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製作国
フランス
監督
ポール・デゥセ
脚本
ポール・デゥセ
出演者
ヒューゴ・ベッカー
アイ・アイダラ
カヒナ・カリーナ
サイイド・エル・アラミ
グレゴリー・フィトゥーシ
今回は戦場におけるドローンがメインの映画デッド×リミット 絶体絶命(原題:Pilote)の感想。
ジャンルはアクションスリラーで上映時間は約79分となります。
尺が短いながらも人質を取ったテロリストの行動の怖さで終始緊張感たっぷりの映画となっていますよ。
目次
あらすじ
アフリカのマリ共和国。フランス軍ドローン・パイロットのダニエルは、テロ掃討作戦に参加する。ドローンで特殊部隊をテロリストのアジトに誘導し、逃走する敵をミサイルでリモート攻撃する任務だった。だが、予想もしない事態が発生。ホテルでダニエルを待っていた妻と娘が、テロリストに拘束され人質になってしまう。犯人は、ドローン操作で作戦を混乱させ、仲間を逃がすよう要求。ダニエルは、敵の目を盗み、チームの仲間にもバレないよう、家族を奪還しようとするが……。
Rakuten TVより
デッド×リミット 絶体絶命を配信している配信サービス
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登場人物
・ダニエル
ドローン操縦士
妻と娘を人質に取られテロリストの指示と軍の命令の間で葛藤する
・ウマル・ディアロ
フランスでテロを首謀しバマコ北に2年半潜伏している軍の主たる目標のテロリスト
子供をコントロールするために子供の目の前で親を殺すような残忍な男
・カリン
ダニエルの同僚のドローン操縦士
同じA班であるダニエルから彼の妻と娘が人質に取られたことを聞かされ彼に協力する
・エリック
ダニエルの同僚のドローン操縦士
・ライアン
ダニエルの同僚のドローン操縦士
まだ若く功を急ぐ傾向がある
・アーニャ、マリー
ダニエルの妻と娘
ホテルでテロリスト達に人質に取られる
・フェルナンデズ
元パラシュート部隊
カリンと一夜の過ちをした縁で連絡を交換しており、アーニャとマリーの救出の協力をする
戦場でのドローンのリスクを見せつける映画
ドローン操縦士であるダニエルが作戦中に家族を人質に取られ、テロリストの要求と軍の命令の間で葛藤することになるストーリー。
この映画で見せているのは戦場におけるドローンの利便性とそれを誤った時、もしくは押さえられた時の危険性の話でしょう。
冒頭から小学校を誤爆して子供を含んだ犠牲が出ているというところからも割とここら辺は意図的かなと。
作戦中に妻と娘を人質に取られドローンという便利な兵器を使っているという状況。
これはダニエルがドローン操縦士故のリスクだったとしか言えない内容です。
もしこれがダニエルが直接戦場に出ている人間ならテロリストが人質を取っても出せる指示なんてものは微々たる内容ですが、
ドローンだと遠隔な上に更に強力な武装、衛星とのリンクなどこの便利さで様々な選択肢が相手にも広がるということになりますからね。
そして気軽に遠くから撃てる怖さでどこか命の軽さを出しているように見えます。
特にエリックが顕著なんですが、相手を撃つこと人の命を奪うという行動に対して自身の功績を重視していてどこか引き鉄が軽く見えるんですよね。
これが最後の展開の衝撃にも関わってくるのでやはりここは無視してはいけない描写と思って入れたんでしょう。
妻と娘の救出には同僚のカリンのツテで実働部隊による救出もあるのですが、そっちは完全に後手に回る展開で手遅れしかないので完全にドローン重視の展開にしたかったのも分かりますね。
娘の命をかけられて大使館の爆破を命じられた時もドローンの機能で敢えて人のいない区画を爆破させることで相手の要求と人命を守ること両方を達成していますし、
人の命が関わる場での便利さと危険性の両面を上手く映せていたかなと。
ただラスト、全てのキャリアを投げ打つのに近い形で娘の解放を成し遂げましたが、
その直後にドローンにより発見されたテロリストがエリックのミサイルで爆破され娘も巻き添えを喰らい終わるという。
これをこの規模の映画によくある取ってつけたような突発的で衝撃的なラストと見るか、
それともドローンというものの簡単に対象を発見して簡単に撃ててしまう利便性から来た命の軽さからくるラストと見るべきか。
自分は喜んではしゃいでいるエリックを見て後者と感じました。
テロリストの怖さ
ドローンと共にテロリストの怖さというのも結構雰囲気だけでいるのがこの映画。
実際に出てくるテロリストといったら首謀者のディアロより妻と娘を人質に取った男と女の方が目立つのですが、
というかディアロが最終盤にちょろっと出てきて爆撃されるくらいしか出番がないと言える。
本当に怖いのは考えを持っていて自分の命を惜しいと思っている首謀者より、末端のテロリストの方が怖いよなぁと思わせる内容でした。
妻と娘を人質に取ったテロリストの(特に男側の)挙動が怖いんですよ。
目バッキバキなのも怖い。
駆け引きが暴力前提でしかも人質死んだら意味がないのに割と早めに妻のアーニャ殺害しますし、ここら辺が駆け引きを知らず自分の命を顧みないタイプの怖さですね。
人間、会話というか説得にあたってはやはり共通の認識というものが無いと難しいと思うんですが、
人類大体は自分の命は大事という認識あるはずなのにそこが欠けてる相手だとやはり話が通じないんですよね。
平然と殴る蹴るなど暴力を振るい、指を切るなど拷問まで行うと痛い描写も多く、尺が短いながらも怖さがあるタイプでした。
とはいえ尺が短いが故にこれくらいのマイルドさで抑えられたというのもあり、
もっと長い映画であれば人質の拘束も長くなったでしょうし、要求もエスカレートして、よりえげつない内容になったのは間違いないでしょうから。
実際ダニエルがやったことはディアロの逃走車の爆撃をわざと外す、
大使館の爆撃の要求も大概なものですが人のいない区画に爆撃して被害は出さないという結果にしていますし。
妻アーニャの殺害以外はシチュエーションから見ると意外と抑えた描写に留めてはいましたね。
ちなみに絶対にドローンパイロットに裏切り者いるだろ?と思ってたら全然そんなこと無くてちょっと悔しかったです。
だって最初のテロリストからの連絡の時全員席外してるんだもん、そりゃ疑うでしょうよ。
まとめ
尺が短いながらもテロリストのエグめの行動による緊張感で最後まで進んだ映画でした。
この映画を最後まで見て何を得られたかというと自分は“虚無感”ですね。
といっても毒にも薬にもならないものを見た虚無感ではなく、虚しい結末で感じる方の虚無感です。
妻と娘を救うためにテロからの要求を躱しながらフェルナンデズの協力や大使館の爆破位置を変えるなど色々と頑張っているのです、しかしそこまでやって得られた物は何もなくただ妻と娘を失うだけ。
B級だとよくある内容といえばそれまでですが、ここまで徹頭徹尾何も報われないと流石に虚しさを感じざるを得ませんでしたね。
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