【映画】世界観設定に合わせた推理展開は良いです 赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。感想【Netflix】

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う
Netflix映画『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』

製作国

日本

監督
福田雄一
原作
青柳碧人
出演者
橋本環奈
新木優子
岩田剛典
夏菜
若月佑美
桐谷美玲
ムロツヨシ
加治将樹
長谷川朝晴
犬飼貴丈
山本美月
キムラ緑子
真矢ミキ(真矢みき)
佐藤二朗
主題歌/挿入歌
SEKAI NO OWARI

今回はネトフリオリジナル映画の赤ずきん、旅の途中で死体と出会うの感想。

一応感想前の前提として申し訳ないことに原作知識もなく、

流石に題材となっている赤ずきんやシンデレラは分かりますが。

なので原作のファンからしたら感想で頓珍漢なことを言っている可能性も高いと思われます。

作品の内容としては推理物としてはこの童話の世界観ならではの設定や道具をちゃんと活かした展開なのがかなり好印象。
ただしルッキズムというテーマは少し片手落ちに感じてしまいましたね。

そして監督ならではのノリは事前に分かっていたとはいえやはり色や味が濃過ぎて自分には合わない部分が強いなと再確認。

とはいえ逆にそれが合う人からしたら不満点が消えることになるので、欠点は少ない映画だと思いますよ。

ジャンルはミステリーコメディで上映時間は約107分となります。

ここが見どころ!

世界観を活かした推理展開

福田監督ならではの台詞回しや演出

あらすじ

赤いずきんを被った少女・赤ずきん(橋本環奈)は、旅の途中、灰だらけの少女・シンデレラ(新木優子)と出会う。魔法使いに素敵なドレス姿に変えてもらい、舞踏会へ向かったふたりだったが、カボチャの馬車で男をひき殺してしまう。バレるまいとさっさと死体を隠し、ふたりはお城の舞踏会へ。シンデレラと王子様(岩田剛典)が恋に落ちたのも束の間、死体が見つかり舞踏会は中断。絶体絶命のふたりの前に次々と現れるクセだらけの人たちの中に、真犯人の影が…。赤ずきんは、持ち前の洞察力と図々しさで事件に立ち向かう—!

「美しさこそがすべて」の国で起こった悲劇の真相とは…?

Netflixより
Netflix Japanより

登場人物

赤ずきん

赤ずきんを被った少女

洞察力が深く勘もいい

旅の途中でシンデレラに出会い、事件に出くわすことになる

シンデレラ

赤ずきんの靴を拾った縁で出会った少女

義母と腹違いの姉2人にいじめられている

魔法使いに美しくされ赤ずきんと共に舞踏会に参加する

ジルベール王子

クレール・ドゥ・リュヌ王国の王子

“美しさ”が重視される国の中で誰に対しても平等に接する

ハンス

王家御用達の世界一の美容師

赤ずきんとシンデレラが城に向かう途中に馬車に轢かれるがそれより以前に死亡している

顧客以外の美しい髪をしていた女性を妬んでいたという噂があった

バーバラ

魔法使い

赤ずきんがシュペンハーゲンに向かう旅の途中で出会い彼女に絡む

赤ずきんとシンデレラを舞踏会に参加させるために美しくなる魔法をかける

古い杖のせいで夜中の12時に魔法が解ける

テクラ

バーバラの姪

靴が苦手なバーバラの代わりにガラスの靴を魔法で与える

バーバラとは違い魔法の効果は24時間続く

イザベラ

シンデレラの義母

娘のアンヌを舞踏会で王子に見初めさせるために美容師ハンスに彼女の髪を切らせた

アンヌ

シンデレラの義姉

舞踏会で王子の妻の座を狙っている

舞踏会前にハンスに髪を切ってもらっていた

マルゴー

シンデレラの義姉

食いしん坊

ポール

バーバラの魔法で人間になったネズミ

馬車の運転手も勤め舞踏会に向かう途中でハンスの遺体を轢く

カーレン

森の洞窟を寝床にしている女性

ハンス殺害の嫌疑をかけられた王子の目撃情報を語る

ボーベル王

クレール・ドゥ・リュヌ王国の王様

世界観を活かした推理は良い、でもテーマに関しては勿体無い

まず大前提と謝罪として上で言った通り原作は未読ということだけ、なので見当違い甚だしい部分が多々あるかもしれません。

最初に驚いたのは赤ずきんが主人公ではあるもののストーリーとしてはシンデレラがベースということでしたね。

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。
Netflix映画『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』

シンデレラの物語に赤ずきんが介入して変化する…こう書くと赤ずきんのせいで事件が起きたみたいですが、ただ探偵物ってメタなことを言うとそんな物な気もします。

要はシンデレラの物語をベースに探偵物のストーリーとして話が進むと思っておけばいいですね。
赤ずきんと一緒に馬車でお城に向かう途中で轢いてしまった、しかしそれより前に死亡していた美容師ハンスの死体の謎。
更にそこに美しい物以外認めないという国の所謂ルッキズムな問題も絡めて犯人が事件の中で証拠を隠す時にその価値観を利用していたり、
ついでに童話らしい話のオチの付け方に使われていたりします。

推理物として見れば仕掛けとして面白いなと思ったのは魔女2人による魔法の解ける時間が違うというタイムラグを活かした解決の仕方でしょうか、
童話の方でもクライマックスに使われるシーンですが、こちらでもそのタイムラグを利用してクライマックスに使われています。

やはりファンタジーな世界でのお話ですので、証拠も解決もファンタジーらしい仕掛けであるべきですしね。

なのでシンデレラのストーリーにおいて重要な道具であるガラスの靴、これがちゃんとキーパーソンになっているのはしっかりと題材を活かした推理であったと思いますね。

そしてルッキズムの問題ですが、個人的にはあくまでシンデレラの物語で使われていた要素や犯人の仕掛けに必要だったからテイストとして入れてあるだけで、
そこを問題提起にするとか気合いを入れているような物にはなっていなかったかなと思いしたね。
これが良いことか悪いことかは置いといて肩肘張った真剣さのある部分ではないかなと。

いや、話的にはすごい重要な部分ではあるんです。

“美しい”ことが重要視される国で“美しくない”ことが罪にも等しい国の価値観に苦しむ話ではあり、だからこそそれを認められる喜びから起きた事件ではありますから。

ですがカーレンという醜いと判定されている女性の役者が山本美月さんなのには説得力がですね…
シンデレラの方は元々磨けば光るというタイプという話なので美人でも問題はないのですが、カーレンの方が最初からその判定は微妙に納得がいかないのです。

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。
Netflix映画『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』

後々に顔に傷がつくのでそこから言われるなら未だしも王子と惹かれあっている段階からなんで、
まさかそばかすだけで醜い判定されて言われているのか?と思いましたね。

美を重視する国においてはその程度のことだけでもという演出の可能性も高くはありますが、ただ彼女だけは美人採用だとオチが弱くなるとも思ったのです。

例え顔に傷を付けて判定強化したとしてもです。

昨今の風潮に合わせすぎた配役は自分もやり過ぎとは思っている考えなんですが、
本作に関しては結局王子が美人の役者の人物選んだら“美しい”ことだけを重視する考えを否定するという流れにノイズが入っているように感じてしまったのですよ。

それとシンデレラに対するフォローですね。

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。
Netflix映画『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』

ルッキズムに苦しんだのはシンデレラも同じ、ですが道を間違ってしまった結果が本作の事件の真相となるのですが、
上でも言った“美しい”ことだけを重視する考えを否定する結末なら彼女をいじめていた存在にも何がしがのペナルティがないとテーマ的にはブレてしまうかなと。

心の美しさこそが本当の美しさでシンデレラは殺人によってそれを失ったという話なのでしょうけどそれでもですね。

彼女が犯人だからといってその瞬間までに家族や世間から受けていた仕打ちは消えるわけでもないのですから、
ルッキズムをテーマにするならそこも明確にはっきりと物を申してほしかったですかね。

これら2つが今一ルッキズムというテーマに真剣さを感じなかった要因ですね。

役者部分に関しては意見様々でしょうが、

寧ろ自分の意見は否側が多い部分かも?

シンデレラのフォローに関しては流石に意見は曲げられないですね。

探偵物としてはファンタジーな設定と道具を決め手にするこの世界観でやる意味を出しているので映画のジャンル部分では高評価ですが、
ルッキズムというストーリー的なテーマとしての部分だと少し片手落ちだったかなというのがストーリー面での感想ですかね。

でも2人の醜いとされる女性の美しさに気付いていたのが殺害されたハンスという皮肉は結構好きですよ。

やっぱり監督のノリは合わないかも

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。
Netflix映画『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』

本作の監督は福田雄一氏。

正直これに関しては分かってみたので監督の演出で受けた印象を評価には入れるつもりはないんですけど、
やっぱり福田監督のノリは自分には合わないなと再確認してしまいました。

どうしても福田監督作品というのは味も色も強くなりすぎて好みが分かれるのですが、自分はどちらかと言うと申し訳ないですが合わない側なんですよね。

どうしても定期的に出てくる話の流れを断つような突っ込み…というかもう茶化しの域ですかね。
関西弁での突っ込みだったり鼻の衣装で息が苦しいだったりと、
ただの茶化しではなくメタさが加わるせいで今見ているのは物語の登場人物ではなく役者が演じているだけなんだなと感じてしまうんです。

いや、実際に役者が演じているので間違いではないんですが、
自分は作品のなかではその作品の登場人物でいてほしいので意味のない劇中劇を感じさせるような部分は申し訳ないのですが正直受け付けないのです。

しかも本作は現代劇ではなく童話をベースにしたファンタジーなのでよりそれが浮いて出てきてしまっているのが尚きつい。

正直推理としての世界観の活かし方が好みだったのでこの要素が世界観崩していて本当勿体なく感じるのです。

なのでやはり監督のノリだけは合わないなと言うのが紛れもない本音、というか後味として残ってしまっているのです。

ただ最初に言った通り、自分は原作未読なので原作の方もこんなノリだよと言われたらそれは謝るしかないですね。

まとめ

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。
Netflix映画『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』

推理物、探偵物としては個人的には世界観を活かしていて好みでした。

ただテーマと扱っている題材に対しての少しばかりの違和感を感じる展開、そして監督のノリと合わない部分も正直ありました。

ただ前者は人によってはこれで十分だと思えるでしょうし、
後者に関してはファンなら全然問題ないどころか高評価になるポイントでしょうから、
あくまで自分との相性が悪いだけの話ですね。

原作はそもそも複数の話があるようで、本作でもラストにそれを匂わせています。

なので好評ならそのまま続編も展開されていくでしょうから、原作、役者、監督のファンなら見ておいて損はないと思いますよ。


他の映画感想

他の映画の感想はこちら。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA