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製作国
イギリス
監督
チャーリー・スティーズ
脚本
チャーリー・スティーズ
出演者
ピーター・ロフスガード
ジャイ・オコンネル
グレッグ・ドレイブン
ティム・カートライト
リチャード・フレイタス
今回は重厚な雰囲気のあるダークファンタジーな映画ソードリベンジャーズ 復讐剣(原題:Werewolf Castle)感想。
ジャンルはホラーファンタジーで上映時間は約92分となります。
内容は正直面白い、つまらない。賛否で言えば後者の方がおそらく多くなる内容だと思います。
しかし、この映画ならではの魅力も間違いなくあると感じる映画でもありました。
・しっかりと構築されたファンタジーな世界観
・甘くはないシビアなストーリー
・アナログにこだわった作り
目次
あらすじ
時は中世。平和に暮らしていた村がある日、強大な力を持った<人狼>に襲われた。そこに住むトルウィンはその時、恋人と弟が殺された。襲撃を逃れ残った者たちは、そこから離れた村にいる3人の勇者に助けを求めた。そしてやって来た3人の勇者とトルウィンと村人2人、計6人の男たちで、<人狼>への復讐に向けた旅を始める。しかし旅の途中で<人狼>の攻撃があり、彼らは次々と倒れてゆく。そして全ての人間たちの運命は、トルウィンに託されてゆく・・・。
dTVより
登場人物
・トルフィン
グリットルトンマーシュ村の青年
人狼の襲撃で村が襲われた際に家族と恋人のインガを失った
全てを失い恋人や父が襲われても1人隠れていた後悔から城への案内人として騎士達に同行を申し出る
・“頭蓋骨砕き”のハル
“頭蓋骨砕き”の異名を持つならず者
元騎士だったが王によって追放された
・ハムリン・ウィルシャー
恐れを知らない高名な騎士
騎士達のリーダーでトルフィンの同行を受け入れた
・“巨人”のトーマス
“巨人”の異名を持ちハンマーを操る騎士
・“早駆け”のオズモンド
“早駆け”の異名を持つ騎士
・パーシー
ハムリン達の従者
同行したトルフィンをバカにする
・ボルティゲルン王
ブレイゴン城の城主
民のことを考えない非情な王
・ウルフスタン
村を襲った人狼のリーダー
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しっかりとした世界観
村を“人狼”に襲われ全てを失った青年が復讐の旅をするという本作。
呼び出した3人の騎士と1人のならず者の力を借りるという7人の侍や荒野の七人を思わせる内容でもあります。
まぁこちらは守るのではなく攻めに行く話ですが。
オリジナルのファンタジーな世界ですがこの世界観はなかなかしっかりとしていました。
舞台としては1つの地方の話でありこじんまりとしているのですが、その分1つ1つを凝ることが出来たように見えますね。
オリジナルの地名から地図や地形を用意して、村や城の美術は凝っており、
無骨なファンタジーな世界観を再現していてかなり好感が持て、またゲーム好きには馴染むことが出来る世界観だと思います。
登場人物に異名があったり“人狼”に対する特効武器があったりなどゲーム的なルールの世界でたまらんです。
またCGを使わずに着ぐるみなどアナログな手法なのもいいですね。
下手に低クオリティなCGを使うと逆に安っぽく見えるのでこれは正解だったと思います。
恐怖の対象である人狼が実写版ぬ〜べ〜の玉藻みたいになっていたのはあれですが、それ以外はこの重厚な雰囲気を下支えすることに繋がっていました。
今の時代には珍しいくらい女っ気が無い硬派なパーティ、
そして内容もシビアなストーリーというダークファンタジーな様相も加えており、
規模は小さいながらも独特な雰囲気を醸し出せていた映画でした。
トルフィン
この映画の主人公でグリットルトンマーシュ村のただの村人であるトルフィン。
人狼に家族も恋人も全て奪われ復讐のために騎士達に城へと案内するために同行を申し出る青年です。
ですが彼の復讐の始まりはお世辞にも英雄譚とは程遠い内容です。
恋人が人狼に襲われた時、そして父が人狼に襲われた時、彼は隠れて目の前でその様子を見ているだけの存在でした。
家族も恋人も名誉も失った彼は人狼への復讐のため旅に赴くことになります。
彼は正直言うと最初の頃は臆病な青年です。
旅に出てから仲間が襲われている時も隠れて自分の身を守るしか出来ない存在です。
しかし、彼には人としての尊厳と過去の後悔がある。
だからこそ途中からは仲間を救うために勇気を振り絞る青年へと成長していきます。
仲間を失いながらも乗せられた想いを背負い城へと1人辿り着いた彼が最後に出した答え。
これこそこの映画のシビアかつ決して甘くない人間らしさと尊厳と愚かさが詰まった決断でした。
単なる成長譚では納まらないこの映画のストーリーを象徴するような青年であり、
彼の後半の決断の1つ1つこれがこの映画の魅力だと思いますね。
ハル
人狼を倒すためにやってきた3人の騎士の中に混じっているならず者ハル。
トルフィンに最も影響を与える存在ですが決して仲がいい関係性というわけではありません。
彼は最も多くの戦に勝利してきた騎士でしたがそれ故に多くの犠牲を見てきた者でもあります。
その激しい怒りに突き動かされて生きている者であり時に対象を選ばない怒りによって王に追放されてならず者になった人間です。
彼は勇気ではなく怒りこそが原動力として必要であるという考えであり、トルフィンにもそれを説きます。
どれだけ苦しい過去であれ2年もすれば慣れ臆病な者も勇敢になれる。
愚か者と言われた男が英雄となることもある。
生きることより尊いものはない。
彼とトルフィンが心からの交流をした僅かな時間で語ったこの言葉。
これが最後のトルフィンの決断には多くの影響を与えていた…
間違いなくそう思えるような言葉でした。
そのトルフィンの1つの決断にハルは最期の時に絶望したのかもしれませんが、
彼の言葉による決断、それが彼に絶望を見せてトルフィンを救う中々なダークな内容だったように思えます。
実はハルには1つ大きな秘密がありますが、これこそが彼が怒りを原動力としている秘密であり、
獣になるくらいなら人間としての死を選ぶこの信念の理由でもありました。
大きな影響を与えながらも仲良しこよしな関係ではない、
勇気という前向きな感情ではなく、怯えや怒りという後ろ向きに捉われがちな感情で解決するこの映画には相応しい先輩ポジションでした。
人狼
トルフィンの復讐対象であり、この世界の脅威でもある人狼。
ファンタジーな世界ですが話を見ていると魔物に該当するのはこの人狼しかいないように思われる絶対的な脅威な存在です。
人狼には言い伝えがあり、
罪深い蛮行を重ねていると神によって人狼に変えられる、つまり罰。
その罰として7年もの間獣として罪を償う必要がある、そしてようやく神に許され人間に戻れるそうだ。
人間にとって最大の敵であり、決して誰もかかりたくない一種の呪いともいえる。
と人狼と言うだけあり元は人であったことが伺えますね。
呪いと称されている人狼ですが、人狼側、少なくともウルフスタンはそうは考えず寧ろ人であることが呪いであり人狼になることこそが祝福と信じています。
これは全ての人狼がそう思っているかと言われると少し疑問でウルフスタンは人の姿を保っているんですよね。
それなら実質デメリット無し人の姿でありながら人狼の強さを手に入れているのでそれは祝福とも感じるというものです。
旅の道中のシャラメ村を掌握して自分達の餌場にするなど頭も回りまた残酷なので、ウルフスタンだけは何か別種の存在に思えますね。(ラストにもう1人別種の存在が増えますが)
人狼に変わるのも言い伝えとは異なり少なくとも作中ではウルフスタンに噛まれたら人狼になる。
それもパーシーのようにウルフスタンの誘いに屈したものだけが人狼に変わるように思われます。
これを見ると蛮行というよりは仲間を見捨てるという愚かとも取れる罪深い選択をした者への罰とも取れる変質ですね。
人の弱さにつけ込まれ人狼と化すダークファンタジーらしい設定の存在でした。
問題としてあるのはアナログな手法故に人狼はみんな着ぐるみであることでしょうか。
正直動き含めてシュールな見た目で恐怖の対象としてはあまり機能してませんでしたね。
貶してるわけではなくあくまで恐怖の対象に見えないだけです。
後は変質したパーシーが出番無しなのも気になったところ、
その他大勢になってしまったと見れば黒い話になるので嫌いではないですが。
愚か者でも英雄になる
多くの犠牲を出し、単身城に辿り着いたトルフィン。
城は既に人狼に占拠されていて…と思ったら人狼を仕えていたのはボルティゲルン王だったいう真実。
そこでトルフィンは大きな、そして後戻りの出来ない決断を迫られます。
既に捕まっていたハル、実は彼はボルティゲルン王の息子だったという真実。
実の親に拷問を受けそれを見させられるトルフィンに王は人狼になるから同じ拷問を受けるか選択を迫ります。
自分の息子に人間の弱さを見せるためにこの提案をしたボルティゲルン王。
そしてトルフィンの決断は…
トルフィンは人狼になることを選択します。
そしてそれを聞いた王はハルに剣を突き立て彼の命を断ちます。
この時のトルフィンの決断、ハルにとっては絶望とも取れる決断だったと思われます。
しかし、それと同時に生きることより尊いものはないというハルがトルフィンに語った言葉による決断でもあったとも思うのです。
その前に、
獣になるくらいなら人間としての死を選ぶ。
トルフィンには人としての尊厳がある。
仲間を見捨てるのは野蛮な獣のすることだ。
このように評されまたこのように選択しようとしていたトルフィンですが、
最後に生きるために人狼になるという全てを捨てた愚かとも取れる決断をします。
そして人狼になった彼は王に仕えることなくまた獣になることもなく、
ウルフスタン同様人の姿のまま人狼となり王も全ての人狼も打ち倒し彼は復讐を遂げます。
村に帰った彼は最後の人狼として介錯を求め斬られた彼の首のアップで物語は終わります。
普通なら臆病なトルフィンが勇気を持って英雄になると思われた中でこの展開。
このエグみのある展開とラストこそがこの映画の魅力であったかなと自分は思いました。
積み重ねてきた勇気ではなく怯えという弱さで打ち勝つ。
ハルが語りましたが愚か者が英雄になった形ですね。
生きることの尊さのため愚かな決断を選びそれ故に最後は自身の死で締めるしかなかった旅路。
このダークな展開には王の末路など最早どうでもいいとすら思える決断でした。
物凄く気に入ってる展開ですが強いていうなら人狼になる決断を選ぶまでにもう少し葛藤を持たせて欲しかったですね。
決断がかなり早いので躊躇いもなくノータイムでハルを見捨てたように見えてしまうのはちょっと勿体無いですね。
苦しませる物語ならこのシーンこそじっくりとねっとりと葛藤させるべきだったなと思いました。
まとめ
個人的にはかなり気に入っているダークファンタジーな映画でした。
都合よくはいかない英雄譚、そしてこの結末には確かな魅力があると感じましたね。
騎士達の人柄も良くトルフィンを馬鹿にすることなく気にする姿勢が良く、
これがまた最後の決断を引き立てているように見え、偶然か狙ってかは分かりませんが良く逆算された物語でした。
アクションもありますがこれは騎士達のは正直ショボめなんですが最後のトルフィンの剣捌きになると急にかっこいいです。
これも人狼としての強さを引き立ててるために狙っていたのだとしたら良く出来てます。
雰囲気重視でファンタジー版時代劇な作品なのでダメな人はダメだと思いますが自分にはハマりました。
真面目な作品ですがネタポイントとしては最後の城から立ち去るトルフィンの時に1人ピクピクと動きまくってる人狼です。
ここはかなりの注目ポイントですよ。
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