【映画】伝えられるは神からの啓示 デウス/侵略 ネタバレあり感想

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デウス/侵略
(C)DEUSPRODUCTIONS Limited 2022. ALL RIGHTS RESERVED

製作国

イギリス

監督
スティーブ・ストーン
脚本
スティーブ・ストーン
出演者
クローディア・ブラック
デヴィッド・オハラ
フィル・デイヴィス
リチャード・ブラックウッド
リサ・アイクホーン
チャールズ・マクゲチャン

監督
スティーブ・ストーン
脚本
スティーブ・ストーン
出演者
クローディア・ブラック
デヴィッド・オハラ
フィル・デイヴィス
リチャード・ブラックウッド
リサ・アイクホーン
チャールズ・マクゲチャン

人は見たもの触れたものなど経験したものは常に信じてしまう、信じざるを得なくなってしまう。

そしてもしそれが神の存在を提示するものなら?

今回はそんな映画デウス/侵略(原題:Deus)感想です。

ジャンルはSFで上映時間は約90分となります。

あらすじ

火星の軌道に正体不明の巨大な黒い球体が突如出現。地球外生命体の存在を探るため、天体物理学者のカーラをはじめとする6名の調査チームが編成され、宇宙船アキリーズ号に乗り込む。8カ月後、目的地まで到達した彼らに球体からメッセージが届く。

U-NEXTより

登場人物

カーラ・グレイ

アキリーズ号のクルーで宇宙探検家

事故で母と娘を亡くし、自身を大怪我を負った過去を持つ

ウルフ

アキリーズ号のクルーで船内警護として呼ばれた

空軍特殊部隊に8年、エリート部隊に4年所属していた精鋭の軍人

ヴァンス

会長

カーラとは3つの任務を共にした

船長

アキリーズ号の船長

現れた球体の調査に執着している

サイ

アキリーズ号のクルー

フォロワー多数のブロガー

神の啓示

突如火星周辺に現れた球体へと向かう流れのこの映画。

球体は一体何なのかどんな存在なのか、登場人物も我々も考えるというのが途中までのお話。

とりあえず火星周辺ということで距離としては地球からかなり離れており、更に宇宙船という閉鎖空間。

このシチュエーションならまず欲しい物、期待する物というのはしっかりお出しされます。

そこに至るまでの過程としてあるのが球体との接触。

アキリーズ号が球体へと近づいた時カーラは亡くした母の声を聞き、
また新人クルーのサイも何かに怯えるようになります。

その後も謎の光を放ち通信障害が起き船は球体へと引き寄せられる…そして届く球体からのメッセージ。

送られてきたメッセージは“デウス”神を名乗るメッセージと。

SFと神というのは話がどう転ぶにしても割と親和性が高い題材ですが、今作もそれを入れ込んだわけです。

とまぁそんなことが起きるとやはり1つの混乱が起きるわけで、
行くべきか行かざるべきか、本当に神ならどうするべきかと議論が起きると。

超常的なこと、科学では説明のつかない事案が起きるとやはり目が眩んでしまう、
最後まで見ると話的には結構ずるいことしているんですが、
こういう事態に直面して議論と思考を回すこと、思考停止してしまう部分などはSF的には考察が楽しかった部分ですね。

信じる者と信じない者で行動が当然分かたれるわけですが、
ここでお待ちかねの閉鎖空間ならではのトラブルや疑心暗鬼というのが起こるわけですよ。

異様に球体への接触に固執している船長もそうですが、
球体への接触を反対し近づく度に狂乱していくサイとこのシチューエーションこそこの映画の1つの花ってやつです。

ぶっちゃけると分かりやすい楽しさはここくらいな気もしますが。

母と娘の声を聞いたカーラ同様なのか、それとも初の宇宙空間と人工冬眠の影響だったのかここら辺ははっきりしませんが(後々のこと考えるとサイを壊す意味はあんまりないので)そんな狂乱したサイが大暴れします。

ここだけ話の風味が違いますが、ただ球体の正体を混乱させる部分としては機能していましたし、何よりシチュエーション的に面白いからいいのです。

自身を切り刻み、クルーを襲いその遺体を十字架状にするサイ、うん、ここだけ完全にジャンルが違いますね。

何度も言いますが自分はこういうシチュエーションは大好きです。

すぐに射殺されてしまいますが球体によって浄化されると狂いクルーを襲う様を見ていると、この路線のまま行ってもこれはこれで分かりやすい楽しさがあったように思えますね。

そして映画のキモである球体への上陸と接触、門のような建造物から現れた神の代弁者からのお言葉。

それは救済のお言葉、門の中へと入ったものだけが神の元へ還り永遠の安息を得て亡くした人々とも再会できる、
門へ入らなかった者は地球に接近する球体の影響で生き残ることは出来ないという救済の選択肢です。

地球上にも各地に突如一斉に同じ門が現れており、人類は救済の選択肢を迫られます。

ぶっちゃけ胡散臭いのですが目の前で起きている事象を見た時に未知の物質で出来た謎の球体と門、
そしてそこから現れた神の代弁者とこれは見た者は信じるしかないという状況。

そして門の中へ入った神秘的な世界でカーラは確かに母と娘と再会する、果たして神の救済とは?

とこんな感じで宇宙には神がいるかもというのを真剣にやっている内容なわけです。

突如現れた謎の球体からのメッセージとそれにより狂うクルー(ギャグじゃないです)
一方的な救済の条件と実際に体験し目撃する神秘の世界とひたすらに神の存在を提示するのがこの中盤までの展開です。

やっぱりこの離れたように見えて実はがっつり握手出来るこの題材は引き込まれる部分はやはりありますね。

これは人にとってどちらも信じたいと思う神秘というものそれとどこかで畏敬の念を感じているというのが根っこにあるからと勝手に思っているんですが、
この信じたい者と畏敬の念、これをうまく利用した仕掛けになっていたのでここまではいい掴みだった思います。

球体の真実

門をくぐったカーラは異常な心拍数を出し瀕死になっていたところから目覚めます。

この時点であれ?神の元へ還るとは?という疑念が浮かぶようになるわけですが、
神と球体の正体それは会長の計画によって人工的に作られた者だったというオチです。

カラクリとしてはバイオメック34987と呼ばれる自己複製素材、これを使えば瞬時にいかなる巨大建造物も作れる…これを利用して球体と各地の門を作り出したという訳ですね。

これを聞いた時それはちょっとズルくない?と思ったことはここに告白します。

ある程度序盤から提示されていたならともかく、いきなりこういう便利なオリジナル物質出されちゃったから登場人物も映画を見てるこっちもお手上げですよっちゅう話です。

カーラが球体に近づいた時に聞いた声門をくぐった時に見た光景は母と娘を失った事故の際に自身が受けた手術の際に頭に埋め込まれたチップが引き起こしたものという、

真実を知った後だと察することが出来ないこともないかもしれませんが後出しがちょっと多すぎましたね。

そんな後出しがずるい会長の目的は人口が増え過ぎた地球から人類を間引くという明らかになったらまぁよくある内容です。
そのために球体を作り門を出現させ神を演出…というか気取ってのほうが正しいですかね。
何を選ぶのか何が重要なのかという話でもあります。

対してのカーラの結論は母から聞かされた足りない食糧で犠牲になる話、
5人に対し3つの食料しかない時誰を犠牲にするかという中でカーラの母が語ったのは、

男達は魚を釣ったり島や船を探したりできる。
海は可能性に満ちている。
人は誰しも自分で未来を切り開くことが出来る。

提示された突き付けられた条件の中だけから悲観して選ぶのではなく、
自分たちで道を見つけ新しい選択肢を希望を持って選び取る…

甘いとも感じますがこれこそ知恵ある人が選び取るべき道と提示している、
色々とずるい種明かしを使ったストーリーでしたが、
神を気取った相手に対して出すテーマとしてはこれ以外にはないくらい相応しい答えだったと思います。

…ぶっちゃけ事態そのものは実は何も解決してないんですよ。
会長が倒れた訳でもない、地球へ帰還できるかも分からない、
それでも神を気取った相手に人としての矜持を突きつけた…こういう製作陣の精神性の根っこを見せてくれるこの内容を自分としては称えたいですね。

まとめ

途中までの球体の真実を巡る部分は引き込まれたので種明かしの伏線の提示をもっと丁寧にやってくれていたらという部分だけが惜しい映画でした。

ただどんな非科学的な物でも己の目と耳で見た物や聞いた物は信じるしかないという事実を話として利用したというのは上手いなと思ったのも確かです。

だからこそと思った訳ですが、ここら辺はまぁ近未来だしご都合主義の物資出した方が楽だったということなんでしょうかね。

映像的には妥協なく宇宙や球体、門の中のシーンなどとても美しくハッとするようなシーンが多く、これがまた神秘で騙しにきているこのストーリーにハマっていました。

話の粗が多いのは確かですが、

地球との交信って会長相手にしか出来ないの?とか、サイのブログ更新で送れるんじゃとか、
そもそもラストで地球の門は消えて人類は間引かれることは無かったんだろうか?とかね。

ただ自分は科学で悲観するのではなく感情と知恵で人を信じるという、
こういう人間讃歌なテーマには弱いのでそこら辺は何か許せてしまいました。

作中で言っている通り、人は神“デウス”にはなれないってことですね。


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