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製作国
チェコ
監督
ペトル・キュービック
脚本
ペトル・キュービック
出演者
ナタリア・ジェルマーニ
マレク・ランボラ
エリシュカ・クシェンコヴァー
ヤン・レーヴァイ
シモーナ・ズムルズア
古き良き価値観と愛、このベッタベタな要素。
今回はそのベッタベタな要素で固められた映画プリンセス:ルーパー(原題:Princezna zakletá v case)感想です。
ジャンルはアドベンチャーで上映時間は約115分となります。
この映画の見どころ
・ループの中で行われる古き良き価値観の物語
・そして愛で終わるベッタベタな物語
目次
あらすじ
遠い昔。アスパーニア王国の王女エレノは20歳の誕生日を迎えるが、生まれてすぐに、魔女ミュリエンに呪いをかけられていた。愛する人とキスをすれば呪いは解けると考えられ、幼なじみであるカルデロン王国のヤン王子と結婚することになるが、黒い嵐がアスパーニアに接近。彼とキスをしても嵐は無くならない。次の瞬間、エレノは同じ日の朝に目覚める。それから彼女は同じ一日を何度も繰り返しながら呪いを解く手段を探し求める。
WOWOWオンデマンドより
登場人物
・エレノ
アスパーニア王国の姫
生まれてすぐに魔女に呪いをかけられた
弓の達人
・ヤン王子
カルデロン王国の王子でエレノの幼馴染
剣の達人
・アメリア
エレノの従者で友人
見習い錬金術師
・アルヒバルド
アスパーニア王国お仕えの錬金術師
アメリアの師匠
・ミュリエン
エレノに呪いをかけた魔女
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呪いとループ
ストーリーで主人公のエレノが振り回されるのがこの2つの要素。
生まれた時に魔女にかけられた呪いとそれに対抗するために錬金術師に刻まれた“時”のルーン。
これにより20歳の誕生日に王国に滅ぼされ、ルーンの力でまたその日に目覚めるというループに囚われることになります。
ファンタジーだからループする理由も便利な能力で説明も簡単ですね!
何度も呪いのせいで命を落とし、ループするという最近見たのだとコンティニューみたいな設定の映画です。
【映画】死ねば死ぬだけ強くなる! コンティニュー ネタバレあり感想ここら辺はループものだと普通の設定なんで似てるも何もないとは思いますが一応。
肝心要のループ部分のエレノの過ごし方、これはちゃんと少しずつ段階を踏んでいるのが良かったですね。
この過ごし方一言で言うと色んなジャンルを混ぜたゲームって感じです。
最初は開き直り気味で城下町で何度も起きる謎解きや窃盗を防ぐなど、
まるでゲームのサブクエストを効率良くクリアするようにループを楽しみます。
しかし何度も繰り返すとやはり自分だけの思い出となり虚しくなるのが常。
この時エレノの語る、
誰とも分かち合えない経験に意味はある?
という台詞は自身だけの体験にしかならないループの苦しさを表していました。
そしてループでの行動は第二段階へと入り少しアプローチを変えていくようになります。
次のループの過ごし方は幼馴染のヤン王子との交流。
呪いを解くには真実の愛が必要ということで彼との交流を試みていくようになります。
ここのループ部分はさながら乙女ゲーム。
最適な選択肢を選び続け最後のキスで呪いが解けるか挑戦し続けるという、
セーブ&ロードで恋愛ゲームのベストエンドを目指しているかのようなループでした。
ここがゲーマー的には結構面白くて選択肢ミスったら戻るという、恋愛ゲームプレイしてたらこういうことやるよねってちょっと親近感湧いて楽しめます。
そしてループの最終段階は冒険パート。
愛では呪いが解けなかったのでもう魔女を倒してしまおうということで、
従者のアメリアとヤン王子と共に魔女の古城への扉を開く巻物を入手しにいくことになります。
ここはゲームで言ってしまえばメインクエスト。
3人パーティで協力して“禁断の山脈”の謎を解き交流を深め失敗したらまたループというトライ&エラーを繰り返すというループパートです。
面子が弓の達人、剣の達人、見習い錬金術師なので少しワクワクしますが、
この映画本当に残念ながらモンスターはいないので魔女との戦いまで戦闘パートがないのです。
ここだけは本当に残念ですね。
いいパーティなのでこのパーティでの得意分野での連携をもっと見たかったです。
しかしパーティ同士の交流(といってもエレノ以外には1日の出来事ですが)は後々の勝利の鍵にもなり印象にも残りやすいです。
魔女との対決は正に死闘のトライ&エラー。
アクションとしては少し迫力に欠けるのですが最後のループでの展開では王道、そして待ちかねた伏線の回収とその描写で終始ニヤニヤしっぱなしの展開でした。
最後の呪いの解呪は特にニヤニヤ出来ます。
ご馳走様って感じのこのループの最後の瞬間を是非とも見てほしいですね。
古き良き価値観と愛の物語
この映画のテーマですね。
この映画のストーリーラインは言ってしまえばベッタベタな展開の連続と決着です。
しかし、それがいい!そこがいいんです!
ループの繰り返しのシーンなどはループ物で見たいエレノと住民や仲間との交流による価値観の変化や経験の蓄積など見たいものは全て見れるはずです。
城下町の民や護衛を知ることアメリアには知られたくない真実を語ったりなど、
これによる内面の成長そして彼らを知り強く思うこと、そうしたら当然お互いに相手に応えようと思い行動する。
この内容に関しては新鮮さは全くないですがしかし王道、これこそ古き良き価値観ってやつです。
最後のループの戦いでは今まで3人だったのに皆が駆けつけるとかベタですけど最高ですよ。
そして愛、これがもうこの映画の物語の主題です!全てといってもいいです!愛が全て解決です!
死の恐怖さえ打ち負かす強い愛こそが呪いを解く、
この伝わる解呪を信じて誕生日にヤン王子とのキスをしますが、当然呪いは解けず“黒い嵐”に王国が飲み込まれそしてループが始まります。
幼馴染であるヤン王子に対してはお互いに気まずくなった事情があり、
交流こそ途絶えていた次期はありますがヤン王子はエレノのことをずっと想い続けております。
そしてエレノはヤン王子相手に自信の抱いている感情がまだよく分からないというもう少女漫画やラブコメ漫画ですよこんなの。
禁断の山脈での謎解きなんてヤン王子への想いが途中まではよく分からないが正解だったのに、
最後のループでは“はい”つまり愛していると答えを出す…ベッタベタの展開で素晴らしいですね
魔女との決着も当然愛です。
愛では呪いが解けないから魔女を直接倒すという結論で繰り返したループでしたが、その決着は愛で決着です。
もうループは出来ないという状況でヤン王子を救うために自らの身を呈す、
これが最初に語られた“死の恐怖さえ打ち負かす強い愛こそが呪いを解く”でありこれでエレノの呪いが解け魔女に勝利します。
魔女を倒しても“黒い嵐”は残りエレノとヤン王子は最期のつもりでキスをしますが、それで“黒い嵐”は消えていく…
愛で全て解決、最高のベタですね。
アルヒバルドが、
愛とは未来に希望をもたらすものです
私の心にも希望が湧きました
なんて言っていますが、こっちも同じ気持ちでニヤニヤしてきちゃいますね。
しかもラストまで結婚式のキスで占めるという、
キスで勝ち、キスで終わる、これぞまさしく古き良き価値観と愛の物語でした。
まとめ
古き良き価値観と愛の物語、この名に恥じない最高のベタで塗り固めた最高の“物語”でした。
最近だとトップガンなんかでも思いましたが、今の時代はベタな方が逆に新鮮に映りますね。
感想だとストーリーの話ばかりしていましたが、この映画は美術も凝っています。
ファンタジーらしい衣装や演出、エンドクレジットにも力入れてます。
こういう部分で違和感やノイズを感じないのは好印象でしたね。
アクションだけはちょっともっさり気味でそれぞれの得意分野を活かした連携をしているという感じがしないのが個人的な唯一の残念ポイントですが、
この愛の物語にキレッキレのアクションは逆に無粋なのかもしれません。
ループ、愛。この2つの設定とテーマにおける王道だけで進んだようなこの映画。
自分でもよく分からないくらいすごく良いものを見た気持ちになれました。
ベタに飢えてる方には是非とも見てもらいたい映画ですね。
他の映画感想
他のループ映画感想はこちら。