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製作国
中国
監督
リウ・ナー
出演者
スオ・シャオクン
シー・リアン
ファン・ズーチー
リウ・シンチー
シン・ズオユー
B級にある意味で期待するのは破綻した内容。
しかし、それが無かったら無かったで微妙に困る。
今回はそんな破綻少なめなB級映画マーズ・ミッション2042(原題:火星异变/Mutation on Mars)感想です。
ジャンルはSFで上映時間は約74分となります。
このタイプの映画にしては破綻のないストーリー
上映時間の短さからさっぱりと見れる内容
目次
あらすじ
近未来、地球の資源不足から世界各国は《火星移住計画同盟》を結成。
火星を人類の居住に適した環境に改善させるため、高度な科学技術を結集させ、火星上で動植物を使った研究を行っていた。
2042年― 火星基地での実験中に種子バンクの生物に突然変異が発生し、さらに小惑星が落下し危険な事態に。
探査チームは緊急脱出を図るが、離陸後に宇宙船が未知の巨大生物に襲われ不時着してしまう。
同盟は研究チーム救出作戦を立て、火星近くを航行していた中国のエウロパ探査宇宙船 万戸(ワン・フー)に緊急指令を送る。
万戸(ワン・フー)の乗組員は未知の生物襲来と更なる小惑星衝突のタイムリミットが迫る火星に着陸するが・・・
Amazon商品ページより
登場人物
・フォン・トン
中国宇宙船ワン・フーの乗組員
父であるウェイイー救助のために火星へと向かう
・フォン・ウェイイー
火星基地に所属する地質学者
初めて火星に到達した中国の英雄
・ハー・シーチン
ワンフーの乗組員
医療の知識が豊富
・リ・シャン
ワンフーの乗組員で生化学者
・デュ・ピン
ワンフーの船長
・チェン・シャン
ワンフーの乗組員
・リチャード・ボルトン
火星基地に所属する生物学者
思いの外破綻のないストーリー
短い上映時間、火星に出る化け物とどう考えてもこれは破綻するストーリーだろうなと確信していたのですが、
思いの外まともでした。
連絡の取れなくなった火星基地、救助に向かうチーム、謎の巨大生物、父と子の確執と絆、迫るタイムリミットと。
こういう分かりやすく、かつ繋がりのある要素を組み合わせたからこその破綻の無さなんでしょうね。
この規模の映画だと大体やりたいことやり始めてぶっ飛んだ内容になっていくので、それだけで好感が持て、またこういう映画だとそれを期待しているまであったのである意味では残念でもありました。
まぁ残念要素は火星での宇宙描写が引き受けてくれたのでそこは安心(?)です。
何か普通すぎて大体予想出来る展開と内容通りで逆に語れるところがないくらいストーリーは普通なんです。
強いて言うなら火星を人間に順応させようとするのではなく人間を火星に順応させようとして今回の出来事の原因を作ったマッドなリチャード博士が印象に残りやすいくらいですかね。
すぐに食われるのもポイント高い。
要所で要所で突っ込みどころが出たりするのですが、それに対するまともな回答がすぐに出てきたりなど驚くくらいまともです。
船長がカメレオン仕留めるために爆弾使って自ら犠牲になろうとするシーンなんかが分かりやすいですね。
爆弾置いて鍵掛ければいいだけなのでは?と突っ込みさせておいて、
着陸の際のダメージで自分はもう帰還できないから確実に倒すためにという回答をすぐに提示する、うーん、まともです。
メインである父と子の確執と絆なんかも普通にまともすぎてビックリです。
小さな家庭と大きな世界で世界を選んだ父が最後に小さな家庭のために自らを犠牲に息子の帰る道を作る…
これはとても王道でいいと思います。
ただこの前の親子の口論でタイムリミットが迫っている中で人生は短く選択の連続と言いながら時間浪費しまくっているのには突っ込んでしまいましたが。
こういうタイムリミットがある中での逡巡の長さなんかは所々であるので、この映画の中ではこれは突っ込みどころではなく風情を感じるべきポイントなのでしょうね。
実際託して堕ちる父と託されて飛ぶ息子が交差するのは素直にいいシーンというか画でした。
突っ込みどころや残念ポイントは火星と化け物に
ストーリーには破綻はありませんが、火星と化け物には当然あります。
まずは火星、これは単純に突っ込みどころは1つ。
宇宙なのに無重力描写がまるでないな
これに尽きます。
火星に降りたって徒歩移動のシーンでももう普通に歩いて走ります。
これはSF映画としてはツメが甘いポイントでしたね。
それでいて鯨は自由に飛んでいるから訳わからねえ!
次は化け物達、これは残念ポイントですね。
残念といってもしょぼいとかそういうのではなく出番がですね…
この映画では巨大カメレオンと巨大鯨が登場するのですが、彼らのデザインはとてもいいです。
生まれた経緯が火星に降ってきた小惑星に付着していた遺伝子をカメレオンとトカゲを交配させた品種と鯨の胚に移植して生まれた存在で要はマッドな身内のやらかしですね。
ちなみにこの付着していた遺伝子の描写、映画ライフのカルビンにそっくりだったりします。
鯨はともかくカメレオンの方はもっと活躍出来そうだったのでちょっと勿体なかったですね。
何が惜しいって知能の高さもそうですが人間食った後に手が人間のものに変質していくなど、かなり成長や変化に期待できそうな存在だったんですよ。
この描写入れるならもう少し変質して強敵として立ちはだかってほしかったなと。
まぁ上映時間が短いのでここはしょうがないんですかね。
鯨の方は上で言っている通り巨大なのは分かるけど何で飛べてるんだろう?ってくらいです。
まとめ
何度も言いますが思った以上に普通の映画だった本作。
ただあれですね。普通すぎるが故にあっさりとしすぎた映画になってしまいましたね。
理由としては上映時間の短さですね。
まともな、無難な内容なのに短かったら、そりゃあっさり風味になってしまうよなと。
やっぱB級というのは破綻して舌に残るエグ味のようなノイズを入れないと短いだけだったなぁという映画になりがちなのかもしれませんね。
火星描写なんかは破綻してますが、エグ味としてはやっぱ人物やストーリーの破綻が大事ですね。
こんなこと言ってますが別に見れない内容では全然なくむしろ普通に見れますし、最後の親子の決断の果ての画はかなり気に入っています。
短くさっぱりとした普通の映画を見たいと思ったらこの映画をチョイスするのは全然ありだと思いますよ。
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