【映画】おぞましき罪の告白 ロストボディ 〜消失〜 ネタバレあり感想

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ロストボディ 〜消失〜
(c)2020. SÁBADO PELÍCULAS, BARRY FILMS, THE PROJECT

製作国

スペイン、ドイツ、フランス

監督
キケ・マイーヨ
出演者
トマシュ・コット
アシーナ・ストラテス
マルタ・ニエト
ドミニク・ピノン

完璧の裏にはもしかしたおぞましいものが潜んでいるかも。

今回はそんな映画ロストボディ 〜消失〜(原題:A PERFECT ENEMY)感想です。

ジャンルはスリラーで上映時間は約88分です。

この映画の見どころ

気味の悪い告白から始まる不快な空気

サイコな胸糞ストーリー

あらすじ

成功した建築家が、飛行機に乗り遅れて自ら設計した空港で立ち往生する。そこで見知らぬ若い女性に声をかけられ、殺人や犯罪にまつわる奇妙な話を聞かされる。彼女の不穏な打ち明け話は、やがて建築家自身の秘密を暴き出していく。

Amazon prime video配信ページより

登場人物

ジェレミー・アングスト

名の知れた建築家

空港の設計にも携わった

テセラ・テクスター

オランダ人

空港に遅れそうなところをジェレミーの乗っているタクシーに相乗りさせてもらった

作風

気味の悪い告白から始まる不穏な空気のスリラー

自らの設計した空港で飛行機に乗り遅れた結果、その原因となる女性の気味の悪い不快、恐怖、愛の3つの告白から明らかになる真実という流れですが、

これがなかなか不快、不穏、不安にさせてくれてたまらないですね。

話のタネというかオチは多分ほとんどの人は早く察しはつくのですが、それでも引き込ませてくれる演出や話の力強さがあります。

分かっていても引き込ませるのは間違いなく良くできてる証拠ですね。

3つの告白という流れを追いやすく分かりやすいストーリー構成もいいのですが、それ以上に演出が良かったですね。

すごい分かりやすくドバッと出たり切れたりとかそんな極端なこともせず気持ち悪いサイコな演出が素晴らしかったです。

後半のパッケージにある演出は極端な感じですが、

あれはタメなあった上での必要不可欠な演出なのでメリハリですね。

オチに全振りしたスリラー、ミステリーではなく、
オチやネタ自体は察しがつくにも関わらず過程をしっかり楽しめる作風となっておりました。

3つの告白

話の鍵を握るテセラの不快、恐怖、愛の3つの告白。

ぶっちゃけてしまうとどれも不快に両足突っ込んでいるような話です。

とはいえ不快が1番しっかり不快な話であるんですけどね。

どれもテセラの幼少期に近い話になりますが、最初の不快は過程環境の劣悪さ、
そしてとある食べ物の話で精神的にも物理的にも本当に不快な話でした。

こういう話でちゃんと不快に出来るうまさはこの映画のいいところですね。

ここで自分を操る内なる敵の話も出て来ますが、ここら辺からちゃんと伏線張ってるのもしっかりしてます。

恐怖は最初の殺人の話

前述の内なる敵に操られて行った殺人の話となりますが、比較的不快感は少ないですがテセラの異常性は際立つ話となっていました。

唯一の優しい友人の完璧さを崩したいという内なる敵の願望で呪いをかけたら心臓発作で亡くなるという支離滅裂な話で、
異常性、猟奇性も出てきて本格的にやばい人感醸し出しており、まぁ気持ち悪いです。

そして3つ目の愛の話

文豪の墓地で出会った女性に惚れたテセラが1度無理やり襲った上、
その後は彼女を探し回るストーカーとなるという、もううわぁ…となるような導入です。

襲った理由も彼女のためなら法も犯すと証明するためとストーカーらしい不快感のある理由でサイコさでゾクっとしますね。

最後には聞き手のジェレミーとも関わりある内容に話が繋がっていき彼女の告白が終わりますが、
おぞましい告白内容でこの映画は見事な構成と不快感で出来ているのがよくわかります。

この3つの告白、ジェレミーは途中で頭のおかしい女の話とさっさと聞き流し離れてしまえばいいだけにも関わらず、
なぜか話を最後まで聞きそして時に怒りを見せてしまいます。

この反応が話のオチやネタばらしに繋がっていくというわけですね。

まぁここまで言ってしまえば大体察しはついてしまうでしょうが。

真実

不可解な存在のテセラの話と存在の真実。

言わなくても簡単に察しはついてしまうと思いますが、これは全てジェレミーの体験と罪の意識から生み出されたものでした。

テセラの告白の全てはジェレミーの体験、もしくは願望が混ざっていたものであり、
テセラの存在はジェレミーの空港にまつわるとある罪の意識から生み出され、彼は罪の意識に付き纏われていたということですね。

正に3つの告白で出てきた内なる敵というわけですね。
どちらかというとサイコなジェレミーが抽出出来る最大限の内なる善意という感じもしますが。

予想はついた内容とはいえ、ここからのサイコな演出で「オチが分かってたからつまらないはこれ」とは全然ならなかったですね。

テセラとの最後の対峙でパッケージのようなシーンもありますが、
罪の流れを克服、もしくは思い込みで跳ね除けてしまうジェレミーは完全にサイコ野郎ですね。

鏡の自分に言い聞かせて何食わぬ顔でこれからも認知を歪ましてうわべを飾り、削れない完璧を取り繕い続けることになるジェレミーでしょうが、


罪の象徴でもある空港で今回この罪の意識と対面してこれからも同じように同じ気持ちで過ごしていけるのかと言われると多分難しいんでしょうね。

途中の会話でもある、

・完璧とは何も足せない状態ではなく何も削れない状態のことだ

・嘘は繰り返すと真実になる

実はそんなサイコ野郎の独白だった映画でした。

このサイコな野郎がたまらねえです。

まとめ

とってもサイコなお話なこの映画。

何度も言っていますがオチやネタはすぐに分かります。

ですがそれでも確かな見せるストーリーと演出の力がある映画で個人的にはかなり好みの映画でした。

登場人物も少なく話の流れも追いやすいと映画の胸糞さとは逆にとても見やすい親切設計なのもある歪さがあって良かったです。


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