【映画】ザイアム:バトル・イン・ホスピタル 高級B級は最高だな! 【Netflix】

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 今回はネトフリオリジナルのゾンビ映画、ザイアム:バトル・イン・ホスピタル(原題:Ziam)の感想。

 タイ産のゾンビ映画!病院内でムエタイで戦う!そして何よりネトフリオリジナル!

 最近は良質なゾンビ映画を見返したり、映画館に見に行ったりと、ゾンビ熱がそこそこに高まっている中でこんな楽しそうな奴がやってきた訳です。

 ネトフリオリジナルでこの製作国とあらすじ!
 これだけで完全に自分の大好きな金のかけたB級映画になるネトフリクオリティの臭いを感じ、様々な期待を込めて鑑賞に臨んだ訳ですが、果たしてどうなったか…!

 ジャンルは(一応)ホラーで上映時間は約95分となります。

あらすじ

おぞましいゾンビの大群に立ち向かう、元ムエタイ選手。愛する恋人を守るため、技とスピードと根性を武器に命がけの戦いを繰り広げる。

Netflixより

登場人物

シン

元地下ムエタイ選手

食糧運搬の危険な仕事をしていたが恋人リンのために辞めて共に田舎に帰ろうとしていた

感染者が現れた後は病院に取り残されたリンを救うために単身病院へと向かう

リン

シンの恋人で医者

感染者が現れた後は病院内で隠れる

バディ

母親がリンと同僚でありそのリンに懐いている少年

感染後は隠れながらはぐれた母を探す

ワス

国の食糧難を救った男

5年間病院に入院して意識のない妻がいる

感染後は妻の病室に立て篭もる

ざっくり概要

 ここからはいつも通りに途中までのざっくりとした内容を。

 温暖化の気候変動、その影響により溶けた氷から漏れ出た細菌により魚が死滅し、食糧難となった世界…

 元ムエタイ選手のシンは略奪者に狙われることもある食糧運搬の仕事を続けていた。

 今回の仕事でも略奪者を狙われ退けることになり、恋人リンのためにもこの危険な仕事を辞めることを決断していた。

 その一方で権力者達は失われたはずの魚を食べていたが、その魚を食べた一部が急に倒れるのだった。

 帰宅するシン。

 恋人のリンは彼の怪我を見て危険な仕事を辞めるように言われ、これが最後だと返す彼だったが、
 今までも同じ議論をしても辞めなかったことから、リンには信じてはもえずに彼女は職場の病院へと向かってしまう。

 同僚とその息子のバディと共に病院に向かうリン。

 患者の手術を行おうとすると院長が現れ、VS社のワスの妻の検診を優先するように言われて渋々院長と共にワスの妻の病室に訪れる。

 食糧危機を改善した男ワスの妻は5年前から入院しており、ワスは妻の症状は改善するはずと魚の肝臓を持ってきていた。

 保証も確約も出来ないとして、肝臓の使用を断り病室から出るリン。

 その頃魚を食べて倒れた運び込まれた男プーリチは手術中に亡くなる。しかし、しばらくすると彼は目覚めリンの目の前で次々と院内の人間を襲い始めるのだった…

 放送でリンの働く病院で非常事態が起きたことを知るシン。

 病院に着くと既に特殊部隊が病院を封鎖していた。

 外から様子を見ていると、突如病院の上から人が降って騒然とする観衆たち。
 すると、降ってきた人が動き始めて特殊部隊を襲い始めるのだった。

 混乱に乗じて病院内に潜り込むシン。

 この事態により警戒は更に強まり、院内の人間は外に出ることを禁じられ、場合によっては射殺までされてしまうように。

 院内ではプーリチから端を発した感染者達が暴れ続けていた。

 隠れていたリンは難を逃れ、シンは院内放送でリンに呼びかける。リンがそれに応えようとした最中、院内は停電してしまうのだった。

 何度呼びかけてもリンからの応答はない、シンはムエタイを用いて感染者達を薙ぎ倒しながらリンの散策を始める。

 その道中でリンに懐いていた少年バディと合流し、予定表から彼の母親とリンは5階にいる可能性が高いと見て2人は5階を目指す。

 それぞれが感染者から生き残ろうと懸命に動いている中、外にいる軍は感染収束のために病院の爆破を決断する。

 5階のベビールームに辿り着き、バディの母親を見つけるシンとバディ。

 彼女からリンは10階にいるという情報を得るが、彼女は動こうとせずにバディをシンに託そうとする。

 シンの目に飛び込んだのはバディの母親の背中の傷、彼女は既に感染者に襲われて感染が始まっていた。

 残ろうとするバディを無理やり連れていくシン、そしてバディの母親は感染者となり、多くの赤ん坊を襲っていくのを見ながら2人はその場を急いで離れるのだった…

 その頃リンはワスの妻の病室へと向かい、彼と合流する。

 その頃病院の爆破を決断していた軍だったが、上からワスとその妻だけは救助しろと命令が下され、特殊部隊を送り込んでいたのだった…

ゾンビ物としては◯

 ゾンビ映画という視点では中々に丁寧で面白い本作。

 まず何といっても感染源が魚を食べたことによる物というのが珍しくて面白い。
 しかもこの魚による感染というのが後々にスプリンクラーで水を浴びたゾンビ達を進化させるという意味を持たすのもいいんですよね。

 よく考えたら魚由来だからといって水で進化するのは良く分からないんですが、見ている自分もここで初めてその情報を知った方も多分誰も疑問に思わないくらいの変な説得力は感じているはずです。

 そして感染の始まりと拡大がしっかりしているのも◯

 最初の院内の混乱とそこからの事態の拡大が緊迫感あるんですよ。

 これはあくまでゾンビではなく、感染者(面倒なのでゾンビ表記で行きますが)
 最近見たというのもあって『28日後…』などをどうしても思い浮かべてしまいますが、こちらの感染者は走るけどゾンビ寄りで臓物とか普通に食っていきます。

 こんな走るゾンビが院内で発生して次々に感染拡大していくのはやはり緊迫感があって面白い。

 見た目の造形が世界の混乱により食糧難や格差などが描写されているわけですが、それの影響もあってか、言い方悪いですが人々にみすぼらしい風体が多く、それが感染者になると感染者なのにゾンビっぽく見えるんですよね。

 これは結構ゾンビっぽく見せるための逆算があるようで感心して見ていました。

 そしてゾンビ達の見せ場なんですが、これはゾンビ映画である以上、ドラマと共に。

 それが途中合流する少年バディの母親が感染者となるシーン。

 見つけた頃には既に感染していて息子をシンに託した後に感染するのですが、ここがエグい。

 最初は息子のバディが目に入るんでそっち襲おうとするんですが、その後に赤ん坊の泣き声を聞いて狙いをそっちに定めるんですよね。

 そこからは直接的には見せませんが、ベビーベッドから血が吹き出す様だけは見せる。子供通り越して赤子にすら容赦のないこの描写。
 ここにはアジア圏のゾンビ映画らしさを感じて人の心のなさを見て大変満足いたしました。

 他にもグロ面でもあまり暈さず、感染源となる魚の描写1つ見ても生理的嫌悪を催すような光景を移すなど、ゾンビ映画としては楽しめる部分がとても多かったですね。

アクションで無双だぜ?

 この映画を見る理由となった病院内を恋人を探すためにムエタイで感染者に立ち向かうというあらすじ。

 病院内に発生したゾンビをムエタイで薙ぎ倒して無双するというシチュエーションで半分勝ちみたいもんでしたね。

 ただ内容をしっかりと見ると良し悪し…というより自分の好みの部分とそうでもない部分はっきりと分かれてしまいましたね。

 冒頭で略奪者となる男達と戦ってあっさりと殴り倒してこの後に控える感染者のタフさを引き立てるというゾンビ映画らしさを活かした比較の丁寧さは好み。

 ただ肝心のアクションの方はあくまで自分の好みとしては痛し痒し。

 というのもアクションの動きやカット割りが好みではないと言いますか。

 インパクトの瞬間にカメラ切り替えてアップするというのが主体で流れのあるアクションではないのが少々残念でした。

 個人的にアジア圏のアクションに求めるのは流れのあるキレのあるアクションなので、それを途切れさせるようなカット割りは求めてないんですよね。

 せっかくムエタイらしい華麗な足技から肘打ちまで披露するんですから、打撃の度にアップするよりは華麗さを見せるような引きの絵で魅せてほしかった。

 それにせっかくの感染者に囲まれるというシチュエーションの映画なのに、ゾンビ達が気を使って1対1多めなのも気になるところ。

これに関しては好みの問題なので、あくまで自分に合わないという部分が多いというだけですね。

ただラストはいいです。大好きです。

 屋上でリン達の脱出を見送ってから、感動的な音楽を流しながらのシンがいつの間にか腕につけていたモーターっぽい物をつけてムエタイ+モーターアタックでの無双。

 これは(感動させるつもりだろうから申し訳ないですが)完全にバカな映画になっていて大好きでした。

 ここまで見ていた人間に対するご褒美みたいなもんですよね。

 最後は病院爆発して終わりますし、と思ったらシンはEDでほぼ無傷で生存しているしで、
 完全にバカ映画です。何度も言いますがこのラストは大好きです。

ストーリーは…

 一応あらすじの時点であんま気にするようなもんじゃなさそうなストーリーですが、やっぱりそんな感じです。

 温暖化により魚が死滅して、食糧難が訪れる。

 そして街のあちこちではゴキブリ食べるような人や、足が折れて治療出来なかったであろう老婆など、荒廃して世界が描かれている。

 この高尚な世界観にしておきながらやってることは上のようなゾンビ物というこの高級なB級感がネトフリクオリティって感じでたまらなくはありました。

 ただまぁこれは主人公シン達のドラマにはあんまり関係ないですね。

 危険な仕事をしていて仲違いしかけるとかありますが、別に世界が荒廃しなくてもシンが貧乏でリンが医者だから収入面での格差があるのを気にしてとかでも全然成り立ちますし。

 基本シン達はB級ゾンビ映画の流れを踏襲しているんで新鮮味はないですし、ラストの自己犠牲が取ってつけたドラマになってるくらいとしか思えないんすよね。

女性と子供だけが生き残るのは今風かもしれない。

 ドラマ性で言うなら金持ちのワスの方がまだある。

 だって食糧難から世の中をマシにしたのに妻だけは救うことが出来ない男が、自分の用意したであろう魚が原因で感染が始まり、
 そして5年間目覚めなかった妻が感染したことで目覚めて、彼女に愛を囁きながら噛みつかれて貧困層側の感染者達に囲まれて殺される。
 短い出番なのにこちらの方がドラマになってるんですもん。

 でもこれもあんまり狙ってなさそうなドラマだしな。

 ストーリーはどれだけ高級そうに身を固めてもB級のゾンビ映画のノリでしたね。

だから見たんすけどね!

まとめ

 如何にもネトフリオリジナルって感じで最高でした。

 金をかけて高尚そうに見せながらやってることはB級なのが、ネトフリの良さ、それをゾンビ映画でやってくれるから最高ですわ。

 高級なB級という矛盾している物を見たいならやはりネトフリオリジナル。

 胸張って勧められるようなもんでもないですが、ゾンビ映画を見たいなら期待を上げすぎない程度に選択肢の1つとして入れてもいいのではないでしょうか。

映像の高級感だけはガチだしね!


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