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製作国
中国
監督
リウ・チュン
出演者
ホアン・タオ
ソン・イーミン
チェン・シー
今回はアマプラにて鑑賞の中国映画、WANTED ウォンテッド(原題:江湖通缉令/Wanted)の感想。
とりあえずカッケェアクション見てぇ気分→中国映画はアクションはほぼ外さない→そしてこの映画は短めなので気軽に濃厚な物摂取出来そう。
そんな気軽な気分でメインビジュアルのかっこよさで目に入ったこの映画をチョイスしたのですが、内容としてはその気分を十分に満たしてくれる内容でした。
ジャンルはアクションで上映時間は約87分となります。
© 2025 Xian Taoli Film and Television Company Ltd.
目次
あらすじ
元末明初の乱世、尊敬する義兄を殺された侠客の葉良(ようりょう)は、復讐を誓う。一方、その復讐の相手である龍不染(りょうふぜん)は、龍が殺した義兄の娘、沈風雁(しんふうがん)が彼にとって不利となる、ある秘密が記された品を隠し持っていることを知る。復讐に現れた葉良の目の前で沈風雁を人質に取り、盾とする龍不染。尊敬する義兄を殺され、その娘を盾にされた葉良の怒りが頂点に達する。極限の死闘が、今始まる。
Amazon Prime Videoより
この映画を配信している配信サービス
※2026年4月7日時点
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登場人物
・葉良
侠客
殺害された義兄沈一葉の仇である龍不染を討ち取るために行動している
龍不染の不利になる品を持ち義兄の忘れ形見でもある沈風雁を救い出し、逃亡する
・龍不染
義兄である沈一葉を殺害し荘主の座を奪った男
葉良の義兄でもあり沈一葉を交えた三兄弟だった
鉄衣術の使い手
・沈風雁
沈一葉の娘
龍不染の弱みとなる品の在処を知っており彼に囚われるも葉良に救われる
父の死後、心を閉ざしている
・凌霄
葉良の手助けをした女性
10年前に彼に救われ彼を慕っている
・喜娘
龍不染の腹心の女
・黎大侠
葉良を追う追っ手
元十強だったが今は物乞い
龍不染の父親に命を救われ恩を返すと誓い葉良と対峙する
娘が行方不明となっている
・王不為
葉良の兄弟子で変装の達人
葉良が一門の刀を継いだことに不満を抱いていた
龍不染の依頼により葉良を始末しようと動き出す
・単隠
葉良と王不為の師匠
ざっくり概要
ここからはいつも通りに途中までのざっくりとした内容を。
匯通山荘の荘主である沈一葉が殺された。
襲った6人は被害者の腹心。沈一葉の義弟で匯通山荘の葉良は義兄の仇を打つために犯人達を追い始末していた。
匯通山荘
葉良は攫われた義兄の忘れ形見である沈風雁のために匯通山荘へと単身乗り込む。
義兄弟の契りを交わした男であり長兄上の仇でもある龍不染、彼は義兄を殺し荘主となっており奪われた品の在処を聞き出すために風雁を捉えていた。
首を吊られた状態で突き落とされる風雁。それと同時に襲いかかる4人の仇。何とか4人を倒し、風雁を救い出して逃げるが葉良は賞金をかけられてしまう。
賞金をかけられた後、葉良は義兄を殺しその娘である風雁を攫ったという汚名を着せられていた。
葉良は敢えて町から遠い道を逃亡ルートに選ぶが龍不染はそれを読み怪我をした風雁が医館に預けられ、そこから自分達の目を逸らすために注意を向けていると考え先に風雁を確保して罠を張れと指示を出していた。
自らも動き周囲の医館を探す龍不染。風雁の足取りを突き止め医者を殺害して葉良を追い詰めていく。
知己である女性凌霄に預けられていた風雁と合流した葉良は義兄から自分に伝言が残されていないか、龍不染の言っていた品は何なのか尋ねる。
しかし災難により口を閉ざした風雁は何も答えず葉良は彼女が言いたくなるまで待つことにし、今は逃げることを優先する。
凌霄により医者が殺害された報が入り、いずれここも突き止められると言われるが既に時は遅く追っ手が差し向けられていた。
凌霄に風雁と逃げるように託すが彼女は葉良と逃げた方が助かる可能性は上がるとして北への逃亡経路を渡し自分は足止めをすると言う。

龍不染は足止めをした凌霄に毒を盛り部下に任せて晒し者にするが葉良が駆けつけて救出する。
しかし官吏を殺害したことを龍不染に利用されこの事態を匯通だけの問題にせずにより多くの手配を受けることになってしまう。
風雁を彼女に託して足止めをする葉良。だが追っ手の喜娘の手にかかり凌霄は風雁を守るために刃を受けてしまう。
急ぎ駆けつけた葉良は喜娘を討つが、凌霄は彼の腕の中で事切れてしまうのだった…
葉良は凌霄を弔い、龍不染は喜娘を弔う。
龍不染が沈一葉を殺害したのは自首を勧められたからであり、それは死を事実上意味していた。証拠である名簿が世に出れば全てが終わる。彼は葉良と風雁を確保した者への報酬を上げ更なら苛烈な追走を始める。
賞金稼ぎや腕のある者たちに伝えられる葉良の首にかけられた賞金。
そのうちの1人龍不染の父に恩義がある黎大侠に襲撃されるが戦いの中で分かりあい、子供を逃し葉良の用が済んだら決闘しようと約束し別れる。
孤児である風雁を守る葉良、その風雁を孤児にしたのは龍不染、侠客の信義には背けぬと素直に討たなかったことを報告する黎。
彼に見切りをつけた龍不染は葉良の師兄である王不為を代わりの追っ手として向かわせる。黎を始末して…
葉良の姿をして師父単隠の元に訪れ毒を用いて暗殺を試みる王不為。
単隠に浴びせた毒“斜風細雨”は効果が長続きし、針で刺すような痛みが日増しに強まりやがては腸が破裂するという凶悪な物だった。
あえて単隠を殺さなかった狙いはこの毒を解毒出来ない彼の噂を広めて葉良を誘き出す為、師父を見捨てられない葉良は必ず訪れ、功力で解毒する、そうすれば必ず消耗しそこを狙うと言う策だった。
病を患った風雁のために危険を冒し町に戻る葉良。診断を受けて離れようとしたら狙い通りに師父単隠の噂を聞いてしまう。
単隠の元を訪ねる葉良は単隠と再会出来たことを喜ぶがその正体は単隠に化けていた王不為だった。
単隠と同じ“斜風細雨”を受けてしまい逃げる葉良達だったが王不為に追いつかれてしまう。
彼は取引を持ちかけ一門の刀を渡せば助けてやるという、彼の言葉を信じて葉良は刀を渡すが約束は守られずに2人は崖から落ちてしまうのだった。
刀を持参して葉良達が崖から落ちたことを報告する王不為。龍不染は褒美を与えるが、彼を目障りに思い毒を盛り王不為もまた殺害されてしまう…
単隠に助けられ3日後に目覚めた葉良。
単隠から王不為が殺された事、まもなく龍不染が出世することを知る。
葉良を信じた風雁は龍不染が探していた品、腐敗官吏の名簿を渡す。
龍不染はこれを朝廷に渡される事を避けるために沈一葉を殺害していた。
義兄の意志を継ぎ無念を晴らすために葉良は龍不染の計画を止めに再び戦う事を決意し匯通山荘へと向かうのだった。
復讐譚という物は悪役の魅力があると映える物
仁義などを重視する時代劇的な復讐譚。
その話を面白くするのは何かと言うとやはり討つべき復讐相手の存在でしょう。
この映画復讐物としてはかなりテンプレートで王道なので、後はそこの魅力がしっかりしているかが鍵となるのですが、この映画の復讐相手である龍不染は小物感ありながらも実力は備えており背景も最後に1回だけ見せるくどくなりすぎない。この構成がによって中々に魅力的な復讐相手になっておりました。

まず何と言っても最初は結構自分で動いているのが良いですね。
主人公である葉良を追う時に最初は自分の足も使ってちゃんと追っている。そして葉良の愛する相手である凌霄の死にも携わることで観客視点だと物語開始前に既に終わっている義兄の死についてだけではなくある程度の描写を重ねる凌霄の死で葉良の復讐の厚みを増して感情移入させる。
彼が自分で動いたことで発生する出来事の結果で観客と葉良をリンクさせると上手い話の進め方。復讐譚というのは感情移入出来なきゃ俯瞰した他人事ですからね。
これによって葉良に対する観客の思い入れが増すんで葉良の魅力を引き出す役割もこれだけでやれている上手い構成でした。
これでただの小物じゃない…と思わせてそこそこ小物みたいな言動やムーブを取るのですが、そこに悪辣さを交えているので格が落ちない。
葉良に差し向けた追っ手でありながらも彼と分かりあった黎は最後に彼の行方不明になった娘への希望を見せて新しい追っ手として雇った王不為に始末させ、更に王不為も始末するのですが、ここが彼の駆け引きの真骨頂な気がします。
王不為自身が毒を使い龍不染も謀殺などをするので勧められた龍不染に出された酒や料理を警戒するのですが、彼が食べなかった料理は警戒し、彼が飲んだ酒は安心して飲む。
すると酒には毒を料理には解毒剤を入れており、自分を信じて料理を食べていれば助かったという最悪な駆け引きをして謀殺に成功するというね。
ここ自分はかなり好きです。やっていることは真実を知っている存在を消している小物ムーブなんですが、これで龍不染の悪辣さと共に駆け引きの上手さを見せることで格は保っているように見えるんですよね。
小物なりのタチの悪さ、でも怖さがあるので復讐相手としては申し分のない魅力が溢れに溢れていました。
しかもこれで直接対決になるとちゃんと強いのも良い。
鉄衣術という堅い装備を見に纏いその防御力を盾に詰めてくる徒手空拳なのですが、葉良が刀を使うことで刀対徒手空拳の構図となっていて強さがちゃんと目立つ。
怪我をしていたというハンデがあるとはいえ油断させてからの不意打ちに近いので結局正攻法では倒せていないところも最後の相手としてはポイント高いですね。
そして最後にくどくなりすぎない背景描写。
殺害された沈一葉、龍不染、葉良は義兄弟なのですが、その3人の義兄弟としての描写は全然出てこない。
しかし、最後決着の時にようやくワンシーンだけ挟まれて、龍不染は出世をして自分達義兄弟が卑屈にならずに生きるために地位に拘るという描写が挟まる。
義兄弟のためでもあったかもしれないことが保身のために義兄弟を手にかけるようになっていく虚しさ。
少し感情移入しそうになりかける物の最後にワンシーンだけなので、そこまではいかない。でも僅かながらの虚しさは残す。この当時からの実際の本心がどうだったのかは分からないところも含めて倒される復讐相手としてはいい塩梅の過去描写だったと思います。
これ以上やると同情しそうになるし、かと言ってサッパリだと今度は葉良が復讐相手とはいえ義兄弟を手にかける重みが軽く見えてしまう。そう考えると実にいい具合のクドさでしたね。
これがあるからこそ葉良の長兄上を殺した時に二兄上も死んだという台詞が映えるってもんですわ。
こんな感じで基本的に自分は復讐相手である龍不染に面白さを感じてしまいました。
主役である葉良も普通にいいんですけど、どちらかと言うと龍不染に魅力を引き出してもらっているタイプの主役かなとは思います。
葉良の義の厚さも強さも彼がいないと引き立ちませんからね。

復讐譚は復讐相手が主役を引き立てる物。復讐ありきの物語である以上、動機も苦難も復讐相手によって起因する物です。
だからこそ龍不染の魅力がそのまま物語の魅力になるのだと思いますね。
やはり中国アクションは外さない
元々アクション目当てで見たので目的としてはこちらがメイン。
見た結果としてはやっぱ中国映画は時代劇的なアクションを外しませんね。
農具対刀なんて変則的な始まりをして、そこからいきなり相手の本拠地に乗り込んで大立ち回りをして少女を救出。

こんなん心掴まれなきゃ嘘って物でしょう。
中国時代劇アクションなんで演舞風、しかし相手の攻撃の躱し方の所作の美しさに反して、刀による刺さる斬る傷で吹き出す血、中国らしい大袈裟に吹き飛ぶ荒々しさのコントラストが目を離せないくらいの気持ちよさ。
徒手空拳も使って砕く描写も入れてしかも幹部4人全員といきなり対決してそのうち3人倒す。

いきなり本拠地に乗り込むクライマックス状態でいきなり幹部クラス相手に戦わせて、それを捌いて救出と派手な戦いと葉良の実力を分かりやすく表現する映画の需要を理解した構成でした。

そこから賞金かけられてからのネームドバトルも実力者同士の華麗な殺陣、そして飯の途中で始まる戦いは個人的に気に入っていて、箸で鍔迫り合い、テーブルを押さえて足だけでやり合うなど真面目な話なのに少しコメディっぽさもありジャンル違いのアクションが摂取出来るのもこの映画の魅力。
ラストバトルは刀対徒手空拳。
相手の刀の捌き方が敢えて鉄衣で受けるという捌き方なのはこの武器の違いを考えると新鮮で、武器と素手なのに攻撃を当て合うという構図になっているのも面白い観点でした。
総じて動きの良さ、魅せ方、種類の多さで中国時代劇アクションかくあるべきと言う外れのないアクション群でカーニバルのような作品と言えるでしょうね。
まとめ
アクションは当然満足。ストーリーも意外と楽しめる映画でした。
アクションは信頼しかしていなかったのでその期待に応えてくれたという形。これだけ色々な種類を高クオリティで見せてくれたら文句なんて言えません。
そして話に関しては改めて復讐譚という物で映画の魅了を上げるのは何たるかを教えてもらえたような気がします。
やっぱ復讐相手が魅力的だと話は面白くなりますし、対峙する主役も魅力的になりますわ。
ここが日和ってしまったり、同情しやすくしてしまうと、復讐譚としての後味が変わりますからね。
苦味や虚しさが濃いのも嫌いじゃないですが、少なくともこの映画の復讐はこれくらいの僅かに残る虚しさが丁度いい塩梅だと間違いなく言えますね。
話の掴み方が上手かったり、B級の短さの中での魅せ方がよく分かっている楽しいアクション映画でした!
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