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製作国
ニュージーランド
監督
ロザンヌ・リァン
出演者
クロエ・グレース・モレッツ
ニック・ロビンソン
ビューラ・コアレ
テイラー・ジョン・スミス
カラン・マルヴェイ
ベネディクト・ウォール
男社会の世界に入り込む女性の厳しさ、それを描いた映画はよくありますが、この映画もそんな実情を描いている…
と見せかけて後半にとてもご機嫌な展開が待っている。
今回はそんな映画シャドウ・イン・クラウド(原題:Shadow in the Cloud)感想です。
ジャンルはアクションホラーで上映時間は約83分となります。
この映画の見どころ
・男社会での女性という社会派ストーリー
・後半のご機嫌な音楽と展開
目次
あらすじ
第2次世界大戦下。連合国空軍の女性パイロット、モード・ギャレットが、フールズ・エランド号と命名されたB-17爆撃機に乗り込んだ。高度2500メートルの上空で、モードは機の右翼にまとわりつく、謎の生物を目撃する―。そして、ある重大な秘密を隠し持つ彼女が、この爆撃機に乗った本当の理由とは……
Amazon商品ページより
登場人物
・モード・ギャレット
連合国空軍婦人補助空軍(WAAF)の女性パイロット
ライガート少佐の命令でフールズ・エランド号に乗り込む
・アントン・ウィリアムズ
ニュージーランド空軍大尉
フールズ・エランド号の副操縦士
・ウォルター・クエイド
二等軍曹で上部銃座担当
・ジョン・リーヴス
フールズ・エランド号の機長
・スチュ・ベッケル
尾部銃士手の二等兵
・トミー・ドーン
二等兵
・フィンチ
中尉で航空士
・タガート
二等軍曹の通信士
序盤は社会派…かも?
男だらけの機体、フールズ・エランド(バカのお使い)号に極秘任務があるとしてカバンを持ち込み女性兵士モードが乗り込むことで始まるこの映画。
1943年、第二次世界大戦中という時代背景と合わせて序盤はいかにもな男社会という内容でした。
冷遇、セクハラ発言当たり前という感じで時代としては良くあったことでしょうが、今聞くと不快に思う部分はあるでしょうね。
当然そんななので狭い銃座が座席となるモード。
ちなみにこの映画、大半はこの狭い空間で話が進みます。
そこでの通信でのセクハラ発言の後に乗組員全員の自己紹介がありますが、
ここの描写は当時の時代相応にしたのか男連中全員が緑と赤の光を浴びて紹介されます。
昔のホラー映画みたいな演出ですが、これは自己紹介時にはモードと彼らは直接顔合わせていないので後々明かされる内容考えると、
これはモードが抱く男性への印象、イメージだったのかなと思いました。
序盤から中盤まではモードが唐突に登場するグレムリンに襲われても信じてもらえなかったり、
銃座から敵機を撃墜したりなどの冷遇だったり活躍が見れます。
ここら辺総じて当時の男社会での女性の扱いみたいな社会派なドラマが綴られていました。
グレムリンのとこだけおかしくないって?そんなん気にしてはいけません。
そして鍵となるモードが持ってきた極秘任務のカバンの中身。
これはモードと乗組員であるウォルターの子供というのが真実でした。
要は極秘任務なんかはなく、子供と一緒に遠くへと逃げるためにフールズ・エランド号に乗り込んだということでした。
モードの夫は酒呑みで暴力を振るう男でそんな中で出会ったウォルターに惹かれ、
彼との間に授かった子供と逃げるやっぱここら辺もまるで社会派、メロドラマですね。
まぁ、この後とんでもない方向に進むんですけどね!
ご機嫌すぎる展開だぜ!
極秘任務、カバンの中身の衝撃の真実が明らかになった後は衝撃怒涛の展開となるのがこの映画。
何と機内に侵入したグレムリンに赤ん坊が攫われ、更に敵機である日本軍の零戦3機と交戦となるというもう滅茶苦茶でご機嫌な展開になっていきます。
舞台も暗い銃座から機外、機内へと移り突っ込みが全く追いつかないモード無双を見せてくれます。
指を骨折しているのに飛んでいる機体を伝って赤ん坊を救いに行ったり、機体から落ちたと思ったら撃墜された零戦の爆発の衝撃で吹っ飛んで機内に戻る(!?)など、
いや子供のピンチを目の当たりにして限界なんかないと奮起したとしても、限界突破しすぎでしょという突っ込みのオンパレードでご機嫌すぎて最高でした。
ついでにBGMもご機嫌です。
機内に戻ってからは仲間の乗組員達が唐突に死にまくるのでもう突っ込みが追いつきません。
グレムリン戦も空飛んでるグレムリンに荷物落として当てようとするのを避けられまくったり、
ここら辺作ってる側も楽しんでんなとこっちまで楽しくなってきますよ。
不時着してからは機体大爆発しても赤ん坊が無事など無理があると思うでしょうが、登場人物が奇跡だと言っているので奇跡が起きたのでしょう。
またグレムリンに赤ん坊を攫われ襲われますが、モードが今度は素手でグレムリンを殺して(!!??)赤ん坊を救いご機嫌なまま終わります。
よく考えたらどうやって帰るのだろうとかそういうのは気にしていけません。
ちょっと真面目に考えて
後半はっちゃっけまくっていますが、むしろそれがいいのですが、ちょっと真面目に社会派な部分も考えてみましょう。
序盤は男だらけの機体の中で冷遇とセクハラ発言わ更に銃座という狭い空間に押し込められます。
そこでの面と向かわない自己紹介では男性に対してどこか暗いイメージをモードが抱いているような演出でした。
相手を信用せず銃座の中で籠っている時は画面も暗いです。
しかし、後半赤ん坊の真実を明かされると男性たちも決して否定的な反応だけではない反応を見せます。
そして戦闘が始まると銃座の外へと赴きますがそこでの風景はとても明るく、これを見て深読みすると銃座はモードの心理状態なのかなと。
銃座の外へ出てからはモード自体が開き直っているというのもありますが、男連中も赤ん坊守るために行動したり素直に謝ったりする面子もいたりします。
モードが信用せず暗いイメージだけで決めていた男達が真実を知ると意外と協力的という明るさを見せる。 このモードの心情の変化を暗い銃座の中と明るい銃座の外で表現していたのかなと感じました。
こういうのだと一方的に当時の男性社会がという内容で終わらせてしまいがちな物もありますが、
この映画はモードのイメージだけで決めつけていた男達が真実を知るとむしろ親身になってくれるという。
母と女は強しを地で行ってるような内容でもありますが、
それだけでなく一方的な決めつけだけでは終わらせないバランスの良さがあった内容だったなと思いました。
それはそれとして後半のご機嫌な部分が本命だと思っていますが。
まとめ
最初に社会派な作風と見せかけておいて実は超ご機嫌な内容だったこの映画。
社会派な部分も思った以上に真面目にバランス良く描いていますし、後半からのはっちゃけぶりは色々と笑えて最高ですよ。
後半のご機嫌な内容だけでお釣りがくるくらい自分は楽しめたので大変満足出来ました。
よく考えたらグレムリンいなくてもこのストーリーは成り立つのでは?とか考えてはいけない。
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