【映画】邦題の通り最後だけの映画 ラスト・ゲーム 最後の切り札 感想

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ラストゲーム 最後の切り札

製作国

イギリス

監督
リチャード・コールトン
脚本
リチャード・コールトン
出演者
カルム・ベスト
アマール・アダティア
ダレン・デイ
ジェシカ・ジェーン・スタッフォード
ジェス・インピアッツィ
ゲイリー・ウェブスター

今回はみんな浅はかな行動する映画、ラスト・ゲーム 最後の切り札(原題:Dangerous Game)の感想。

人気有名サッカー選手が幼馴染のトラブルに巻き込まれて八百長試合をマフィアから要求されるも…?という流れなんですが、
こう言うとあれですが途中まで共感出来る人物が全然いないので俯瞰して見るにしてもやっぱ限度があるなと再確認出来る内容です。

登場人物がみんな行き当たりばったりで行動している感が強いので見ている側としてはイマイチ乗り切れない映画、
でも邦題の通り最後だけはスカッとするかも?そんな映画となっております。

ジャンルはサスペンスで上映時間は約94分となります。

ここが見どころ!

行き当たりばったりな登場人物を見て笑う

予想は簡単ですが、最後の大逆転

あらすじ

幼馴染みの多額の借金を返済するため、ロシアン・マフィアに協力せざるを得なくなったサッカーのスター選手。八百長試合でチームを負けさせなければならなかったところ、逆に勝利に貢献してしまう。ライバルと共に移籍した新チームにはなじめず、さらにはマフィアに脅されるなど、八方ふさがりの彼が起死回生を狙った彼の苦肉の策とは?イギリスの国民的サッカー選手、ジョージ・ベストの息子でファッションモデルのカルム・ベストが主演を務めたイギリス発のクライム・アクション!どんでん返しに次ぐどんでん返しの展開、そして主人公に訪れた衝撃のラストに驚かされる。

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登場人物

クリス・ローズ

サッカーのスター選手

名門のイースト・ストラトフォードに移籍したが確執のあるマルセルと同時に移籍、

しかも彼の方が契約金が多いことに不満を感じている

幼馴染のアダムの借金を返すためにマフィアから八百長で試合に負けるように要求される

アダム・チョプラ

クリスの幼馴染、賭け事をやりすぎた結果ロシアンマフィアから金を借りている

クリスと知り合いということがマフィアにバレ、彼に借金の返済の協力をさせろと脅される

ディミトリ

ロシアン・マフィアのボス

八百長をしなかったクリス達に4週間以内に200万ポンド持ってくるように脅す

アレクセイ

ロシアン・マフィア

賭場グリーンズを経営している

アダムの借金を返済させるためにクリスを巻き込み八百長試合をさせようと目論む

マルセル・レミ

サッカー選手

クリスとは確執があり犬猿の仲

クリスと同時にイースト・ストラトフォードに移籍し、彼の2倍の給料を貰っている

アシュリー・クイーン

クリス達とバーで出会った女性

クリスに惹かれる

クロフォード

刑事

連続強盗事件を追いクリス達に嫌疑の目を向ける

八百長をきっかけに追い詰められ逆転の目を狙うストーリー

幼馴染のアダムの借金でサッカーのスター選手であるクリスがマフィアに八百長を要求されたことをキッカケにトラブルが始まる映画。

その八百長を一度は請け負うも試合中に反故にして勝利して、
マフィア達に大損をさせて彼らに新たな要求として4週間以内に200万ポンドを持ってくるように言われたクリス達は強盗に手を染める。

致し方なく悪党が普通の店に偽装している店を襲撃するも、監視カメラに自身の顔が映ったことで刑事のクロフォードに疑われ任意聴取を受けるクリス。

そこで1つの取引をして強盗を続け、更にはチームの仲間達も強盗に参加させる。

そして全ての金をマフィアに返し終わった時にクリスの最後の切り札が発動する…

とまぁこんなラストに全振りしたような映画となっております。

途中までは正直色々と行き当たりばったりで緊張感あんまりない展開なのですが、最後だけはカタルシスがあるそんな映画となっておりました。

ただ最後の切り札はクリスにも発動するのですが。

行き当たりばったりなストーリー

この映画のストーリーというか行動はかなり行き当たりばったりです。

そもそもね、幼馴染のアダムのために八百長を受けるのですが、結局サッカー選手として八百長を反故にするのはそれは全然いいのです。

ただマフィアの要求を反故にしたのに呑気にチームメイトと飲んで恋人と2人きりで帰る時に攫われるのは如何なものかと思うのです。

普通危ない奴ら相手の約束を反故にするなら何がしかの勝算を持って行うと思うのに、
何の勝算も無く反故にして迂闊に攫われて結局より無茶な200万ポンドの要求をされるとか、
なんちゅう行き当たりばったりな展開だと思わざるを得ませんでした。

結局それで強盗をやる羽目になるとか、何というかやらせたい追い込みたい展開のために登場人物が馬鹿になっている、
典型的な行き当たりばったりな話の持っていき方でしたね。

それで強盗中に顔バレして結局警察の力を裏で借りる展開になるのですが、
それなら八百長前、もしくは八百長後に襲われる前に警察に相談して協力した方がスマートな気がするんですよね。

結局クリスだけの力や知恵だけではなく真っ当に警察の力を借りるのですから最初から協力して1回目の強盗から自作自演の形にする、
そうすれば最初からクリスと手の平の上で彼が導き出した“最後の切り札”になると思うんです。

警察への協力も偶然顔がバレて聴取されて気が良く勘もいい刑事に察してもらった結果に協力を得られたとこれまた行き当たりばったり。

ぶっちゃけ刑事の性格次第じゃここでクリスだけ逮捕されてもおかしくない。

逆転の手を手に入れたのもこのように行き当たりばったりの末。

最後の逆転に話を導きたいなら少なくともクリスには行き当たりばったりに見せかけたスマートな立ち回りを最初から見せて欲しかったですね。

最後の切り札(ネタバレあるよ)

上で行き当たりばったりだと何だかんだ言いましたが最後の切り札となるラストはそれなりにカタルシスはありました。

ラスト・ゲーム 最後の切り札

話の持っていき方は別として展開としてはチームメイトと警察の協力という展開は中々に熱いのですよ。

クリスが何かに追い詰められて強盗をやっていることを察したクロフォード刑事が聴取の際に彼から事情を聞き出し協力し、
そこからのクリス達の強盗は警察のお金を使い店にも協力させて自作自演で強盗させる、
マフィア側に警察と強盗が共謀する訳がないと思わせた上で強盗を続け金をマフィアに流した訳です。

そして最後は正しい形で終わらせるためにチームメイトに事情を話して派手な強盗もしてみせると。

そして最後に金を渡したところで警察により一網打尽で一件落着と、
まぁぶっちゃけ予想は容易に出来る最後の切り札ですが、展開が美味しいのでという内容ですね。

ただ最後の確執のあるチームメイト、マルセルとのやり取りはちょっと予想出来なかったのでそこで個人的には加点です。

マルセルが試合中にクリスの邪魔をしたのは実は八百長のため、これは全然予想をしていなかったのでいい展開だと思いましたよ。

こういう人の感情や確執といったもので予想を上手く隠すというのは上手いので、
やはり途中までの行き当たりばったりに持っていく話運びにしなければもっと良かったのにと思わざるを得ませんね。

ラストに関しては“最後の切り札”はクリス達だけにあるものじゃないんだぜということなんでしょう。

もしかしたらこの悪いことをしたら痛い目にあうというメタ的な展開をやるためだけに、
最初の頃の強盗はクリス達の自らの意思にした可能性はあるかもしれませんね。

あまり共感出来ない登場人物達

この映画の登場人物達は上で言った通り行き当たりばったりな方々なのであまり共感出来ない人物ばかり。

なんといっても物事の中心となるクリスとアダムがもう何とも言えない性格と行動をしていますからね。

まずクリスなんですが、彼はサッカーのスター選手で名門に移籍するという形でストーリーが始まりますが、
ライバルというか確執のあるマルセルが同時入団な上に彼に移籍金や契約金が2倍近く離されていたと知り不満を持ちます。

そしてアダムの借金の件でマフィアから八百長申し込まれた時に最初はマルセルに仕返しをしたいから受けるという、
こいつはサッカーに真摯ですらないのかと流石にこの時点であまりいい性格の主人公ではないなと思わざるを得ませんでした。

一応土壇場で八百長の約束は反故にしますが、その土壇場までは本当にやろうとしていますからね。

そんなそもそものトラブルの原因であるアダムですが、彼の借金の理由がまた酷い。

賭けに負け、賭けで返済しようとして借金が膨らむ典型的なダメ人間です。
更にはクリスと知り合いとバレたらあっさりとマフィアの元にクリスを連れてきてしまうという、
何でこいつが親友枠なんだ?と疑問に疑問が重なりまくります。

クリスの母親が幼少期の頃からアダムには近づくなと言っていますがもう100%母親が正しい。

結局そんなイマイチ共感しきれない2人がマジで強盗に手を染めるのはある意味では必然なのかもしれませんね。

最終的にマフィアを騙し逆転するにしても警察に相談する前まではどうしようもなくなって何の策もなく強盗に手を染めていたことには変わりませんからね。

とはいえ美点も1つくらいは。

クリスは最後に自身のファンの少年で難病を抱えているジョシュに難病治療のための小切手を渡します。

ジョシュに出会った後に最初からしこりとして残っていたかのような反応がありますし、これだけはクリスの美点としてちゃんと語っておきます。

他にもマフィアや刑事なども当然いるのですが、前者はどこかお間抜けさが目立ち、後者はこの映画の唯一の良心だと思います。

ロシアン・マフィアに関してはリーダーのディミトリが意外といいキャラをしているというか何というか。

物事は純粋でシンプルな方が好ましいということでクリスを安易に殺害しなかったり、
クリス達が最初の強盗でヘマに近いことをやっても一度は許したりと、
寛大という名のおバカさがあって妙な魅力があるんですよね。

どれくらいおバカかというと彼1人ではなくマフィア全員になりますが、
クリス達が次々に強盗成功させているの見ていやーこいつら運が良かったなぁ、余分な金も渡したし運がいい内に解放してやるかとか言っちゃうくらいのおバカさ。

どうです?何か可愛さすら感じるでしょう?

何かそれぞれキャラの立つ見た目していて実力的にも個性がありそうなのに、
結局それを一切発揮することなく逮捕されてしまうところとか実に可愛いと思います。

正直クリスと警察の作戦が成功したのは彼らの愛らしさのおかげだと自分は断言出来ますね。

最後に刑事のクロフォード。

彼がこの映画の良心であり、最後まで有能さがあった人物です。

何と言ってもね、クリスの最初の聴取の段階で彼が何か止むに止まれぬ事情抱えているの見抜いてさっさと協力の話持ち掛けるくらいですからね。

脅されているのに安易に警察に事情を話すクリスは置いといてちゃんと彼を信じ、
彼の置かれている状況を利用して自作自演の強盗の手助けをするこの有能さ。

結局“最後の切り札”を用意したのはこのクロフォードですからね。
そういった意味では彼の方が邦題的には主役に相応しい人物なのかもしれません。

共感できる人物は1人だけで主役の方がダメさ加減酷くないか?という変な映画によくある人物設定でしたが、
まぁマフィアの可愛らしさとクロフォードの有能さに免じて不満は飲み込もうと思います。

もしかしてコメディだったのかもしれない。

この手の映画にありがちな尺配分

この映画の尺配分はこの手の映画にありがちなバランスの悪さがあります。

何が問題かというとこの映画の転機と言うのは八百長申し込まれたサッカーの試合に勝ったことなんですが、
その試合のみならずサッカーの試合自体を全然映さないんですよ。

八百長の試合前にもマルセルがタックルしてきて邪魔されるなんていうクリスとマルセルのデビュー戦があるのですが、その試合は一切流さず口頭だけの説明。

そして肝心の八百長の試合もダイジェスト感覚で済ます。

はっきり言って普段の試合と八百長の試合でのクリスのパフォーマンスがどう違うのかという対比が見られず、
これにより折角のプロのスターサッカー選手という設定がイマイチ活かしきれていません。

結局デビュー戦の方でも実はマルセルが八百長を請け負っていて彼がわざとチームを負けさせようとした結果と最後に判明するのですが、
それなら尚更八百長の試合2つを見せて、八百長をしたマルセルと踏みとどまったクリスとの対比を見せなきゃダメだろうと思うんですけどねぇ…

クリスと彼女であるアシュリーとのラブシーンには変に尺を使うのに、
ストーリー的には重要な八百長の試合に全然尺を割かないのは片手落ちというか何というか。

そもそも特に意味がなかったからナンパやラブシーンいらねぇなという話でしたが。

まぁでもこういう尺配分のおかしさはこれくらいの映画ではよくある話なのでこれ以上言うのは野暮ってもんかもしれません。

まとめ

まぁオチに全振りな映画でしたね。

正直そのオチもカタルシスはあれど驚きがないのでこういうタイプの映画だとマスカレードとかの方が自分は好みですかね。

とにかく過程が行き当たりばったりにしすぎてオチのための緻密さに欠けるというのがオチに全振りな作品としては勿体無い部分ですね。

でもこの邦題に“最後の切り札”とつけた人はこの映画をよく分かっている方ですね。

暗にこれは最後だけの映画だぜと伝えるかの如く

邦題と言うのは常々好みというのが出るものですが、この映画で1番褒めるべき点は実はこの邦題なのかもしれませんね。

実際邦題で見ること決めましたし。


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