【映画】目新しさは無いが安定した良さ AKA ネタバレあり感想【Netflix】

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製作国

フランス

監督
モルガン・S・ダリベール
脚本
モルガン・S・ダリベール
アルバン・ルノワール
出演者
アルバン・ルノワール
エリック・カントナ
ティボール・ド・モンタレンベール
スベバ・アルビティ
サイドゥ・カマラ
ルシール・ギヨーム
ケヴィン・レイン
フィリップ・レジモン

今回はネットフリックスオリジナル映画AKA(原題:AKA)の感想。

少年との心の交流という分かりやすい要素から現実を絡めた政治劇。

そして何よりサブスク映画の醍醐味、豪華なアクションが楽しめる映画となっています。

目新しい要素には欠けるのですが安定感のある豪華なアクション映画が楽しめますよ。

ジャンルはスリラーアクションで上映時間は約122分となります。

この映画の見どころ

潜入官と少年の心の交流

マフィアの抗争とテロを巡る政治劇

豪華なアクション、そしてそのアクションだけで人物を表現する上手さ

あらすじ

強じんな体を武器に、犯罪組織に潜入した特殊部隊員。だが図らずも、ボスの幼い息子に対して特別な思いを抱き始めた彼は、任務を遂行する中で倫理観を試される。

Netfrixより

登場人物

アダム・フランコ

潜入捜査官

刑務所や軍、アフリカで生き延びてきたプロフェッショナル

テロを目論むとされるアル・タエブが接触したマフィアのボスヴィクトルの元へ潜入捜査官として派遣された

ヴィクトル・パストーレ

マフィアのボス

アル・タエブとは麻薬取引で15年の付き合いがありアルの娘の名付け親にもなった

モクタール・アル・タエブ

スーダンの軍司令官

昔はフランスに友好的だったが寝返り過激化した

テロを目論んでいるとされホテルを襲撃されたが逃走した

ジョナサン

ナタリアの息子

学校でからかわれていて柔道を習っている

ヴィクトルの指示で運転手として配属されたアダムに懐くようになる

ヴィクトルとは血が繋がっていない

エレーヌ

ヴィクトルの娘で大学生

弟のことは大切に思っているが両親のことはよく思っていない

ナタリア

ヴィクトルの後妻でジョナサンの母

ヴィクトル率いるマフィア元締めのバーを経営している

バーでアメットの部下との諍いを治めたアダムを信用する

ピーウィー

ヴィクトルの部下

潜入したアダムと組み、初仕事以降彼を気に入る

アメット

ヴィクトルと対立しているマフィア

シスコとモナ

アダム潜入のサポート役

マフィア潜入によるスリラーアクション

AKA

テロを目論む人物と接触したとされるマフィアに潜入捜査官のアダムが潜入するという本作。

アクション良し、駆け引き良し、ただストーリーはちょっと要素を入れすぎてとっちらかったかも?な内容。

まずはとにかくアクションがいいです。

やっぱ掛けてる予算が違いますね。
自分が主に見ているB級とはやはり絵作りからして違いました。

そしてアクションの見せ方が上手い!

冒頭からテロに人質になった女性の救出のために潜入したアダムがテロリスト相手に1人で大立ち回りを繰り広げアクションとしての掴みはバッチリ。

更にテロリストが女性に銃を突きつけて人質に取るのですがそこでノータイムでテロリストを撃つ、そしてその後に救出に来たはずの人質の女性も撃つと。

完全にプロフェッショナル、それも後ろ暗い部分もある暗部のプロフェッショナルと。
この冒頭のアクションだけでアダムの実力、どういう背景、立ち位置の人物なのか読み解けるようにしているのは本当に上手いですね。

アクションの種類も豊富で銃撃戦、格闘戦、スニーキングアクションなど何でもござれって感じです。

そしてその内容も冒頭のように心理状態が見え隠れするような感じでいいんですよ。

銃を突きつけられていても気にせず殺るプロフェッショナルな描写から感情移入した相手のために戦う時はスマートさがかけていくなど、
アクション1つで心理状態把握出来てアクション映画の心理状態の表現としては正解の形の1つですね。

対比のように同僚のシスコが目標相手に悠長に銃突きつけて相手を確認しようとして返り討ちにあうという描写を挟むことでアダムのプロフェッショナル感も引き立てています。

まぁこの時のアダムは任務放棄して他のことやっちゃってるんですけどね!

そして潜入操作なのでサスペンスやスリラーといった要素も豊富。

内容としては潜入の中でアメット率いるマフィアとの抗争とテロリストの話が同時進行していく内容です。
そこにジョナサンとの交流が挟まることで板挟みになる要素が入るわけですね。

当然ですがこういうストーリーになると政治的な陰謀の話も入るようになります。

ちょっと気になる点としてはこの同時進行の話に繋がりがあまりないこと。

いや、マフィアのヴィクトルのテロリストのアル・タエブの繋がりはちゃんとありますし、その繋がりから情報を得ていくようにはなっているんです。

繋がっていないのはマフィアの抗争の方、つまりヴィクトルと対立しているアメットの方ですね。

アメット率いるマフィアの話は任務的には全然関係ないんです。
ただアダムが潜入して交流した人間に関係してくるという流れにはなるので、
アダムに任務と情の選択を迫るだけの舞台装置になっていた感は否めないですね。

一応潜入がバレるきっかけになったりはするんですけどね。

アメット達を使うのであればテロをバッサリと、テロを入れるのであればアメット達をバッサリと切った方がスッキリとした内容にはなったんじゃないかなと思いました。

話の軸として「家族」があったと感じて見ていたので余計に気になってしまったかもしれません。

個人的な好みの話を言うならテロをバッサリと切ってマフィアの抗争とジョナサンとの交流に絞った方がより感情移入出来たと思います。

男と少年の交流

AKA

この映画の話の軸の1つがこのアダムとジョナサンの交流。

無愛想な凄腕の男と親の愛に飢えた少年、まぁ王道ですよね。

擬似的な親子関係とまでは行かないんですが、それでも感情移入しやすい分かりやすく感情移入しやすい要素でした。

とにかくジョナサンがチョロ…結構気軽に気を許すんですよね。徐々に信頼関係を積み上げていくのかと思ったら初対面の時点で結構好感度が高いという。

そこら辺の要素は娘のエレーヌの方が担っていたのかもしれません。

でもこうなるのもしょうがないといえばしょうがないようには見せています。
父親であるはずのヴィクトルからは一切可愛がられている様子は見受けられませんし、母親のナタリアもその影響もあってか結構ギスギスした夫婦関係、
というかナタリアに限ってはヴィクトルの商売をアメットに売ってジョナサンと逃げようとしているくらいですしね。

「他の人は僕を気にしない、アダムは気にかけてくれる」と言う通り姉以外からは関心を持たれていないと感じていたのでしょう。

アダムの方も本編の描写の方だけだと断定は出来ませんが取り入るための多少の打算は混じっていたにしろ、
自身の過去のこともあるのかすぐにジョナサンに対して気にかけるようになっています。

学校で同級生にからかわれるジョナサンを見て(同級生達命知らずだな)すぐに助け出して一緒にケンカを習おうと励ますなど、
一見無愛想なのにこんなんされたらすぐに信頼して懐いてしまいますよ。

2人の会話も性格が出ててwiiでマリオカートで遊ぼうと誘うジョナサンに対してアダムがPS4がいいというのは一見ただのゲーマー的会話なんですけど、
一緒に楽しめるパーティゲーを求めるジョナサンとソロゲー豊富な方を遊んでいるアダムというのが、彼らの求めているものや立ち位置が分かるようになる地味に上手いポイントだなと思いましたね。

誕生会でジョナサンがPS4で遊んでいるのがまたいじらしくていいんですよ。

そんな2人の関係性が試されるのがアメットとの抗争。

テロリストであるアル・タエブを張っている最中にジョナサンがアメット達に誘拐されたと聞いたアダムが仕事を優先するかそれとも心を通わせた少年を選ぶかと選択を迫られるんですね。

当然アダムはジョナサンを選ぶんですがそこでのアメット達との戦い方が彼の心情を表現してくれているんです。

プロフェッショナルな戦い方ではなく多勢に無勢な中で切られたり撃たれたりしながら荒々しく戦うと、
捜査官としてではなく1人の人間として戦いに赴いているのが一目で分かる。
上でも書きましたがアクションだけで心情を示すのが本当に上手い映画だなと。

AKA

アメットにトドメを刺す時にジョナサンを抱きしめて耳を塞いで上げながら撃つなどこういう細やかで丁寧な描写を挟むのはいい仕事してますね〜と感嘆してしまいます。


実はアダムとジョナサンのこの関係というのは正直な話テロという大きな話の軸の部分にはあんまりというか全くといってもいいほど関係はないんですよね。

じゃあ必要ないのか?といったら決してそんなことはなくアル・ダエフと邂逅した時に今回の事件の真実を知った時のアダムの決断には大きく影響したんじゃないかなと感じます。

子供を守るという親の決断、その感情を知ったからこその最後の決断と行動、
決して国の思惑を知ったからと言うそれだけの理由ではなくジョナサンとの交流を通じて己の感情から湧き立ったものでも動いたのだと思いますね。


この交流、物凄い感情移入しやすい要素ではあるんですがちょっと残念なところも。

それはアダムとジョナサンの交流の短さですね。

最初に言った通り心を通じ合わせるのが早いんですよ。
交流の積み重ねが少々足りなくない?と感じたのが正直なところです。

作中時間だと2〜3日くらいなので懐くのも命を懸けるに値すると決意するのにも致し方ない理由があると理解しつつも早く感じてしまったのも確かです。

ここら辺が上でも書いたマフィアかテロはどっちかにした方がと感じたというのに繋がるわけですが、
ジョナサンとの交流に関してだけで言えばマフィアの抗争だけに絞った方が交流に時間もかけれたんじゃないかなと思うのです。

テロ要素で作中でタイムリミットがあるんですよね。

ただ上記のような最後の決断に繋がる部分は勿論。

テロとマフィアの抗争という2つの話があるからこそアダムが秤にかけられた時にジョナサンを選ぶ尊さが引き立ったのもまた事実なんですけどね。

テロの真実

AKA

この映画の大きな話の軸となるのがテロの脅威、そしてその真実ですね。

アダムがヴィクトルのところに潜入することになる理由でもあります。

テロを目論んでいるとされるアル・タエブの宿泊しているホテルを警察が乗り込んだところで爆破され逃亡、
テロの危険性が残っているとされアル・タエブと繋がっているヴィクトルに乗り込むという流れなのですが。

割と序盤から察することが出来る通りフランス側がアル・タエブを呼び寄せそこを襲撃したというのが分かります。
その襲撃で妻と娘を失った彼が復讐のためにテロを起こすと見越して今回の潜入に繋がったというのが真実ですね。

つまりフランス側が仕掛けたことに結果の報復、復讐のためのテロが起きる事態を防ぐためということだったということが分かるのです。

要は火消しですね。

そしてアダムとアル・タエブが対峙した時に更なる真実としてアル・タエブの娘が生きていたこと、
復讐のためのテロすら目論んでおらず娘の治療のための資金を集めていたことを知ります。

そもそもテロは最初から最後まで存在していない国同士の石油資源などの利権の話でしかないというやっぱりと言えばやっぱりな真実ですよね。

「国民」のために闘った結果排除される者と「国」のために動いていた人間、
似ているようで遠い関係性の対峙はこのテロのでっち上げの話の中では必要な話でした。

話としては序盤の方から普通にフランス側に初手で非があったんだなと分かるようになってはいるんです。
ただ読めないようにしているのはアル・タエブが復讐のためにテロを起こそうとしているのか?という部分ですよね。

正直な話、自分は恥ずかしながら中東系だし復讐のためにテロを起こすのだろうとなんとなく先入観を持って見ていた部分がありました。

言い訳をするとアクション映画だし…という認識もありましたし。

ただそんなことは微塵も考えておらずただ生き残った娘のために動いていたと。

この話の持っていき方はそういった先入観や価値観をぶん殴るために用意した内容なのかなと考えてしまいますね。

それはそれとしてヴィクトルとつるんでいるのは問題大有りな部分ではあったんですが…

まとめ

テロや抗争、心の交流など様々な要素がある映画でしたが、この映画にあるテーマは「家族」だったんだろうなと思います。

アダムとジョナサンの疑似的な関係、
ヴィクトル一家のギスってる上に最後は命を奪う関係、
アル・タエブの娘を何が何でも助けたいという関係、
他にもアダムが捜査官の勧誘をされた時にも出てきたワードですし
こういった様々な形の「家族」を見せていました。

様々な形を見せた上でどの形が正しいのかと安易な決めつけをする内容にはしていませんが、
少なくとも家族を思っ行動した人間は自分の生死は問わず報われる形にはしていましたね。

正直目新しさや珍しさがあるストーリーのプロットではないのですが、それでも王道かつ安定感はある話で面白かったです。

ネトフリ製作というのもあり久々になんちゃって感じゃない現実の事態を深く絡めた政治劇のあるアクション映画を見れここら辺はサブスクの醍醐味だなと感じますね。

何よりお金がかかったアクションというだけでシンプルに見応えがあって楽しいです。
やっぱり現代劇でリアルを目指すアクションはお金と映像的な迫力が比例しますね。

そのアクションの見せ方もアダムの実力と心境この両面を上手く見せる内容でしたし、ここは本当に高クオリティでした。

分かりやすい要素と現実を絡めた政治劇、そしてお金のかかったアクションとこれぞサブスク映画って感じの安定感。
このサブスク時代、気軽にこういうのが見れるのはやっぱり魅力的です。


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