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ロマンシング・サガ2 リベンジオブザセブンの1周目クリアしました。
残すべきところは残し、そして進化するべきところは進化して快適さと新鮮さを与えるという理想のリメイクの形の1つを提示してくれたいいリメイクでした。
というわけで色々と自分なりに気に入った点や気になった点に対して評価していくわけなんですが、評価の基本軸としては同じロマサガリメイクであったミンサガをベースに戦闘だけはタイムラインということでサガエメをベースに評価しています。
全体的な印象としては基本的にミンサガと比べるとカジュアルに、というのがテーマだったような気もしますね。
目次
キャラの雰囲気残しつつ現代に合わせたグラフィック
グラフィック面はマジで文句無かったですね。
同じ3D化リメイクならミンサガという前例が既にありましたが、あちらは癖強めのキャラデザの変更やら頭身やらで賛否ありましたが、こちらは元のデザインのままに現代風に直していて未プレイ、既プレイでも受け入れやすい方向。
大きい声では言えませんが女性陣のセンシティブな部分にも真っ向から立ち向かっているのもいいですね。
ちなみに私は海女ちゃんが好きです。
そして3D化されたことによる町やダンジョンの変更も問題無し。
ジャンプの追加により少しアクション性を求められるダンジョンもありましたが、そこまで難易度が高いわけでもなく、遊びやすい難易度と言えるでしょう。
ミンサガとは違いダンジョンでジャンプやクライミング、敵避けにスキルを準備する必要もなく、ダンジョン内は自由に攻略出来るとグラフィックの進化をしながらカジュアルさは相当気を使っていたように思えました。
システムでも戦闘でも言えますがミンサガやサガエメよりカジュアルに遊べるようにしている感じですね。
1つの追加で印象の変化したストーリー
七英雄の記憶により彼らについての描写ががっつりと盛られたストーリー。
舞台版を下地にした七英雄達の物語を映すことで彼らが本当に英雄だったこと、そんな彼らが変わり果てて戻ってきたことによって介錯をする以外の道はないんだなということが強く印象付けられていました。
七英雄ってリーダーはワグナスでもノエルが主役だったんですねぇ。
元々あまり設定などの背景説明をしないのがサガで実際の所、本編の方も流れも台詞のテイストもオリジナルから全く変わっていないんですが、サガらしからぬ丁寧な説明を1つ入れるだけで本編で七英雄達と対峙した時の印象が全然変わるから面白いですね。
放任な河津節の中にリメイクで少し他所の気を使うという血が混じることで殆ど同じ内容の本編に新鮮さが生まれる。
根本は変わらないのにたった1つの追加で印象だけは変化するというストーリーの大幅変化を求められていないIPには理想的なリメイクの形だったんではないでしょうか。
丁寧で行き届いたシステム面
今回1番評価高くなりやすいのはここでしょうね。
本作はシステム面がとにかく気が利いていてカジュアルに分かりやすくするように行き届いました。
ファストトラベルやイベントマーカーによって移動やイベント管理の負担の軽減
昨今の大体のリメイク作品で感じる物ですが、特にファストトラベルの便利さ。今回は地域の支配の有無に関わらず行ったことのある街やダンジョンに飛べるようになっていますし、またその街やダンジョンの細分化っぷりもしっかり。
移動湖まで登録されるとは思わなかったです。
極め付けに特定イベント中以外ならダンジョン内にいようがお構いなしにファストトラベルで移動可能なので移動面での不満は皆無でしたね。
この手の便利なファストトラベルが追加されたリメイクをやると実感しますが、昔のゲームは本当に移動でプレイ時間が嵩みますからね。この丁寧さはいい方向だったと思います。
他にもイベントが開始された時のマーカーの表示なんかも相当に丁寧。普通にプレイしていたら見逃すようなイベントも本作ならまず見逃すことはありえないレベルにまで表示させてくれる。
ここら辺は既プレイの自分なんかは別にいいんですけど、本作で初めて触れる人からしたら取り逃がしという部分には敏感ですし、プレイを続けるモチベにも関わりかねないでしょうからファストトラベルとこのイベントマーカーの追加は快適さに相当に大きな影響を与えていると思います。
ここら辺の分かりやすさや快適さという部分は敵シンボルにも影響されています。
オリジナルだとダンジョン内で出てくる敵はあくまでシンボルという形であり、どのダンジョンでもそのシンボルと敵クラスによって出てくる敵が決まったのですが、本作はそのダンジョン内で出てくる敵は固定化されています。
その代わりに同じ敵でも敵クラスによって能力が上昇していく、サガというよりはFF8の方が感覚的には高くなったかもしれません。
これは後で戦闘のところでも語りますが、本作の戦闘システムの変化にはよく合った変更だと思います。
敵クラスによって出てくる敵がホイホイ変わってしまったら弱点つくのが大事な戦闘システムとそのために準備する作業とは相性悪いですからね。
愛着を生み出しやすくし、快適性もある仲間関連の追加
仲間キャラに関してもアビリティの追加とそれに伴って…かは分かりませんが酒場システムの追加、この両方が大きかったですね。
アビリティの方は各クラスで一定回数の戦闘を行うと習得出来、最終的には極意化によって他のクラスにも装備可能になるシステム。
オリジナルだと戦力的な面だけで見ると敢えて選択肢に入れるほどでもないという立場のクラスもかなり多かったのですが、今回のこのアビリティの追加でどのクラスもとりあえず60回は戦闘に連れて行くかと思いますからね。
結局のところキャラクターっていうのは使ってみなくちゃ愛着が湧かない、アビリティ習得の過程で有用な技の1でも閃いたらそれだけで印象に残って愛着が湧くことだってサガならあり得る。
なんで各クラスの使う意味を増やす意味でもビルドを組む意味でもキャラクターへの愛着を増やす意味でも良い追加システムでした。
極意化してもそのクラスが加入していないアビリティのみ装備可能というのがバランス的にも最適解の形が偏らなくなるのも良かったですね。
で、キャラクターをたくさん使う意味が出てきたからか仲間の加入にもテコ入れが入って酒場システムの追がされています。
まぁこれは一言で言えばルイーダの酒場なんですが、ロマサガ2的には画期的。オリジナルで言えば新市街地が最初から存在するようなもので皇帝が変わった後にわざわざ仲間を拾いに各地に行かなくてもよくなりました。
これだけ?と思うような追加ですが、これだけでも全然違う。イーリスとかアバロン内でさっさと拾えるだけで使われる頻度が全然変わるでしょうし、単純にプレイ時間の緩和にもなります。
そして今回の多くのキャラを使わせる意図のあるアビリティシステムや弱点つくのが重要な戦闘においても酒場で得意武器を確認しながら一括で仲間選べるのはパーティを組む時の方針にも影響します。
今回のシステムや戦闘の追加と変化に合わせ、たった1つでプレイ感が全然変わる個人的には相当な高評価ポイントでした。
全体的に親切さと意味を追加したシステム面
他にも昔は軍師のために設立していたような大学にクイズ追加してご褒美を設けたり、鍛冶屋では開発以外に改造を用意していくつかの武器にもう一花咲かせようとしたり、皇帝継承をしやすくなる退位を追加したり、マスターレベルや戦闘回数を可視化することで育成や年代ジャンプの予定の組み立ての方針を立てやすくしたりと本作のシステム面は親切さやオリジナルでは薄かった部分に意味を追加する行き届いた内容でした。
個人的には武器改造は今回から素材アイテムを用意したのだし、ミンサガ並にしてくれてもと思っているのですが。ただあそこまで行くと本作のカジュアルさを重視した部分にはそぐわない要素でしょうね。
ロマサガ2のリメイクとしては高評価な戦闘
今回の戦闘はサガスカやサガエメの流れのままにタイムラインが採用されました。
ただあちらと比べるとインタラプトやバンプは無し、敵が何をしてくるかも分かりませんし(危険行動だけは分かる)当然独壇場なんか存在するわけもなく、本作のタイムラインバトルはあくまで行動順が可視化されるだけの物ですね。
個人的にはサガエメはコマンドバトルの頂点の1つと思っているので、戦闘面の楽しさは流石にあちらよりは劣っていると正直思いました。
弱点が良い味出しているシステム
ただロマサガ2のリメイクの戦闘として見ると本作の進化っぷりは良質な物だと断言できます。
理由としては連携ゲージと敵の弱点の存在。
連携は今やサガだとお馴染みのシステムですが、本作の場合は連携ゲージを貯めて放つという必殺技や切り札的な扱いで従来と比較したらもう少しカジュアルで分かりやすいシステム。
そしてそのゲージを貯めるために必要なのが敵の弱点をつくこと。
これが今作の戦闘面では自分が1番いい塩梅の調整しているなと思った部分ですね。
本作の敵の弱点というのはいわゆる打撃や斬撃などといった属性的な分け方ではなく、明確にこの武器や術が弱点というシステムなんですね。
例えば剣は弱点でも大剣は弱点じゃない、こんなことは当たり前にあります。
つまり戦闘を効率的かつ優位に進めるためにはパーティ単位で武器や術を散らす必要があるわけなんですよ。
この形の弱点システムにしたことでオリジナルからどういう変化をもたらしたかというと死に武器がなくなりました。
オリジナルだと特に小剣や棍棒辺りが該当しやすくなりましたが、後半になるにつれて弱くはないんですが別の武器振った方が強いよね?ってことがありがちだったんですよね。
でも本作の場合は弱点と連携ゲージの仕様上その扱いになることはあり得ない。というかこのシステムを導入したことでそもそも武器間の格差を開発側がしっかりと是正する意識になってどの武器種も一線級の性能を誇るようになっています。
昔はそれこそ火力出すだけなら体術で千手観音やクロスクレイモアでも振っとけって感じだったのに今回はそれをすることは出来ない。
なのでサガとしてみれば個人的にはサガエメの方が戦闘は楽しいのですが、ロマサガ2のリメイクの戦闘としては当時の不満や格差に対するテコ入れとして出された大正解な返答を出された気がしてかなり高評価でしたね。
難易度導入
遊びやすさを重視しているためか、本作では戦闘難易度としてゲーム開始時点でもカジュアル、ノーマル、オリジナルの3つが用意されていました。
普通なら難易度なノーマルとオリジナルに近い難易度のオリジナル、そして遊びやすいカジュアルと選択できるようになっています。
これに関しては個人的には英断。
やっぱとっつきやすさは大事ですからね。
ただ1つだけ言わせてもらえるとしたらオリジナルはオリジナルの難易度ではない。
どう考えてもこれオリジナルより(特に序盤が)難しいですよね。
まぁこれ理由としてはシンプルで弱点や連携システムの追加で敵がタフになっているのでみんなで全体攻撃バーン!で倒せないこともあるからでしょうね。
それでいて敵の火力は高いので緊張感は頭をリメイクに切り替えないと痛い目を見る難易度でした。
オリジナルベースというよりはオリジナルを知っているプレイヤーにも歯応えを与えるモードって感じでしたね。
クリア後にはここから更に高難易度のベリーハードとロマンシングが追加されるわけですが、何だかんだで抜け道が大量にあるゲームなので多分誰かが破壊するでしょう。
まとめ
令和最新版のカジュアルに遊びやすくしたサガって印象のゲームに仕上がっていた本作。
とにかくビジュアル面でも遊びやすさでもとっつきやすさ優先のカジュアルさを重視していましたね。
リメイクと言えどビジュアルに惹かれる人もいるでしょうし、そんな人が初めてサガに触れた時に突き放さずに最後まで付き合ってくれる、そんな方向性だったと思います。
それでいてオリジナルをプレイしたプレイヤーにも戦闘面の変化やストーリーにちょっとした物を足すだけで1つ1つのイベントの印象を変えるようにするなど、リメイクとしては新旧プレイヤー問わず受け入れやすい理想的な部類のリメイクでした。
ここまでの物をお出しされると期待したくなるのはやはり3のリメイクですよね。
もし作るなら基本は本作ベースでしょうけど、技術点がなかった3でどういう成長システムにするのかとか、肉付け可能な部分が多すぎるストーリーをどこまでいじるのかとか期待に胸が膨らみます。
この開発の聖剣3や本作でのこの仕事っぷりをみるとリメイクで外すことはないでしょうからそこは安心ですね。
で、ここからはおっさんのどうでもいい余談。
今回のリメイクでのカジュアルさは間違いなく正解で素晴らしいですし、リメイクはこの路線でいいんですけど、サガエメのようなサガ完全新作が作られる時にはやはりその調整や戦闘は尖っていて欲しいという思いも正直あります。
ここら辺はサガエメと本作の売り上げの違いでこれからのシリーズとしての調整の方向性が明確にされてしまわないか正直ちょっと不安な部分だったりもしています。
これは厄介ファンの勝手な懸念ですね。
まぁでもサガなんて決まった形があるわけでもないシリーズですので、結局どんな形や調整でも新作さえ出たら自分は受け入れてやりこんでしまうんでしょう。
これで本作は一区切りと言いたいところですが、とりあえずロマンシングクリアくらいまでは頑張ろうと思います。
それをクリアしたらまた改めてそこに関しての感想を出してもいいかなと。(クリア出来なくて出さないかも?)