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製作国
中国
監督
フランク・シィァン
出演者
リウ・ムー
キャンディス・ツァオ
チャン・ハオチョン
B級には様々な生き物がモンスターパニック映画として存在しています。
そんな今回の映画の題材はタコ。
サメほどメジャーでスターではないですがそれでも何回か題材にされているいぶし銀な存在ですね。
そんなタコが大活躍してるようなそうでもないようなシン・オクトパス(原題:大章鱼/Big Octopus)感想です。
ジャンルはアクションで上映時間は約86分となります。
こういう映画の感想書いているとたまに変なテンションになるのですが、そこはご容赦ください。
この映画の見どころ
・可愛い子ダコ
・ブレまくる登場人物とストーリー(褒めてます)
目次
あらすじ
海辺で食堂を営むフォンは、漁で珍しいタコを捕獲する。このタコをダシに、元恋人で科学者のズーモーとよりを戻そうとする。そんななか、フォンの食堂が海から現れた謎の巨大生物によって破壊される。ズーモーはタコを海に放すようにフォンを説得するが…。
U-NEXTより
登場人物
・シャオ・フォン
食堂を営んでいる
巨大タコを捕まえた後、それをダシにスージーと寄りを戻そうとする
・ズーモー
フォンの元カノ
抗うつの研究をしている
・リン
グリード社の社長でズーモーの先輩
ある目的のために巨大タコを高値で買おうとフォンに持ちかける
・ゲイル
将軍
野心が強い
・フーズー、ガンズー
フォンの弟分
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一貫しない人格や描写はこの手の映画の花
この手の映画は思い付きで行動や人格が変わったかのような脚本となりますが、これは完全にこういう映画だと花とも言える部分です。
むしろこういうのが見たいがために見ているまである。
主要人物の中だとズーモーはまだマシですが、フォンとリン、特にリンは人格が乱高下ですね。
フォンは最初巨大タコを捕獲してそれをダシに別れたズーモーとヨリを戻すのに利用するなどややノリが軽いですが、
後半になると使命に目覚めたかのように振る舞ったりタコと人間に対して妙に悟った発言するなど成長では片付けられないレベルです。
子ダコが撃たれて人間が酷いことをするのは欲望のせいと悟りを開くのは流石に唐突感ありました。
そもそも子ダコ捕獲してからの店の展示物にするというお前の欲望が原因の1つなんだぞと言う話ですから。
このタコ襲撃の元凶の1人だったりする部分はスルーされたりします。
まぁ気持ちよく終われませんからしょうがないですね。
そしてリン、彼の人格は忙しいですね。
最初は功名心にはやる金持ちと思わせて、その後は祖父の名誉のために遺伝子実験を求める男になり、最後には主人公達の良き先輩に戻るなど乱高下もいいとこです。
最初の印象はそれっぽく見せるためとしても祖父の遺伝子実験に関しては地図持ってるならタコ関係なく最初から目的地に向かっても良かったのでは?と言わざるを得なかったです。
この手の唐突だなという感覚になるのは大体場面が飛んだり、心変わりや成長を碌に描写しないことから来るんですよね。
行間を読めと言うのにも限界というものがあります。
でもこの手の映画はそれでいいんです、それがいいんです。
場面が飛んだかのように目的や人格が変わったってそれこそが魅力の1つなのですから。
タコさん
この映画にはタコが2体出てきます。
タコが2体出るってなんだよと思われますがとにかく2体出てくるんです。
1体はフォンが捕獲した子ダコ、そしてもう1体は子ダコの親である大ダコです。
ストーリーやキャラが色々とブレる中で動機がシンプル故に実は一貫しているのが彼らだったりします。
片や子供を取り戻すため、片やちょっと人間に懐いたためと分かりやすい行動をしてくれます。
親ダコは一応この映画のメイン…でいいのかは微妙なところですが、一応フォンに捕獲された子供を取り戻すために暴れるB級お馴染みかつお約束な遺伝子操作されて75年生きている巨大ダコです。
ちなみに普通のタコは4年ほどの寿命らしいですよ。勉強になりますね。
メインでいいのかは微妙というのはストーリーの目的がブレたからというのもありますが、序盤から出るのに意外と出番がしょぼい。
考えたらちゃんと大暴れはしていますし、犠牲者も沢山出しているはずなんですが、
何でしょうね?体の全容を見せずに触手だけで頑張ってたのが良くなかったんでしょうか。
ここら辺はおそらく予算の都合ということでよくあることなんでまぁいいでしょう。
子ダコに関してですが、言うほどのサイズでもないのになぜか巨大ダコ扱いされています。
この子ダコの特徴としては見た目の可愛さと人懐っこさでしょう。
はい、可愛いですね。
ついでに仕草も結構可愛いです。撫でられたりするなどあざといです。
何の映画を見てるんだという気持ちにもなりますが、途中と最後ではキーパーソンになる存在でもあります。
(多分)人間と心を通わせた存在として配置されていますが、これも結構唐突でしたかね。
途中で海に落とされたフォン助けたりしますが、子ダコ視点だと恨みしかないと思うので、
まぁこれはズーモーのためにやったのかなくらいにやったのかなと思えばいいのかもしれません。
途中で死んだと思わせてラストでは助けてくれたりするので、フォン達のことは気に入ったのでしょう。
将来的なこと考えると放置するとやばい気はします。
ストーリーのメインは変異遺伝子
タコじゃないんだ…と思うでしょうがこっちがメインです。
むしろ後半の島の流れ考えるとタコがいらないまであります。
これは何でかと言うと、そもそも変異遺伝子のある島をリンが知ってるからですね。
リンが変異遺伝子を求めるのは尊敬している祖父がドイツの留学中に軍に協力して作った変異遺伝子の研究の成功を証明するため。
祖父の作った遺伝子は75年前ドイツ軍が軍人を強くするための秘密裏の実験で作り出されたものという、
B級お馴染みのドイツ観が出てきて実家のような安心感を感じる設定ですね。
その実験のために海洋生物に変異遺伝子を投与していた(何で海洋生物?)訳です。
それで逃げて成長したのが今回の大ダコ。
最初はこのタコが実験の成果の証明みたいな話になるんですが、
あれ?変異遺伝子ある島知ってるならタコにこだわる必要ないし別にタコいなくてもよくね?
まぁどうしてもこういう感想になる訳ですよ。
目的を得る手段がブレすぎている。
正直タコに関しては島の番人とかの方が違和感なく存在できたかなと思います。
もっと安全に目的の物手に入れられるのにわざわざ子ダコ囮にして大ダコ怒らせて誘き寄せるとかこいつらバカじゃん!としか言えない展開でした。
悪人としてゲイルという将軍が出るのですが、彼も大分バカです。
兵士強化できる遺伝子というのは分かるんですが、これ手に入れて世界征服だぜ!とかいや兵士の強化だけじゃそれは無理だって、こんな脳筋さとおバカさがもうたまらなかったですね。
まぁ、あれです。途中で妙に悟りを開いたフォンが言ってる通り人間は欲望で愚かな行動をとるんです。それに対してタコは親子愛で行動するんです。
最早遺伝子すらどうでも良くなった感ありますが、欲望に塗れた人間と愛情で動くタコの行動の対比を描いたんです。そうに決まってます。
B級はこれだからたまらねえぜ!
まとめ
ストーリーもキャラもブレまくりの乱高下するシン・オクトパス。
話はこれいる?とかこれは描写しようよ…が詰まっていますが、この手の映画はこれでいいんです。
こういうB級映画がなくちゃ我々観客の行間や展開を読む力を鍛えてくれませんからね!
真面目な話楽しめないかと言うとそうでもないですし、こういう突っ込みながら見れる映画というのは案外飽きが来ないで最後まで見れたりします。
毎回こういうの見ようとは口が裂けても言えませんが、こういう映画をたまに補給するのは自分の映画観を広がるのに最適ですよ。
でもやっぱりタコの存在というか配置の仕方は絶対に間違っていたと思う。
言い忘れてましたがちゃんとサメも出ます。
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