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製作国
アメリカ
監督
ノア・ルーク
脚本
ロルフ・カネフスキー
ジョー・ロシェ
出演者
トム・サイズモア
ナタリア・ストルス
マーク・アンドリュー・リケットソン
クリストス・アンドリュース
マイケル・スコボッティ
今回は未開の惑星で水に襲われるという映画PANDORA パンドラ エネミー・イン・ウォーター(原題:Battle for Pandora)の感想。
未開の惑星で冒頭から惜しみなく姿を見せる水に襲われた調査隊、
その救難信号を受けて駆けつけた救助隊が出会う水、そして感染による恐怖と閉鎖空間での疑心暗鬼。
こんな人によっては垂涎物のシチュエーションでB級には珍しい何ちゃって科学感が薄い解決方法が光る映画ですよ。(最後でちょっと台無しにしてしまいますが)
ジャンルはSFホラーで上映時間は約85分となります。
目次
あらすじ
土星の衛星パンドラに向かった調査隊が、消息を絶った。科学者のジェニファーたち救出チームが、現地に急行。そこで彼らは、生物のように自在に姿を変える《水》と遭遇する。調査隊の生存者によると、その《水》は意志を持つ液状生命体で、宇宙服や人体の内部にまで侵入。そして“感染”した者は、生命体に寄生され支配されるのだ。この怪物が地球に到達すれば、それは人類の滅亡を意味する。ジェニファーたちは敵の弱点を探りながら、絶望的な戦いを挑むが……。
Rakuten TVより
PANDORA パンドラ エネミー・イン・ウォーターを配信している配信サービス
※2023年7月22日
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登場人物
・ジェニファー・ライアン
疫病管理課のトップ
パンドラで救難信号を出したカッシーニ3号乗組員救出に参加する
・クリフ・ライアン
ジェニファーの夫
アカデミーでは土星、海王星の専門
操縦も勉強していた
・グレゴリー・ブラック
カッシーニ3号の乗組員でパンドラ調査隊の隊長
ジェニファーとはアカデミーで共に医学や操縦術を学んでいた
大勢を救うためなら多少の犠牲は厭わない性格
・ハンク・ルイス
カッシーニ3号救助隊の船、ルナ1号の船長
過去に
中国の偵察衛星を撃ち落とした危険人物だか特殊部隊での活動が認められ不問となった
・ブラッドリー大佐
宇宙局大佐
カッシーニ3号の救助隊を率いる軍人
・フランク
ルナ1号のAI
・ランドルフ、アリー、ワンダ、マークス
ブラッドリーの部下の軍人
水に襲われるSFホラー
近未来を舞台にした惑星で生きた水に襲われるというSFホラーな本作。
冒頭から出し惜しみなしで姿を見せて襲ってくるので何に襲われているのか分からないという謎を広げる展開は無しですぐに水に襲われていると分かります。
水による恐怖を題材にしたホラー映画はありますが、水に直接襲われるというのはそこそこレアなのではないでしょうか。
なぜ水が生きているのかは水に群体の寄生生物が寄生して襲ってくるからという真実ですが、
この水と寄生生物という2つは展開に結構上手く活かされています。
まず水なので直接的な攻撃は一切効かないこれにより物理的な手段を奪われて科学で立ち向かう必要が出てくる。
そして水なので服の中や宇宙船の中に入り込めたり機械を錆びさせたりする、
そしてそこから当然人への寄生を行うと、まぁこの2つはちゃんとシナジーがある組み合わせでちゃんとモンスターとして活躍出来ていましたね。
映像的に見ると水が触手のように暴れ回っているだけなんであまり絵面的にはインパクトがないんですがそこら辺は題材的に致し方なし、ここら辺は省エネですよ。省エネ。
この水と寄生生物という相手の都合上、物理で戦う軍人達はあまり役に立たず、
どちらかというと船の中での感染と疑心暗鬼がメインとなり水との戦闘は少ないのですが、
自分は遊星からの物体Xなど閉鎖空間物は好きですので戦闘の少なさはあまり気になりませんでした。
そもそも水と微生物相手に銃で戦うなんて無理ですしね。
解決方法もラストの状況でお前それは絶対に耐えられないだろうと疑問が残りますが、意外と真面目に科学をやっていたように感じます。
水が相手という一般的にも分かりやすい対象なので解決方法も碌な知識がなくてもなんかスッと納得出来る内容なんですよね。
何言ってるかよく分かんないけど多分それで解決なんだろうというなんちゃって科学な内容ではなく納得感のある解決でした。
実はなんちゃっても含まれているんでしょうが、納得感があるかが大事なんです。
明確な欠点としてはパンドラでの映像がずっと青みがかっていること。
夜とまではいかないですが宵くらいの明るさでずっと進むんですね。
これは別の星という部分を強調するためなんでしょうが、正直単純に見づらかったですね。
こういうリアリティラインをどこに置くのかという問題はSFでは大事ですが、この色という部分に関しては無視しても良かったんじゃないかなと。
まぁ単純にB級なんでCG誤魔化すために必要という事情は多分にあったでしょうが。
説明不要さっさと進むB級らしさ
冒頭でカッシーニ3号の乗組員達が惑星パンドラの調査をしていたら水に襲われて地球にSOS送るというこの冒頭。
B級らしく何に襲われているのか分からないなんてまどろっこしいことせずにさっさと水に襲わせます。
調査中に標本採取などの際に某エイリアンなコヴェナントみたいに不用意にメットを外すんじゃないかとちょっと期待緊張してしまいましたが、流石にそんなことは無く衛生管理はちゃんとしていて良かったですね。
むしろB級なこっちの方がそんなガバやるのに相応しかったのでは。
そしてそんなSOSを受けた地球の宇宙局が調査隊の救出のために疫病のエキスパートであるライアン夫婦に協力を仰ぎカッシーニ3号の乗組員3人(少なくない?)を救出にパンドラに向かうのです。
メンバーは軍人さん数人と過去に中国の衛星を撃ち落として危険人物(めっちゃいい人)なハンクと、
なんかトラブルが起こしそうな面子なのに最後までいい人達だったそんなメンバーでした。
設定倒れはよくあること。
ちなみに軍人さん達も戦術の達人や無線に精通、あらゆる殺人術の熟練者などがいますが何一つ活かされません。
設定倒れはよくあ(ry
パンドラへは普通なら到着に数ヶ月かかりますが去年宇宙軍が見つけたワームホールですぐに到着可能とこれまた便利設定、
しかし開いている時間も10時間とタイムリミットがありその後は半年閉じてしまうとこれからの先の展開を示唆するような設定が出てきます。
移動と救出合わせて10時間はちょっと余裕なさすぎじゃない?と思いますが、
まぁあれですよ。こんな時間制限でもミッション達成出来るような腕前の持ち主達を集めたと思わせるための設定なんですよ、多分。
そしてパンドラへ向かうワームホールの中でいきなり船のルナ1号にエンジントラブルが起きるのですが、この解決がすごい!
パイプの負荷を内側からみんなで人力で支えて安定させるという力技で解決と近未来とは思えない解決方法です。特に何かに活かされるわけでもないのでこの描写要らなかったのでは?
これはやっぱ未来でも筋肉とアナログこそ正義という熱いメッセージだったのかもしれませんね。
そんな筋肉信仰の後にパンドラにつき調査を開始しますが、やっぱりここからは説明不要な展開の早さ。
さっさとカッシーニ3号見つけて水に襲われると、この展開の早さはB級の強みとしか言いようがありません。
何気にここでカッシーニ3号が勝手に動き出して離陸してルナ1号に撃ち落とされるのは水の正体を考察出来るような展開はちゃんと混ぜているとやることはちゃんとやっているんですけどね。
疑心暗鬼な閉鎖空間
個人的にはここがこの映画の見どころだと思っている中盤の疑心暗鬼展開。
グレゴリー達、カッシーニ3号の乗組員3人見つけて帰還したら水が宇宙服の中に入るのを目撃して脱ぎ捨てて焼却するとここからの誰が感染しているかの疑心暗鬼な展開となるのですが、
登場人物視点だと水が入り込んでいるのを目撃しているので誰が疑わしいのか核心を持ちきれないのは分かりますが、
観客視点だとどう考えても最初に襲われて救助されるまで無事だったグレゴリー達が怪しいよねと思ってしまうのは致し方ない部分かもしれません。(実際にそれで合ってたし)
まぁでもそこら辺も一応ちゃんと観客の予測をズラそうと考慮してる部分はあるんですよ。
クリフがカッシーニ3号の乗員カイルを低体温症なのに電気毛布を使って容態悪化させるところなんかはミスリードをちゃんと誘おうとしてましたしね。
感染対策で閉鎖しなきゃいけない状況で軍人達が帰ってきた時に開けないようにするグレゴリー達と開けて招き入れるクリフというのも混乱させに来てはいたんだと思います。
まぁ、その後にソフィが水吐いて大佐を感染させるのでミスリードも台無しなんですけどね!
当然感染者がいるなんて状況になったらルナ1号への帰還は不可能、しかもワームホールのタイムリミットは迫っていると、
水と感染と時間、それぞれを相手にしなくてはいけないという状況に追い込まれると閉鎖空間での緊張感は良かったですね。
誰が怪しいかは観客的には一目瞭然なんですが、それはそれとしてだからといって何が出来るのか?というと取れる手段は少なく解決方法は見つからないと、
こういう限られた状況、閉ざされた状況での面白さというのはちゃんと出せていたと思いますね。
水のルールで解決、なんだけどラストだけが…
パンドラの水に寄生性の何かが感染していて治療は無理と判断したジェニファーが“阻止”ではなく“追跡”と“破壊”によって事態を打破する決断をすると。
この寄生性の何かはジェニファー理論だとアメーバのような何かで水をマントのように被り行動するというとんでも生物なんですが、
水を被って行動、水を介して感染するというところで事態の打破をする状況を見出すとB級の割には筋が通った解決方法の提示でしたね。
まず水だから油とは融合しない、だから船や体に油をつけて感染を阻止、液体窒素で凍らせるという手段も軍人側が確保してくれるとちゃんと納得性のある解決をしていきます。
更にプールの水を例に出して塩素があると寄生生物が住めなくなると分かりやすさまで出してくれるので、
本当B級によくあるなんちゃって科学以外じゃなくちゃんと水のルールに則った解決方法ではっきり言ってびっくりしました。
まぁ、寄生生物がグレッグや大佐の体を借りて意思疎通してくるのはちょっと違和感がありましたけどね。
「人間は愚かで常に戦いあっていて俺たちのような団結力を持っていない」とこんな取ってつけたような深いようで浅い会話は寄生生物の神秘性が失われてしまうのでダメなんですよ。
こういうのは最後まで寄生生物に意思があるのか、それとも宿主に擬態してそれっぽくしているだけなのかと、
こういった考察をしたいのにあっさりと寄生生物の意思を伝えたらつまらないなぁと。
まぁこういう交渉が出来る意思を持っているからこそ、ビニール袋の中に入れたお前らの仲間殺すぞと脅したらあっさりとゲロみたいに口から出てきて交渉に屈して体を返す可愛さがあるので愛らしい路線なら正解なのかもしれません。
ここまでなんちゃって感を薄めた解決をしていたのに(していたからこそ?)ラストだけはちょっと突っ込みどころが目についてしまいましたね。
感染者がいないことを確認してルナ1号へドッキングしたら水達がパンドラから宇宙に出て来て襲ってルナ1号に張り付くのですが、
あの宇宙空間って水蒸発するんじゃ…
ここまで油と水は融合しない、液体窒素で凍る、プールみたいにナトリウム混ぜたら寄生生物は住めなくなると、
こんなに頑張って水のルールに則ってなんちゃって科学感を薄めていたのになぜ最後だけ水のルールを破ってしまったのか。
これだけ本当に惜しかったですね。
しかもこんなルール破っといて撃退方法がナトリウムエンジンに塩分含まれているからそれで撃退出来るって、それより宇宙空間で水が維持していることがおかしいやろがい!ってなってしまいますよ。
最後だけはルールを破ったモンスターとして活躍させたかったのかなとも思いましたが、
それならナトリウムで倒せるのがおかしいのでここだけが水側に都合が良くて浮いてるなぁと。
最後は死海に不時着させてやっぱりルールに則った行き先なのも相まって宇宙空間の水だけは惜しかったですね。
まぁでもここでシチュエーション重視したことで操られるだけだったグレッグに活躍の場が与えられましたし、
しかもその活躍が命を懸けた活躍と序盤で少数の犠牲で多数を救うという正直それっぽい設定つけただけでしょ?と思っていた彼の設定を活かした活躍をさせていたので、
このルール無視も結果としては痛し痒しと言ったところでしょうか。
でも、何ちゃって科学感が薄いB級は珍しいので貫き通して欲しかったのが本音。
まとめ
水に襲われるという珍しさとそこからの閉鎖空間というシチュエーション、更になんちゃって科学感が薄めな解決とB級としてはかなり光るものがあった映画でした。
特になんちゃって感が薄いのは個人的に好み。これを許すと何でもありになってしまう部分があるのである程度のリアリティ感があるのは大事ですね。
だからこそ最後でそこを逸脱したのがちょっと残念だったのですが、これもまたB級故の魅力なのでしょう。
最後もこの手の映画にしてはびっくりするくらい爽やかに終わりますし、良い意味でB級にしては特異な映画でした。
パンドラでの画面の見辛さだけは流石に擁護できませんが。
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