすぎるわけにはいかない序盤加入のキャラクターの固有ジョブがやや割を食う形になってしまっている部分はありますが、
固有キャラだからこそ持っていて欲しい個性という部分ではいい差別化要素として機能していると思いましたね。
もう少し意味を持たせて欲しかったジョブレベル
ここからは育成面の欠点として。
これは気軽さの代償になってしまった部分なのですが、
殆どのキャラにとってジョブレベルには新ジョブ解放以上の意味を持たないこと。
このゲームの汎用ジョブは最大レベル5まで育成することが可能なのですが、
レベル5にする意味が主人公と汎用ユニット以外には全く意味がないのです。
主人公と汎用ユニットは固有ジョブに最大まで育成したジョブが多ければ多いほど能力が上がるパッシブがあるのですが、他の固有キャラにはそういったパッシブは一切無し。
これは主人公を最強にするためには汎用ジョブを鍛えなくてはならないのですが、
他の固有キャラにはその恩恵がないため主人公以外からすると、
全ジョブ解放した後のジョブレベル上げは虚無の時間となってしまうのですね。
これはちょっと勿体無いかなと思いましたね。
育成においても別にジョブレベル上げなくてもお金でアクションスキルもパッシブも習得出来るので、
ジョブレベルが最終的に1番使い道のない要素だと思います。
レベル5にしたら僅かな物でもいいのでジョブごとに何か固有のボーナスなどのご褒美は欲しかったですね。
戦闘システムについて
第一に言っておくと基礎的な部分はかーなり好みのシステムでした。
まず形式としてはクォータービューのターン制。
ここまでは良いのですがターン制の部分が自分好みでしたね。
個人的には1つの完成系かなと思うくらいです。
アクティブターンに近い形でありながらキャラの行動回数に平等性を持たせ、
かつ行動順が分かりやすく、行動順を操作して支配することもしやすいと。
うん、本当基礎の部分はいいシステムでした。
何ですが、やり込み部分の敵の強さのバランスの取り方や、
そして何より不確定要素の増やし方だけはあまりよろしくない。
ここをもう少し煮詰めてくれれば、というか安易な形にしなければ完璧に近いシステムにはなったかなと思います。
ターン制度は完璧
このゲームのターンシステムは完璧と言ってもいいです。
形式を簡単に説明するとターンごとに俊敏が高い順に敵味方入り乱れながら1キャラにつき1回行動という形式です。
アクティブターン制に近くしながら平等性が担保されている形になっている、これはかなり自分好みで完璧な形でした。
アクティブターン制度という物はやったプレイヤーならみんな思うことでしょうけど、
素早いキャラクターがあまりに恩恵を受けすぎてしまうシステムなんですよね。
遅いキャラクターが1回行動する間に、早いキャラクターは2〜3回行動出来てしまう、
大体理不尽や無双に繋がってしまって結構難しいバランスのシステムなんですよ。
でも、このゲームは早い順に行動は出来るけど行動回数は1ターンに1回だけだよと平等性がある。
しかも俊敏順に行動ということはバフデバフを用いて味方のキャラクターの俊敏を上げれば行動順が繰り上がり、
敵の俊敏を下げれば行動順を繰り下げることが可能になると、
ターン操作の支配の仕組みがすごい分かりやすいんですよ。
一応ボス敵がパッシブで2〜3回行動持ちだったり、一部アクティブスキルで再行動も可能になりますが、
それも無制限というわけではないのでバランスは整えられている方です。
このターン制度とアクティブターン制度の折衷策に近いシステムはしつこいですが滅茶苦茶好みでした。
味方ターンと敵ターン交互に入れ替わるわけでも早いキャラが何度も何度も行動する訳でもなく、
敵味方のターンが入り乱れながらもその行動順は分かりやすい。
個人的にSRPGはこのシステムを基準に考えてほしいくらいのいいシステムでしたね。
難易度の上げ方と不確定要素の多さは問題が多い
システムの基礎部分はとても良かったのですが、難易度と不確定要素の多さはかなり減点部分。
まずは難易度に関してですが、ストーリーに関しては何の問題もないです。
理不尽もなければきつかったらレベル上げでどうとでもなるので優しいと言えるでしょう。
ですがやり込み要素であるEXマップ、こいつらはダメです。
難易度の上げ方が攻撃力上げて、硬くすれば難しいでしょう?っていう工夫がないダメな上げ方のタイプでした。
本当属性耐性は高いわ、攻撃力は高いわでやるかやられるかを通り越して、
こちらはやられる代わりに何度でも瀕死で立ち上がってゾンビとなって戦ってやるというのが1番の正攻法になるのは流石によろしくない。
特にフェリクス編の最終EXマップは中々に酷い。
特定状況まで無敵のボスが3回行動して全体バフ剥がしまでやってくるので、バフによる駆け引きが成立しないんですよ。
この駆け引きを成立させようとしない難易度の上げ方はやり込み要素として見るとあまり相応しい形ではなかったですね。
そして、まぁこれも難易度問題に繋がる部分ではあるのですが、不確定要素を増やしすぎ問題。
このゲーム、攻撃を受ける時にランダム要素としてシールド防御、パリィ、回避、更に倒されても食いしばりで生き残るガッツがあります。
いや、これは流石に不確定要素が多すぎるだろ。
シールドとパリィは両立出来ないのです実質3つのランダム要素になるのですが、はっきり言ってかなり苛立ちます。
言ってしまえばダメージ予測と命中率が当てにならないってことですからね。
敵味方入り乱れてのターン形式なので敵の撃ち漏らしは計算が大いに狂う要素、ここら辺はもう少し手心が欲しかった。
しかもこのゲーム、おそらく乱数がかなり偏る作りになっています。
特にパリィとガッツですが、明らかに数字以上に発動率が高い。
これは敵側に内部計算で何らかの補正が行われているか、乱数が相当に偏っているでもないと説明がつかないほどです。
流石に前者はあり得ないと思うので後者の乱数だとは思うのですが、
これらは失礼ながら露骨に値段相応の確率とバランスになってしまっているなと思ってしまいました。
まとめ
改めて感想を書いて見ると基礎の部分は物凄く好みなのに、
最終的な調整が甘めで勿体無いなと思うところが多いゲームでしたね。
いや、でも戦闘のターンシステムに関してだけは文句無しで他も参考にして欲しいくらいに好みでした。
もし今後もSRPGを製作していくというのであればこの基礎の部分だけは本当に大事にしていただいて、
そこからしっかりとバランスを取り、難しくも気持ち良さがある駆け引きを成立させてくれるように調整してくれると嬉しいですね。