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製作国
中国
監督
ジョウ・ジウチン
脚本
ディアオ・シャンウェイ
出演者
デニス・トー
サブリナ・チウ
オズモンド・チェン
チャン・シュアンリー
ソン・メイジエ
無双ORIGINによって復活の兆しを見せてきた無双シリーズ。
そんな兆しに便乗後押しするために今回見たのはこれ。
三国志 武神・趙雲伝(原題:武神赵子龙)
日本では三国志の顔の1人となっている趙雲主役の中国B級映画。
中国のこの手の三国志映画はもろに無双の影響受けているのでアクション面では結構楽しめる物も多いのですが、今回はどうなるか。
ジャンルはアクション、上映時間は約85分となっております。
(C)Fujian Minfu Film and Television Culture Media Co., Ltd
目次
あらすじ
一騎当千!蜀の英雄“趙雲”の若き頃を描いた無双スペクタクル・アクション!弱きを助け強きを挫く男、趙雲は民のために山賊を討伐していた。ある日、出先から村へ戻ると村が焼き払われ村人が皆殺しに遭っていた。趙雲の婚約者までもが殺害されており、趙雲は復讐を誓うことに。同郷の友人、夏侯蘭と共に王太守府に乗り込むが、夏侯蘭は官兵に取り押さえられ…。
TELASAより
三国志 武神・趙雲伝を配信している配信サービス
※2025年7月26日時点
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登場人物
・趙雲
後に蜀の将となる男
太守によって村を焼かれ、その復讐のために乗り込んだことから運命が変わっていく
・夏侯蘭
趙雲の義兄弟
趙雲と共に復讐のために乗り込むがそこでの決断が2人を袂を分つことになる
・雪晴
趙雲の婚約者
趙雲と惹かれあい父に報告をしようとしていた矢先に官兵達によりその命を落とす
・王月萱
太守王天遠の娘
公孫瓚に対抗するための同盟として他家に嫁がされようとしていた夜、乗り込んだ趙雲に人質にされる
・鄭姜
鄭家村の村長の女性で趙雲を救った
武芸に通じており弓矢が得意
太守によって追われた村人達を引き受けてきた女傑
ざっくり概要
ここからはいつも通り途中までのざっくりとした内容を。
228年街亭の戦い。
馬謖の敗北により撤退を余儀なくされた蜀軍。そのしんがりを任された趙雲の過去が語られる…
世は乱世、山賊に身を堕とす民も現れる中、趙雲は幼馴染の夏侯蘭、そして婚約者の雪晴と共に彼らを鎮圧し、諭していた。
山賊達を諭して帰ったら趙雲達。
趙雲と夏侯蘭は村で余った食糧を困窮している胡家村に届けるように頼まれる。
その帰路の中で2人は血のついた荷物を運ぶ男達と出会う。
山賊と思い男達を問い詰めるが彼らの正体は太守の命を受けたという官兵達とだと発覚する。
官兵の質の低さを嘆きながら再び帰路につく2人。だが彼らの目に飛び込んだのは焼き討ちにあった村だった…
生き残りを探す趙雲と夏侯蘭。
しかし、女子供問わず殺害され、生き残りはおらず、雪晴もまた凶刃に倒れていた…
村人達を弔った2人は帰路の最中であった官兵達が行ったことだと確信し、大守のいる大守府“真定”に乗り込む。
力づくで乗り込み迫り来る兵を倒す2人だったが、多勢に無勢の中、再会を誓い二手に別れるて戦いに臨む。
太守の兵に追われる趙雲は潜り込んだ部屋の中で太守の娘である王月萱に出会い、無礼を承知で月萱を人質に取る趙雲。
月萱は趙雲に「連れて逃げて」と囁きそれを聞いた趙雲は彼女と共に真定府から撤退する。
一方で別れた夏侯蘭は兵に捕らわれていた。
だが太守は夏侯蘭を処刑せずに彼の腕前を評価して自らの元に仕えるようにと誘う。
乱世の中で功を上げることを求めていた夏侯蘭は彼の誘いを受け、村の復讐、趙雲との友情を捨ててしまうのであった…
月萱と共に逃げた趙雲だったが、兵との戦いで受けた矢傷により限界を迎え倒れてしまう。
その前に野生の狼が現れるも、危機一髪のところで謎の集団が現れ2人は命を救われる。
その集団の中にいたのはかつて山賊に身を堕とすも趙雲に負かされ、情けをかけられた男だった。
目を覚ました趙雲の前にいたのは鄭家村の村長である鄭姜。彼女は周辺で太守によって村を追われた者達を受け入れていた。
だがこの村にも官兵の手が迫る中、趙雲は村人達に村を守ってくれた請われる。
受けた恩に報いるために村を守ることは引き受けるが、その前に人質にした月萱を返し、別れた夏侯蘭を取り戻してからと語る趙雲。
趙雲は月萱と共に再び真定府へと向かうのであった。
戻る道中、月萱は自身が政略結婚を拒否するために帰りたくないと語り、趙雲は再び1人で真定府へ乗り込む。
そこで再会した夏侯蘭だったが、彼は既に太守の兵となっており、これから3日後に月萱を取り戻すために鄭家村を焼き討ちすると聞かされる。自身の村と同じように…
それを聞いた趙雲は夏侯蘭と袂を分つ。
義を選んだ趙雲、功を求めた夏侯蘭。彼らの道は完全に分たれてしまう。
村に戻り太守の狙いを趙雲から聞いた鄭姜。
既に月萱を返しても無駄な状況だと悟った村人達の決意と共に太守と戦うことを選択する。
防衛の準備をし、待ち構えていたところに夏侯蘭、そして太守の兵である王寧が攻め込んでくる。
それを見た月萱が自身が戻ることを引き換えに戦闘をやめるように要求するが、彼女の願いは届くことはなく戦闘は始まってしまう。
防衛のために準備していた罠、そして趙雲の武により劣勢をひっくり返す村。
その時夏侯蘭が乗り込み趙雲との一騎討ちが始まる。
だが夏侯蘭を気に入らない王寧の放った矢によって夏侯蘭は射抜かれ、それを契機に太守の軍は撤退するのであった。
村を守り切った趙雲、功を求める中で仲間に裏切られた夏侯蘭。
かつて義兄弟だった袂を袂を分かった2人。果たして彼らの結末は…
この題材ってもしかして…
あの三国志で有名な趙雲の立志に置いてまだ名を上げていない頃の誰も知らない物語、誰も知らない戦い、誰も知らない幼馴染、誰も知らない婚約者。
…あれもしかしてこれって別に趙雲が題材である必要全然なくない?

冒頭で街亭の戦いをやらなかったら趙雲である必要がまるでない、何なら他の英雄で同じことやっても多分成り立つような話なんじゃないかと。

ちなみに冒頭の街亭の戦いにラストで戻ってくるなんてことはせずに街亭の戦いは冒頭のみで終わります。
とまぁこの映画は嫉妬などのメロドラマと時代劇を合わせた向かうではよくある話の映画で別に趙雲じゃなくても成り立つオリジナル歴史な話ではあるんですが、ただ話自体は趙雲らしい話ではありました。
乱世の中で義によって生きる男と乱世の中で功を求める男の対比。
その2人を義兄弟の関係にして袂を分かれさせるというのは、それこそ後に仕えることになる劉備達桃園の3人との違いにもなっているのでプロットとしては全然良い形でありました。
しかも歴史に影響を与えるわけにはいかないので1人で戦う趙雲は義によって慕われ、共に戦う村人などの存在や女性達の存在があるのですが、彼らは何と全滅してしまう。
ここら辺の割り切り方は中国映画らしい部分でもありますが、歴史に残さないためとはいえ、中々に思い切った容赦のないことをするなぁと感じましたね。
で、その対比となる存在である村を襲われて全てを奪った太守に功を求めるために降った夏侯蘭。
彼は彼で仲間には裏切られ、太守からも見放されるものの趙雲への嫉妬心などから怒りを燃やして謀反を起こして自らが太守になる。
そして趙雲を超えるために虐殺や略奪をするが望む物は何一つ手に入らない。
太守の娘である月萱を手に入れようとするもそれすら趙雲への対抗心であり、趙雲に惹かれた女を抱き己の物とすれば彼を超えられると思うのも中々に浅ましい。
でもそれすら見透かされて自殺されるんですよねぇ。
結局彼が欲しいのは趙雲への勝利だったんでしょうから、それは最後まで叶わず、しかも一騎討ちの後にトドメすら刺してもらえないのは実に無情。

本当に容赦ねえな!この映画。
義でも功名心や嫉妬心でも形は違えど周囲を失っていくのはどちらも同じ。
普通なら義によって動く趙雲が得する結果になりそうなもののそんな温いことは歴史が許してくれない。
ここら辺は夏侯蘭の決断が必ずしも間違いにはならない乱世の厳しさを描いている部分でしたね。
ただ同じ別れでも託されていく趙雲とただ失っただけの夏侯蘭ではやはり雲泥の違い。
ここの違いが英傑になる者とその器ではなかった者の違いなんでしょうねぇ。
ただ気になる点としてはせっかく対比させるのであれば夏侯蘭の掘り下げはもう少しあっても良かったんじゃないかなと。
オリジナルの人物なのに裏切る前の内面描写や性格が分かりきる前に闇堕ちするんで、
趙雲みたいに何でお前がそんなことをしてしまうんだっていう気持ちのリンクには繋がらないんですよね。
どうせオリジナルなんだし、趙雲と同じくらいの傑物で心優しき人物でありながら、功に走る者と義に生きる者に分かれた方がよりこの関係性は彩りあったと思いますね。

ちょっと最近のヒーロー映画っぽすぎる意見かな?
完全なオリジナルな話ではあるんですが、よく知っている趙雲の姿自体はちゃんと描いている。
欲を言えば有名エピソードの戦いを1つくらい入れて欲しかったかな。
義によって生きた英傑なら趙雲じゃなくて他の誰でもやれる題材のオリジナル話なのはやっぱり気になるところではありますから。
ちゃんと“戦争”をやれるのはやっぱ凄いよなぁ
三国志が題材なのでちゃんとアクションも大事。
とりわけ今回は個の武芸より、ちゃんと“戦争”をやれているのが評価したい部分でした。
個の動きは正直なところ悪くはないけど、期待値ほどではなかった感じなんですよね。
いや、これだけちゃんと槍術を使うアクションは今や珍しいですし、ケレン味もそれなりにあります。

でも自分が中国B級の三国志映画に求めるのは、他の同じ三国志題材の中国B級映画だとやりまくっている無双系のはっちゃけアクションなんですよね。
その点今回は少しばかりリアル寄りで動き自体のキレもややもっさりしていたのはあくまで求めたいものとは違うと言う意味で残念ではありました。

時代劇として見れば高クオリティアクションです。
その点、“戦争”という部分においてはこの規模にしては良く出来ている内容でした。
しっかりと人数も城や室内のセットも用意されていて、城攻め用の雲梯までしっかりと作れていてCGも十分なクオリティ。

B級なのにちゃんと城攻めとしての形が出来ていてこれは中国資本の強みだよなぁとしみじみ感じ取れますね。
村での防衛戦では油を使ってこけさせて火を放つ、柵で囲んで四方から矢で射抜くなど弱者が出来る“戦争”もやっていますし、
“戦争”という部分においては全体的にいいアクション映画でした。

ちょっと七人の侍や荒野の七人っぽさは漂ってはいますが…
求めている部分は思ったよりって感じでしたが、期待はしていなかった部分がしっかりしていたので総じて見ると満足感は意外と高め。
やはり中国B級映画はアクションに関しては外さないですね。
まとめ
無双復活に気分が乗って適当な三国志映画として見たのですが、とってもオリジナルな内容でしたね。
とはいえ題材らしさはちゃんと保っていたし、アクション面でも思わぬところがよく出来ていたので、まぁまぁ満足感はありました。
最後の戦いではあの3人が駆けつけたり、ちょっと熱くしてくれるのもにくいところ。
三国志に詳しい人が見たらどんな気分になるのかは少々計りかねますが、ただ事前知識や深い知識などを必要とせずに見れるのも事実。
趙雲という人物を知るだけなら十分ですし、ある意味オリジナルストーリーを展開するキャラゲー的な映画として見るべきなのかもしれません。

あれ?それって無双シリーズ…?
個人としてはそれなりに楽しめたので、例えオリジナル話でも趙雲を好意的に解釈してる物なら何でも食べれちまうぜ!って方ならオススメ…なの…かな…?
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