【映画】パリピな前半とアホな後半で何を見てるか分からねえ! アズ・ナイト・フォールズ 呪いの連鎖 感想

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アズナイトフォールズ

今回もアマプラにて鑑賞の映画、アズ・ナイト・フォールズ 呪いの連鎖(原題:As Night Falls)

はっきりとZ級に足突っ込んだ映画です。

でも、穿った目(節穴)で見るとパリピに対するメッセージ性を感じるようなそうでもないような描写。

そして後半の笑いが止まらない展開と2種類の一体自分は何を見させられているんだという感情を味わえますよ。

ジャンルはアクション・ホラーで上映時間は約77分となります。

ここが見どころ!

長い長いパリピのパーティ

後半のはっちゃけ

あらすじ

ホリーは母親と姉のエリザベスと、フロリダ郊外の一軒家に住んでいた。しかし母親は家族の生活費を稼ぐため、ほとんど家に帰ってくることがなかった。ある日、ホリーが1人で留守番中に粘土遊びをしていると、目の前にポタポタと血のような赤い水滴が落ちてくる。思わず水滴を指で触れたホリーだったが、一瞬目を離した隙に水滴は消えてなくなっていた。その夜、エリザベスと友人たちが家でパーティを開きバカ騒ぎを始める。そんな騒ぎをよそに1人で寝ていたホリーだったが、やがて悪夢にうなされ誰かからの“起きて”という声で目を覚ます。誰もいないことを確認して再び眠りについたホリーだったが、目の前に少女の霊が現れるのだった。平穏を望み懸命に生きる姉妹に亡者の恐怖が襲いかかる惨劇のホラー・アクション!

Amazon Prime Videoより

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※2025年8月17日時点

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登場人物

ホリー

姉のエリザベスと郊外にある家に住んでいる少女

エリザベス

ホリーの姉で愛称はリジー

父の死後、仕事で忙しくて帰らなくなった母の代わりにホリーの面倒を見ている

オットー

エリザベスの彼氏

ロックをやっておりアルバムなども出している

軽薄だがエリザベスやホリーのことは守り切る漢

チャーリー

ホリーとエリザベスの兄

レンジャーの仕事をしていて彼女達とは別々の家で暮らしている
1人で留守番する事が多いホリーを心配して度々様子を見にきている

ざっくり概要

この映画に正直いるか?と思わない気もしないでもないですが、一応いつも通りに中盤までのざっくりとした内容を。

郊外の家に母と姉エリザベスと共に暮らしているホリー。
彼女が1人留守番中に粘土遊びをしている最中、突然上から血が滴り落ちてくる。
その血に触れたホリーだったが一瞬目を離した際にその血は姿を消していた…

不思議に思うホリーだったがその時、兄のチャーリーが家の様子を見にくる。

またホリーを1人留守番させていたエリザベスにやや憤るチャーリー。
帰宅してきたエリザベスとその彼氏オットーに少しばかりの説教をする。

父と母が余生のために購入した家。
しかし、父がすぐに心臓発作で亡くなりそのために母も仕事で滅多に帰れなくなった。
まるで自分の家のようだとエリザベスは少し自虐しながら彼の説教を受け入れる。

職場に戻ったチャーリーは同僚であるジミーから両親が購入した家についての話を聞く。

あの家は昔から曰くがあるとされており82年には火事によって焼け落ち、
そして88年に再建した後はその家に住んだスティーブンソン一家が惨殺されたという。

一方その家でオットーが友人を連れてきてエリザベス達と共にパーティを開く。

長く続くパーティの最中、オットーが窓の外に目を向けると見知らぬドレス姿の少女を見かける。
友人達に見間違えだと馬鹿にされるが、その友人達も遊び半分で周囲の森などを散策する。

そして友人の女性の1人が裸足の足跡を見つけその後を追うと、ドレス姿の少女の霊に邂逅する。
恐怖で震える女性に少女は
「私を怖がらなくていい、友達の心配して」と語りかける。

そして最後に、

「みんな死ぬわ」

とも…

急ぎオットーに少女のことを話す友人。
その一方で少女の霊はホリーの寝室に現れる。

人形の話をするなどどこか有効的にホリーに語りかける少女だったがホリーは恐怖で助けを呼ぶ。

少女が現れた事でパニックになる全員。
各々が纏まりのない行動をして散り散りになる中、謎の男と女が現れ、彼らにより次々と犠牲者が生まれていく…

そして惨劇の中再び現れた少女が、

「手遅れになる前に早く出ていって」

と警告されエリザベスは銃を取りに向かう。

銃を手にしたエリザベスの前に現れる少女。
彼女はエリザベスに自分の境遇とこの家の呪いについて語る…

大恐慌によって人が変わった少女の父と母。
彼らから逃げ旧鉱山に隠れようとした少女だったが、両親に追い付かれてしまう。
両親に手を掛けられるその時、鉱山が崩れて両親も少女も飲み込まれ、そしてこの土地は呪われたのだと…

少女の両親は戻ってきて何度もこの土地に住む人間を殺害する。

少女の境遇と土地の真実を知ったエリザベス。

彼女達はこの繰り返される惨劇の呪いから生き残ることは出来るのか…

大体中盤まではこんな感じの内容。

それなりに問題はあれどそれなりに普通のホラーの様相で話は進んでおりますが、後半からはそれはもうすごいことになっている映画でしたよ。

ホラーにパリピは大事、でも限度ってものがね

ホラー映画においては犠牲者はとても大事。

それがパリピな陽キャ連中なら死に際ですら光輝く物です。

何ですが!

この映画のパリピ配分は少々やりすぎな域に入っておりました。

この映画の上映時間は約77分、そのうちこのパリピパーティに費やされている時間は…なんと30分近く!
スタッフロール分の時間も考えるとほぼ半分パリピのパーティを見ることになるのです。

しかもこのパリピパーティに参加している方々。
ビックリするくらいに中身が無い、会話も軽薄、ゲームもノリでやっている、最早主要人物であるオットーくらいしか名前も覚えられない。

彼らのことで分かっていることは頭が緩いということくらいしか無いのです。

しかもそれを主要人物の掘り下げも碌にされないままパーティを長時間やっているので、一体これは何を見せられているんだという気分になるんですねぇ。

一応どいつもこいつもホラー映画のあるあるを引用した台詞を口にするので、この緩い連中の描写は狙ってやっているのは分からんですが、
正直描写が長いのに中身がないからこいつらが死んでも何も思わないんですよ。

こんなパリピ陽キャなんて中身が無いし、死んでも何の感慨も浮かばない程度の連中なんだよとある種の怨嗟すら篭っているんじゃないかと思うほど。

ホラー自体を馬鹿にしているか、パリピに憎しみを抱いているか、絶対このどっちかだと思う。

実際のところどうかは分かりませんが、もし憎しみが篭っているんだとしたらそれはそれで強いメッセージ性なので、
穿ってみれば作家性が出ていると言えるのかもしれません。

ホラーとしては物足りないかも?

この映画中盤までは呪われた夫婦による殺戮が繰り広げられるという展開があり、
いわゆる13金的な雰囲気で繰り広げられるグロホラーの路線ではあります。

ですけど、このホラーの雰囲気は何かイマイチ感はありました。

理由としてはまず警告してくれる夫婦の娘である幽霊の少女が序盤から観客目線だとすんごい堂々と登場しているからですね。

一応“登場人物”視点だと恐い状況なのかもしれませんが、観客目線だと冒頭の映像と合わせて少女が味方なのが分かっているので、
敵か?味方か?みたいな彼女から与えられる緊張感というのはまるでないのです。

そうなると殺戮担当の少女の親である夫婦が頑張らなきゃいけないのですが、
この夫婦本人が出張るという設定自体が何かイマイチだったのかもしれません。

イかれた夫婦によって呪われた土地。

住み着いた物は無惨な末路を辿る呪いの連鎖。

これなら夫婦本人が殺戮して回るのではなくパリピ連中に夫婦が取り憑いた方が自然な描写だし緊張感があったんじゃないかなと思いますね。

同じ境遇のはずの少女が霊体なのにこの夫婦は本人の姿のまま現世に現れて受肉した状態で人を襲う。
この時点で呪い側のルールがよく分からないことになっているのです。

だったら少女だけでなく夫婦の方も霊体として呪いになり、生きている人間に取り憑くことで受肉して殺戮した方が自然じゃないかなと思うのですよ。

正直グロシーンとかしょぼめなのでグロホラーとしては全然怖くない。
なら仲間に取り憑くことで疑心暗鬼になる緊張感に振り切った方が怖くなった。

それなら無駄に多い割に中身のないパリピ連中の存在も取り憑かれ役として活きますし、
何なら死体にすら入り込んで動かすとかなら絶望感もあったかもしれません。

手前勝手な好みの話を好き放題してんなと思うでしょうが、映画の設定でもこの夫婦ちょくちょくおかしいんですよね。

さっき倒されたはずの夫がなぜかすぐに別のパリピの元に瞬間移動して殺害するとか、
これなら死体や人にどんどん乗り継いでいる方が自然に感じたというのがこの考えの根源なんですよ。

まぁ、ああだのこうだのとこういうホラーにして欲しかったと語っても後半の展開でその考えすら生ぬるかったと思い知るんですけどね!

これはもしかしたらホラー映画では無かったのかもしれない

上でホラーとしてはこうして欲しかったと語りましたが、
後半の展開でそんな考えは如何に無意味だったのかを思い知ることになります。

どんな展開になるのかとぶっちゃけてしまうと突っ込みどころ満載のバトル展開となります。

もうすごいですよ。一度生き残りで車に乗り脱出出来たかも?と思ったところからフルスロットルで可笑しな方向に舵を切っていますから。

無限ループで家に戻された後、夫婦VSエリザベス&オットー&チャーリーによる肉弾戦(!?)が始まるのですよ。

これがすごい、脱出までは銃使っていたのに、ここからはなぜか家にあった日本刀と素手ゴロで化け物な夫婦と渡り合う人間達をご機嫌な音楽で映し続けるのですから。

更に更にこんなんでは終わらない。

化け物夫が地面に腕を差し込んだと思ったら地面からオーラが放たれて今まで呪いでこの土地で殺害した犠牲者達が復活する、
その復活し、襲いかかってくる犠牲者達をエリザベスが達人級の刀捌きで1人で返り討ちにするのですよ。

かっこよく見えるけど化け物側がやってるんだぜ。

あぁ、もう滅茶苦茶だよ。

ここからのジャンルの変わりっぷりはそこら辺のZ級映画ですらなかなか真似できない。
前半のパリピのパーティをひたすら見させられている時とは別の意味で一体自分は何を見せられているのだろう…と思いましたからね。

しかもホリーが化け物妻に吹っ飛ばされるのですが、殆どギャグ漫画みたいな映像と拙い合成で吹っ飛ぶという有様。

そして何がしたいんだと思っているところでオットーの放つ、

「2ドルのホラー映画よりお粗末なアクションだ。」

という台詞ですよ。

この製作陣確信犯で作ってやがる…

こんな滅茶苦茶な状況をどう収集させるのかと思ったらすっかり影の薄くなったドレス姿の少女がホリーの元に彼女に取り憑き、

ほら、少女は取り憑いて行動するから夫婦もそうした方が良かったって思いません?

呪いの源流である旧鉱山に誘い出して夫婦を落として解決と急に冷静になったそれっぽいまともな解決をするんです。

解決だけまともだからこの製作陣のホラーに対する考えが分からないと思っていたところでラストの展開。

1年後に幽霊の少女とキャッキャと話すホリーを夫婦が地獄に引き摺り込んで、エリザベス達がホリーを助けるために車で地獄に乗り込んで終了ですよ。

ちなみに地獄という要素はラストで急に出てきました。

…絶対これホラー映画じゃないですよね?

この後半の展開はある意味すごい楽しめたんですけど、というか寧ろこの路線で最初から行った方が楽しい映画になったと思うくらいなんですけど。

でも、何がしたかったのかはよく分からない。

ところどころに出てくる映画の引用台詞や後半のオットーのとんでもないセリフを聞くと、
ただただ色々とバカにしたいだけの映画だったのかなぁ。

少なくとも真面目に作ってこれより、バカにする目的でこれを作り上げた方が主張としてはまともな映画だと思えますし。(好きかどうかは別の話よ?)

でもこの試みが面白いかと言われると笑えるけど面白くはないという結論を出してしまいますねぇ。

まとめ

ただのZ級と断ずるには色々と憎しみや嘲笑が込められている気がして変な作家性を感じる映画でした。

特にパリピに対してだけは絶対何か憎しみがあると思う。
こんだけ長い時間かけて軽薄さしか印象に残らないってなかなか無いですからね。

でも、パリピ代表のオットーが最後まで漢を見せ続けるのを見ると愛憎も伺える。

オットーだけはマジでいいキャラしている。

どこか複雑な感情が伺い知れるような変な味わいがある映画なのかもしれません。(気のせいかもしれません)

間違ってもオススメはしませんが、少なくとも笑えはしましたし、
何かメッセージ性を感じてただの何もないZ級とも断じられないため自分は意外と嫌いにはなれない映画でした。


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