【映画】あと少しでA級映画? ウルフパック 狼群 感想

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ウルフパック 狼群

製作国

中国

監督
マイケル・チャン
脚本
マイケル・チャン
出演者
マックス・チャン
アーリフ・リー(リー・ジーティン)
ジャン・ルウシャ
マーク・ルー

映画、ウルフパック 狼群(原題:狼群/Wolf Pack)感想。

先に言っておくとこの映画のストーリーはかなりシンプルです。
断っておくとこれは決して悪い意味で言っているのではなく、寧ろいい意味です。

もしこれから見ようと思っている人はそこまで思惑などを深く考えることなくシンプルに見た方が多分楽しめます。

ロケーションの派手さやアクションの良さ、特にスタントをほぼ使わないところなど見応えは十分な内容。
後一歩でA級入れるんじゃないかと思うくらい(言い過ぎ?)の楽しみ方は出来ました。

特に少数精鋭の戦いというものが好きな方にはおすすめ出来る映画ですよ。

ジャンルはアクションで上映時間は約105分となります。

ここが見どころ!

どれもこれもA級に後一歩が追いつかないB級感

でも(中国アクション映画らしく)アクションだけはいい

あらすじ

救出、潜入、襲撃、情報収集、爆破など、民間軍事会社が遂行するプロフェッショナルな特殊作戦をリアルに描いたミリタリー・タクティカル・アクション!!
民間軍事会社が遂行する実戦さながらの特殊作戦をリアルに描いた超ド級のミリタリー・タクティカル・アクション!武装組織が開発中のガス田内部に欠陥のある整圧器を設置し、破壊工作を計画している情報を入手した民間軍事会社「背嵬(はいかい)」。ひとたび稼働してしまえば、パイプラインが大爆発を起こし、莫大な損失をもたらすことに。この事態を阻止すべく動き出した背嵬メンバーの前に、全員が特殊部隊出身者で構成された武装集団「神奴(しんど)206」が立ちはだかる…。

Rakuten TVより
ビデックスより

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登場人物

柯童

医師の青年

僻地で医療行為を行い自分の身を省みていない

毎年自費でイスラエルなどに向かい軍事訓練を受けている

背嵬の1人“妖怪”に拉致同然に連れてこられ、チョウに観測主を任された

父の死について探っており手がかりであるマークについてチョウが知っていたためそれを知るために協力する

チョウ

民間軍事会社背嵬(はいかい)のリーダー

本名は関志陽

柯童の父と2人で背嵬をし設立、彼とは戦友であり後輩であった

父の死で自暴自棄気味に生きている柯童を見て背嵬に強引に誘う

妖怪

背嵬のメンバー

柯童をほぼ拉致同然に背嵬の元に連れてきた女性

マフィアに誘拐された際にチョウに救われて背嵬に加入した

コードネームの由来は人間の暮らしを知らないから

弾殻

背嵬のメンバーで制圧射撃担当

仲間を家族とし兄弟のために戦う男

蒼蝿

背嵬のメンバーで百戦錬磨の傭兵

以前はイギリスのPMCにいた

子供が産まれるためこの仕事をそろそろ潮時と思っている

火球

背嵬のメンバーで通信とメカ担当

サイヤ人

背嵬のメンバーで熟練の狙撃手

アイクバイル

クーリーの武装集団神奴(しんど)206の指導者

東欧と繋がっており、クーリーのパイプライン開通を失敗させるために暗躍する

ヤシヌ

神奴206の少年兵

任務を失敗した結果姉のハサヤをアイクバアルに殺害され背嵬を恨むように洗脳される

壮大に見えて意外と話も目的もシンプルに纏めている物語

民間軍事会社背嵬(はいかい)の戦いを描く本作のストーリー。

ロケーションの派手さやストーリーの始まり方などを見るとかなり壮大に見えるようになっているのですが、
実際のところはかなりシンプルに纏めている物語となっております。

先に断っておくとこれは悪い意味で言っているのではなく、寧ろいい意味です。

大筋のストーリーとしてはあくまで起きている物事への対処であり、主人公達が政治的な介入をするという内容ではないため極々シンプル。

政治的な要素や駆け引きなどが匂わされていたり、主人公の柯童の父の死の真相などの要素があったりはするのですが、
これらは考える必要がない、もしくは捻った内容ではない帰結を迎えますので。

あくまで少数精鋭部隊による互いを家族と思う者達の物語、そういう前提で見るべき映画ですね。

家族の間に駆け引きなんて必要ねえんだ!

政治などより人の絆をメイン、実にシンプルですね。

思惑や陰謀なんてものは一切ないぜ!

柯童が拉致同然に連れてこられ民間軍事会社背嵬に協力するという衝撃的な開幕で始まる本作。

ウルフパック 狼群

民間軍事会社の傭兵達の元で行われる政府と企業が絡む一大事業のパイプラインを巡る戦い、
その戦いに半ば強引に巻き込まれた柯童の父は背嵬立ち上げメンバーの1人で父の死の真相を知りたい柯童は今回の仕事の依頼者について探る。

そんな流れだと国家感、政府、企業の思惑や陰謀、裏切りが渦巻き、
その中で傭兵達が何を守り何のために戦うのか自分達で決断することになる、
そんなストーリーになりそうじゃないですか?

そんな全然難しいことなんて一切考える必要がないくらいシンプルな勢力構図とストーリーです。

味方と依頼主、そして敵、これらは最初から最後までずっと変わることなく同じです。
味方から裏切り者が出たりなんてこともありませんし、敵から離反者が出ることもありません。
最初から最後まで戦う相手も守るべき相手も変わりません。

ざっくり言うとクーリー政府と中国企業星利グループが立ち上げたパイプライン事業、その事業は東欧の国の財閥の既得権益であるため成功ことは好ましくない。
だからプロジェクトの妨害と政府の信用失墜を狙うためにクーリーで活動している武装集団神奴206に依頼してテロと妨害活動を起こさせる、こんな流れです。

そこに星利グループに雇われた背嵬がテロや妨害行為から要人を守るために神奴206と戦うと、
どうです?めちゃくちゃシンプルなストーリーでしょう?

何度も言いますが政府や企業から背嵬を裏切るような展開など一切なく最後までサポートしてくれますし、陰謀や思惑なんて一切ないんですよ。

じゃあ何がメインの話なのか?と言われたら互いを家族と思う背嵬のメンバー達の絆のお話なのです。

本当これだけとてもシンプル、捻ることのない人情話。
メンバーの互いの絆とそこに新しく加わる柯童の話なのです。

当然そんな絆の話に思惑や陰謀なんて物は入り込む訳もなく、
最初の話の流れや出てくる設定で変に構えて頭を使うなんてことはせずに最初から最後まで彼らの絆を見るそういう目線で見た方が楽しめる映画でした。

戦い自体は映画のメインや花なのですが、戦う理由はメインの話たり得ないという感じでしょうかね。

ちょっと残念?というか勿体無い柯童のストーリー

今作のメインストーリーの1つだと思っていた柯童の父の死の真相。

柯童

冒頭で彼がいきなり拉致同然に背嵬に協力させられてそして父の死の真相を知るために協力するという流れ。

そこで明らかになるのは父が背嵬設立のメンバーであり、尊敬する父は傭兵だったという事実。
父が命を賭けた仕事が金目的のはずがない、この仕事を選んだ訳を知りたいと思い、協力を続けるとこになります。

こうなると父の死が今回の国、敵組織、企業、どれかに深く関わってくると思うでしょうが、全然そんなことはなく寧ろ父の死の話は最終的にどっかに放り投げてしまいます。

これが本作の勿体無い部分と言いますかもっと上手く掘り下げた方が良かったと思う部分ですね。

まず主人公である柯童ですが、彼は人を救う医師でありながら人を殺す術を海外で度々学びに行くというどこか歪な死生観の持ち主となっております。

ここら辺の歪さが父の死について探るためとはいえ序盤の人を殺す部隊の協力をする受け入れの早さという唐突感の理由になっているのかなと、
それでいて自分のように父を失った者を見つけると思わず仲間がピンチになるにも関わらず戦闘に独断で介入してしまう、うん、やっぱり歪な感じがしますね。

ただ父が傭兵であることを知った時に人を殺す術を身につけているとはいえやはり彼は医師、
父が金のために人を殺す傭兵であることを受け入れらないという反応を見せる。
これは真実に絶望しているとも取れますが、彼の歪さの中にある本質は人の死を望まない医師側であるとも取れると思います。

その歪さを正すのが父の死の真実だと思っていたのですが、実際は仲間との交流(これはこれで王道ですが)という形で終わり、
父の死というのは思わせぶりなだけで特に何も明かされず普通に戦場で死んだだけくらいの扱いであくまで背嵬に加入させるための舞台装置的な形で終わってしまいました。

普通なら拉致同然で強引に誘ったのですから今回の仕事が父の死の真相に関わると思うじゃないですか?
蓋を開けると柯童が自分のことを省みずに自暴自棄気味に人命救助している彼を父の親友であるチョウが見かねて新しい居場所を作るためという目的でしかなかったんですよ。

誘うための手法が強引すぎる。

彼自身の死生観と活躍というのも尻すぼみな形で終わってしまい、
例えば背嵬が神奴206の少年兵ヤシヌから情報を得るために尋問というか拷問しているのを許せずチョウに逆らって彼を逃すという、
この柯童の命を救うという本質というのが結果として後々の禍根になるという、
この傭兵と医師という狭間の中に身を置いた人間の話としては物凄く注目となるテーマだと思っていたのですよ。

実際この逃した少年兵ヤシヌの手により心通わせた仲間の1人の命が奪われるという結末を迎え、
人を救うという行為で仲間の死を迎えてしまうというここまでは実にテーマ性があったのです。

何ですが

このヤシヌ、そして彼を洗脳した敵のボスであるアイクバイルとの決着をつけるのは柯童ではなくチョウなんですよね。

父の死の真相以外だと柯童とヤシヌに対してどういう結末を選ぶのかというので彼の死生観が正されるという流れも出来たはずなんです。
もう最低限ね、ヤシヌとの結末に関しては柯童に任せて彼の命に対しての答えというのを見せた方が良かったと思うのですが、
最初から主人公として扱われていたにしては柯童自体が最後の戦いであまり活躍しないというテーマ的にも活躍的にも勿体無い扱いで尻すぼみに終わってしまいました。

こういうところがイマイチA級に届かない構成と言えるのかもしれません。

結構力の入っているロケーション

この映画はなかなか派手さの中のリアル感やロケーションの豊富さにこだわっております。

冒頭からさながら大作スパイ映画のような派手にヘリに拉致されるという始まり方でまず一気にこちらの目を引かせ。

そこから武装組織に拉致された後に求められる手術の描写も病院が使えないという制限の中でその場にある道具を用意して手術をする。
この描写もなかなかに真に迫っていて派手さの中のリアル感を重視しているのが分かるのです。

ロケーションも中々に豊富でして広大な砂漠、街中、ガス田、これらで主な戦闘の舞台となり、
更には護衛のための移送シーンなどを空撮も交えて撮影していて力を入れておりました。

というか実写部分は相当力入れていたんじゃないですかね

ただその実写部分の力の入り具合と比較するとCG面がはっきりとCGと分かる浮き具合ではっきり言って拙い出来でした。

何といってもまず爆発は浮いていますし、ドローンに関しても同様でしたね。
実写部分は良かったのでドローンはともかく爆発部分は実写で行えるのでそのまま爆発させた方が見栄え良かったと思います。

このCG面さえ良ければ映像的にはA級クオリティに届いたかもしれないので、あと少し、あと少しだけ頑張って欲しかったですね。

アクションは文句無し!

ウルフパック 狼群

アクションに関しては個人的にはほぼ文句無しのクオリティでした。

何といっても少数精鋭部隊なのでシチュエーションが豊富ですよね。

銃撃戦は勿論バイクアクションやカーチェイスなども当然揃えております。

特に戦闘が本当いいですね。

少数精鋭ならではの地形を活かした制圧戦、初っ端からいきなり多勢に無勢な戦闘を見せてくれますよ。

ドラム缶を弾除けにすぐさま使うなど判断力、弾切れもしっかりと描写して制圧地点にある物を利用して打開など精鋭らしい戦いが見れます。

建物内での銃撃戦などは打って変わって護衛ということもありこちらも散開しながらの戦いで見応え抜群。

ストーリー的には勿体無いことになったガス田での戦いも
アクション的にはチョウのリーダーらしい格闘、銃撃での驚異的な戦闘力が見れて満足感は十分。

何よりいいのは全体を通してスタントを極端に使わないことでカット割少なめなアクションですね。

特に柯童役のアーリフ・リーは屋上から屋根を滑り落ちながら殴り合う、車の上でのアクションなど実に体も張っております。

ウルフパック 狼群

格闘戦はパルクールは勿論、華麗かつ派手な動きをしつつもSEを使わない渋さが銃撃戦とのメリハリがあってまたいいんですねぇ。

ただ当然欠点がないわけではなく、それは背嵬メンバーの個性を活かした描写が少ないことですかね。

各メンバー、得意分野とコードネーム(サイヤ人って大丈夫なのかな)が説明されているのですが、その得意分野を活かしきった描写には届いていないんですよね。

せっかく登場人物ごとの説明を行ったのですからフレーバーテキスト程度に留めずしっかりと戦闘描写での表現も行ってくれれば尚よしでした。

とはいえ基本スタント無し(に見える)でキビキビ動くのでカメラワークの頻繁な変化もなく見やすさとかっこよさが両立しているアクションでした。

まとめ

本当後ちょっとでA級に届きそうなアクション映画でした。

ストーリーではシンプルすぎる(良いことでもあるんですが)展開、せめて父を巡る展開には答えを出してテーマ性を一貫、
撮影面ではCGのクオリティのアップ、
これさえ出来れば自分基準では十分A級に入れるポテンシャルを感じる映画でした。

とはいえこの惜しさもB級の花。

仲間を新しい家族と思うというのはベタながらいいものですし、陰謀渦巻かないのも頭を使わず見れる物になるのでこれはこれで見やすさのある良さとも取れます。

とりあえず映画に金をかけれる中国映画はB級、A級問わず映像面での見応えがあってアクションではやはり外れが少ないなと再確認いたしました。


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