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製作国
アメリカ
監督
スティーヴン・チョボスキー
脚本
スティーブン・レベンソン
出演者
ベン・プラット
エイミー・アダムス
ジュリアン・ムーア
ケイトリン・デヴァー
アマンドラ・ステンバーグ
ニック・ドダニ
ダニー・ピノ
コルトン・ライアン
アイザック・パウエル
エイブリー・ベダーマン
たった1つの大きな嘘。
それは時に自分の手から離れてしまうくらい大きな影響を起こし、
人を傷つけ、時に勇気付けて周りとの関係や自身の心も変えてしまうこともあります。
この映画もそんな取り返しがつかない大きな嘘から始まる物語でした。
1つの大きな嘘から始まる物語。
若者達が抱えてる孤独とそこからの繋がり、それを彩る素晴らしいミュージカルシーン
目次
見せる姿は違えど、抱えてる孤独と不安
この映画は主人公のエヴァンのみならず、複数の登場人物がそれぞれの孤独と不安を持ち合わせています。
エヴァンのように自信がなく自分を出せない者、
コナーのように攻撃的に孤立する者、
アラナのように一見皆を引っ張り上手くいっているようで演じている者。
それらの人物がコナーの死、そしてエヴァンの嘘から繋がり、
SNSを通じて同じように孤独を抱えている人々を救うことになります。
嘘から始まる物語と繋がり
エヴァンがセラピーで書いている、自身への手紙“親愛ならエヴァン・ハンセンへ”
これをコナーに奪われそれをきっかけに始まる大きな嘘の物語でしたが、
それが多くの人々の人生に関わっていきます。
同じような孤独を抱えていると告白したアラナが始めた活動。
その中で自身がこうありたかったことを互いの思い出のように語った嘘のスピーチ。
SNSという場でそれは多くの同じようなひとびとに届き共感され、
エヴァンにとって制御がつかないくらい大きな唸りになって繋がっていきます。
ここはどこか怖さを見せていたようにも感じましたね。
そしてコナーのために思い出の果樹園を復活させようとするクラウドファンディングが始まります。
家族への憧れ
エヴァンは家族ともお世辞にも上手くいっているようには見えません。
父は幼い時に出ていき仕事で忙しい母とはどこか噛み合わずギクシャクしています。
そんな中自分が憧れているよう家族像のコナーの家族マーフィー一家。
エヴァンは嘘をきっかけにマーフィー一家と擬似的な家族関係になっていきました。
元々持っていた溝や失った事で生まれた溝を互いに埋めようとする、ある種相互依存にも見えるような関係性でした。
真実をきっかけにそれは破綻するのですが、
それでもある種の救いの時間があったからか罵倒などはなかったですね。
コナーとそれぞれとの関係性
コナーはかなりの問題児でありマーフィー一家にとっては1つの悩みの種でした。
妹ゾーイと養父ラリーはどこかコナーの死にホッとしていたような描写もあり、
母シンシアはそれでも何か抱えていたものを知ろうとしていました。
そんな感情もエヴァンの嘘により変わっていきました。
ただ嫌なやつが消えただけと思いたかったのに、
もしかしたら、コナーには伝えられなかった、自分達が気づけなかった思いがあったのではと考えていくようになります。
嘘から始まった繋がりは彼らのラリーへの思いを変えていくになりました。
本当の自分と母との関係
この映画の肝の1つですかね。
エヴァンと母はあまり上手くは言っていませんでした。
互いを見つめ話し合う時間は少なく、どこかすれ違っていました。
しかし、後半マーフィー一家に真実を話したのを機にその関係性は変わります。
自身の骨折は木から落ちたのではなく飛び降りたもの。
そんな本当の自分は壊れていると思って嫌われたくなく晒け出すことを恐れていたこと。
それを聞いた母ハイジは自分1人では足りなくなることもある。
実際に足りなかったとも自身も本音を語ります。
互いに向き合った2人が改めて本当に親子として歩み出すのはこの映画でも特に重要なシーンの1つだったと思えますね。
真実の告白
コナーの遺書とされる自身へ宛てた手紙。
それがSNSで流れマーフィー一家への中傷が始まってしまいます。
その最中でエヴァンは自身の嘘をマーフィー一家そして世界に告白することになります。
その告白によりエヴァンは再び孤立しますが、その中でエヴァンは1つの行動を始めます。
嘘の終わりから始まる物語と繋がり
エヴァンがコナーの幼少期やセラピーでの足跡を辿り、
彼がセラピーで残した1つの曲を見つけ出し、コナープロジェクトの関係者、そしてマーフィー一家に送ります。
これは複雑で誰にも分からなかったコナーの全てではないにしろ、1つの思いでした。
嘘から始まった話でしたが、この時だけは間違いなくエヴァンはコナーに最も向き合った友人にも近い存在だったように思えます。
まとめ
様々な孤独や繋がり方が見えるこの映画。
スタッフロールの後の文章からも分かる通り孤独からの繋がりという基本的に良心を信じる優しい映画です。
だからなのかエヴァンがSNSで真実を告白した後の描写をかなり極端に削っている部分が見受けられます。
本来ならかなりのバッシングや晒しなどがある筈ですので、
この部分にSNSの扱いとしてはかなり歪なバランスだなと感じる人もいそうですね。
ミュージカル映画ですのでミュージカルシーンは当然クオリティが高く、
感情の変化なども分かりやすいので見やすい映画です。
歌で説明が行えるのはミュージカル映画の強みですね。
始まりが嘘なので結末はビターな部分もありますが、
それでも何か変化も与えてくれる映画だと思いますので気になった方は見に行きましょう。
ミュージカル映画ですので映画館との相性もいいので是非。
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