【映画】デス・ウィッシュ 感想 自警のスカッと感より危うさに着目

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© 2018 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.

製作国

アメリカ

監督
イーライ・ロス
脚本
ジョー・カーナハン
原作
ブライアン・ガーフィールド
出演者
ブルース・ウィリス
ヴィンセント・ドノフリオ
エリザベス・シュー
カミラ・モローネ
ボー・ナップ
ジャック・ケジー
カービー・ブリス・ブラントン
ディーン・ノリス
キンバリー・エリス
レン・キャリオー
マイク・エップス

ナタリー・ティボー
ロニー・ジーン・ブレヴィンズ
メランサ・ブラックソーン

男なら無性にブルース・ウィリスが
見たくなる時がある…
そしてどうせ見るなら彼の活躍が多い方がいい

 というわけで今回はそんな雑な理由からこの映画、デス・ウィッシュ(原題:Death Wish)を観賞しました。

 まだブルースが十分に動けていた時、しっかりと主役だった時、なので彼を堪能する分にはとても楽しめる映画となっておりました。

 ジャンルはサスペンスで上映時間は約107分となります。

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あらすじ

警察の手に負えない犯罪都市となったシカゴで救急患者を診る外科医ポール・カージー。ある日、何者かが家に侵入し、妻は殺され、娘は昏睡状態になってしまう。一向に進まない警察の捜査に対し、怒りの頂点に達したポールは自ら銃を手に取り、犯人を抹殺するため危険な街へと繰り出し始める。人の命を救う外科医から犯罪者を始末する処刑人へと変貌を遂げる過激な男の壮絶な復讐劇が今、幕を開ける!!

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登場人物

ポール・カージー

救命救急の外科医

自身の誕生日に自宅が強盗に襲われ妻を亡くし、娘が意識不明となったことで夜に“自警”を行うように

ジョーダン・カージー

ポールの娘

ポールの誕生日に自宅に押し入った強盗により意識不明の重体となる

フランク・カージー

ポールの弟

前科者だが兄やその家族のことは愛している

ルーシー・カージー

ポールの妻

ポールの誕生日に自宅に押し入った強盗により胸を撃たれ殺害される

ケヴィン・レインズ

ポールの家に押し入った強盗の事件を担当する刑事

ざっくり概要

 ここからはいつも通りにざっくりとした話の内容を。

 救命救急の医師として働くポール・カージー。

 彼の誕生日、病院からの呼び出しで自宅を留守にしている最中で強盗が押し入り、妻ルーシーは胸を撃たれて殺害され、娘のジョーダンも意識不明の重体となってしまう。

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 事件を担当するレインズ刑事から昨今では街で強盗が頻発しているが、必ず捕まえると彼は約束する。

 未だジョーダンが目を覚さない中で行われた葬儀。

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 その帰路で義父と事件の捜査の進展について話している最中に密猟者を見つけた義父が銃を使い密猟者達を追い返す。

 密猟者達を追い返した義父はポールに語り出す。

「人々は安全を警察に委ねている。それが問題だ。警察が来るのは犯罪が起きた後だ。手遅れだよ。大事なものを守りたいなら自分でやるしかない。」と

 未だ進まぬ事件の捜査。

 ポールは妻の思い出に浸りたくても思い出すのはまだ見ぬ強盗達の姿ばかりだと焦燥していく。
 そしてレインズを訪ねたポールは彼の部屋で今街で起きている事件の多さを知る。

 その帰り道、住民に絡んでいる男達を諌めるポールだったが、逆に男達にリンチを受けてしまう。自宅に帰ったポールは銃のCMを見てガンショップで店員のベサニーに銃の所有について質問した後店を後にするのだった。

 後日手術中に患者の懐から落ちた銃。それを見たポールは密かにその銃を手に入れ、日常の裏で銃の扱いを練習する。

 目覚めないジョーダン、捕まらない犯人。

© 2018 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.

 その憤りを胸にポールは銃を持って夜の街に向かう。そして犯罪を目撃したポールは逃げる男達に銃を撃ち、そして車から出てきた男に冷酷に明確な意思を持ってその引き金を引くのだった…

 ポールの起こした“自警”の捜査も担当するレインズ達は目撃者の証言を聞く。

 救われた者は“守護天使”だと語り、ただの目撃者はその様子を撮影しながら“死神”だとポールを評する。
 そしてポールの“自警”は既にSNSへと拡散されていた。

 賛否が巻き起こるポールの行った自警活動。だがその評価は英雄視へと偏っていく。

 病院で下校中に撃たれたという少年の患者を担当するポール。彼は少年が撃たれた場所を確認し、そこの一帯を迷惑をかけていた男を再び“自警”として殺害する。

 “シカゴの死神”

 そう評されるポールの“自警”は日に日に議論が巻き起こっていくのだった。

 強盗事件以降通っているカウンセリングで顔色の良さを指摘されるポール。

 後日手術中に彼は患者が身につけていた時計を見てあることに気付く。

 それはあの日強盗に盗まれた時計、手術を終えたポールは密かに救急車内にある患者のスマホを盗み出し、強盗の手がかりを探そうとする。

 そこに出てきたのは写真に自分達の家の住所、そして盗品を管理している思われる酒店だった。

 その酒店、“トレボル酒店”に向かうポール。

 盗品の場所を店主に聞き出すが、その最中にあの日強盗に入った男の1人フィッシュが現れ、銃撃戦となる。

 フィッシュを追い詰め、残りの強盗の居場所を聞き出すポール。フィッシュは仲間の1人ジョーの名前を教え、そして反撃した所をポールに殺害されるのだった。

 次の日レインズが尋ねてきて、トレボル酒店から盗まれた品を見つけたことをポールに報告する。

 そしてフィッシュを足がかりな残りの犯人を必ず捕まえるとポールに約束するのだった。

 その足掛かりをポールが殺意を秘めて狙っていることも知らずに…

法を超えた自警、その危うさを描いたストーリー

 『狼よさらば』のリメイクである本作。

 といっても不勉強なのでそちらを見たことない人間の感想となります。

 急増する犯罪の中で取り締まりが追いつかない司法。その中で自分の家族が被害者となった男が自警を始めて暴力に飲まれていく。

 法で裁けぬ悪を裁く自警のスカッと感による気持ちよさより、そこで生まれ始める狂気や暴力性に着目した映画でした。

自警の危うさにも着目している

 妻と娘を奪われ、一向に進まぬ捜査に多発していく犯罪。その状況から一線を踏み越えて“自警”行っていくという本作。

 その“自警”を扱う中で本作がしっかりと作っているのがまず段階を踏んでいるという部分です。

 主人公であるポールはいつまでも進まぬ捜査と多発する犯罪する社会に対して疑う、犯罪者にやられる、犯罪者をやる、そして命を奪い踏み越えると順調に法の範囲をを超え、暴力が育つという段階を踏むんですよね。

© 2018 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.

 それを冒頭で犯罪者により被害者が亡くなった後にその加害者を救おうとする命に対して線を引いていなかった救命救急の医師が線を引き始めるのだから恐ろしい

 しかも嫌らしくも彼にとっての日常である手術シーンと銃の扱いを学んでいくシーンを日常と非日常の境界線がどんどん交わっていくように同時に写すんですよ。

 これくらいの落差がある方が面白いのも確かなんですけど、その突っ込みたくなるようなコミカルさも含めてある種の怖さがありましたね。

 そして初めての自警活動の後にポールの行いは目撃者達に“守護天使”とも“死神”とも呼ばれる。これが彼の行いが秘めている二面性と言える。
 当然その二面性に対して是非や賛否の議論が巻き起こっていくんですよね。

 この手の映画だとどうしても法で裁けぬ者を裁く自警活動というものは持て囃されがちですが、模倣犯が逆に返り討ちにあった報道なども合わせて、ここら辺をしっかりと描くことでその行為が秘める狂気や危険性、暴力性というものにもこの映画は視点を置いているように感じました。

 実際ポールは“自警”を始めたことでゆっくりと眠れるようになっていく。そして医師として人を救う裏で“シカゴの死神”として人を殺害していく。ある種の安定や快楽をこの“自警”で得ているような様はやはり不気味さもあります。

ブルース・ウィリスが演じているんでそこら辺の印象が緩和されているのも確かなんですが。

 後半に元々の法や犯罪への憤りの理由だったジョーダンの意識不明状態から彼女が回復して目を覚まし、そして犯人を全員自らの手で殺害、しかもその最後は自警ではなく娘を守るために行ったことで彼は“自警”で使った銃を永久に始末すると語ります。

 しかし、映画の最後に犯罪を目撃したポールの指で銃を作り撃つ様子。
 それを見ると彼が“自警”で得ていたのはやはり義憤だけではない快楽、そしてその快楽を忘られない内なる暴力を未だ秘めているように自分は見えました。

© 2018 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.

 ポールが本当に銃を“永久に始末して”今後生きられるのか、気になるラストでしたね。

やっぱりブルース・ウィリスはいい役者なんだよなぁ

 最初に語った通りに無性にブルース・ウィリスが見たくなったから見たこの映画。

 特に今作は引退前の彼とは違って主役としてバリバリ演技していた時だったのでそれだけで満足感は高かったです。

 今までの映画の印象でこんな医師いるかよと思いながらもどこか人の良さや人間味は感じられる。そして自警を始めてからの暴力性なんかはやはりずば抜けてハマる。

© 2018 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.

 妻を失い娘が意識不明の中で焦燥感のある行動なんかはこういう人生にくたびれた感もやっぱりハマる。

 引退前の実はやばい親父というテンプレートな型ではない親父なのでやっぱいい役者なんすよねぇ。

 割と期待されるアクション自体は別にすごい親父でもないので圧倒的でもなくヒイヒイ言いながら殺害していくんですけど、その様もやっぱりハマる。(同じ言い回しばかりだけどその通りなんだもん)

 最後はサービスと言わんばかりに1発派手なアクションもしてくるし、引退前のブルース・ウィリスの映画を見てきた身としてはこれくらいの時期の彼の映画、そして演技やアクションはそれだけで価値を高く見積もってしまうんですよね。

 こうやって形に残るのが映画のいいところ。

 ブルース・ウィリスの魅力を改めて再確認出来た気がしました。

まとめ

 これくらいの時期のブルース・ウィリス見たいくらいで何となくで選んだ映画だったんですけど、ストーリー的にもブルース・ウィリス的にも満足感ある映画でした。

 シンプルにスカッとする自警映画ではなく、着目点をリスク側に寄せているストーリー。それをくたびれた感もあり強者感もあるブルース・ウィリスがやっているのは相乗効果があって見応えあり。

 役者が好きで久しぶりに見た空腹感からの満腹感という贔屓目が多分に含まれていて冷静さの欠けた評価なのは否定出来ませんが、それでもこれくらいの時期の彼はやっぱいいんですよ。それが再確認出来ただけで、そして久しぶりに栄養を取れたので自分は満足なんです。

 そう、映画感想記事としてはあれですが、自分が満足出来ればそれでいいんです!


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