【映画】怪異か病か レリック ー遺物ー ネタバレあり感想【レビュー】

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レリック
(c) 2019 Carver Films Pty Ltd and Screen Australia

監督
ナタリー・エリカ・ジェームズ
脚本
ナタリー・エリカ・ジェームズ
クリスチャン・ホワイト
出演者
エミリー・モーティマー
ロビン・ネヴィン
ベラ・ヒースコート

レリック ー遺物ー(原題:Relic)見たので感想書いていきます。

ジャンルはホラーで上映時間は約89分です。

あらすじ

森に囲まれた家でひとり暮らしをする老女エドナが突然姿を消した。娘のケイと孫のサムが急いで向かうと、誰もいない家には、彼女が認知症に苦しんでいた痕跡がたくさん見受けられた。そして2人の心配が頂点に達した頃、突然エドナが帰宅する。だが、その様子はどこかおかしく、まるで知らない別の何かに変貌してしまったかのようだった。サムは母とともに、愛する祖母の本当の姿を取り戻そうと動き出すが、変わり果てたエドナと彼女の家に隠された暗い秘密が、2人を恐怖の渦へと飲み込んでゆく…。

Amazon商品ページより

登場人物

✔️サム

ケイの娘でエドナの孫

エドナが行方不明なったと聞きケイと共にエドナの家に訪れる

✔️ケイ

サムの母でエドナの娘

母のエドナとはたまにしか連絡を取らない

エドナが行方不明になったと聞きサムと共にエドナの家に訪れる

✔️エドナ

ケイの母でサムの祖母

夫を亡くしてからは広い屋敷で一人暮らしをしている

✔️ジェイミー

エドナの隣人の男の子

ストーリー感想

怪異か病気か、生々しいストーリー。

エドナの失踪からサムとケイの親子が久しぶりに彼女の住む屋敷に訪れることで始まるストーリーですが、
序盤からどちらに転ぶのか分からない雰囲気を出してくれています。

ケイの見る不可解な夢やエドナが帰ってからの行動など怪異と病気、
他にも謎の声を聞いているエドナや屋敷の至る所にあるメモや壁の不気味なシミ、体に付いているアザなどいくつもの不安を積み重ねており、
どうなっていくのか最後まで予想はつかない流れとなっていました。

過去の曾祖父の認知症の話やサムに指輪を渡してから取り返そうとするなど認知症側の要素、
ベッドの下を除いた時に見える謎の動いている物体などの怪異とも思える要素。
ともかくラストに向けて積みに積み重ねていきます。

中盤に入りエドナの行動や言動がいよいよ持っておかしくなっていき、静かに確実に日常が狂っていきます。

ストーリー感想(ネタバレ部分)

中盤以降エドナの奇行は加速していきます。

サムとケイを偽物と思ったり、写真を食べようとしたり埋めたりしたりと普通ではなくなっていきます。

最初エドナを心配して一緒に住もうと思ったサムもその行動に不安を覚え調査をすることになり、
そこでジェイミーとエドナの間に起きたことを知りそれを調べていくうちに屋敷の裏を見ることになります。

そして起きるエドナの凶行、何が起きていたのか、何が原因なのか、その結末を見ることになります。


結局怪異と認知症どちらだったのか

これに関してははっきりとした答えは出ていないと思えます。

迫る壁や剥がれ落ちる皮膚などを見ると怪異と思えますが、
エドナの凶行や言動、そして解釈によっては前述した要素も認知症とも思える描写でもあります。

個人的にはこれは認知症の話や恐怖だった思っています。

夫を亡くしてから広い屋敷の中で1人で暮らす老人のエドナ。

“母さんの瞳は緑色”

“私の名前はエドナ”

このような自身の記憶を確認するかのようなメモなどもありやはり認知症の話だと思っています。

現代においては最も恐れられている病気の1つでもある認知症。
病気に対する理解や記憶を失くし自身を失っていく状態などがあのような描写になったのではないかなと考えています。

サムが屋敷の裏で迷子になったり壁が迫っているように見えたのも認知機能の問題と考えれば結構納得もいきますしね。

私は愛されてる“このエドナの最後のメモを見て孤独な認知症の老人の物語であったんだなと。

最後の黒く染まるアザや剥がれていく皮膚は本当どちらにでも捉えられる描写ですが、自分は認知症の話とおもっているのでこれを記憶と考えましたね。

ラストの3人の様子、エドナと同じアザが見つかるケイの描写など、
認知症家系の日常の侵食、崩壊をテーマにした(と思える)映画でした。

ホラー感想

雰囲気のいい良質な描写でした

最後以外は何か特別なことが起きるわけでもなく、淡々と日常がおかしくなっていく感じでかなり好みでした。

音などでびっくりさせるわけでもなくただただジメっとしたような空気感で怖がらせてくれます

人の少ない広い屋敷というのも暗闇の中だと不気味でいいなと思いました。

後半のエドナの凶行などは普通のホラーな描写ですが、
それでもそこまでのタメがあるため動きも含めて結構怖さがありましたね。

日本的な感じのホラーですね。

何よりこれを病気の話と見ると生々しい怖さがあり、それでいて物悲しさもありいいホラー要素でした。

まとめ

驚かし要素に頼らない生々しい恐怖感のある本作。

色々考えさせられる部分もあり、決して他人事ではないホラーでもありました。

ラストの3人の展開も悲しくも美しく不穏さもある素晴らしいラストであり、とても良作なホラーでした。

怪異と病気どちらに捉えるかによっても感想は変わりそうですが、この雰囲気自体が好みな人は結構いると思いますので気になったら是非。


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