【映画】サンダーボルツ* 感想 彼等だからこそ寄り添える者がある!

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© 2025 MARVEL

製作国

アメリカ

監督
ジェイク・シュライアー
脚本
エリック・ピアソン
出演者
フローレンス・ピュー
デヴィッド・ハーバー
セバスチャン・スタン
ワイアット・ラッセル
オルガ・キュリレンコ
ハナ・ジョン=カーメン
ジュリア・ルイス=ドレイファス
ルイス・プルマン

こういう外れてしまった連中の話に弱いんで
すごい好き
…何だけど1点だけすごいノイズ

 前回のキャップのおかげでちょいちょい自分の中でまた見るようになる気になってきたMCU。というわけで今回はサンダーボルツ*(原題:Thunderbolts*)の感想。

【映画】キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド 感想 地に足ついたMCUって感じですげえ好みでした

 今までヴィランとして生きるしかなかった連中のチーム、引き続き地に足ついている上に好きなコンセプトの映画。

 まだまだ自分の中でがっつりハマっていた時期のMCUの登場人物が多いというのもとても◯
 そんなハミ出し者、というかハミ出さなくてはいけなかった連中のお話。

 キャップ4以上に見る理由があまりに多いこの映画、見てきました。

 ジャンルはアクションで上映時間は約126分となります。

あらすじ

最強じゃない ヒーローじゃない でも、やるしかない アベンジャーズに代わって世界を救え! NYの街に突如として現れた大きな黒い影。瞬く間に市民を消し去っていく謎の敵により、世界は再び大きな脅威と直面する。しかし、数々の敵から世界を救ってきたアベンジャーズは、そのピンチに姿を現さない。謎多きCIA長官のヴァレンティ-ナは、誰がこの脅威から世界を救うのかを問いかけるが、絶望の中立ち上がったのは、かつて洗脳されヒーローと対立した過去を持つウィンター・ソルジャーことバッキーだった。彼が仲間に誘ったのは、悪事を犯した過去を持つエレーナ、USエージェント(ジョン・ウォーカー)、レッド・ガーディアン(アレクセイ)、ゴースト、そしてタスクマスターだった。そこにボブと名乗る謎の男も現れ… ヒーローじゃない彼らは、誰も空を飛べず、戦闘手段は肉弾戦のみ。好戦的な性格の彼らはチームを組むも、エレーナは突如ジョンに銃を連射し、悪役のようにビルを爆破、敵を拘束して拷問を始めてしまうなど、ヒーローとは程遠い…マーベルの新チーム「サンダーボルツ*」はアベンジャーズにかわって、この脅威から世界を救うことはできるのか?

公式サイトより
ディズニー・スタジオ公式

色んな意味合いのある映画でした

 ヒーロー映画であり、ファミリー映画であり、セラピー映画でもあった本作。

 過去にやんごとなき理由でヴィランとして生きるようになった連中、ヒーローになれずに裏で生きてきた連中、そんな奴らが今回チームとなる映画。
 MCUじゃなくても好きなコンセプトですが、MCUという長い積み重ねがあるシリーズ内だと出てくる人物や取り巻く背景に更に思い入れが深くなるので事前の予感通りに自分は好きな映画でした。

 とはいえ一点だけ物凄く気になるところありもしたのですが…

お前らちゃんとヒーローだぜ…

 元ヴィラン、だけど決して望んでその立場にいたわけじゃない連中が集まったサンダーボルツ。

 どんなチームアップになり、どんなヒーローになるのか、色々と楽しみではあったんですが、思いの外グッと来る形でちゃんとヒーローしてくれて自分は涙してしまいました。

 今作の戦いとなる相手は己の過去と孤独感、そして虚無感。
 どうしても望まぬ形でヴィランとなり、そしてヒーローという光で生まれた挫折や敗北という名の影。
 これらに苛まれた彼らにどうやってセカンドチャンスを与えるのか、それに対する答えだったように思えます。

要はセラピー映画。

 その中心点となるのが、今作からの登場であり、メインヴィランになってしまったボブ。

 彼の過去から生まれた疾患、そして抱える虚無感にエレーナ達サンダーボルツがどう埋めるのか、これが今作の鍵となったわけです。

 レッドルームで洗脳されていたエレーナ、実験の余波を受けたゴースト、栄光の道を歩みながらも衆目の前で大失態を犯したジョンなど、お世辞にもヒーローらしい光の道を堂々と歩むには行かなくなってしまった者達。

 そしてヴァルにいいように使われて、そして今作では都合良くまとめて処分もされそうになった。
 そんな3人を同じように苦しみながらも前に進んだバッキー、騒がしくはあるんですけど過去の栄光にまた返り咲きたいアレクセイなど所謂先達者が導く…とまでは行かずとも参考にはなってくれる。

 こういう足りないながらも補い合う関係性を作っていき、そしてそれがヴィランになったボブの虚無感も埋めるようになると、うん、やっぱセラピー映画ですね。

 とはいえヒーロー映画なんでセラピーの仕方はアクション的にしているのが印象的。

 ヴォイドの生み出した闇の中に入ったエレーナ達がそれぞれのトラウマと向き合った上で、今度はボブのトラウマ達を乗り越えていく、
 家庭内暴力を振るう父から母を守ろうとするのに、もっと悪化するから余計なことするなとか毒親によって何も上手くいかない、幼少期から人格に悪影響及ぼすような物を見せつけられて、エレーナはその傷を溜め込むのではなく吐き出すべきと諭してそしてチームでボブのトラウマを突破していく。

 このトラウマの経験を部屋として描写してチームで突破していくのは視覚的な分かりやすさがあって良かったですね。

 最後には全員でボブを抱きしめて彼の一線を止めるところなんかは、このチームじゃなくては出来なかった事だと思います。

 何者かになりたい、過去があまりにも辛い物がある。そんなボブの虚無感を埋めてあげられるのは純粋なヒーロー達だけじゃ難しいんですよね。
 虚無“感”と書くくらいですからやはり共感によって埋められなくちゃいけない。

 後ろ暗い道を歩むことになった奴らだからこそ寄り添える相手もいる。
 彼らにしか救えない存在をちゃんと救った姿は間違いなくヒーローの姿でありました。

 話がちょっと前後してしまいますが、ヒーローとしては人命救助のシーンはやはり忘れてはいけない。

 今回のこの人命救助の何がいいかって、直前で「あーもう無理無理」みたいにチームが挫折を持って1回解散していること。
 でも市民が危機に晒された時に全員が自発的に戻ってきて人々を救助してそしてチームとしても協力していくんですよね。

 瓦礫1つを全員で押し返すのがやっとなチームではあるんですが、逆に言えば身近ですし、各々の全力を尽くしきって守ったことも分かるんですよ。

 地に足ついた連中のチーム、そのヒーロー活動。

 戦闘的にはクライマックスで物足りなくなるのは否定出来ないんですが、殺め続けてきた存在が救助し続けるという後半は必然性のある展開と受け止められます。

 本作の序盤で、そしてMCUという連続する世界観の過去作での映画やドラマという形でも十分に後悔の積み重ねを描写してきたからこそのカタルシスがあるヒーローとしての救助活動でした。

タスキーの扱いだけは…

 基本的に大好きな映画なんですが、だからこそとんでもなくノイズになったのはタスクマスターの扱い。

 彼女は序盤の戦闘でかなりあっけなく命を散らしてしまうわけですが、これは今回の作品コンセプトにはちょっとどうしても納得いかない部分があるんですよね。

 今回のセカンドチャンス、そして孤独に寄り添うというコンセプトを見るとその優しさをタスキーに少しでも渡して穏便な形で終わらせる事はできなかったのか?とはどうしても思ってしまう。

 タスキー…アレクシアは父親の所業に巻き込まれた完全な被害者の立場であり、今回では救われるべき人物の1人だったと思うんですよ。

 確かにMCUのタスキーは評判は悪かったです。
 それは性別だったり、キャラクターの性格だったりが原作からの期待されていた物とは乖離していたからなんですが、今回のやり方はその評判悪かったタスキーを都合良く処分したように見えて、最後までノイズとして引っかかってしまう。

 評判悪いから原作らしいタスキーを出したいのは分かるんですよ。
 ただ評判悪かったとしてもそうやって生み出したのも、お辛い過去を背負わせたのも自分達なんだから作品のコンセプトに合わせてもっと穏やかな引退という形を用意してほしかったもんですよね。

 というか今回は登場人物的にブラックウィドウの続編っぽさも強いのにナターシャが繋いだ命を碌な感慨ない形で処理はいかんでしょと思うわけです。

 一応誰がどうなるのか分からない緊張感を持たせたかったという発言はあったそうですが、予告の出番の少なさの嫌な予感が当たっただけでしたし、
 更に言うならドゥームズデイの出演者発表でオルガ・キュリレンコだけサンダーボルツの出演者でいなかったので、じゃあ他のメンツはやっぱ生き残るんだなとメタ的な部分から(嫌な)予想通りだったので緊張感も何もなかったです。

 なんか熱心に追っているファンほど緊張感を感じないようになるプロモーションは正直効果的ではなかったとここだけは断言できますね。

 結局後ろ暗いことをやらざるを得なかった奴らの中にはそういう貧乏くじを引く奴もいるいうリアルさはあるのかもしれないけど、これヒーロー映画なんすよね。
 しかもブラック・ウィドウという1作使ってその主役ナターシャが1度人生を奪ってしまった彼女を救ったんですよね。

 他の人物がMCUという世界観の積み重ねの後悔の描写が上手く作品のテーマに機能していた形なら、タスキーの扱いは積み重ねたのになぜ?という悪い形で発揮してしまったように思いましたね。

まとめ

 作品全体としての感想はとても楽しかった。

 アクション良し、負け犬達でもヒーローではあることを見せる救助活動など、そして彼等だからこそ救えた人物など、この手のテーマで見たい物は全て詰まっていたので。

 …楽しかったけど作品のテーマに対してのノイズや直近の感動に対するノイズがあったことは否めませんでしたね。

 とはいえ残った面子、最後にニューアベンジャーズとなった彼らに関してはMCUをそれ目当てだけでまた追い続けたいと思うくらいには気に入ったので我ながらチョロいもんです。

 うーん、それにしてもニューアベンジャーズのように過去の作品に出ていた人物、つまり資産にセカンドチャンスを与えて大事にすることもあれば、残った面子と同じ作品に出ていたタスキーにはそれを一切与えず念入りに殺すこともあるなど、MCUがキャラを大事にしているのかしていないのかたまに分からなくことがありますね。

 まぁそこら辺はこの後のドゥームズデイ、そしてエンドクレジットで出てきたF4の方で(多分F4の映画ではこっちとは逆にニューアベンジャーズと合流する視点が入ると予想して)何がしかフォローを入れてくれると信じてまぁここから次のアベンジャーズまで付き合いましょう!


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