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製作国
アメリカ
監督
ジェイ・マッケンジー・ローチ
脚本
ジェイ・マッケンジー・ローチ
出演者
エル・ラモント
ジョー・ネマーズ
ニコ・レッド・スター
クリスティン・サットン
リース・リオス
今回はアマプラにて視聴したホラー映画、デビルズ・グレイブ(原題:The Devil’s Gravestone)の感想。
途中まではいい厨二感ある映画なのですが、後半で話の規模を壮大にしすぎた結果…
まぁ宗教色を強くしすぎると日本人的には本質的に怖くもなく、退屈になってしまいがちを良く表した映画になっていると思います。
ジャンルはホラーで上映時間は約92分となります。
目次
あらすじ
血液感染によって怪物へと変化した吸血鬼たち。人間同様、痛みや孤独を感じる彼らは、自身の血を与えることによって人間を新たな怪物に変えていく。3年前、怪物となった夫の最初の犠牲者は、ヒロインの幼い息子だった。やがて彼女の悲しみは怒りへと変わる。以来、彼女は夫を殺すため吸血鬼たちを狩り続けていた。そして、彼女の一途な想いは全人類の未来を賭けた戦いへと変貌していく!彼らはなぜ血を求めるのか。その謎が解き明かされる!怪物が人間界を脅かし支配する世界で彼らを狩る、女ハンターの壮絶な戦いを描くアクション・ヴァンパイア・ホラー!
Amazon Prime Videoより
デビルズ・グレイブを配信している配信サービス
※2025年10月11日時点
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登場人物
・ジャクリーヌ
3年間吸血鬼を狩り続けているハンター
吸血鬼となり息子を殺した元夫のケイルを追っている
・ディック
刑事
とある事件の手掛かりからジャクリーヌに接触してケイル探しに協力する
・ケイル・モルトン
ジャクリーヌが探している元夫
キャサリンという吸血鬼に噛まれ自身も吸血鬼となり衝動で息子を殺害してしまう
・マギー
ケイルの子を妊娠し昏睡状態となっている妊婦
ざっくり概要
割と中盤まで良い映画な本作。
というわけでまずはその中盤までの概要を。
3年前、吸血鬼となった元夫に息子を殺害されそれ以来彼を探すために吸血鬼を狩り続けている女性ジャクリーヌ。

吸血鬼のギャレットを狩り、負傷した痛みを酒とドラッグで誤魔化して寝むってしまった彼女の前にディックという刑事が現れる。
彼は最初の頃とは違い、ケイルの気配の手掛かりを探す手段が失われていく一方で荒くなっていく狩りを続けている彼女に協力を申し出る。
彼の指示で立ち入り禁止区域に入ったジャクリーヌ達だったがそこで吸血鬼達の襲撃に合う。
吸血鬼達を返り討ちにしディックの案内した隠れ家にいたのは妊娠し昏睡状態となっている女性マギーであった。
隠れ家では解剖された吸血鬼により彼らの生態をディックから聞くジャクリーヌ。
吸血鬼となると身体能力が跳ね上がる代わりに体内が活発に動き、そのために彼らは血を求める、
その欲求にケイルも負けたのかと語るジャクリーヌだったが、
ディックは殺したいという願望とエサを必要とする欲求は違う、あくまで彼が弱いから息子を殺害したのだとそれを否定する。
吸血鬼も普通ではない感情を持つが人間だと語り、吸血鬼達に同情するディック。
ケイルは妻と息子奪ったと既に気付いているのだと…
マギーの話に戻る2人。

彼女は3日前に見たかったのだがその時にはまだ妊娠はしていなかった。
まだ妊娠していないのに連れてきた理由を訝しむジャクリーヌをディックはマギーの家へと連れていく。
そこは事件現場。
通報を受けて駆けつけたディックは救急車を待っている間に見つけたマギーとと共に映るケイルの写真を見つけ、
彼女を隠れ家へと連れていき、その後ジャクリーヌに接触したのであった。

ジャクリーヌを遺体安置所に連れていきケイルの遺体を確認させるディック。
ケイルは自らの胸を刺して既に自死していた。
現場は不可解な事件が続く教会。
そこで儀式のような形式で生き絶えていたのだと教えられるジャクリーヌ。
復讐の相手は既に亡く、残されたのは不可解な妊娠をしている女性マギー。
調査を続ける2人は裏にある壮大な話、そしてケイルの狂気の計画を知るのであった…
と、ここまでは割と良い厨二感がある内容でした。
ですが、その後語る部分。
ここがもう少し抑えた話にしても良かったんじゃないかなぁと思う展開が続く映画となっておりましたよ。
地に足ついたミニマムな話でも良かったと思う
中盤以降のこの映画のストーリー。
中盤までは吸血鬼ハンターと刑事のタッグといういい感じの厨二感があったのですが、
中盤以降は厨二を振り切って話を壮大にしすぎた結果、話も期待も何というかブレブレになってしまいました。
終盤に入り何が語られるのかと言うと物凄い宗教的な話です。
キリスト教徒の吸血鬼ガブリエル(姿形見せずに終わります)が作った宗教。
その宗教による“真の契約”としてキリスト=サタン、つまりキリスト教はサタンの尖兵を生み出しているのだと急にぶっ飛んだお話をされるんですね。
で、予言書に書かれているケイルの物語により、マギーとケイルの間に生まれるのは神の影サタンだと言う。
…くっ、こういう宗教的な怖さは全く感じ取れないし冒涜だと怒りを覚えるような感性もないから置いていかれっぱなしだぜ。
中盤までは定期的に戦闘も挟んで厨二感出してくれていたのにここら辺からはその説明だけでずっと時間使われるんで頭パルプンテ状態になりましたよ。
こんな壮大にする必要わざわざあったかぁ?と思わざるを得ないし、
別にこの設定が無くても後半に明かされるディックの設定で最初の路線のまま話進行出来たと思うんですよ。
そのディックの設定なのですが、実は彼も吸血鬼だった、
しかし吸血鬼特有の衝動に30年間抗い続けているという、
彼が吸血鬼も人間だと語る部分に納得がいくような設定が明かされる訳ですね。

うん、これが話の軸でも全然いいじゃん。
吸血鬼になり、衝動に負けて息子を殺害して狂ってしまったケイルと吸血鬼になっても衝動に抗い続け治療法を探し続けるディック。
そしてその2人を知り狭間にいるジャクリーヌが最後に両方を討つのか、それとも…
こんなんでもこのストーリーは成り立ったと思うんですよね。
寧ろ壮大にしたせいで何か話がブレてしまった感があるんですよね。
元はケイルに復讐する過程で吸血鬼も憎むようになったジャクリーヌが同じ吸血鬼でも衝動に抗う存在を見て
復讐の手をどこで止めるのかというのが復讐譚として美しい形だと思うんですが、
そこが話の規模が壮大になったことでブレてるんですよ、というか忘れてるんですよ。
そもそも2人を吸血鬼にしたキャサリンという女吸血鬼がいるのにそこも放置。
ぶっちゃけ最初のノリのまま女吸血鬼ハンターと衝動を抑える吸血鬼、
このバディでキャサリンを倒しに行く方が分かりやすい爽快B級感あって良かったと思うんですけどね。


これは作家性やテーマを無視したB級脳過ぎる考えですかね?
最後のオチも何かなぁ。
ディックも他の登場人物も死亡してしまい、
そして結局産まれてしまった子供をジャクリーヌが見つけその子を暗闇の中でも導いていくという決断して終わる。
まぁ産まれた子供が最初から悪性を持って産まれるのかそれとも育ちによって悪になるのかってことで、
彼を導くことでシナリオを狂わせるっていう結論なんでしょうけどうーん、やっぱ宗教的過ぎますかね。
ここら辺は生まれた国や宗教観によって印象変わる部分なのでそういった宗教観が無い自分がどうこう言うのは的外れなんでしょうけど、
個人的には復讐譚というミニマムな目的の中で話を展開して欲しかったストーリーでしたね。
厨二感は何だかんだで良かった
ストーリーは後半は不満ありましたが、アクション面ではそれなりに満足出来る内容でした。
正直なところ、動きもカメラワークも決して良くはないんですよ。
でも、女吸血鬼ハンターが吸血鬼を狩るというそのシチュエーションだけでこの厨二感が付随されることにより謎の満足感があるのです。
全て失ってどこか退廃的な女性が初っ端からショットガン撃ちまくったり、

感染した女性を(おそらくは)容赦なく手にかけたり、
ハッキリと描写しませんがエグい拷問しているであろうところとか。
エキスパートでもない人間が復讐心だけで戦い、傷はドラッグと酒で誤魔化す、この孤高ではなく孤独な戦いをしているのがたまらんのですよ。

こんなジャンクな要素が刺さったのでより後半の展開に残念さに感じたのですが…
やはりね、アクションホラーの厨二感は最後まで大事にして欲しかったなと思いますね。
まとめ
B級ならではのシンプルかつミニマムな方向性で行ってほしかったのですが、
変に小難しい方向に舵を切ってしまったのが残念な映画でした。
動きの悪いアクションも厨二で容認出来ていたのに、
その厨二を後半で捨ててしまったらそれは出来の悪いアクションになってしまうのだよと言わざるを得ない。
話として復讐という部分は投げ捨てた感ありますし、初志貫徹の精神で中盤までのノリで話を進めて欲しかった映画でした。
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