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製作国
中国
監督
リー・ジーウェン
フェイ・シャオ
出演者
サイモン・ヤム
ゼン・メンシュエ
クララ・リー
ウェイ・シャン
チュンユー・シャンシャン
最初に定められたリアリティラインから繰り広げられる推理とアクション
そして最後は愛と復讐、腐敗と正義でしっとりと…
まるでコナン映画のような楽しみ方が出来る!
今回はアマプラにて観賞の中国映画、侠客-闇狩り-(原題:长安诡事传/The Man’s Secret)の感想。
派手なワイヤーアクション、そんなことが出来るリアリティラインから展開される連続殺人事件の捜査とトリック!
アクションと推理の合体映画なんで日本人的にはもう実質コナン映画でいいでしょう!
でも最後は任侠な終わり方でしっとりともさせてくれますよ。
ジャンルはサスペンスアクションで上映時間は約84分となります。
(C)Starlight Alliance Pictures (Beijing) Co.
目次
あらすじ
その闇、必ず暴いてみせる!
Rakuten TVより
唐の時代、深刻な干ばつに見舞われ司天台のガオ・シェンヤオが雨乞いの儀式を執り行うが、儀式によって恵みの雨ではなく大量の油が降り注ぎ千の頭の悪魔が出現、儀式に参加した多くの人が襲われ副官であるルオ・ハも惨殺される。ガオは過去に江南の地で起きた水猿による未解決事件を解決した実績をもつ死刑囚ドグに調査を依頼、ドグは調査の間だけ死刑を免れ釈放されることに。監察御史のリン・チェンユエや大理寺少卿チー・ドーダオと共に調査に乗り出したドグは、卓越した知識と推理力で事件にチョウセンアサガオの毒が使用されたことに辿りつき、その流通ルートが夜市であることを突き止める。だが、再び千の頭の悪魔が現れ、ルオの妻であったシャン・イェが死亡、彼女を訪ねてきた妹ホワ・レイも捜査に参加したいと申し出る。夜市を裏で仕切る謎の女イェ・ティエンズーからチョウセンアサガオの毒の売人の情報を聞き出すことに成功し、事件の真相へと近づくも、次々に浮き彫りとなる事件とそれに関わる人物たちの闇と秘密、そして、陰謀。そして、それはドグも例外ではなかった。果たして、ドグは事件を解決出来るのか!?
この映画を配信している配信サービス
※2025年4月20日時点
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登場人物
・ドグ
死刑囚の男
上からの命により“千の頭の悪魔”の起こした殺人事件の捜査を任される
・チー・ドーダオ
大理寺少卿
ドグの監督と事件の捜査のためにリンと共にドグと行動する
・リン・チュンユエ
監察御史
事件解決までの間ドグを監督するためにドグとチーと共に捜査に携わる
・ホワ・レイ
ルオの妻シャン・イェの妹
“千の頭の悪魔”に殺害された義兄と姉の敵を打つためにドグ達に同行を申し出る
・ガオ・シェンヤオ
風や雨を操れるとされる司天台
自身が行った雨乞いの儀式の結果“千の頭の悪魔”が現れた
上からの命で事件の捜査をドグに任せることに
ドグが死刑囚になった件にも関与していた
・サイ・リー
有力名家であるサイ家の当主
ガオとは繋がりがある
・ルオ・ハ
ガオの副官
“千の頭の悪魔”に殺害される
・シャン・イェ
ルオの妻
“千の頭の悪魔”に殺害される
・イェ・ティエンズー
夜市を仕切る女性
事件に使われた様々な道具の出所についてドグに捜査される
ざっくり概要
ここからは例によって中盤までのざっくりとした内容を。
唐王朝の永徽時代。
干ばつに苦しむ民のために司天台ガオ・シェンヤオによって行われて雨乞いの儀式。
その儀式の結果雨が降ってきて沸く民達だったが、時が経つにつれそれが雨ではなく油であることに気付いていく。
そしてその油と共に“千の頭の悪魔”が現れ、民達を次々と襲っていく。
そしてガオの副官であるルオもまた“千の頭の悪魔”の手にかかり、命を落とすのだった…
一夜明け雨乞いの儀式で起きた事件、その調査が開始されたが、その事件を担当することになったのはガオの指名により今日死刑が執行されることになっていた男ドグだった。
7日後に行われる中原の儀式、それまでの6日間で事件の解決を求められるドグ。
だが自らの儀式で起こした事件は自らで払うべきでは?とドグは一度は断る。
死刑囚に事件を担当させることに不安視する大理寺のチャン・シュンはドグの経歴をガオに尋ねる。
ドグは3年前に起きた川の悪魔“水猿”の手によって起きていた有力者の子供だけを殺害していた事件を解決した者だったが、
実際には彼自身が水猿だった、だが有力者の勅命で今回ドグの釈放が決まったと説明するガオ。
改めてドグに事件の捜査を頼むガオ。
雨乞いの仕組みについて話し、学者に教わり黒煙を発生させ雨雲に見立てそこに火薬を使い偽の雷を発生させる、そして風に揺られ吊られた袋から水が落ち雨が振る、これが雨乞いの仕組みだとドグに抑えるガオ。
この科学的な手法を知っている他の誰かによって嵌められ、このままでは自身が破滅してしまうと言うが、自分の家族を殺したガオに協力するつもりはないとドグは強く詰め寄る。
だが実は生きているというドグの娘の居場所を条件にドグは“千の頭の悪魔”が起こした殺人事件の捜査に協力することを決断するのだった。
大理寺のチー・ドーダオ、監察御史のリン・チュンユエ。ドグの監督役でもある2人の男と共に捜査を始めるドグ。
事件の現場には数千人のもの人間がおり、そこで全員が無数の頭が宙に舞っていたと錯覚するほどの仕掛けは何なのか?また多彩すぎる殺害方法の凶器は?
現場に落ちていた灰から嗅ぎ取った香の中にある異質な香りに気付いたドグはまずこの香りから捜査を開始する。
歓楽街に訪れるドグ達一向。
そこの遊女の1人ルーユエに会いに行き、彼女の香を用いて自身を美女と錯覚させるほどの仕掛けが出来る彼女に現場に落ちていた灰の香りについての質問をする。
ルーユエは灰の香りから事件に用いられたのはチョウセンアサガオの毒だと推察する。
この毒は相手に思い通りの幻覚を見せるほどの毒。
その出所を夜市だと聞いたドグ達は次の目的地を定める。
その夜“千の頭の悪魔”によって再び多くの人間の虐殺が行われる事件が発生する。
そしてその被害者の中には最初の犠牲者ルオの妻シャン・イェも含まれていた…
現場に行き遺体を調べようとするドグだったが、その時何者かの気配を感じ取ったチーがその様子を覗いていた女性を捕まえる。
その女性は殺害されたシャンの妹ホワ・レイと名乗る。なぜこの遺体が姉だと分かったのかと尋ねるドグに対して自分が作った服を着ているからと返すホワ。
捜査の邪魔だとチーに追い返された後、改めて棺の中のルオの遺体を調べるドグ。
ルオの遺体の脇から出てきた謎の接着剤、そして体毛が無くなっていたことにも気付く。
ルオの遺体を検視した検視官トントンに改めてルオの検視を頼むドグ達。前回は確かに体毛があったと語るトントン、
そして体毛がないのは脇に塗られていた接着剤が全身に塗られておりそれを剥がして毛が抜けたのかもしれないと推察する。
検視の後から手の痒みが治らないというトントンに接着剤をつけて無理やり剥がすドグ。
何か肉眼では見えないものがあるのかもしれないと付着した物について調べるように頼む。
またルオが事件当日来ていた服についても質問するドグ。服は遺族に返したが、第二の事件の後、服は見つからなかった。
おそらくは犯人が持ち去っていた物だと推察するのだった。
夜市の時間までの間に“千の頭の悪魔”の宙に浮いていた仮面について考えるドグ達。
犯人は事前にチョウセンアサガオの毒を仕掛け幻覚を見せ、そして“千の頭の悪魔”だと叫んだ。そうすることで悪魔の仕業とを信じ込ませた。
殺害方法は絹糸、凧糸でも手が切れるなら特殊な絹糸であれば人の首を落とすのは容易。そしてイェ殺害の現場にあった白旗からは香の灰と似た匂いが漂っていた。
ただ分からないのはルオの家族まで殺害に及んだ動機。
復讐にしてはあまりに大掛かりすぎるとここだけが分からない。
現場の柱から糸の痕跡が見つかるもやはり動機は不明なまま。
そんな折にホワが大量の桐油を持って現れ、1人で姉の敵を取るために捜査するとドグ達に宣言する。
夜が更けて夜市に訪れるドグ達3人。
不気味な雰囲気な中で現れた紙の人形に招待状を渡すと途端に景色が普通に戻る。
盗賊も娼婦もおり、更には少女の腕すら切られ売買される世界。
そこでチョウセンアサガオの売人の手掛かりを探している最中、何者かに雇われた刺客がドグ達を襲撃する。
それは夜市を仕切る女イェ・ティエンズーだった。
追ってきていたホワ共々窮地に陥るがドグは先ほど渡した招待状に毒を染み込ませ、解毒剤と交換条件に売人の情報を渡すように取引を持ちかける。
ティエンズーから受け取った情報から売人の元に向かい彼を問い詰めるドグ達。
売人は確かに大量に売ったが事件の現場に毒を巻き散らかすには自分の持っていた毒の量では遥かに足りないと説明する。
それを聞いて桐油を使ったのだと気付くホワ。桐油を買った時に皮膚の治療にも使うと聞き、それなら毒と桐油を混ぜ体内に浸透させれば少ない量で効果が出ると。
そして売人から誰に売ったのかを聞き出すドグ達。
買った者の名はサイ・チェンリャン。それは指折りの名家であるサイ家の息子だった。
権力ある名家への家宅捜索を渋る大理寺のシュンだったが、最終的には折れてサイ家の家宅捜査の許可が下りる。
突然の家宅捜索にもまるで怯まないチェンリャンだったが、ドグが見つけ出した隠し扉の先にいた大勢の監禁されたホワも含む女性達の姿、更にチョウセンアサガオと仮面、そして部屋にあった反逆の企てとも取れる書面。
これらが見つかったことでチェンリャンは“千の頭の悪魔”の殺人事件の容疑者、そして反逆の罪で逮捕されるのだった。
チェンリャンに捕まっていたホワを送り届けるドグ。
だがその最中にチェンリャンの父親リーが現れ、ホワを人質に取り、ドグにこれ以上の手出しをするなと脅してホワを連れてその場を後にする。
1つの確信を得るためにティエンズーの元に訪れ、その反応を見て彼女を雇い自分達を襲撃させた魔のこそ真の黒幕だと確信する。
チェンリャンの審問の日。
ドグは彼の無実を証言して、家宅捜索によって得た1つ1つの証拠の不備を説明する。
“千の頭の悪魔”、そして反逆については疑いが晴れるも、女性達の監禁について問われるとただモテるだけとされ、それすらも権力によって無罪とされてしまう。
ドグによって釈放されるチェンリャン。それを知った民達は権力に屈した男としてドグを非難するのだった。
釈放されたチェンリャン。
女遊びをする彼だったが、その時3年前に捕まったはずの水猿が現れ、チェンリャンを引き摺り込み殺害するのだった。
事件の真の黒幕は誰なのか?そして再び現れた水猿の正体は?
中原の儀式の時、真実が暴かれる。
色々と盛り合わせなサスペンスアクション!
中国、唐の時代を舞台に繰り広げられる推理映画。

最初に設定したリアリティラインをベースに始まる“千の頭の悪魔”が起こした事件の捜査、そしてその捜査をするのは死刑囚、そして途中で現れる過去に捕まえたはずのもう1つの悪魔“水猿”
今の事件と過去の事件、そして死刑囚たるドグの過去、推理物らしく二転三転する展開(最後はハイスピードでやりすぎ)とそしてアクションが楽しめて、中国映画らしい推理で視覚的な楽しさがかなり豊富でした。
主演はサイモン・ヤム。
この映画だと若く見えるので正直最初気付かなかった。バリバリワイヤーアクションもしてるので体も若いですねぇ。
これは実質コナンだな!
この映画は実質コナンです。
いきなり何言ってんだと思われるでしょうが、ここまで推理とアクション、両方が楽しめるなら日本ならコナンという評価でいいでしょう。
冒頭の“千の頭の悪魔”の登場、この初手の段階で派手派手にワイヤーアクションしてこの映画はリアリティラインを定めた中で展開されていく推理。

このアクションは推理物なのに常に合間合間に挟まれて、視覚的な飽きを与える暇をこちらに与えてきません。

しかも高クオリティ。
平然と数メートルはジャンプで飛びますし、糸や人形を操った高等技術だって披露される。
この推理物であろうとアクションは派手にしてやるぜという気概はやはりコナン…!

しかもこのアクションの力技が許されるということは糸で平然と大量殺人したトリックの方にも活かされる。
このリアリティラインからの殺害方法はファンタジー映画で魔法があること前提で展開される推理物を見ている感じで、
こういうのはなかなか日本の実写では見れない展開でこういうアニメ的なことを実写で大真面目にやれるのは新鮮だし、ここら辺は中国の強みでもあるなと思いましたね。
しかもこのリアリティラインで割と真っ当に推理をやっているのも面白い。
怪人が出てきて人を殺害していくというのはこれ自体はそれこそ金田一とかで馴染みはあるんですが、時代設定ですよね。
それを唐の時代、600年代から900年代に設定したことで、人々が伝承や儀式をより簡単に信じやすい。 誤解を恐れずに今風に言うなら教育レベルが低く情報リテラシーも低い状態。
だからこそそれに惑わされない現代的な見方を出来るドグが感覚的にも共感しやすく際立つ訳です。
この現代的な見方というのも割と気持ちよくなりやすくてですね。
言ってしまえば当時の情報リテラシーレベルだったら今の時代の義務教育レベル程度の情報リテラシーでも高等レベルなわけですよ。
自分みたいなその程度の人間でもこいつら馬鹿だなぁとある種の優越感を感じながら気持ち良く見させる上手さがありました。
このリアリティライン故に相当な力技のあるトリックがあるのも確かでしたが、推理と派手なアクション、この両方を楽しめるのはやはり実質コナンという評価でいいでしょう!
事件の真相
この映画のメインストーリーとなる“千の頭の悪魔”による殺人事件。
これは推理物ではよくある復讐物だったわけですが、手段はやはりこのリアリティラインですからちょっと強引ではありましたかね。
犯人は途中で現れた女性ホワとそして一応作劇的にはサプライズとなる死んだはずのルオの妻イェの姉妹。
実は生きていた人間が犯行は割と反則技の1つではあるんですが、事件自体は実は生きていた人間が死を偽装した後に犯行を行っていないのでここはセーフでしょう。
で、動機の方は国を滅ぼされた(?)復讐。
雨乞いの儀式をしたガオ、そして有力者であるリー、この2人が自身の立場を利用して星の巡りを書き換えて自分たちの国に凶兆が出ているとして攻め込んで来たからなわけです。
目的自体はその国に大量にあった桐油、これを得るためにこのようなでっち上げをして攻めさせたわけですが、
このような星の巡りだけで攻めこむ理由になってしまうというのは迷信や占星術を行動基盤としてしまいそれを意図的に書き換えられてしまっても気付かないという時代設定の成せる技であり、ここら辺も設定の使い方の上手さはありましたね。
そして犯行手段は糸による殺害だったわけですが、使われたのはまたまたその国で取れた石綿。現代で分かりやすく言うならアスベストですね。
これとチョウセンアサガオの毒を使った思い通りの姿に見せる幻覚を使って“千の頭の悪魔”として犯行を行った訳ですが、この両方の手段がこの映画の設定したリアリティラインだからこそ許された手段ですよね。
この都合よく何にでも見せる幻覚と首すら切れるアスベストで作った糸とその技術とか普通の推理物なら許されませんが、この映画が最初に示したリアリティラインなら許される!
フィジカル重視の犯行だったりするところがある種の面白さであり、この映画らしさだと思いますよ、自分は。
こんな便利すぎる手段と技術があれば普通ならバレませんが、なぜ証拠が残ってしまったのかと考えるとなかなかに物悲しい。
幻覚に使われたチョウセンアサガオの香りはともかく、アスベストの方に関しては彼女達の愛ゆえに生まれた証拠。
最初に殺害されてしまったルオ、彼の死は彼女達にとって本当に不本意なことで、油と火を使った犯行であるが故にアスベストを使った耐火服をルオに着せていた。
けどそれがルオの体に付着したことで犯行手段がバレることになりそうで彼の体に接着剤をつけて体毛ごと石綿を取った。
この体毛が無いことと残った接着剤、これが真相への道筋に近づくことになってしまったというこの愛故に瓦解してしまったというのは推理物らしさでもあり、中国映画らしさもある展開でこれこそ復讐劇の推理物だよなって変な言い方嬉しくなりましたよ。
ルオのことは本当に信頼し、愛していた姉妹。
ルオ自身も不正の証拠を掴んで告発をしようとしていたそうですから、これは本当に不幸な話です。
彼女達の復讐の結末もガオ達の死だけでは止まらず、皇帝の殺害も目論んだために中原の儀式で再び犯行に及んだ訳ですが、

個人的な見解としてはイェが止まらなくなってしまったのはルオを殺害してしまったからというのもあると踏んでいます。
ですが、最後はドグ達と行動したホワがドグを庇ってイェの刃によって命を落とし、失意の中でイェは逮捕されてしまう。

故郷への愛によって復讐を誓い、愛する者を手にかけてしまったことで止まることは出来ず、そして行動を共にしたことで生まれた信頼でホワのように命を落としてでも最後は踏みとどまる側が生まれると。
この後に別の人物同士でも出ますが同じ道でも出会った人物や行った行動、秘めた思いで別の道に進むというのはこの映画の軸ではあったように思えます。
こうして見るとメインの事件の話は徹頭徹尾まで愛の話でしたね。
うん、こういう恥ずかしげもないド直球なベタなことをしてくれるから中国映画は自分は好きですよ。
二転三転するラスト(あまりいらないと思う)
事件の解決があってもまだ残された謎。
それはドグの死刑の真実と再び現れた水猿の存在。

ここの真相についてはドグのパーソナリティに触れるという意味では必須なんですけど、
あまりにもハイスピードで話を二転三転させているんでもう少しスマートに持っていってもいいんじゃないかなと思いましたね。
3年前にも現れ有力者の子供を殺害したが、ドグによって捕まった水猿、しかし再び現れ、同じ有力者の子供であるチェンリャンを殺害するという事件。
当初はすぐに捕まり模倣犯として死刑にあったのですが、実際の真相は違った。
この“現在の”水猿は共に捜査に当たっていたチーだったのですが、ここからの二転三転は本当にややこしくしているだけでした。
最初は3年前の水猿もチーだったと本人が自白するのですが、この後10分も経たないうちに3年前についてはドグがチョウセンアサガオの幻覚を利用してチーが自分だったと思い込ませただけ。

そして実際は3年前の方はドグだったと、それがガオにバレて自分の道具として自分の障害となる存在を消すように要求されるも断り、
その結果家族が殺害され、更にその罪を着せられて死刑囚になったのがドグの死刑囚としての真相でした。
ドグとチーの2人の水猿としての目的自体は腐敗して政治への不満、有力者がどれだけ罪を重ねても不満となる世界への手段だったのですが、
チーの邪心に気付いたドグはそれに反対していたという過去も明らかになる、要はチーの方はヒーロー物とかによくあるありえた姿としての存在でした。
ただそんなガオがなぜ自分にも手が及びかねないドグに捜査を頼むことになったのか?それはより上の命令によってだったわけですが、それは皇后の命令だったと。
姉妹への復讐のための情報も渡しており、更にそこの捜査を任せるのはドグに、その目的は政に関われない自分に代わり、貴族達の腐敗を一掃するためだったというわけです。
うん、やっぱラストで急にまどろこしっくなりましたね。
とにかくチーの3年前の水猿の話があまりに余計過ぎる上に20分も掛からずにすぐに解決するからあんま必要性を感じないんですよね。
さっさと腐敗した貴族に対する怒りを覚えていたドグと皇后がこれからも協力するで終わらせても良かったと思うんですが、ちょっと推理物っぽくややこしくしたかっただけなんでしょうか?
色々余計な部分に引っ掛かりはしましたが、実は生きていた娘の保護も皇后によって行われ、そしてドグは今後も牢の中で皇后の命令を待つ身として誇らしく終わる。
こういう腐敗と正義という任侠の話に着地するのは時代劇って感じがするんでいいんですけどね。

続編もいくらでも出来る終わり方ですし、劇場版コナンなノリをこれからも続けてほしいですね。

最後に明かされるドグのライ・ジュンチェンという本当の名は向こうの歴史なり創作なりで有名だったりするんでしょうかね?
まとめ
アクションも推理も楽しめる実にコナンな推理映画。
最初のリアリティラインからそのラインに沿ったアクションと推理の仕掛けをちゃんとやり切ったのは何気に架空の時代劇推理物としては相当頑張った映画なんじゃないでしょうか。
後半の流れこそ無駄がありましたが、視覚的に楽しみが続く推理物というのは実写だと意外と珍しい。
愛と復讐、腐敗と正義。
こういう不変的な感情と政治。正解は見つからなくても携わる人間によって最後は変わる。
それがホワとイェ、ドグとチーの違いになってしまったんでしょう。
こういう小難しい部分を置いておいてもアクションと推理の一粒で2度美味しい映画なんで、中国アクションが嫌いじゃないなら結構楽しい映画ですよ。
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