【映画】個人的にはオチが大分残念かも? カオス・キラー 感想

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

カオス・キラー
©️2013 ODYSSEY MEDIA INC. ALL RIGHTS RESERVED

製作国

カナダ

監督
ブライアン・スキーバ
脚本
ロズリン・ミューア
出演者
ミランダ・フリガン
ナターシャ・ヘンストリッジ
キット・ウィリアムソン
K・C・クライド
マイケル・マクラファーティ

今回はアマプラにて視聴、市長選の推薦とサイコキラーの死を契機に
どんどん周囲が混沌化していくサスペンス映画、カオス・キラー(原題:Anatomy of Deception)の感想。

内容としては過程は楽しいけど、真相で個人的には評価が落ちてしまった、そんな映画です。

何というかカリスマサイコパスというものを出すと、過程は盛り上がるけど上手く締めるのは難しくなる諸刃の剣となりかねないなぁと。

まぁでも周囲がどんどん混沌化していく様は実に悍ましいので、そこの品質だけは保証出来ますよ。

ジャンルはサスペンス・スリラーで上映時間は約96分となります。

ここが見どころ!

カリスマサイコパス

進むにつれて深まっていく“カオス”

©️2013 ODYSSEY MEDIA INC. ALL RIGHTS RESERVED

あらすじ

夫と娘の3人で暮らす地方検事の女性が、退任する市長の推薦で次期市長候補に。拷問をライブ配信した殺人犯による“カオス事件”も担当する彼女は、世間から注目を集めていた。そんななか、彼女宛に自宅の盗撮映像や夫の不倫画像などが送られてくる。彼女の周囲では市長選ライバル候補の警察署長、好意を寄せてくる隣人や仕事仲間などが不穏な動きを見せ、カオス事件の模倣犯も出始める。仕事も家庭も順調だったエリート女性に危険が忍び寄る恐怖のサスペンス・スリラー!

Amazon Prime Videoより

カオス・キラーを配信している配信サービス

※2024年4月13日時点

見放題レンタル
Amazon Prime Video✖️
Netflix✖️✖️
U-NEXT✖️✖️
hulu✖️✖️
DMM TVプレミアム✖️✖️

登場人物

ジェナ・ノウルズ

地方検事

ジャック・マイヤーズの“カオス事件”を担当する

市長から次期市長に推薦されたことを契機に周囲で事件や変化が起き混沌としていく

ジャック・マイヤーズ

拷問殺人をライブ配信し20人も殺害した“カオス事件”の犯人“カオスキラー”

プログラマーで法学の学位を持ち専門はビデオ監視さらに探偵でもあった

移送中の轢き逃げ事故により焼死体として見つかる

ブリグス刑事

“カオス事件”を担当していた刑事

妹のオリビアがマイヤーズによって殺害される

ジャスティン

ジェナの隣人でかつて彼女の不倫相手

妻のクレアを亡くしている

フレッド・ウィリアムズ

警察署長

次期市長候補として立候補していたがジェナの推薦により風向きが変わっていく

ザック

ジェナの夫

職場で不倫をしており、混沌の暴露により夫婦仲に亀裂が入る

キエラ

ジェナの娘

リンディ

ジェナの隣人

キエラをよく預かってもらっている

スティーブ

リンディの彼氏でザックの友人

高校の頃からリンディに虐待を繰り返している

ざっくり概要

作中内でいわゆるカリスマ的な殺人犯のサイコパスの死、そして主人公であるジェナの市長選の立候補。
この2つが絡み合い、彼女の近く人間による不審な行動、そして決定的な事件が起き、周囲が混沌化していくと言う本作。

個人的には真相がちょっと残念なのですが、とりあえず中盤までのざっくりとした流れから。

生配信で殺人を行うという行為をくりかえされていた通称“カオス事件”
この事件の犯人であるジャック・マイヤーズが事件を担当していたブリグス刑事の妹の殺害の配信中についに逮捕される。

そのマイヤーズの事件を担当する地方検事ジェナ。
裁判を控える中で開かれた市長のパーティで彼女は党こそ違うものの市長から次期市長候補として推薦される。

それを既に立候補していた警察署長ウィリアムズは複雑な顔で見つめスピーチの後に市長に詰め寄るのであった。

夜が明けて裁判を2日後に控える中で立候補を決めたジェナはマイヤーズへの証言を火曜日から木曜日にしてもらうように署長に連絡をする。

そしてマイヤーズの移送の日、彼の移送中に事件は起きる。
なんと彼の乗っていた移送車が轢き逃げされ彼と思わしき遺体が発見されるのであった。
検死の結果歯型がマイヤーズと一致して遺体は彼と推測。
DNA鑑定も行われるが結果が出るのは2週間後とされた。

カオス・キラー
©️2013 ODYSSEY MEDIA INC. ALL RIGHTS RESERVED

思わぬ形で担当していた事件に幕が下りることとなったジェナ。
そんな彼女の元に“ジェナ好き”と名乗る送信者から映像が送られてくる。

そこに映っていたのは自身の入浴中の盗撮映像、そして夫であるザックの不倫の映像であった。
ザックの元に向かい彼を問い詰めるジェナだが逆に彼女の過去の不倫を蒸し返され2人の仲には大きな亀裂が。

カオス・キラー
©️2013 ODYSSEY MEDIA INC. ALL RIGHTS RESERVED

翌日ニュース速報から流れてきたのはジェナの後輩であるリディア殺害されたというニュース。
発見場所はマイヤーズが殺害に使っていたカオスルームで彼と似た手口と知ったジェナは捜査に協力する。

その一方で昨夜送られてきたメールについてエンジニアのイーサンに調べてもらうのであった。

そして新しくジェナに送られてくるメール。
そのメールの中の動画に映っていたのはリディアの殺害映像であった。

警察から取り調べを受けるジェナ。
現場からはジェナの指紋が見つかったと連絡が入る。
容疑者となるジェナだが同じく“カオス事件”を担当していたブリグスからはあなたは犯人ではないと励まされる。

取り調べの途中でウィリアムズから今の状況で市長選に臨むのはやめた方がいいと忠告されるジェナ。
その時送られてきたメールや動画が既に消去されていたとジェナに伝えられるのであった。

カオス・キラー
©️2013 ODYSSEY MEDIA INC. ALL RIGHTS RESERVED

事件と離婚や親権争いなど周囲が混沌化していくジェナ。
入浴で体を休めていた時、タブレットが乗っ取られ再び映像が流れ始める。

流れてきたの映像はジェナがマイヤーズを聴取している映像。
彼の思想が語られた後今度はリアルタイムでジェナの入浴映像が映し出される。

急ぎ警察を呼び家を調べてもらうが浴室からはカメラは見つかることはなかった。
不安に思うジェナの元にジャスティンが駆けつけるがそれと同時にザックもやってくる。
2人を見たザックはジャスティンを彼の亡くなった妻のことも絡めて煽り彼に殴られてしまう。

翌日イーサンに頼み自宅に監視カメラを設置してもらうジェナ。
設置後の彼からはマイヤーズは凄腕のハッカーでもあったと聞かされる。

その夜ジェナは自身とマイヤーズの聴取を改めて見返す。
ファンを我が子のように語るマイヤーズ、型にはめるのも導くのも簡単、命さえ捧げるファンは“軍”なのだと。

いつか“同調”の根幹が崩れ混沌が力を増す。
そう語る彼を見ている最中またしても新しい配信がジェナの元に届く。

次の犠牲者は受付のアンバー。
彼女を殺害して犯人は検察への腐敗や権力に対して宣戦布告を宣言する。

アンバーの犠牲の後イーサンにつけられたカメラから映像が流れたことで警察はアクセス権を持っているイーサンを容疑者として追跡する。
事態に翻弄されるジェナに対してブリグスはマイヤーズは死んだけど模倣犯が現れた以上まだ勝っていないと語る。

親権を争うザックの元にいる娘キエラと久しぶりに会うジェナ。
ザックの元に娘を送り届けた後、自身の現状を鑑みて改めて戸締りをしっかりと行うようにキエラに忠告する。

ザックの家から帰宅したジェナを待っていたのはブリグス。
彼女はジェナに“来て”とメールが送られてきてやってきたと言うがジェナには全くその覚えはない。

訝しむ2人だったがその時隣人のリンディの家の様子がおかしいことに気付く。
すぐにリンディの家に入るとテレビに映っていたのはリンディと拘束されたリンディの彼氏のスティーブだった。

リンディの目の前に犯人が現れ暗示の力を見せようと宣言する。
リンディはスティーブから高校時代から虐待を受けてきた、今何もしなければ彼はそのまま死亡してそこから解放される、
彼女の境遇を利用してスティーブを見殺しにさせようとする犯人。

彼女達が拘束されているのはリンディの家の中だと気付いたブリグスはすぐに向かう。
釣り上げられていくスティーブ、何もするなと言われ葛藤するリンディ。

リンディのどのような決断を下すのか、そしてジェナを取り巻くこの混沌を作り出した犯人は誰なのか…

ざっくりとした内容としてはこんなところ。

混沌が深まるという過程は面白い映画となっています。
カリスマサイコパス殺人鬼の死と自身の市長選を契機にジェナの周囲に作り出されていく混沌。

マイヤーズが聴取中に残した言葉や出てくる模倣犯、
そして自身の過去の過ちまで巻き込んで追い詰められていくのは中々にスリリングな展開でした。

疑わしい行動や表情や動機が多いため犯人を決定づけるのも予測はつくにしても断定には至らないのもいいポイント。

ただ個人的にその予測の中で1番当たってほしくない予測が当たってしまったのが個人的な残念ポイントですね。

マイヤーズの聴取の言葉から出てきた内容からこっちが1番期待した展開から外れてしまったというのが理由なんですけど、同じ感想抱く人は割と多いと思います。

ミステリーはやっぱオチや種明かしが大事だと考えているので、
そういった観点から見ると1番安易というか結局そんなんかぁ…と思うような犯人でしたね。

個人的には犯人が“思想”であってほしかった(ネタバレだよ)

この映画の犯人ですが、色々と候補が存在して登場人物の8割くらいは疑わしい形や描写が挟まれています。

何ならジェナも怪しいと思っていたくらいです。

まぁ、ここをあんま引っ張って隠してもしょうがないし話しにくいのでさっさと明かすと、
実行犯は実は生きていたマイヤーズとそのシンパとなってしまったサンダース医師、
そして彼の脱走を手引きしたのはジェナを市長選から降ろしたいウィリアムズ署長というオチです。

カオス・キラー マイヤーズ
©️2013 ODYSSEY MEDIA INC. ALL RIGHTS RESERVED

これを見た時の自分の感想をはっきりと言うと、

後者はともかく前者は1番つまらない形じゃないか?

これに尽きます。

こう思った理由なんですが、これはジェナを取り巻く環境の混沌化。

彼女は市長選ので市長から推薦を受けたことやマイヤーズが死亡したこと、
これを契機に脅迫や粘着質なメールまで届き、過去の不倫やら夫の不倫で親権争い、同僚は殺害されていき、自分も犯人から盗撮されている。

こんな感じでありとあらゆる所から混沌が押し寄せて来るわけですよ。

これをマイヤーズがほぼ1人でやったというのは正直1人を万能にしすぎていて逆につまらないと思ってしまうのですよ。

ここまで複数の人間が絡んだ面倒な事態ならもっと複数犯でもいいと考えてしまう。

そしてその複数犯という部分で個人的に期待していた“思想”を相手取るような展開になってほしかったのです。

はっきり言うとマイヤーズは死んでいて良かった。
ただカリスマサイコパスが世に遺した“思想”これにより生まれた各々の思惑に追い詰められるという展開にして欲しかったんです。

これだけ言うとただのお前の好みじゃねーか!と言われそうですが、一応それを期待させるだけの台詞や描写があったのです。

まずマイヤーズの聴取に出てきたファンは“兵”という話。
ファンは子供のようで導き洗脳するのは容易と彼は語るんですよ。
そしてもう1つがブリグスが語る彼は死んでも勝ってないという台詞。
これはマイヤーズが死んだ後も模倣犯という形でまだ彼が生きている、つまり彼の“思想”は残っていると解釈出来る訳です。

こういう描写があるとマイヤーズの死後にも遺る彼の“思想”に染まった複数を相手取るという展開に期待しちゃうじゃないですか?
でも実際は生き残ったマイヤーズが実行犯、しかも彼が生き残れたのはジェナを排除したい署長の手引きという俗な理由、
結局万能な1人を中心とした犯行になってしまいこれはなんだかなぁと思った次第。

実際彼が生き残ったことで枝葉の部分が微妙に無駄になってしまったんですよね。

それがエンジニアのイーサンとジェナのかつての不倫相手だったジャスティンの部分。
彼らは作中だとマイヤーズの聴取のビデオを見た人間で、そしてジェナを取り巻く環境にも強く影響している。

カオス・キラー
©️2013 ODYSSEY MEDIA INC. ALL RIGHTS RESERVED

なら少なくとも彼女の離婚や親権といったプライベートな部分の混沌は彼らが犯人という形でも別に良かったんじゃないかなぁと。

結局マイヤーズのビデオは見ていたけど影響はされておらず、
ジャスティンは不倫と妻の死で狂ってしまって最後に捨て台詞言っただけとか、
何かここら辺は枝葉として何の意味もない描写になってしまっているんですよね。

カオス・キラー
©️2013 ODYSSEY MEDIA INC. ALL RIGHTS RESERVED

当時妻を自ら殺害したのがマイヤーズの影響だったとか、
それでジェナを手にするために混沌を作り出したとかでも良かったと思うんですけどねぇ。

羊たちの沈黙しかりカリスマサイコパスというのは魅力的ではありますが、
それは人を思うように操作して、自ら動く部分が少ないというのも魅力だと思うんですよ。

でも今回のマイヤーズが操作したのは直接彼を診断していた精神科医のサンダースくらい。
うーん、やっぱ動かしたのが1人じゃカリスマには欠けてしまいますね。

生きていて1人の人間を操作しながら自らも動くより、
死して尚、彼が遺した“思想”だけで混沌を作り出す方がカリスマ性も際立つと思うのですが…
やはり種明かしで期待させた展開と違うのはよろしくないですね。

生きていたことが明らかになってからは小物感もあるので、
カリスマ性に欠ける部分は狙った可能性もありますが。

まとめ

やっぱミステリーは種明かしが大事だなぁと思いました。

万能な天才が1人で頑張ったよりは複数人が各々の目的で動いて噛み合ったの方が絶対種明かしの気持ちよさはあると断言できますね。

後、最終的に夫婦が修復されることになりますが、割と煽りまくってもまたくっつくのはよっぽど相性がいいのでしょうか。

正直中盤のザックは露悪的に描いているので1つくらい挽回してくれてくれた方が納得感あったと思うのですが。

まぁジェナもジェナで過去を棚に上げたこと言ってますし、破れ鍋に綴じ蓋と言ったところでしょうか。

過程は楽しいけどオチは期待には応えてくれない。
個人的には完全なる報復に近い映画でした。

種明かしの内容は大事!


関連記事

他のサスペンス映画感想はこちら。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA