【映画】GTMAX 感想 最後のバイクアクションのために積み上げられた描写からの大爆発を見よ!【Netflix】

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製作国

フランス、ベルギー

監督
オリヴィエ・シュニーデル
脚本
ジャン=アンドレ・ヤーレ
ラシッド・サンタキ
ジョルダン・パヴリク
レミ・レオティエ
出演者
アヴァ・バヤ
ジャリル・レスペール
ジェレミー・ラユルト
ティヴー・エヴェラー
リアド・ベライシェ
ジェラール・ランヴァン
サミール・デカザ
クレマンティーヌ・セラリエ
セリーヌ・ジョリオン
ラヤン・ブアザ
エステル・ダルノー

今回はフランス製作のネトフリオリジナルのバイク映画、GTMAXの感想。

本作はとにかく最後のバイクアクションに注力した映画となっており、そこに導くために強盗というアウトロー要素に、過去のトラウマと経歴、それらを積み上げて(ダレながらも)大爆発させる。

最大の見せ場が製作側の中ではっきりとしている、アクション映画らしい構成の内容でした。

マジで最後のバイクアクションはたまんないので途中でダレても最後のバイクアクションまで頑張って見て欲しいですね。

ジャンルはサスペンスアクションで上映時間は約100分となります。

あらすじ

モトクロスの元王者は、弟が悪名高いバイカー強盗団の犯行計画に巻き込まれたことを知る。愛する家族を守るため、彼女は自身の心に深く刻まれた大きな恐怖心と向き合ってゆく。

Netflixより
Netflix France

登場人物

ソエリ・カレラ

元モトクロス世界王者

事故のトラウマで現在は引退しており弟ミカエルの整備士としてサポートしている

借金のために母の形見のバイクが売られるかもしれないことを知りエリアス達の仕事を引き受けているうちに強盗の渦中へと引き込まれていく

ミカエル・カレラ

ソエリの弟でモトクロスの選手

姉ほどの実力は持っておらず密かにコンプレックスを抱いている

バイク仲間のヤシンの仲介で得た仕事でソエリ同様に強盗の渦中に引き込まれていく

エリアス・フラー

ヤシンから紹介された男

強盗団のリーダーでスリルを求めて用意周到に強盗を繰り返している

ソエリの整備士としての腕と過去の経歴を知り強盗団に引き入れようと画策する

テオ

ヤシンから紹介された男でエリアスの整備士

強盗団の仲間だがソエリと共にバイクの改造をするうちに彼女に惹かれていく

ヤシン

ミカエルのバイク仲間

エリアスの強盗団のメンバーだが、考えなしな部分がある

デルヴォー

エリアス達強盗団の逮捕に執着する刑事

元モトクロス王者で決して諦めない男として知られている

ダニエル・カレラ

ソエリとミカエルの父でモトクロスで13連覇した元王者

ソエリの引退以降チーム運営が芳しくなく借金が積み重なり妻のバイクを売ることを求められてしまう

そのことで娘と息子の強盗関与を招くことになる

ざっくり概要

ここからはいつも通りに終盤までのあらすじを。

ある夜高級時計が奪われる強盗が発生。

刑事のデルヴォーは3人組の強盗団を追うが逃げられてしまい彼らの逮捕を決意する。

日が変わりモトクロスのレース場。

そこには世界大会出場を目前とした選手ミカエル、その整備士で姉であるソエリがいた。

残り2ポイントで世界出場が決まるレースだったがすんでのところで抜かれて出場を逃してしまうミカエル。

その夜、父ダニエルから今回のレースに負けたことによりスポンサーが撤退して収益が足りずに15万ユーロの借金がありもう続けられないと宣告される。

母の形見のバイクを売ることでお前達はやり直せると言うダニエルだったが、ソエリとミカエルは形見のバイクを売るという決断に異を唱え、口論となる。

そのはずみでミカエルは才能のあるソエリより自分が事故にあえばよかったと思っているんだろう?と父に溢しそのまま2人は喧嘩別れしてしまうのであった。

視点は変わり、警察。

強盗団を追うデルヴォーは彼らが金よりスリルを求めている連中とみなし、次は宝石ウィークに高速道路で運搬される数百万ユーロもする目玉レッドダイヤが狙われると主張をして捜査の範囲を広げるように打診していた。

父と口論になった翌日、ソエリとミカエルはミカエルのバイク仲間であるヤシンから紹介された仕事、バイクの試乗とコースの試走のためにヤシンの元を訪ねていた。

紹介された男、エリアスとテオの怪しい雰囲気を警戒するソエリだったが、彼らの改造バイクの試乗をミカエルが行いそのバイクを調整しようとする。

その時、デルヴォーが現れてヤシンがミカエルのバイクを使って逃走してしまう。
彼は前日に1人でバイク強盗を行っておりデルヴォーに目をつけられていたのであった。
警察に捕まったヤシンと逃走に使われた証拠品として押収されてしまったミカエルのバイク。

仕方なくその場は諦めてエリアスからバイクの修理費も合わせた報酬を受け取るのであった。

警察で尋問されるシエン。宝石ウィークの宝石商マゼッティについて知っているか?と尋ねられるが喋ろうとはしなかった。

別の場所に連行されるところを隙を見て逃走するヤシン。しかしそれはあえて彼を逃し追跡しようとするデルヴォー達の作戦だった。

仕事を終えて帰宅したらソエリは母のバイクの元にいる父を見つける。

2人でバイクの思い出を語り合う中でソエリは改めて母のバイクを守るためにエリアスに金が必要だと彼の仕事を更に引き受けると連絡をする。

ヤシンが捕まったことで強盗の計画に狂いが出たことを密かに話し合っているエリアスとテオ。

そこにやってきたソエリを店の隠し部屋に案内して改造バイクの3台をテオと共に仕上げることを要求する。

それぞれのバイクに名付けられた名前は“Tクロス”、“ネイキッド”、“ターボ”

Tクロスは障害物に強く、ネイキッドには俊敏性とパワーが必要、ターボはスピード重視で時速230キロを維持する改造を求められるのであった。

ソエリの預かり知らぬ間に密かに進む強盗の計画。

そんなことはつゆ知らずにソエリはテオと共にバイクの改造を終わらせるのだった。

距離の近づいた2人。

復帰は考えたか?と質問するテオに当時は母をガンで失い怒りに満ちた感情で何も考えずに母のバイクで全速力で走っていたこと。
しかし、事故により1ヶ月入院して理学療法を1年受けた後は乗ろうとすると毎回事故を思い出してパニック発作で震えて自転車にも乗れないことを彼に語るのであった。

その頃ミカエルの元には逃走したヤシンから2万ユーロの仕事があると連絡が入る。

この連絡の後に動き出したヤシンを警察が追うが、彼はそれを撒いて逃走に成功してしまう。

逃げたヤシンとミカエルはエリアスの元にやってくるが、計画を崩したヤシンをエリアスは射殺してしまう。

その現場に出会してしまったソエリとミカエル。

エリアスは射殺に使った銃にミカエルの指紋をつけてソエリに計画に加わるように命令する。

警察がやってくる中ソエリはトラウマで震えながらも何とか自身の改造したバイクでエリアス達と共に逃げることに成功するのであった。

逃走した先で家に帰る姉弟。

ソエリは母のバイクの元に向かい、再びそのハンドルを握る。

レース場から聞こえたエンジン音にダニエルが向かった先で目撃したのは妻のバイクを乗りこなしている娘ソエリの姿だった。

強盗に巻き込まれた怒りと弟を守る使命感で過去のトラウマを乗り越えたソエリ。

果たして彼女は巻き込まれた強盗計画の中でどのような決断と行動を下すのか。

ストーリーは殆どラストのため

この映画のストーリーは正直ラストの強盗バイクアクションのために用意してあるような構成。

こういうアクション映画の場合は往々にしてその最後の見せ場のために、登場人物が無茶をする、もしくは無茶が出来る理由や動機付けのための導線にしか使われませんがこの映画もそれに漏れることはない内容でした。

で、今回の見せ場のためにソエリを強盗に導く導線は借金、その見せ場で無茶が出来る理由付けの導線は過去にモトクロス王者だったからと非常に分かりやすいですね。

このストーリーの借金問題に関しては強盗に巻き込まれるには如何にもって感じなんですけど、その借金のカタに売られそうになる母の形見のバイクについての話と口論は結構悪くなかったかなと思います。

そもそも借金が出来た理由はソエリが事故以降にトラウマとなってバイクに乗れなくなってしまい、代わりに弟のミカエルが頑張っているけど勝ちきれないことからスポンサーが離れていくという流れなんですけど。

このソエリがバイクに乗れなくなった理由というのが事故によって母を失って怒りよりも事故の恐怖が上回ってしまったという理由。
でもこれを弟ミカエルが強盗の計画に巻き込まれて射殺犯にされてしまうかもしれないというエリアスの脅し、それによって弟を守らなくちゃいけない。

この過去とは別の怒りと使命感によってトラウマを克服する流れ自体はこの映画の中でも芯のあるストーリーラインだったと思います。

ただここ以外は結構ガバガバ。

姉との才能の差に悩むミカエルと父ダニエルの口論と確執なんかはもっと掘り下げても良さそうなのに、なんかラストでいつの間にか仲良くなってしまいますし。

そのミカエル自体が最後の強盗計画に向けて完全に恐怖で潰れてしまって、この映画最大の見せ場である最後のバイクアクションに参加しないという体たらくなので微妙に扱いが勿体無いんですよね。

強盗側のエリアスとテオも微妙に掘り下げ不足。

特にテオの方ですね。

彼はソエリと親身になっていった結果(これが大分唐突感があるんですが)強盗に巻き込んでしまってことも後悔している節があり、
強盗前に俺を信じろとまで豪語するのですが、ここまで言っておいて別に最後にソエリを助けるような活躍をしないのでやはりここも肩透かし。

こうなるとそもそもこの2人の関係がそこまで必要な描写でも無かったような気もするんですよね。

エリアスに関してはただのスリルジャンキーな強盗なので掘り下げは特に必要なしでキャラは立っている方だと思います。

ソエリを気に入ってミカエルを射殺犯にしようとしたのは彼女を引き入れるための目的であり、銃はとっくに処分していたとか、
このスリルジャンキーっぷりと気に入った奴を仲間に入れようとする姿勢は他のアウトロー映画なら十分主役側に入れそうですが、まぁそこは残念なことにこの映画はアウトローには厳しいんですねぇ。

と、思わせておいて仮にも強盗に加担した、しようとしたソエリとミカエル、テオが捕まらないのでここら辺の善悪論も結構ハンパだったり。

こんな感じで芯のあるのストーリー描写はソエリのトラウマ部分くらいなんですが、でもこれはこれでアクションだけを求めた映画らしいクオリティではあると思います。

そりゃ良質であればそれに越したことはありませんが、ことアクション映画でしかも見せたいアクションが明確になっている映画ならば破綻さえなければそれでいいんです。(まっ、破綻していてもそれはそれで美味しいですけど)

ラストに集約されたバイクアクション

その明確に見せたいものとなっているラストのバイクアクション。

これはしっかりと積み上げてきただけあって見応え十分でした。

そもそもここに積み上げるための事前のバイクアクションなんかもあるんですが、ここは割と大人しいんですよ。

冒頭の強盗はそれなりですが、そこ以降はモトクロスのシーンくらいで迫力はあれど競技シーンを見せる映画としてはカメラワーク含めて迫力は大人しめ。

ただこのモトクロスのシーンはこういうジャンプや無茶なカーブが出来るんだぜ!ってラストに向けての積み上げとしては十分機能していました。

で、その強盗ならぬ映画を飾る最終レースの迫力はまぁ満足感高いです。

まず何といっても色々と描写や粗を誤魔化せる夜中ではなく白昼堂々の街中というシチュエーション!
この明るい昼間というシチェエーションだけでこの映画のバイクアクションへの自信が伺えるってもんですよ。

車で派手にぶつかって宝石を奪うことから火蓋が切られるこのレース。

ただ警察が護衛していないのは少々気になりますが、これは野暮ですね。

ここから計画と逃走コースに気付いたデルヴォー、そして警察に追われることで三手に分かれて繰り広げられる三者三様のレース!

バイクならではの狭い路地に入り込み人波を掻い潜っていき、そして3人で合流し合い宝石をパスしながら逃走していく。
このバイクならではの小回りと派手さが存分に昼間の街中で階段から何から何まで使って存分に街を広く使ってやれているんだからそりゃ迫力はあるってもんです。

この映画は間違いなくここだけを見せ場に持ってきて、これは自信を持って送り出したバイクアクションなんだなと見ていて熱く感じ取れる。
やってることは強盗と逃走と駄目なことですよ?でも街中でこんなバイクアクションするなんてアウトローじゃないとやれないですもん。

このためにソエリにトラウマを用意しておき、借金で追い詰め、強盗に巻き込んで、フラストレーションや理由付けを溜めに溜めての大放出のバイクアクションでこちらは大興奮ですよ。

しかもおまけのようにエリアスとデルヴォーの格闘戦もありますからね。マジで最後までアクションを溜めてから放出する映画ですね。

ただこの大放出にもちょっとした欠点があって。

それはせっかくの改造バイク3台の特徴が活かしきれていないこと。

ソエリが携わって改造したバイク“Tクロス”、“ネイキッド”、“ターボ”が全然特徴を活かしてくれないんですよ。

“Tクロス”は障害物に強く、“ネイキッド”は俊敏性とパワー、“ターボ”は最高時速230を維持と、わざわざ名前を付けて特徴をここまではっきりとさせてしかも3台に分かれて行動したのにそれらの見せ場がほぼ皆無なんですよね。

多分ソエリが乗っていたのが“Tクロス”でそれだけはジャンプや階段の走行などで活かされていたのですが、それ以外の2台はそれらしい活躍はなし。

最後のバイクアクションに最大限に力を入れているのなら、名のついたバイクは主要人物同然。
このバイク達にも名と特徴に相応しい活躍をそれぞれに用意して欲しかったですね。

これさえやってくれれば個人的には120点の満足度になったので、ここだけは本当にこの映画らしくない描写の“抜け”だと思いましたね。

まとめ

ストーリー面では途中まではマジでダレましたけど、バイクアクションだけで最後まで見た甲斐は間違いなくありました。

これだけ見せたい物がはっきりとしていると、話の作りもそこからの逆算となるので少なくとも主人公だけは芯のある物になるのは大きいですね。

それ以外の人物は犠牲になりますが。

白昼堂々の高クオリティなバイクアクションというのは意外と少ないので、その一点の需要だけでも見る価値のある映画になっていると思いますよ。


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