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製作国
カナダ
監督
ニック・ゾスタキフスキー
脚本
ニック・ゾスタキフスキー
出演者
ジョシュ・コリンズ
ロブ・ラコ
サマンサ・カーリー
パーミス・セハト
ビリー・レイ・グラント
普通が徐々に侵食されて壊されていくのは怖いもの。
今回はそんな映画フォービドゥン・プレイス 禁じられた場所(原題:Archons)の感想記事です。
ジャンルはホラーで上映時間は約88分です。
この映画の見どころ
・旅路が徐々に何かに侵食されていく恐怖
・襲撃からの隠れんぼの恐怖
目次
あらすじ
カナダの森林地帯。キャンプに来ていたエイプリルは、カヌーで川下りをしていたミッチたちと出会う。彼らはロック・バンドのメンバーで、バカンスでアドベンチャー旅行を楽しんでいた。同行することにしたエイプリルと共に、4人は森の奥地へと進んでゆく。だがそこは、先住民以来の伝説が残る、“聖なる地”だった。森の中から、彼らを監視している何者かの視線。奇怪な現象が続き、やがて1人また1人、姿を消してゆく仲間たち。そして残されたミッチは、想像を超えた《怪物》と遭遇することになる……。
Amazon prime video紹介ページより
登場人物
・ミッチ
スレッド・ドッグのボーカル兼ベーシスト
・エリック
スレッド・ドッグのギタリスト
・リヴ
スレッド・ドッグのドラマー
・エイプリル
スレッド・ドッグのファンでミッチ達の旅についていく女性
作風
派手さには欠けるもののじっくりと侵食してくるホラー
日常ではなくバンドメンバーによる旅路ですが、その旅路が徐々に壊れていく怖さが味わえる作風となっております。
ダーク・アンド・ウィケッドなんかに近い作風ですね。
普通に危ないお薬使用しているところには文化の違いを感じますが、
それの使用によるものなのか、それとも本当に何かがいるのか、
それが分からないトリップ状態な登場人物達の視点や行動で途中までは考察する楽しみもありました。
ただどっちなのか明らかになった後はやや陳腐化してしまう部分もあり、分からない恐怖と見せる恐怖の塩梅の難しさも感じましたね。
とはいえ最終盤の静かな緊張感や不気味さは個人的にはいいポイントでした。
ストーリー感想
踏み入れてはいけない土地
売れているものの次の作曲に手間取っているバンドメンバーが聖なる川、“女が馬になった川”に向かいと言う流れですが、
よくある環境を変えてと言う感じの話ですが、道中で普通に1日1回LSD使うというのは海外の映画だとよく見ますがここら辺は文化の違いを感じますね。
薬の影響なのかそれとも聖なる川へ踏み入れた影響なのか、川の色が7色に変化する映像的な気持ち悪さはなかなか不快感あります。
謎の足音や入れた記憶のない録音機に収録された曲など徐々に徐々に侵食されていくうまさがいいですね。
ちょっと移動と会話が長めかつ淡々としていてのでダレる部分もあるんですが、
そこからの最初の犠牲者で一気に緊張感上げるのは素晴らしかったです。
この死亡シーンもそこまで激しいものではないのですが怖さはありましたね。
犠牲者が出ても旅の位置的にすぐに連絡出来る状況ではないので旅路を続けるのですが、
ここから本格的に牙を剥いてくることになります。
結果として言うと薬の影響だけではなかったのですが、
ここでクリーチャーが姿を見せてしまうので得体の知れない恐怖というのはどうしても薄れてしまいますね。
ここからはホラーのジャンルが切り替わったと思うべきかもしれないですね。
薬自体も実はLSDではなく先住民が旅の儀式で使ったものだったという、ここら辺のタネ明かしは少し安易な内容かなとも思いました。
結局のところ踏み込んではいけない土地で使ってはいけない薬を使ったというものですのでしたが、
個人的にはこの薬と化け物の境界線は曖昧なままな方が好みでした。
とはいえタネと恐怖は違うもの。
ここからの恐怖は侵食ではなく襲撃の恐怖へと切り替わり不安感ではなく緊張感が重視されていきました。
また1人急に攫われるという流れは本当に急なので結構びっくりします。
ついでに見切りの早さにもびっくりします。(一応1人はギリギリまで助けにいこうとはしますけど)
小屋についてからは隠れんぼはBGMが殆どないのも合わさり、ここの緊張感と恐怖はこの映画の面白さのピークの1つでしたね。
ただクリーチャーがノッシノッシ歩いているのがちゃっと緊張感損ねる部分がありました。
怖いはずの彼らが逆に怖さを薄れさせてしまっているのは個人的にはこの映画の欠点かなと思っています。
1人だけ何とか逃げ延び車に拾ってもらうものの最後は…というところで終わってしまいますが、
冒頭とラストがラジオが流れてというのはいい終わり方ですね。
エンドロールの終わりがサイレンの音というのもラストの展開考えると個人的には気に入ってるポイントです。
クリーチャーについて
あんまり怖くはないというか姿は見せない方が多分怖いタイプです。
人型でちょっと着ぐるみ感ある可愛さがあんまり怖さを感じさせないんですよね。
やってることは普通に怖いですし、文化的な考えも持っていそうなところも不気味なんですが、
直接的に姿を見せずに一部だけ見せて存在を匂わせるくらいがちょうど良かったかなと。
この映画の良かったところ
恐怖を感じさせる演出は本当に上手かったと思います。
特に中盤までの徐々に壊れていく不安を煽る内容は特に良かったです。
個人的にはこの路線のままでも良かったと思いますが、
後半の襲撃の緊張感も姿を見せなければ別に悪いものでもないのでホラーとしての恐怖に関してはいい内容でしたね。
まとめ
静かに侵食して犠牲者を契機に急にホラーとしてのジャンルと緊張感の質が変わる本作。
だいぶパッケージ詐欺な内容ではあるものの、これ自体は良くあることなので特に気にせず見れました。
クリーチャーでちょっと脱力してしまう部分はあるかもしれませんが、
侵食と襲撃この2つの緊張感が味わえるホラーなのでそこら辺に興味があれば大損はしない映画だと思いますよ。
ちなみに最初の犠牲と小屋での治療はグロまではいきませんが、ちょっと痛い描写ですので苦手な人はそこだけは注意です。
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