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製作国
中国
監督
ホワン・イー
出演者
アンディ・オン
エリック・ツァン
サミュエル・クー
ジーナ・ホー
今回はアマプラにて鑑賞の映画、デュアルフェイス 白と黒の宿命(原題:黑白潛行/The Grey Men)の感想。
反社と潜入捜査官という使い古されたフォーマット。でもそのフォーマットの中でしっかりと骨太に仕上げ作られた質の良い唸る任侠映画でした。
最後に一捻りも加えていますし、見応えしかありませんよ。
ジャンルはアクションで上映時間は約97分となります。
目次
あらすじ
香港有数の犯罪組織の会長・バオの右腕であるティアン。逮捕され、刑務所に入ったティアンに、バオは「3年後に香港に戻れば会長の座を譲る」と告げる。そして、ティアンは刑務所内でのトラブルを解決するために送り込まれた凄腕の男・シャンと出会い…。
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登場人物
・ティアン
バオの腹心で最強と呼ばれる男
3年前にバオを庇い捕まり、出所後に会長の後を継ぐために舞い戻る
・シャン
ティアンが刑務所で紹介された凄腕の男
妹ジジの心臓移植の手術費用のために出所後に彼の腹心となる
・バオ
香港裏社会の犯罪組織の会長
現在は足を悪くしており、次期会長を選ぼうとしている
・クジャク
バオの部下でティアンの同僚
会長の座を巡る争いをティアンと繰り広げる
・ジジ
シャンの最愛の妹
心臓の持病がある
・フアン、パピー
ティアンの部下
ざっくり概要
ここからはいつも通りに途中までのざっくりとした内容を。
ライカ
この国で取引をしていた裏社会の男バオとその腹心ティアン。その取引の終わり、何者かの裏切りにより仕掛けられた盗聴器によって警察が押し寄せる。
戦闘の中で投げ込まれた手榴弾により金属片が頭に残る負傷をし、そしてティアンは逮捕されてしまう。
3ヶ月後、ライカの刑務所
面会に来たバオだったが手を尽くしても釈放は難しくティアンの3年の服役が決まる。バオはティアンに3年後に香港に戻ってきたら俺の座を譲ると言って服役をするように頼む。
刑務所で快適に過ごせるように助っ人としてシャンという男が推薦される、ティアンはシャンに金を渡して酒や薬などあらゆる物を調達させる。
3年後
シャンに出所祝いを渡すティアン、3年経ってもティアンは頭に残った金属片による頭痛に苦しんでいた。
頭痛に苦しんでいる最中急に別の受刑者に襲撃される、それはバオの元で同僚だった男クジャクの部下。クジャクが会長選に立候補するために邪魔なティアンを始末しようと差し向けていた。シャンの助力もあって切り抜けるティアン、そして出所したら香港で金を渡すと約束して2人は別れる。
1ヶ月後、ゴア
出所したシャンは妹ジジの心臓移植の金を稼ぐために香港に向かう。
更に1週間後の香港
ティアンは自分の元に訪れたシャンを部下であるパピーとフアンに紹介する。会合に向かうティアン達、ティアンは足を悪くしてすっかり衰えたバオと再会する。
そして会長を誰が継ぐか、ティアンとクジャクどちらを推薦するかの話し合いが始まる。
クジャクによる取引相手の要求をある程度飲むという前とは違うやり方に反発し、ティアンは暴力を持って取引相手であるヘビを御そうとするのだった。
自宅に戻ったティアン達。シャンはティアンの家に住むことになるが、その夜シャンは誰にも気付かれないように何物かに電話をかけていた。実は妹ジジのためにティアンの元に潜入していたシャン、その電話の相手は警察だった…
取引相手であるヘビに“交渉”しに行くティアン達。だが交渉は決裂し潰すと宣言して後をするティアン、そしてその夜、ヘビの構成員であるマンバを全滅させる。
戦いを終えて帰宅したシャンの元にはジジの心不全による容態悪化の連絡が入る。すぐにでも心臓移植を行うために必要な金は350万、それを聞いていたティアンは何も言わずに立ち去るのだった。
ティアンの強引な手法による損害をクジャクに抗議するヘビ。
そしてティアンを排除するために密かに手を組む。その頃ティアンはシャンのために密かにジジを病院に呼び寄せていて手術の手筈を整えていた。
ジジの手術は無事に成功。
シャンは密かにこの抗争に妹が巻き込まれたことに憤る。狙われるリスクを考えるが手術は成功して警察が見張るから安心しろと言われる、シャンは覆面捜査官として妹の医療費のためにティアンの部下となっていたのだった。
バオに呼び出されてシャンと共に赴くティアン。
前より残虐になったことを指摘されるが、まぁいいと次の取引に同行するように言われる。
そして会長になれば敵が増えるとバオは経験談を語り、バオの妻も覆面捜査官で“事故”で亡くなったことを教える。
話が終わり盃を交わすティアンとシャン。その最中に乗り込んできたヘビが部下の仇を口にして、そして襲撃が始まる、その最中でティアンは注射で薬を打ち込まれて意識を失いヘビに攫われてしまう。
ヘビの元で指を2本切り落とされるティアン、そしてその指がバオに送り込まれる。
バオに自分に有利な取引を持ちかけるヘビ、ティアンを解放するためにその要求を飲むバオだったが取引成立まで解放はしないと断られる。
ティアンを巡り内輪揉めが始まってしまう。決断を様られたバオはヘビが約束を守るはずと動かないことを決める。
そしてシャン達はティアンを救うために独自に動くのだった。それと同じくしてシャンに接触するクジャク、金を倍やるからと自分と組むように申し入れるのだった。
上司であるキウ警部にティアンの居場所を探すように頼むシャン。
だがティアンが死んてクジャクがいると断るキウ、そして自分が誰か忘れるなとシャンに忠告する。
1人ティアンの場所を突き止めて乗り込むシャン、そしてヘビの所有する競走馬を人質にしてティアンの解放に成功する、
だが追っ手との戦いの中でパピーが犠牲になってしまう。
ティアンはヘビを殺し、そして苦しみ楽になりたいと言うパピーに解釈をするのだった。
クジャクの裏切りを知った協会、それによりティアンが会長に推薦される。
正式に会長となったティアンは本格的な取り引きに望む。
骨太任侠
反社の権力争いとそれを捜査する潜入捜査官。
冒頭で言った通りに使い古されたフォーマットなのですが、それでもこの映画は魅力的と思わせるくらいに骨太な作りでした。
まず何と言っても途中までのド直球さがいい!
はっきり言ってこのフォーマットにおける予測出来る展開は何一つ外しもしないし、先も分かるんですよ。なのにちゃんと面白い。
理由としてはそのフォーマットの中でちゃんと丁寧に話を展開しているからですね。

中心軸となるヤクザのティアンと潜入捜査官のシャン。その2人の信頼、しかしどこかで裏切りが付き纏っていく関係性。
それをたっぷりと丁寧にタバコ、暴力、硝煙、血の臭いが漂う中で展開していくので任侠物として見応え抜群。
そこまで丁寧にやって後半に怒涛の勢いで話を動かし、最後には一捻り入れるのも上手い。
使い古されたフォーマットを胸を張って進んだストーリーでしたね。
2人の男
この映画の中心軸となるティアンとシャンの2人。
この2人の男の油断ならないけど信頼はする関係性というのがこの映画の魅力でしょう。
まずはティアン。

反社のボスのバオの腹心にして暴力ですべて解決出来るような最強の男。それを次期会長となるべく権力闘争に殴り込む訳ですが、この強引な手法がたまらない!
3年の服役からの復帰なのでお約束のように昔とはやり方違うと言われながら、暴力で突き進む様は反社なのに…というか反社ならではの痛快さを見せてくれる。
それでいてやっぱ昔気質だから、シャンの妹ジジの手術の手配をするなど信頼した相手には甘いというのも魅力ですね。
しかし、潜入捜査の対象でもあるため途中で選択を迫られて…とこういった分かりやすさしかない存在なので、語るところは少ないと思わせてからの最後の一捻りには中々唸るものがありました。
次にシャン。

潜入捜査官としてティアンに接触する男ですね。
妹ジジの手術費用のために潜入しているのですが、ティアンがそれを肩代わり。お約束のように任務と信頼、友情の間で揺れ動く男となる訳ですね。
ストーリー的には彼の方が色々と感情を置きやすい存在なので、彼がいないとこの映画は骨太にはならない。葛藤に苦しみ、そして後半には怒涛の展開に翻弄される立場でもありましたね。
こんな2人がこのジャンルのフォーマット通りに丁寧に真っ当に信頼を結ぶのですが、当然後半はそれが崩れていく。
潜入捜査官を疑うバオに命じられたフアンがジジを連れてシャンを呼び出して、そのやり取りの中でジジがフアンに殺害されてしまう。
そしてティアンはフアンを逃がそうとしますが待ち伏せしていたシャンと対峙…と思ったらバオによって全員が疑われて、フアンが身を呈して自分が捜査官だったということにして死亡するという、後半に入ったらいきなり畳み掛けて来るんですよね。
シャンが元々救う予定だったジジの死亡、ティアンも部下を失う。互いに代償を払うというワンクッションを置いて、ここでの感情をぐっちゃぐちゃにさせて待ち受ける最後の一捻りに混乱を呼ばないようにする作りは素直に上手い。
その最後、実は衰えたと思ったバオが完全に狸ジジイで2人を手玉に取っていく…ように見せて二転三転していくのは本当に目が離せないくらいに面白い。
シャンが捜査官だと見抜くバオ、それを知ってシャンを撃つティアン、しかし会長の座を譲る気がなくなったバオがティアンを殺そうとするところで、敵対していたクジャクがティアンの助けに入る、更に更にバオの腹心との戦闘の中で、実はティアンと共に予測して防弾チョッキを着ていて実は生きていたシャンとティアンが共闘すると…
羅列するだけで最終盤で二転三転、いや、そんな数字じゃ足りねえよ!と言うばかり目まぐるしさ。
しかもここまでやってもまだ隠し玉残しているから面白い映画ですわ。

何気にこの怒涛の最終盤で好きだったのはバオの食わせ者っぷり。衰えたロートルかと思いきや、裏で動いていて色々と見抜いていたのはやはり長くボスやっていただけはある存在だなと感心しましたし、だからこそ最後のティアンの真実と行動に説得力が出ましたからね。
で、最後に明かされる隠し玉と言うのが、実はティアンも潜入捜査官だったという真実。

3年前の冒頭でバオを捕まえる予定だったのに逆に警察に捕まってしまい、更に頭に埋め込まれた金属片で長くないことを悟って今回の策を張っていたという暴力で突き進む男と思わせての最後の策の披露。
もうこんなんお手上げですわ。かっこいいですわ。しかもバオはムショで死なせていい人間じゃないと自ら始末する。このバオをその場で始末する説得力は上で語った通りでこれがあるからこそティアンのここでの株が上がるんですよね。
しかも潜入捜査官としての記録がないため、側から見るとやはり反社。だから最後は射殺されて終わる未来を見せて…のところでシャンの言葉でその未来を覆す。
男達の信頼と友情、そして互いの職務への称賛が見られて胸熱なんすわ。
結局それでもラストのモノローグで語られる通りにティアンの寿命はあの場で射殺されるか、数週間後に脳出血で亡くなるかの違いでしかないんですが、警察としての誇りある死に変えたのが男同士の信頼なんだろうなと思いますね。
そして騙し騙されがどうしても付きまとう職務。
生き残ったシャンは手元に残したいものは何一つ残らず、そして背負う物は増えた。代償だけが残った背中を見ると悲しくもあり、ハードボイルドな渋さもある。
この男の友情と信頼と男臭さ。
時代にはそぐわないのかもしれませんが、自分も男ですからね。こういうストーリーには泣きはせずとも熱いものが込み上げてやっぱり弱かったりしますね。
アクションだけでも見る価値あり!
ストーリーは骨太直球任侠な男の映画でしたが、アクションの方もこれまた骨太。
かなり回数多いのに全部見応えあるという贅沢仕様でした。
まず冒頭からのティアンのアクションがカッケェですからね。銃持つ相手達のところに単身乗り込んで、格闘戦で惚れ惚れと打ち倒していく。引鉄引く瞬間に殴って銃口逸らすのとか、作中での最強評価の裏付けを最初に済ませているのも何気に上手い。
途中でその場にある酒をかっ喰らうのも如何にも任侠感あり、ここだけでティアンのキャラクター性とこの映画の任侠っぷりを提示してくれるんですよね。
しかもその後は銃撃戦なんかもありますし、冒頭だけでアクション好きの心を掴むクオリティがありました。
その後のアクションも創意工夫と殺意がエゲツナイ。箸は勿論ですが、歯ブラシで人刺したり、濡れたタオルだって有効的に使って中国アクションとジョン・ウィックの合わせ技って感じ。
その後には抗争シーンで多対多を見せて、ティアンの部下であるフアンとパピーも只者ではないの見せるのは何気に好みでした。
こういう登場人物達もしっかり強いという意外性は個人的になんかワクワクするんですよね。
中盤からのティアンとシャン2人の背中合わせの共闘も少数対多の戦闘も当然あり、ここで2人が多数であろうとも戦えるというタッグとしての実力を見せてからの最後の2人でも苦戦する相手を出すというアクション的な興奮も展開への仕込みは完璧。
その最後の相手がクソ強い女性というのには製作陣の“癖”が見え隠れしますが、ただ全員の動きが良くて、その動きだけで説得力出しているんで何も文句言えずに見応えしかないと思うしかないんですよねぇ。
アクションのキレ、色々な道具を使う創意工夫、カメラワーク、そして任侠物故に血が流れは描写を一切遠慮しない容赦の無さ。全てが噛み合って迫力を生んでおり、単なる任侠映画のアクションの枠は遥かに超えた見応えがありました。
まとめ
面白い、面白かったです!
使い古されたフォーマットなのに丁寧に積み重ねて骨太にしている。何というかこの道を真っ直ぐ進むからには妥協せずに見応え与えてやるぜ!という気概を感じる作りでしたね。
後半の畳み掛けと一捻りは人によっては唐突と思うかもしれませんが、自分としては面白かったので受け入れました。
こういったジャンルの中を真っ直ぐ突き進んで勝負するという姿勢の映画には好感が持てるので、個人的にはオススメの1作。
例えストーリーが気に入らなくてもアクションだけで満足させる力があるのも強い映画ですよ。
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