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製作国
アメリカ
監督
ジョン・キーズ
出演者
ジョナサン・リース=マイヤーズ
ジョン・マルコヴィッチ
ルビー・モディーン
ジェナ・リー・グリーン
ロリ・ペティ
今回はパンデミックで世紀末な映画サバイバー2024(原題:The Survivalist)感想です。
ジャンルはアクションで上映時間は約91分となります。
この映画の見どころ
・パンデミック後の人々の人間性
・牧場での籠城戦
目次
あらすじ
2024年――人類の未来は、1人の男に託された
2024年、人類に終わりの日が近づいていた。全人類を一揆する感染ウイルスが蔓延していたのだ。生存者はそれが人間の本能であるかのように凶暴化し、
世界は暴力と欲望に支配されていた。絶望の世界で、愛する者も生きる望みも失った元FBIエージェントのベンはひっそりと暮らしていた。そんな彼の前に、
ウイルスに免疫を持つ若い娘サラが現れる。街を牛耳る悪党アーロンの一団から逃げてきたのだ。ベンは、アーロンがサラを利用し世界の王となる計画を阻止するため、
たった一人で巨大な勢力に戦いを挑む。
Amazon商品ページより
登場人物
・ベン・グラント
元敏腕FBI(らしい)
父を亡くしてから牧場に立て篭もる
サラが逃げ込んできたことによりアーロン達と対峙することになる
・アーロン
ウイルスに感染して生き残った男
ウイルスから生き残ったことで自身を選ばれた人間と思い込む
信奉者と共にサラを狙う
・マーリー
アーロンを心酔する信奉者
・サラ・ホッジス
コロナに免疫があるとされてアーロンから狙われる
兄ガイの話で聞いたベンに助けを求める
・ヒース・グラント
ベンの父親
ギャンブル好きで借金で家族に迷惑をかけていた
一応コロナ禍によるパンデミックな一幕
はっきりとコロナ禍なストーリーというこの映画。
しかも大統領も閣僚まで亡くなって政府機能が停止しているというかなり進行している状況です。
他にもキャンプに1人の感染者が入ってきたことによりキャンプにいた2万人が全滅するなど絶望感あるニュースなどが冒頭で語られています。
コロナの殺意が強すぎる。
とはいえ舞台は隔絶された牧場なのでそこら辺は映像としては描写されなかったりするんでけどね。
ですのであまり状況の変化というのは見受けられない映画ですね。まぁそういう変化は冒頭のコロナパンデミックで済ませているということなんでしょう。
牧場に逃げ込んでくるサラとそれを追うアーロン達という構図で対峙することになるのですが、
このサラを追うアーロン達がなかなか世紀末な設定でしたね。
コロナにかかったけど生き残ったことで自分が選ばれた人間だと思い込み、更にはそれを信奉する仲間たちという。
免疫を持っているとされるサラを捕まえて子供を産ませて世界を救おうとしているのが目的など、世紀末世界も真っ青なキモい集団でしたね。
キモさはキモさでも生理的にキモいやつです。
それと相対するベンですが、こちらは完全に巻き込まれなので後で判明するサラの真実含めてかなり貧乏くじ引いている立場でした。
正直立場的にはサラのためにそこまで頑張る理由はなかったりするんですが(アーロン達が物資の方も問答無用で狙っているのは置いといて)そこは父親であるヒースとの回想で補ってはいたのだろうなと。
このヒースとの回想は正直そこまで話的には繋がっているようには感じなかったのですが、
一応父の死の後悔で関わったサラを最後まで守ろうとする理由や、
父の本当の思惑はどうだったのかにしろ物資の確保と牧場の警備の強化でヒースに助けられたということになっているんだと思います。
結局借金取り対策だったのか、本当にパンデミックの治安を心配してのことだったのかはヒースのみぞ知るってやつですね。
後半明らかになる免疫者ではなく無症状の感染者だったというサラの真実はちょっとあれでしたね。
冒頭から1%いるという提示もあったので全くその設定自体に違和感はないんですけど、サラの行動はそれでいいのかという感は否めなかったですね。
一度キャンプ全滅させているのにベンを巻き込むのは追われている連中のイカれ具合と兄の遺言があるとは言えベンが不便すぎました。
これで感染は流石に可哀想。
それでも守るというあたりベンの主役っぷりが引き立つので話的にはいいんでしょうが、心情的にはうーんと思ってしまいましたね。
ただまぁこの世界観において誰にとってもまるで無意味なことの戦いだったという無常さは良く映えるのも分かるのでこれで良かったのかもしれないです。
ラストの2人の諦めているようなそうでもないような会話はかなりいいと思っています。
話的にはちょっと盛り上がりどころに欠ける淡々とした内容ですが、物資も社会機能もない世界だとこっちの方がらしい作風や色になっているとは思います。
シチュエーションは好みなアクションだけど
アーロン達との対峙で戦闘なので一応アクション映画なんですが、こちらも淡々としていました。
要塞警察が好きなので牧場での籠城戦というのは自分的にはかなり好みなシチュエーションなんですけど派手さが足りない。
ここら辺は人数的にも物資的にも不足している世界なので派手になりようがないのでしょうがないんですけどね。
BGMも流さないことが多いのですんごい静かで淡々としています。
格闘戦なんかもあるんですけど所々いいアングルや動きこそありますけど、
基本は取っ組み合い揉み合いの泥臭い内容でした。
そんな控えめな内容ですが後半の開き直ったベンの立ち回りは好きです。
特に狩猟台燃やして相手を降ろすのは分かりやすく沸点超えたのが伝わってきていいですね。
その後に理知的に投降促すのもたまらないです。
逆に言うとおっと思うのはそれくらいだったのでもう少しほんのもう少しでいいのでもう一押し欲しかったですね。
籠城戦というシチュエーションは好みだったので罠を仕掛けるとかもう一捻り欲しかったですかね。
サラが全然戦わなくてベン1人で対処というのも幅が出ない原因だったかもしれません。
コロナを題材にした映画としてはどうか?
ここは良かった部分と悪かった部分が明確に分かれたかなと思いましたね。
コロナウイルス、デルタ株と耳慣れた言語は出てきますが、この映画のコロナは現実より毒性が強すぎますね。
あくまで名前が同じだけの別物ですね。
キャンプ全滅、関係者死亡、政府全滅とあまりに強すぎる。
この毒の強さと被害の大きさに関しては舞台装置としての側面が強く出てしまったかなと、
現実のアメリカでも被害は大きかったですがこれは少々極端すぎましたね。
アーロンの生還に意味がある設定だったので毒性の強さ自体に意味は持たせてはいたんですけど。
変に現実に寄っていながら被害規模で現実感無くしているので舞台装置になり過ぎていて悪い部分でしたねこれは。
逆にサラやアーロン達、人間の描き方は良かったなと思いました。(アーロン達はキモいですけど)
恐怖や逃避からくる信じたいものだけを信じようとして理知的には程遠い行動をする集団というのは少ない人数ながら分かりやすく描けてましたし、
実際サラ捕まえて子供産ませても1人から産める子供何人だと思っているんだとしか言いようが無いですし、
それで世界が救えるわけがないのに信じきっていることに対する嫌悪感はしっかり表現出来ています。
サラの無症状による行動も生々しいですね。
実質一度2万人殺しているようなものなのにそれでも生きるために感染させると分かっていながら他人であるベンを頼ってしまうなど、
ここら辺は勝手にも見えますが人間らしさでもあると思います。
好きになれるかはまた別の話。
最後の“世界の終わりが来たら、人々の絆が出来て助け合うと思っていた”
この映画だと基本舞台装置ではあると思っているコロナですが、こういう台詞を見ると結構真摯に向き合っているかなと思いました。
パンデミックものだとベタな台詞なだけじゃんと言われたらそれまでなんですけど。
まとめ
意外と直球にコロナという言葉が出て驚いたこの映画。
自分的にはもっと工夫した籠城戦が見たかったですが、まぁそういう作風ではなく人間的な部分を見る作品だったので楽しもうと思った部分とは違う楽しみをする映画でした。
パンデミック後の人間というものに関しては色々な側面から真摯には描いていると思うので、そこら辺見たい方にはいい映画だと思いますよ。
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