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製作国
中国
監督
リン・ツェンザオ
出演者
チェン・ズーハン
ルオ・イークン
リー・ルオシー
Lei Zhong
ユエ・トンフェン
結構見てきた中国モンスター・パニック映画。
今回は邦題こそ全然違いますがメガ・パイソン 人間捕獲の続編となっています。
【映画】男、いや漢達だぜ… メガ・パイソン 人間捕獲 ネタバレあり感想あくまで原題のナンバリングがそうというだけで作品同士の繋がりは特に強いわけではないので今作からでも安心。
そういった意味では邦題の違いもある意味正しいです。
そしてモンスター・パニックとしては今回はなかなかの良質で掘り出し物。
そんな映画ジュラシック・アース 新たなる覇者(原題:大蛇3:龙蛇之战)感想です。
ジャンルはアクションで上映時間は約74分となります。
・モンスターがちゃんと主役となっているモンスター・パニック。
・前作ではイマイチ消化不良だった人間と蛇の交流の強化
目次
あらすじ
巨大アミューズメント「荒島パーク」プロジェクトの開発地で、巨大な恐竜の骨が発見された。工事を優先するパーク開発業者は爆弾で骨の破壊を指示。だが、その爆発によりメガ・スネークが出現し、人間たちに牙をむく。さらに古代の巨大恐竜まで目を覚まし…。
U-NEXTより
登場人物
・シャオカイ
火事で足を怪我をしてサポーターを使っている少年
PTSDでリハビリには乗り気ではない
・シャオ・ナン
シャオカイの母
火事の際にシャオカイを庇い火傷を負った
・チャン・ヤン
ツアーバスの運転手
・ラオジア
山海計画の主席顧問
・アーレイ
ラオジアの助手
・チェン会長
チェングループの会長
亡骨島のテーマパーク計画を進めているが経営が芳しくない
前作よりしっかりモンスター・パニック
邦題だとまるで繋がっていないように見えますが実はメガ・パイソン 人間捕獲の続編である本作。
といっても共通するのは登場するモンスターくらいでそのモンスターの設定も前作から変わっておりほぼ繋がっていないと思っていいです。
オチを考えると実はがっつり繋がっていてもおかしくはないですが本編中には関係ないです。
ですので時系列気にするほどのファンがいるかは少し怪しいですが今作から見てしまっても特に問題ないです。
- しっかりモンスター・パニック
一応前作見た身としての評価となりますが、今作は前作と比較するとしっかりとモンスター・パニックをやっています。
視点が2つなのは前作と共通なんですが今回はどちらの視点もとにかく動きがあります。
構成としては子供を救いに行く親、孤軍奮闘する子供、ついていく博士と助手と邦題との繋がりからメジャー所の名前を出すとジュラシックパーク3に近い構成です。
あくまで構成だけですよ?
前作の洞窟の中で囚われの子供と救いに行くという構成ではなく、
今回は子供の方も自由なので2つの視点としてはこちらの方がイベント多くて面白かったですね。
そして何より今回はモンスターですよ!
今回は人間よりしっかりとモンスターが主役として機能しています。
前作の1つ1つを消化するような個別イベントで片付けられる存在ではなく、
ちゃんと生態系として息づいている魅力があります。
大蛇の卵を狙い食べ尽くす恐竜やそれに対抗する大蛇など対立構造もしっかり。
これは前作が生体兵器として生み出されたという出自に対し、
今作は古生物として元々存在していた生物という設定変更が活きた形になったからですね。
前作から引き続き出てくる古生物がいますが設定が変わっていますしスターシステムみたいなものなのかもしれません。
今回は古生物同士の共演も多く食物連鎖もほどほどに表現しているので今回は本当に生きているって感じかしましたね。
共演が多いといえばやはりモンスター同士のバトル!
メインとなるのは当然パッケージ通り大蛇と恐竜によるバトルですが、これがこの規模の映画でここまでやれるのかと滅茶苦茶感動してしまいました。
短い上映時間の中で小中大の恐竜と段階を踏んでバトルしていき特にラストのバトルはかなり大迫力でした。
睨み合ってる両雄の雄々しさ、そして恐竜側の強さを人間との協力で乗り切る大蛇。これが見ていて普通に熱くなってしまう内容でしたよ。
この人間と協力という部分、人によってはモンスターとのバトルを見せろ人間なんていらねえんだよという需要が強いのは分かりますが、
今回は大蛇と人間との交流がありますしラストのネタバラシを考えると人間の介入で勝負が決まるのは絶対に必要なので、
今回に関してはそこまで引っかかる演出ではなかったですね。
ラストの好き嫌いはあれど納得はいくので脚本がうまいと見るべきかもしれません。
ともかく今回はちゃんとモンスター達に生活の息吹を感じる演出と内容だったのでモンスター目当てだと満足度が高い内容となっていました。
イカレた古生物を紹介するぜ!
前作から引き続き登場した物、今回から登場した物様々いましたがそんなモンスター・パニックとして今回の話を彩る古生物達の紹介です。
- 盤古王蛇
シリーズの主役(といっても1作目は見ていませんが)となる大蛇。
今回は盤古王蛇というちゃんとした学術名っぽいものがつけられて登場です。
邦題でジュラシックが付けられていると何となく日本人は恐竜が主役に感じてしまうかもしれませんが主役はこっちです。原題は大蛇です。
前作は生物兵器という設定も相まってただの人を襲う脅威と言う設定で機械的なイベントみたいな存在でしたが、
今回はちゃんと意思を感じさせる生物としての立ち回りでした。
恐竜と2大巨頭として島の支配権を巡り争う存在でしたが、
恐竜側が生態系として脅威となる設定なので今回は完全に味方です。
今回は味方と書くと随分日和ったモンスターになったな大蛇さんよぉと思われるかもしれませんが、
最初は不特定多数の観光客を襲ったりなどちゃんと人間の脅威としても活躍します。
潮目が変わるのはシャオカイとの出会いから。
卵を食べる恐竜を撃退した後のシャオカイを見て卵に隠れて卵液がついていたからか、
少数ながら小蛇が無事でシャオカイに感謝したからかここからシャオカイとのちょっとした絆が生まれていきます。
襲われてるシャオカイを助けたり、シャオカイが大蛇に刺さったツルを抜く手伝いをしてあげたり、
前作のホワンホワンと小蛇に期待していたような内容を今回見せてくれます。
前作の反省点を活かしてくれたのか…は微妙ですが個人的に前作でやって欲しかったものを見せてくれたのでここだけでだいぶ満足度高かったです。
この交流があるからこそ最後の大蛇の窮地にシャオカイが奮起して救うのに納得感を増す要因になってますし(これよりもっと重い理由はありますが)
人とモンスターが主役となる本作では正しく主役の1体として大活躍してくれてました。
- 暴虐骨竜、暴虐竜王
今作における所謂敵役となる恐竜。
大蛇と覇権争いをしているライバル的存在であり、侵略性が高く蘇れば今の生態系を破壊する全ての生物の敵という位置付けです。
小中大とそれぞれの大きさの恐竜が大蛇と戦うなどモンスター・パニックとしてはこちらの方が頑張ってましたね。
やはり敵役が映えてこその対立ですからね。
ここは本当に良くやっていたと思います。
数も多く糞をするサービスシーンもあり、最後には大迫力のバトルと満点の活躍するだったんではないでしょうか。
小回りが効かないなど最初から足の弱点を指摘されてるのもラストに繋がり地味ながらしっかりと設定が練られていたのも分かりますね。
- 悪魔蛙
前作でもお馴染みの巨大カエル。
今作でも姿も能力も特に変化はありませんでしたが、序盤の脅威としては頑張っていたんではないでしょうか。
例によってより強い生物…今回は恐竜の方ですね。
そちらに捕食されて出番が終わるまぁ理想的な中盤までの脅威って感じでした。
- 食人樹
前作に引き続きのようで全然違う食人樹。
今回も人を狙っていましたがキルスコアは残念ながら0。
見た目も前作がツルで絡め取ってというのに対して今作はツルで刺して花が食べるという名前から想像しやすい方の生態に変わっています。
活躍はあまりしませんが大蛇にツルを刺したことにより、シャオカイと大蛇の絆が結ばれるのに一役買ったので地味ながら重要な仕事をしておりました。
- 暴君ヒル
名前だけ立派なやつ。
気づかれずに獲物に取りつき、獲物の血を吸いマヒさせる毒を出すという生態らしいですが特に活躍はせず。
まぁシャオ・ナンの背中の火傷を見せるためだけの存在でしたね。
悪くはないけどラストは好みが分かれそう
人間ドラマの方は途中までというかネタバラシまでは楽しめて良かった内容でした。
子供のシャオカイと救いに行く大人達の2つの視点で進みますがこのバランスは良かったと思います。
孤独に進み大蛇と交流を深める子供側とモンスターに翻弄され逃げながら子供を探すという大人側。
モンスター・パニックとしての交流と脅威という2つのジャンルを上手く使い分けられていましたね。
ただやっぱりラストは個人的には普通のオチにして欲しかったですね。
人間側は最後の大蛇対恐竜まではひたすら翻弄され続けるだけなのであまり見せ場なないです。
そこでメインとなるのはシャオカイとシャオ・ナンの母と子の過去の火事の際の傷とトラウマの話に焦点が当たる訳なのですが、
話としてはPTSDでリハビリが上手くいかないシャオカイとそれを奮闘させようと気を張りすぎている母と普通に良くは出来ています。
ただやはりオチがですね。
まぁそれは最後に話すとして過去の火事で足に火傷を負いサポーターをつけて歩行に障害があるというシャオカイ。
実際見るとこの歩行障害というのはドラマとしてはちゃんと活かせていますが、
逃走シーンなどアクション面ではそこまで上手く活かされてはいなかったりします。
普通に走って逃げていますし、たまに思い出したかのようにサポーターが邪魔になったり躓く感じです。
ただこれは先ほど言った通りPTSDという設定があるので、ピンチの時に実は結構動けてしまうというのは頭の中で納得はいくようにはなっています。
狙ったかどうかは微妙なところですが結果としていい設定と脚本になっています。
このPTSDの克服が最後に成されるというのが(一応)カタルシスに繋がるわけなのです。
火事の際にシャオカイを庇って火傷した母シャオ・ナン、彼女のピンチを今度は息子のシャオカイが救うためにサポーターを外し自らの足で救う…これこそ王道な成長の物語ですよね。
なんですがやっぱりオチがですね?
この物語のオチというかネタバラシ、
この物語は実はシャオカイが山海計画に投稿した物語“盤古王蛇の冒険”だったという創作物オチです。
シャオカイとシャオ・ナンの火事にあったということは変わらず、
違う点はシャオ・ナンがシャオカイを庇った際にそのまま亡くなってしまっていたというのが現実ですね。
他の登場人物もシャオカイが好きな作品の俳優だったりなど創作にお気に入りの人物を登場させていたことが伺えます。
このオチは正直自分はどちらかというと否側ですね。
いや、本当に酷すぎて悪いとかそういう訳ではないんですよ?
自分を救って亡くなった母を創作の中で自分が救う物語として描く…
これ自体は悪くないんですがやっぱり話を通して見た身としては、やはり少年の成長していく物語として締めてほしかったなというのが本音ですね。
これ自体は好みの問題でしょうから人によりけりでしょうが自分としてはやっぱりね?という話ですね。
こういうオチは登場人物に感情移入すればするほど否側になってしまいますね。
まとめ
オチ以外はかなり完璧だなと個人的に評価の高いこの映画。
CGも悪くない話も悪くないなのでやはりオチがなぁとまぁ勿体無い。
最後まで少年の成長と母との絆の物語として貫き通して欲しかったかなと。
このオチでもそれが描けていないわけでは決してないんですけどね…
でもそれ以外はいいので総合的には個人評価は高いです。
モンスター・パニックとしては人間側がラストギリギリまで無力なのでモンスターの偉大さが際立ちますし、大蛇と少年の交流と絆というのも前作の不満点の解消になっていましたのでね。
一応この手の話に付き物な自然は人間がコントール出来るものではないどれだけ科学が発展しても自然を敬うべきだという部分も、
ちょっと取ってつけた感はありますがちゃんとお約束として入れていますしこの手の映画に求めるものは大体入っていると思います。
この短い時間の映画でここまでやれているのは意外とシリーズとしての蓄積というのは意外としっかり成されているのかなと。
緩い繋がりのシリーズっぽいですし、またこのシリーズの新作が出たら追っかけてしまうかもしれません。(出たのに気付けるのかは微妙)
他のモンスターパニック映画感想はこちら。