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製作国
カナダ
監督
マシュー・ニネーバー
脚本
マシュー・ニネーバー
出演者
ジェレミー・ニネーバー
イーサン・ミッチェル
クリステン・カスター
マシュー・ニネーバー
Matt Daciw
研究所、ロックダウン、化け物、救出作戦。
ゲーマーやB級好きには心躍るこのワード達。
今回はそんな一部にはたまらねえ映画ダーク・プロトコル(原題:Death Valley)感想のです。
ジャンルはアクションホラーで上映時間は約91分となります。
途中までいい雰囲気出しといて最後の最後にB級感満載のラストにしてくれる素晴らしい映画ですよ。
・まるでゲームのような救出作戦
・何気にいいバディもの
・最後に見せてくれるお約束
目次
あらすじ
山奥の地下壕に作られた極秘バイオ研究所が、何者かの襲撃を受けた。SOSを受けた特殊部隊が急行、正体不明の敵部隊と激戦を繰り広げる。傭兵のベケットたちは地下基地に潜入、科学者のクロエを救出し、恐るべき秘密を知る。その研究所では、氷河から発掘した謎の生命体と、人間の細胞との融合実験を行っていたのだ。そして、“アダム”と名付けられたモンスターが誕生。敵の狙いは、究極の兵器となるアダムを奪取することだった。ベケットはクロエを護りながら、決死の脱出に挑むが…。
アルバトロス・フィルムより
登場人物
・ジェームズ・ベケット
研究所のクロエ救出のために派遣された傭兵
妻のジェスが娘を妊娠している
・ジュニア
ベケットの相棒で狙撃手
・クロエ
研究所の博士
ロックダウンした研究所から救助の派遣を要請する
・レイチェル
ベケット達の相棒
過去にジュニアと付き合っていた
・ジョナ・ペトロフ
研究所を襲撃した武装組織のリーダー
・オレク・ヴォルコフ
武装組織のメンバーで研究所の元警備員
研究所ではアダムの世話をしていた
フォーマットはゾンビ物
閉鎖された研究所で感染した研究員に襲われると、基本フォーマットとしては完全にゾンビ物のノリです。
そこへの導線としてロックダウンした研究所の生き残りからの救助要請、森での武装組織との争い、そこで大半の武器や仲間を失い研究所に行くなどゲームのチュートリアル感もあって実家のような居心地のいい設定と描写でした。
研究所に入ってから出会う感染者に関してはゾンビではなく見た目は言うなればバイオのリッカーですね。
能力なんかは当然違いますが。
感染の成り立ちは過去に氷河から見つけた検体“N”。
これをヒトゲノム研究の最先端を担う研究所が実験し、人と検体“N”遺伝子をハイブリッドさせて生み出された“アダム”の暴走によるものと、これまたゲームっぽくてとてもとても好みな設定と流れです。
感染者は聖書になぞらえて“ネフィリム”と呼称されますが、こういう実験体や感染者にこの手の名前をつけられると厨二心がくすぐられてたまらんですね。
この“ネフィリム”もちゃんと特徴や特性などが設定されているのも楽しむ上ではありがたかったですね。
音に異様に反応する、また感染者は22人いた元研究員と数が限られているということで1体1体がタフなのも緊張感出せていました。まぁ複数纏めて出ることもないんですが
ネフィリムがタフな部類な上、装備が心許ない状況ということで倒すよりは避けるがベースなのはゾンビもののフォーマットとしては好みの部類ですね。
この状況でのジュニアの化け物いるならそう言ってくれればちゃんと装備整えてやってきたのにという愚痴は大好きです。
いや、全くもってその通りだと頷き後に実はここが伏線だったのかと納得するのもいいところ。
大量のゾンビ相手に無双もいいですが、強い個体相手に逃げを優先して対抗もいいモノです。
一応アダムにまつわる謎解き要素なんかもあったりしますが、これはアダムの名前がミスリードになってるくらいで大体みんな予想通りの種明かしだと思います。
ぶっちゃっけアダムはクロエ博士なんですが、これはまぁ予想できますよね。
そもそも冒頭でネフィリムに襲われなかった時点で感染者か大元かって物ですから。
このアダム、この手の物としては結構珍しい展開で。
まずは最後まで見た目は普通のまま、これはなかなか珍しいんじゃないでしょうか。
大体こういうのはバレて追い詰められたら他の感染者と同じようにクリーチャー化するもんですが、アダムはそのままでしたね。
そしてそのままで超強い。
そしてもう一つは行動の動機が俗です。本能や渇望でもあります。
生まれてから30年研究所で過ごし、研究員達に騙されていましたが、子供が出来て自分が実験体だったと分かったからキレて子供のためにも出ようと思った。
うーん、分かりやすくて俗です。
こういう生まれも特殊な存在だとどこか超然とした部分があってもおかしくないですが、彼女は最後まで種族が根本的に違う以外は人間らしい感情で動いていたと思いましたね。
体の形は精神の形とも何かで見ましたが、人間の形をしたアダムはやはり人間の精神性を持っていたのかなと思いますね。
何だかんだでいろいろ書きましたがやはりゾンビ物といったらラストが重要。
ジュニアは途中で感染、ベケットは瀕死でアダムに勝利、
ジュニアは最後に感染した自分は一緒に行けないとしてベケットを1人で送り、ベケットは瀕死の状態で最後に妻に電話して意識が途切れる…
だけで終わらないのがやっぱりゾンビ物。
実は感染していたベケットが救助隊に襲いかかり、ネフィリムは外界に進出してしまった終了という。
B級のゾンビ物のフォーマットはやっぱりこうじゃないといけませんね。
綺麗に終わっても良さそうなのに。やっぱ最後に入れたくなっちゃうんでしょうね。
バディとアクション
ストーリーが面白さを担当するならこちらはこの映画の派手さと楽しさを担当です。
単純にベケットとジュニアの相棒関係は良かったですね。
ベケットは正直かなり甘い上にそのせいでピンチになる、ジュニアは引っ掻き回しているようで状況考えると意外と正論言ってるというバランスのいいバディでした。
というかジュニアがいいですね。
「ジェームズは救う努力はする俺の長所さ」序盤のこのセリフがちゃんと最後に行動で活かされてるのはいいと思います。
逆にベケットは頼りになるしいい奴なんですが、甘さが状況のせいで許されなかったというのは少し可哀想でしたね。
最初は武装勢力最後はアダムに対してこの甘さが結果として足を引っ張ってしまっていたかなと。
行動力と見た目はかっこいいんですけどねぇ。
この2人の信頼関係とやり取りでひたすら進むような物なので道中での軽口など含めて彼らがこの映画を支えたといっても過言ではなかったですね。
そしてアクション。
戦うホラーではあるのですが、ちゃんとホラーらしい逃げが用意されているなど、バリエーションがあっていいです。
最初は武装組織との銃撃戦からの撤退戦。
この規模の映画にしては派手にドンパチしてくれるので、弾があまりにもベケット達に当たらない以外は楽しんで見れましたね。
次は中盤のネフィリム戦。
ここは派手さがなくホラーなアクション展開。要はかくれんぼですね。
武装が限られているのと、武装組織の侵入も相まって前門の虎後門の狼と言わんばかりの緊張感溢れるパートでした。
書いていて思ったのですが、最初に人間、後に化け物というのは珍しい構成ですね。
こういうのは大体最初にゾンビなどを相手にしている最中に生き残りの人間に襲実を受けて、実は怖いのは人間の方だったというパターンが多いのでパターン化させない変化だったのはいいですね。
そして最後はアダム戦。
ここは純粋な格闘戦。ここはアダムがカッコいいんですよ。
男2人を圧倒する格闘能力で2人とは明らかに違うキレのあるアクションで他を寄せ付けない描写なので種族の違いというのを分かりやすく表現されてました。
決着がベケットが首に縄をかけジュニアが縄を持って穴に飛び込んで仕留めるという、何というか泥臭いオシャレさがある決着なのがいいですね。
2人のバディとしての信頼で勝ち得たという感じで、やっぱりこの2人あってこその本作って思えますね。
まぁ、ラストで台無しなんですけどね!
まとめ
ゾンビ物のフォーマットで作られたこの映画。
ゾンビ物というだけで好みでしたが、ベケットとジュニアのバディがいてこその楽しく見れる映画でもありました。
やっぱこういう決まったストーリーの型の作品は登場人物がどれくらい魅力的かで決まるかなと思えましたね。
ネフィリムの特徴などそういうの部分もちゃんと設定されているのも見る側には状況の切り抜け方を想像させる楽しみを与えてくれましたし、良いゾンビ物の映画だったんじゃないでしょうか。
でもやっぱここまで細かくやってからのB級お約束なラストがいいですよね。
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