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製作国
アメリカ
監督
マイク・バーンズ
脚本
ビル・ローレンス
出演者
ジェイミー・キング
ブルース・ウィリス
ララ・ケント
ケリー・グレイソン
マイケル・シロウ
タイラー・J・オルソン
今回は汚職と追跡とブルース・ウィリスな映画アウト・オブ・デス (原題:Out of Death)の感想。
ジャンルはスリラーで上映時間は約96分となります。
この映画の見どころ
・陽気なやり取りが狂気を感じる追跡側
・ちゃんと味方なブルース・ウィリス
目次
あらすじ
フィラデルフィア市警を引退したジャック(ブルース・ウィリス)は、長年連れ添った妻を数週間前に亡くし、その傷を癒やしに人里離れた山荘を訪れていた。山中を散策していた彼は、口封じのために抹殺されようとしていたシャノン(ジェイミー・キング)を助けることになる。彼女は汚職警官による麻薬取引のトラブルに遭遇し、殺人現場を目撃していたのだった。汚職警官たちの執拗な追跡が迫る中、2人は生き残るためにタッグを組むが、果たしてこの生死を分ける極限状態から逃れることができるのか――。
Amazon商品ページより
登場人物
・シャノン・マザース
写真記者
ビリーのジミーの殺害現場を目撃して追われることになる
・ジャック・ハリス
職務を35年務めた元ベテラン警官
長年連れ添った妻を亡くした
・ビリー
売人のジミーと繋がっている汚職警官
ジミーの裏切りを知り殺害したところをシャノンに目撃される
・トミー
汚職警官
弟のために汚い仕事をしている
ビリーとは昔馴染み
・ハンク・リバース
市長候補
キャッチフレーズは“安全と正義を守る男”
・パム・ハリス
ジャックの姪
保安事務官のオペレーター
分っかりやすい章仕立てのストーリー
目撃、狩り、窮地、計画と4章仕立てとなっているこの映画のストーリー。
実際には5章もあるのですが、短いエンディングパートなので4章でいいでしょう。
起承転結の区分けになっており、この区分けのおかげで状況の変化、場面の転換などが分かりやすくなっているストーリーでした。
ストーリー上の視点もシャノン、ジャック、汚職警官側の3つの視点で進みますが、ここら辺もかなり分かりやすくしてくれています。
何といっても全員我々観客側に隠し事とか一切なし、手札を全て見せて話を進行してくれます。
そのおかげで話は分かりやすく見せた手札をどう使うのかという楽しみ方をさせてくれるストーリーでした。
第1章“目撃”は文字通り主人公であるシャノンが汚職警官が裏切った売人を殺害する現場を目撃してしまうパート。
まだジャックがいないので一方的に追われる怖いパートですね。
警官自体が全てかは不明ですが大半が汚職に関わっているとされている描写なので頼れるものも武器も一切なく絶望感ある内容でしたね。
第2章“狩り”はビリー達汚職警官にシャノンが一時的に捕まるもジャックに救われ、本格的に追われるパート。
アクション的には追い詰められたりナイフで反撃したりなど徐々に分かりやすい見所が出てきました。
このパートの後半ではシャノンとジャックの自己紹介、そしてシャノンは父、ジャックは妻について互いに失ったものに対する心情なども語られるので、
ストーリーの後半やラストにかけて重要な要素のあるパートでしたね。
第3章“窮地”こちらも文字通り窮地のパート。
ハンク側は離脱者も出し、シャノンというかジャックも人質を取られるという、
互いに相手に致命打を貰い窮地に追い詰められるという。
窮地というタイトルがシャノン達側だけでなく、ハンクも合流して追いかけてくる汚職警官側にもかかっているパートでした。
そして本編内としては佳境となる第4章“計画”
お互いに相手に対して逆転の1手を持っている状況で打ち立てる計画のパート。
ぶっちゃけお互いにそこまで上等な作戦ではないのですが、
人質を巡る駆け引きという分かりやすい緊張感のある状況と計画でもあるので見ている分にはハラハラ出来て良かったですね。
身内が人質という状況なのでちょっとした仲違いが起こる状況も緊張感を増す要素になってました。
ラストの決着は個人的にははっきりとしたアクションで見たかったですが、
まぁどちらに転ぶのか分からないという状況を優先したということなのでしょうし納得感はあるのでこれは好みの問題ですね。
エンディングパートである第5章“別れの時”
ここは短めであっさりですが再開したシャノンとジャックが共に遺灰を持って今度こそシャノンの父との別れを果たしに行き終わるという2章での心情の吐露が活かされるパートでした。
この2人はこの事件を通じてのみちょっとした擬似的な親子関係っぽくもなっており、
父と妻を失ったことによるお互いの心の空白に決着を付けるきっかけを作っていたように見えて爽やかにストーリーを終われる関係でしたね。
観客との別れの時でもありますからエンディングパートに相応しいタイトルでした。
陽気さに狂気が見えるやり取り
シャノンとジャック側は終われる緊張感、失ったものへの思いなど終始シリアスで進むのですが、
追う側であるハンク達汚職警官側はどこか妙なコミカルさがあるのがこの映画。
こちら側はなんか一々コミカルなやり取りが多いんですよね。
シャノンを捕らえた後に痴話喧嘩して始末する機会を逃したりとか、しつこくトミーを3段活用で呼ぶハンクなど緊張感に欠けたやり取りが多いです。
しかもこちら側はBGMもどこか陽気で状況に似つかわしくない陽気さでした。
このコミカルさ、面白いとも取れますが彼らにとってどこか日常と感じるが故のノリの軽さという感じで、
汚職が当たり前という状況故の狂気も感じるノリだなと自分は感じました。
ビリーとトミーのやり取りとかやり慣れているからこそのノリの軽さって感じです。
後半になるとノリも統一してきますが、追われる側と追う側で最初の緊張感がまるで違うのはいい温度差が出てました。
アクションはちょっと残念
ストーリーや登場人物の立場的にそこまで期待してはいけない設定ではあるのですが、アクションは見所は少なかったですね。
結構泥臭いアクションというか文字通り泥に塗れるアクションでした。
アクション映画ではなくスリラー映画ですのでそれに合わせた内容でしたね。
これに関しては配役で期待した自分が悪い。
実際小屋で入手したナイフを使ったりもみくちゃになって格闘など、
ジャンル相応の状況やアクションはちゃんと作れているので全くもって問題はない内容です。
でも最初の殺害シーンでの昔の3D映画みたいな弾丸軌道描写は正直ダサ…ノスタルジックすぎるかなと思います。
さーて、今回のブルース・ウィリスは?
今回のブルース・ウィリスは最後まで善人で味方側でした。
最近見た2つが実は悪人とか黒幕とかそんなだったのでこれは安心しました。
アクション面はポジションのわりに意外と控えめでここはちょっと残念でした。
せっかく味方で助ける側なのだからアクション的にはもっとバリバリ立ち回って欲しかったなと望んでいたのですが、ここら辺は引退理由にもなった部分もありやっぱり難しかったのかもしれませんね。
ただ最後の“正義の音ってやつだ”こんな渋い台詞を言う久し振りにカッコよくキメる親父ブルース・ウィリスが見れて大満足したので良しとします。
まとめ
追われる緊張感と陽気さの中の狂気にブルース・ウィリスをちょっと足したいいスリラー映画でした。
最近はあんまりなブルース・ウィリスばかりだったので、思った程の大立ち回りはなかったものの今回は渋いブルース・ウィリスだったので満足できました。
序盤の追う側と追われる側のノリの対比というものもスリラーとしてはいい構図でしたし、ドラマ部分での決着も良かったのでいい映画でしたね。
陽気な音楽と狂気は相性がいい。
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