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製作国
アメリカ
監督
ニック・ライオン
脚本
ジェイコブ・クーニー
ジェイソン・ホワイト
出演者
キーシャ・シャープ
ジェイミー・バンバー
リディア・ハースト
アナリン・マコード
ジョセフ・ガット
シン・ゴジラのヒット以降色々とお出しされる…というか勝手に邦題として付けられるシンシリーズ。
これこの映画ならシンに相応しいな!と思って付ける基準があるんですかね?
そして今回悲運にもシンの名を冠されたのはあのタイタニック。
今回はそんな映画シン・タイタニック(原題:Titanic 666)感想です。
内容は結構真面目で悪くはないホラーでしたよ。
当然ジャンルはホラー、上映時間は約91分となります。
・遺品をベースに起こる呪い
・意外と頑張っているCG
目次
あらすじ
2022年、あの悲劇から110年後。最新設備を備えつつ、外見は初代を復元した“タイタニック3号”が完成。大西洋の処女航海に出航する。かつての遭難現場に近づいた頃、異変は発生した。突然システムがダウンし、船は制御不能になってしまう。コントロールを失い、危険な海域を突き進むタイタニック。さらに、乗客たちに襲いかかる不気味な怪奇現象。それは海底に眠る亡霊たちの呪いなのか?そして遂に、タイタニックは氷山に激突、沈没の瞬間がせまる・・・・・・。
dTVより
登場人物
・ローズ船長
タイタニック3号の船長
・ハル・カクラン教授
タイタニックの遺物を回収し提供した教授
初代タイタニックの船長であるスミス船長の結婚指輪を身につけている
今回の航海の中で遺物を売り儲けようと考えている
・イディナ・ベス
タイタニック3号に密航した女性
初代タイタニック船長のスミス船長のひ孫
儀式で初代タイタニックで亡くなった霊達を呼び寄せる
・ブライアン
SEAL出身
タイタニック3号の警備のために雇われて警備員とは別のチームを編成している
・ジャクソン・ストーン
フォロワー数1200万を誇るインフルエンサーの夫婦の夫
タイタニック3号の宣伝のためにホワイト・スター・ライン社に招待された
・ミア・ストーン
フォロワー数1200万を誇るインフルエンサーの夫婦の妻
タイタニックにはあまり興味を持っていない
シン・タイタニックを配信している配信サービス
※2023年2月15日時点
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呪いの航海
冒頭から有名な方のタイタニックの沈没っぽい演出を流し、最後に霊に引き摺り込まれるという始まり方をする本作。
そしてそれから110年タイタニックを完全に復元し、当時の遺物も乗せてタイタニック3号の出航が始まります。
沈没現場に到着しこの再現された船の中で初代タイタニックの沈没で亡くなった霊が呼び寄せられ…という流れ。
初代タイタニック船長のひ孫であるイディナが亡くなった人間の遺品を用いて霊を呼び寄せ次々と犠牲が出るわけですが、
視聴者的には霊の仕業とすぐに示唆されますが登場人物的には事件として扱われておりこれがいい緊張感を招いてますね。
話的に極端に重要な要素でもないのですがどうしても疑心暗鬼になるので、これはいいアクセントになっていたと思います。
霊達の行動もいいですね。
後半はそうでもないですが遺品を使って殺害する…
最後まで弾いていたバイオリンで耳をつんざくような音を出したり、
生前のネックレスで首を絞めたり、
機関室ではボイラーに異常を起こして飛んだハンドルで首が吹っ飛んだりなど、
こういう霊側がルールに乗っといているような行動はホラーとしてはかなり好みです。
この遺品を使うというのはこの映画の1つのテーマでもあったと思います。
ハルが初代の遺品を回収し、金儲けに使う。
眠っていた存在を呼び起こしたことによる呪いでもある、つまり遺品から始まった事態なわけですね。
ですので後半になると遺品を用いるというルールから少し外れたような行動になるのは残念でしたね。
再現される悲劇
霊によってコントロールを失ったタイタニック3号ですが、狙いとしては当然当時の悲劇の再現。
舵も効かず氷山へと突き進むタイタニック3号、そこに現れるのはスミス船長に乗っ取られたイディナ。
タイタニック3号の船長であるローズがスミス船長に「船を守る立場のはず」イディナには「あなたも死ぬのよ」と説得を試みますが、
何1つ聞く耳を持たずにイディナが「100年後あなたも追悼される側ね」と言い自殺。
そしてついにタイタニック3号は氷山に激突します。
ここら辺見ても分かりますが船長であるローズは振り回されているばかりなことが多いです。
一応積極的に事態の打開には務めるのですが報われない。
霊が関わっているのでさもありなんとも取れますし、これこそがタイタニックという船の呪いでもあるのかもしれません。
冒頭で流れた初代の映像と同じように沈んでいくタイタニック3号。
救助にあたるローズとハルの奮闘も虚しくタイタニック3号は多くの犠牲を出し沈没します。
そして生き残った2人、船長という責任者でもあるローズ、事態を引き起こし原因でもあるハル。
皮肉にもこの2人がボートの上で生存することになります。
実際には周囲にもっと生存者がいる可能性は十分にあります。
原因でもある自分が生き残ったのを自虐するハルに対して懸命に救助に当たったからだと励ますローズ。
そして間も無くハルも息を引き取り、そして霊に取り込まれたハルがローズを襲って終了と。
うーん、このラストだけは途中まで悪くないと思っていただけに流石に陳腐な気がしました。
よくある終わらせ方なので王道とも取れますが個人的には陳腐さの方が上回ったように感じました。
正直ここは霊に襲われるよりは残されて絶望したままの方がいいと思うんですよね。
この状況で霊側に襲われて取り込まれる(と思われる)ラストじゃ下手すりゃ救いにも見えてしまうですよ。
船長として死して終わりより、残されて絶望する方がよっぽど苦しいことはあると思うのです。
そういった意味ではラストは製作陣のある種の優しさなのかもしれません。
でもなぁ、やっぱなぁ、もう少しなぁ。
繰り返される悲劇としては何か変化がある終わり方の方が個人的には好みでした。
遺された物には遺された想いがある
初代の再現のためにタイタニック3号に使われた遺物の数々。
眠っていたこれらが今回の事態を招くことになりました。
初代船長のスミスのひ孫でこの事態を引き起こしたイディナが、
「古代エジプトでは遺体と共に埋葬された、遺品を盗めば呪いがかけられたの」
と語りますが今回のタイタニック3号の事態も正にそれ。
ハルにより引き上げられた遺品に込められた想いが原因となっています。
万物には魂が宿ると言いますが、深く眠っていた遺品にもそれが込められているのでしょう。
そして想いというのは必ずしも前向きな物ではない、踏み躙られれば怒りもしますし呪いもする。
こういう流れがあるからこそ霊が遺品を用いて殺しにくるという手段に説得力を感じられるんですよね。
イディナは曽祖父であるスミスが亡くなり何世代も続いていたようやく収まった声や悪夢が、
このタイタニック3号の出航が決まってから再び始まったと語ります。
ハルの金儲けのために海の底から引き摺り出された想いが呪いとなり、悲劇の再現へと繋がる…
安らかかは分かりませんが静かに眠らせておくべき物は世の中にはあるということなんでしょうね。
今回の悲劇の再現によりまた新たな犠牲者と遺品が生まれ、そして再びそれを引き摺り出す物が現れるという無限ループになることは想像に難くありません。
つまりアサイラムのネタは尽きないということです。
まとめ
期待値よりは全然上を行ってくれた映画でした。
正直ネタだろうなと思ったら遺品という物をベースに真面目なストーリーが展開されるのでこれだけで割と好感持てました。
変なギャグやコメディなども挟まずちゃんとホラーを作るというのはそれだけでいいことです。
後、意外と映像面でも頑張っていましたね。
霊のCGなんかは意外といいクオリティ、タイタニック3号も割と良く出来ており、美術面でも悪くありませんでした。
あくまで期待値相応からの評価ではありますが、意外と楽しめる内容ではあると思いますよ?
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