【映画】みんな知っててみんな知らないスラムダンク THE FIRST SLAM DUNK 感想

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結構前から見てたんですが今更ながらTHE FIRST SLAM DUNKの感想です。

見れたのが遅かったので今更自分の感想書くのもな〜と思っていたのですが、
周りに見ている人がおらずこの感情の吐きどころが見つからない。
ならここで一方的にこの感動を吐き出せばいいじゃないという結論に至り悩みながらも遅ればせながらの感想となりました。

ここが私の日記帳だ!

真面目な話に戻すと見たかったスラムダンクであり新しいスラムダンクにもなっているという相反しそうな要素が一纏めになっている素晴らしい構成でしたね。

スラムダンクには珍しい視点も盛り込んであり、知っているはずの話なのに新鮮さもあり、ただただ手に汗握っておりました。

舞台はやっぱり山王戦

公開前に徹底的に対戦相手の情報は隠されていましたが、蓋を開けるとやっぱり山王戦でしたね。

ただ予想はついていたとはいえあのオープニングですよね。

バックに流れるオープニング主題歌、そして悪者参上って感じの入場シーン、
何かここだけでいきなり感極まるものが込み上げてしまいたよ。

ルールも現在基準ではなく当時基準にしており、ファン的には嬉しいところ。

そしてその山王戦ですが原作を読んでいるみんなが知っている山王戦でもあり、
漫画的な部分を可能な限り削ぎ落としたこと、そして宮城の視点を中心にしたことにより全く山王戦にもなっていた、
これが原作既読、未読に関わらず新鮮な感動を与えるスラムダンクになっていたのが印象的でした。

映画のために漫画的な部分の削ぎ落とし

これが1つ大きかった要素ですね。

この映画は漫画的な演出なんかは可能な限り削ぎ落として漫画の映画化というよりちゃんとしたバスケット映画に近くなっていました。

映画というのはそもそも上映時間が限られているのでその中で原作の25巻から31巻という7巻にも渡った試合を全て詰め込むのは無理。

ならばということで今回の宮城主観というものに合わせること、
そしてバスケット映画として可能な限り違和感がないように漫画的な部分を削ぎ落としていたなと感じましたね。

兎に角この映画は漫画の映画化ではなくバスケット映画なんですよ。

何となく漫画を読んでいる身としては会話や思考のシーンのやり取りなどでは時間を止めて見てしまうものですが、
実際にはそんなことはなく試合時間は進んでいる…この映画はそれをしっかりとやっているので、
漫画的な台詞や演出というのを必要な部分だけ持ってきていたり、もっとドバッと演出して喋らせるのではなくサラッと済ませていたりして上手く纏めているんですよね。

これが人によってはあのシーンの台詞をフルで見たかったのにとかあのシーンをしっかり入れて欲しかったのにとはなると思うのですが、
バスケット映画として作る以上は必要な措置になっていた、そしてそれに納得感が得られるほど確かにしっかりとしたバスケット映画になっていました。

1本の映画として纏めるためバスケット映画として纏めるため、そのための引き算が上手く出来ていた映画だなと感じましたね。

宮城という新しい視点とスラムダンクには珍しい視点の内面描写

今回の映画の主役はまさかの宮城。

公開前にこれが分かった時は自分も含めて驚いた人も多かったのではないでしょうか。

ですが、実際に見るとこれは間違いなくこの映画に当たってはベストな選択になっていたなと思いましたね。

そもそも宮城って漫画だと湘北メンバーの中では内面描写というのは乏しかった人物なんですよね。
その反面常に出場していて安定した選手という印象が強かったと思うんですけど、今回はその内面に切り込んでいるんです。

この取り組み方は間違いなく正解でしたね。

原作既読組にとっては知っているけど知らない山王戦として新鮮さを与え、
未読の方には宮城という中心として見ることの出来る人物がいるということで原作最終盤の話を扱っていながら分かりやすさにも繋がっています。

原作においては山王戦というのはそれまでのエピソードの積み重ねがあり1つ1つが名場面となるのですが、
宮城は掘り下げが少なかったのでそのシーンでの頼もしさやかっこよさはあるのですが、
感情移入という部分ではどうしても他のメンバーよりは入りきれない部分はあったと思います。

ですが、今回掘り下げられた視点により宮城のシーンにも感情移入がもうすんごいことになりました。

特にドリブルこそがチビの生きる道なんだよ!!は曲での盛り上がり、描写の積み重ねで泣かない人間はおるんか?と思うレベルです。

映画見た後に原作の宮城のシーン読んでもすんごいことになります。

そしてその宮城の話もスラムダンクとしては珍しい視点の話でした。

スラムダンクにおける人間ドラマというのはバスケ部のチームメンバーや相手チームのライバル達といった物が中心、
つまりバスケ部というコミュニティが中心でほぼ話が進んできた漫画なんですが、
今回はそのバスケ部というコミュニティの外、家族という言ってしまえばプライベートの視点で掘り下げているんですよね。

兄の死により、家族としてもバスケットプレイヤーとしても兄の代わりを努めようとしても上手くいかない虚無感や無力感。
まぁ重いテーマであり本当に今までのスラムダンクとしては珍しい部類の視点でした。

漫画でも桜木の父の話なんかもありましたが、深く掘り下げることはなく想像させる作りになっていましたしね。

その中でしっかりと家族というプライベートの話を行っていたのが、
同じ2年で山王戦、そして最後に再び相対する沢北というのも少し面白い巡り合わせのように感じますね。

そしてこの視点による効果として赤木と三井にも宮城との絡みによる新しいエピソードが生まれるというのも良かったですね。

桜木入学前ということでその前のバスケ部でのエピソードが補完されたのは原作組にも嬉しい部分となりました。

1番安定していたと思われた選手だった宮城が実は精一杯の虚勢を張りながらプレイしていた、
こういう弱さを見せて人間臭さが足されたという今になってこれだけ掘り下げられる形になるとは考えても見ませんでしたね。

マッチアップする深津の脅威も分かりやすくなったのもいい点でした。

欠点としては

素晴らしい映画ですが、当然ですが欠点もあります。

しょうがないですが原作未読の方にはピンとこなさそうな部分は見受けられた点ですね。

自分は原作既読なので所々の点では原作を思い出し行間を簡単に補完できたのですが、
未読の方にはやや唐突だろうなと感じる部分は絶対にあったと思いますね。

分かりやすいところで言うと三井絡みですね。

あれ映画でしか見なかった人はおそらく急にグレて急に更生したように見えるんじゃないでしょうか?
原作だと山王戦までの積み重ねが特に活からキャラだっただけにここら辺は取捨選択の結果とはいえ惜しいなぁと思いました。

他には試合のラストですね。

これは山王戦故どうしても避けられない部分ですが、ここだけどうしても桜木と流川が主役の話となってしまいます。

今まで宮城中心の話として進んでいた映画がここでどうしても主役を入れ替えざるを得ない、
そして映画だけだとこの2人の描写は少ないので(それでも桜木は多い方ですが)感情を完全に乗り切らせるのは難しそうだなと感じました。

といってもこれはさっき言った通り山王戦である以上どうしようもないことなのでしょうがない部分ではありますね。

あくまで僅かな欠点として考えられる場所として話してみましたが、
こんなん自分みたいな面倒なファンの勝手な懸念や心配であり、
実際は原作知らずに見たけど全然気にならずに余裕で楽しめたわ!と言われそうな欠点だと思います。

濃縮されると面倒になっちゃうのは許して。

まとめ

今回は手法として原作の映画化をしながら違う視点からその話を見せるという手法を行っていました。

原作未見の方には分かりやすい視点を既読の方には新鮮な楽しみを与えられると、
この手法は正直もっと流行りそうな予感がしています。

原作をそのまま最高の演出で映画化するのもありですが、
視点をざっくりと変えて未読既読が話において同じ感想を持てる部分を与えるというこの手法も素晴らしいものだと思います。

これが向いてる作品、許される作品というと限られてはしまいますが。

とまぁ、ここまで色々とあーだこーだ映画の感想の記事らしく理屈こねくり回したりしましたが、実は正直そんなんどうでもいいんです。

ただただ熱くなれた!泣けた!最高だった!ぶっちゃけ感想はこんな勢い任せの感情を吐き出すだけでだけでいいでしょと、自分にとってはそう思える映画です。

あの時の青春を再び映画館で今の時代に見れた、しかも新しい感動を加えて、もうこれだけで十分それ以上はいらないそういう映画でした。

最高でした!ありがとう!


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