【映画】クレイヴン・ザ・ハンター 感想 SONYよクレイヴンだけでもこのまま続けていかないか?

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 SSU最後の1作クレイヴン・ザ・ハンター見てきました。

 はっきり言います。

 マジでクレイヴンだけでもこのまま続けないか?

 いや、今回本当にそれくらい良かったんですよ。

 クレイヴンが役者も合わせてあまりにも魅力的。
 ストーリーの方もSSUとしては2つのオリジンを描くなど相当上手くやっていた。

 SSUのジャンクな魅力を1段階上げてくれた良い映画だったんですよ。

あらすじ

幼い時に母親を亡くし、裏社会を支配する冷酷な父親から「強き者が生き残る。力こそが全てだ。」という精神を叩きこまれて育った少年セルゲイ(クレイヴン)。
 ある日、父親と共に狩猟に出た際、突如現れた巨大なライオンに襲われ生死を彷徨う大怪我を負うが、ライオンの血がセルゲイの体内に入ったことで、<百獣の王>の力を持つ容赦なき“クレイヴン・ザ・ハンター”へと覚醒する。
 〈狩り〉の対象は、金もうけのために罪無き動物を〈狩る〉人間たち。一度狙った“獲物”は確実に仕留めるまで、あらゆる手を使ってどこまででも執拗に追い続ける。
次々と〈狩り〉を実行し、彼らを動かす大きな組織へと近づいていくが…立ちはだかるのは、全身が硬い皮膚に覆われた巨大な怪物〈ライノ〉。
 さらに、病弱な身体を持つ最愛の弟ディミトリが危険にさらされたことでクレイヴンは激昂。やがて“裏の世界の殺戮者”と呼ばれる自らの父親と対峙することになる。
 怒りのままに<狩り>を繰り返し、次第に暴走していくクレイヴンだったが、弟からは「兄さんはただ、殺しを楽しんでるだけ。」と心無い言葉を受けてしまう。大義のための殺しか?快楽を求める殺戮か?激しくエスカレートしていく〈狩り〉が、行きつく先は─?

公式サイトより
ソニー・ピクチャーズ 映画

セクシーすぎるぜクレイヴン…

 この映画の魅力、それはマジでクレイヴンという主役のキャラ、見た目から醸し出されるセクシーさと言っても過言ではないでしょう。

 自分にとってSSUの映画って言うのはストーリーよりもまず主役のキャラが立っているかどうか、これが最初にして最大の評価軸となっているんですが、
 クレイヴンはそれを完璧に満たしていると言ってもいいくらいの主役でした。

 まず何と言っても見た目。

 何ですかあのセクシーな肉体は。

 筋骨隆々の野生味溢れるイケメンマッチョ、昨今だと寧ろ珍しいくらいの存在でこれだけで存在感もキャラクターとしての実力の説得力も完璧に満たしていましたね。

 ここまで体を仕上げたアーロン・テイラー=ジョンソンには賞賛の言葉しか贈れないですよ。

 キャラクターの方だってSSUの中だとダントツで魅力に感じてしまいました。

 マフィアな家族の中で己の掟で動く弟思いな兄貴。

 コミカルさが目立つヴェノムとは違い、どこまでもシリアスな立ち位置。
 で、その己の掟で悪人達を惨殺して回る“ハンター”な訳ですが、ダーク“ヒーロー”のようでいてどこか傲慢さがあるのもまた魅力的。

 ダークヒーローは何だかんだで他人のためという“他者”のため、弱者を救うためが何だかんだで最優先順位にあると思うのですが、
 クレイヴンの場合は己の“掟”の中にある正義に背いている奴を潰し、その己自身の方はどこか他者とは違う存在で高みにいるという傲慢さを醸し出していて、ヒーローとは言いきれずヴィランにも行きかねない危うさを滲ませていましたね。

自分は業には追いつかれないというところは典型でしたね。

 その中で弟ディミトリだけは位置付けが特別な立ち位置においてる。
 でもその傲慢な部分を持っているが故に相手のことを思っていてもその相手が抱いているコンプレックスへの理解や共感が出来ていないということでラストの展開に繋がる、
 やっぱり父からのマフィアの血や価値観と言う物を引きずらされた主役ではあったんだなと思いました。

 そしてヒーロー映画なので能力面も大事なんですが、クレイヴンの良さは己の肉体のみというところ。

 能力は己の身体能力とハンティングのための武器のみ。

 ヒーローとしての能力として分かりやすい物が何もないからこそ、普通の人間の延長線上から来る能力になり、やっていることの凄さが分かるようになっている。

 しかもハンティングの武器を用意するシーンなんかは間違いなくみんな大好きな描写でしょう。

 見た目は最高、ヴィランとヒーローの狭間を行き交うような価値観も最高、そして能力も最高と。

 ここに来てSSUにおける自分ランキングで最高の主役と思える存在でした。

とにかくセクシー。


マフィアとヒーローを上手く混ぜたストーリー

 本作は自分的にはSSUなのにストーリーも高評価。

 今回は言ってしまえばマフィア物の映画です。

 昨今のヒーロー映画は既存の物にヒーローという異物を混ぜることで異質さを出すのが特徴だと思っていますが、クレイヴンはゴッドファーザーにヒーローが出てきたようなもんです。

 マフィアである父親のニコライとの関係性やそこから生まれる価値観や自分の能力が生まれるきっかけ。

 この父親との関係性は結構面白く、どう考えても忌避している存在なのに、結局はどこか似ているところに辿り着いてしまう。

 ここら辺もファミリー(意味深)な映画なんですよね。

 本当やっていることはクレイヴンが父親のニコライとライノの間にあるマフィアの思惑に巻き込まれて利用されていると言う感じ。

 クレイヴン自体は何者にも従う必要のない存在なので普通なら蹴散らして進むだけですが、
 そこに最愛の弟のディミトリが巻き込ませることでピンチもヒーローらしさも混ぜると報復、裏切り、始末ありの完全にマフィア的な意味でのファミリー映画なんですよね。

 この軸があり話の本筋がしっかりとしていますし、マフィア故にクレイヴンとディミトリの兄弟の歪さが生まれる背景にも繋がっていると展開の作り方は上手かったと思います。

ただヴィランとの関係性は少し雑かも?

 とはいえSSUらしい雑な部分も結構あるんですけどね。

 16年前の過去編なんかは重要ではあるんですけど、長めで怠いですし。

 ヴィランとなるライノや暗殺者のフォーリナーとの関係性なんかはかなり希薄。

 これどちらもクレイヴンと合わせてみんな超人な訳なんですが、それぞれの能力の背景が全く繋がっていないんですよね。

 相手を3秒止めるフォーリナーなんかマジでなんで能力持っているのか分かりませんし、ライノの方も医者経由で能力を手に入れただけ。

 つまりこの2人がヴィランとして生まれたオリジンではクレイヴン存在が一切関係ないんですよね。

 ヒーロー映画で生まれたテンプレートだと主役のオリジンを描く時のヴィランの存在は自分の“もしも”の存在であることが定番。
 それに則る必要性が必ずしもあるわけではないですけどそれにしても本作は関係性が薄すぎましたね。

ラストを見ると2つのオリジンだった(ネタバレ)

 と、今作でのヴィランとの関係性て好き勝手言いましたが、実はラストを見ると割とこの部分も結構納得性が生まれたり。

 映画ラストでは弟のディミトリがカメレオンとなってクレイヴンとの対峙を表明するわけですが、
 これを見ると本作は兄弟2人のオリジンとなっていたわけなんですね。

 クレイヴンとは別にディミトリのコンプレックスも偉い丁寧に描いてきた理由がラストでしっかりと明らかにされる。

 愛人の子供で兄より弱いという立ち位置。

 兄のことは間違いなく尊敬していてもコンプレックスからの嫉妬だって間違いなく抱えていたであろうディミトリがクレイヴンが理由で巻き込まれた誘拐によって己が力を得る手段を知りそのコンプレックスを克服して兄との明確な決別と対峙を表明する。

 これを見るとクレイヴン1でもあり、カメレオン0でもある2つのオリジンを描いた映画だったんだなと分かりますよね。

 過去に離れながらも相手を愛していた2人の兄弟が本当に決別することで終わるラスト。

 兄は強さ故に弱者への理解が及ばず、結局父親のらしさをどこか継承し、最後のクレイヴン・ザ・ハンターとなるライオンのジャケットも父が残した物。

 ヒーロー映画として悪を殺すある種黒い快活さを展開していながら、ラストでヴィラン主役らしい後ろ暗さを見せるのはSSUの中でもダントツに上手いストーリーでしたね。

アクションも完璧

 この映画のアクションは個人的には完璧。

 身体能力の高さだけで戦う存在をかなり上手く魅せていました。

 冒頭でクレイヴンとしての分かりやすい身体能力を見せるのも勿論なんですが、(寧ろこれがSSUに足りなかった掴みかもしれない)個人的に良さが際立ったのは市街地戦。

 ディミトリが誘拐されてそれを追いかけるというアクションなんですが、ここまで来るまでに見せてきた物というのは刑務所など非日常の中で展開されていた物だったんですね。

 ですがこの市街地戦というのは誰でも想像がつく日常の中に非日常な異物が大暴れするんですよ。

 クレイヴンの能力は己の身体能力、なので体1つでビルを飛び降り、車を追いかけ、しまいにはヘリを引っ張る。

 MCU的に言うならキャプテン・アメリカな描写なんですが、
 SSUはまだヒーローが目立たない世界な上に残虐上等なので本当にやばい異物が入り込んだ感がすごいんですよ。

 これをちゃんと上手く魅せれるとかSSUもやるようになったじゃんと唸りました。

 ライノとの戦いもこれまではフォーリナー以外なら圧倒していた中で対等な存在が出てきて真っ向勝負で苦戦するというのもちゃんと上手い魅せ方。

 グロもしっかりとありますし、基本をしっかりと押さえながらもクレイヴンの性格や能力に合わせたアクションで見応えがありましたね。

このグロさをカーネイジの時にもやるべきだった思う。

まとめ

 マジでSSUだと本作がダントツで好きかもしれません。

 マフィア物をベースに主人公のオリジンと誕生するヴィランのコンプレックスとオリジン両方を描き切り、ヒーロー物からヴィランの誕生を予感させるラストとやれば出来るじゃん!としか言いようがないですね。

 ヴェノムの次がこのクレイヴンだったらSSUの未来は全く違った物になっていただろうなと思えるくらいに。

 そのSSUの方はクレイヴンでもう打ち切りが決定してしまっているわけなんですが、
 頼むからヴェノムみたいにクレイヴンだけでもまだ展開していかないか?と本気で訴えかけたい。

 いや、マジでSSUのこのクレイヴンはちょっと魅力的すぎる。

 この1作で切り捨てるには役者もキャラもあまりにも勿体ない。
 何とかクレイヴンだけでも続けて、そしてあわよくばSSUの再始動も狙うべきだと思うんですがどうでしょう?


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