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製作国
韓国
監督
ホ・ミョンヘン
出演者
マ・ドンソク
イ・ヒジュン
イ・ジュニョン
ノ・ジョンウィ
アン・ジヘ
今回はネトフリのマ・ドンソク主演映画、バッドランド・ハンターズ(原題:황야/Badland Hunters)の感想。
ドンソク主役ということで誰もが期待して察する物もあると思いますが、
流石はドンソク、ネトフリ資本であろうともドンソク無双は健在でございました。
もうね完全に期待通り、何一つ裏切らないいい映画。
そんなドンソク無双なこの映画のおすすめポイントを紹介していきたいなと思います。
ジャンルはアクションで上映時間は約107分となります。
目次
あらすじ
大地震によって無法地帯の荒野と化したソウル。ある少女が狂気の医師に捕らえられたことを知った恐れ知らずのハンターは、少女を救出するべく大きな危険の中に飛びこんでいく。
Netflixより
登場人物
・ナムサン
崩壊した世界でハンターをやり生計を立てている男
バス地区で物々交換で商売をしており、狩った獲物を提供している
かつてスナを救っており慕われている
・ジワン
ナムサンの下で共に狩りをしている18歳の少年
スナに思いを寄せている
・ハン・スナ
18歳の少女
祖母と暮らしている
かつてナムサンに救われ、彼を命の恩人として慕っている
絵が得意で集団生活が苦手
・イ・ウノ
空軍特殊部隊の一等軍曹の女性
仲間が囚われ、ヤン・ギスに支配されたマンションを取り戻すためにナムサンに協力を求める
・ヤン・ギス
医者の男
娘を亡くしており、世界が崩壊する前に彼女を蘇生するために人体実験を繰り返していた
崩壊後にマンションに現れ、新しい人類の肉体と食料と水の提供でマンションを支配する
・タイガー
崩壊した世界でのさばるならずもの達のボス
ナムサンとは面識がありかつて彼に負けてボクシングを引退した
民間人を誘拐して奴隷にしている
崩壊した世界で繰り広げられる攫われた少女を取り戻す戦い
大地震により崩壊した世界でただ1つの楽園とされるマンションに攫われた少女スナを救い出すため、
マンションに乗り込むドンソク演じるナムサンとその仲間達の戦いのストーリーとなっている本作。
ざっくりとした内容としては、
大地震により崩壊した世界、それでも人々は新たな生活を営み逞しく生きていた。
そんな世界で動物を狩るハンターをして生活している男ナムサンとその弟子であるジワン、そしてかつてナムサンに命を救われた少女スナ。
ある日スナは少年少女を優先して保護している水も食糧も豊富な土地マンションに誘われる。
本人とその家族しかまだ受け入れていないとされるマンションにナムサン達から背中を押されたこともあり、
祖母と共にマンションに向かうことを決意し、スナはナムサン達と別れる。
しかし、途中で祖母がついていけなくなり仕方なく医療スタッフに任せてスナは断腸の思いで祖母を置いてマンションに先に向かう。
その一方で祖母はマンションの人間に殺害されてしまう。それを偶然狩りに来ていたことで目撃したナムサンとジワン。
男達はナムサン達を口封じするために襲撃する。
何度致命傷を与えても立ち上がる男達に苦戦する2人だったが、
元軍人であり男達と同僚であった女性ウノが加勢して協力して男達を仕留める。
そしてウノの口から聞くことになるマンションの真実。
医者だったと名乗る男、ヤン・ギスにより同僚達は新しい体を与えられて彼に心酔、
そして反抗したウノはマンションから逃げ出してきていたのであった。
ウノから協力を求められてスナを救い出すためにマンションへと向かうことを決意するナムサン一行。
マンションに辿り着いたスナはそこで授業を受けることになるが、そこの様子のおかしさに気付き、提供されて食糧や水にも口をつけずにいた。
違和感を感じて夜中にマンションから抜け出そうとするスナだったが、
研究室でマンションに向かう途中で知り合った少女ジュイェが実験されているところを目撃する。
両親とスナの目の前で実験の影響で痙攣して亡くなるジュイェ。ジュイェの両親も殺害され、また隠れていたスナもまたヤンに見つかってしまう。
新たな実験体として捕まるスナ。
その一方でスナを救い出すためにナムサン達はマンションに乗り込むのであった。
ざっと終盤までは大体こんな流れ。
色々なワードが出て来はしますが、気にせず基本的にマ・ドンソクを見ておけばOKな分かりやすい映画の作りなっています。
彼の男らしさ、かっこよさだけを見るそんな潔い映画となっていますよ。
割り切った潔い取捨選択された世界観
この映画の世界観の構築はかなり潔いです。
冒頭でいきなり大地震を発生させて世界を崩壊させるくらい潔いです。
ですが、もっと潔いのは崩壊後の世界観と人間関係。
もうね、前者は何の説明もなく3年立って人々が逞しく生きているという、
それぞれの人間が苦悩して立ち上がる過程なんて一切描写しません。
普通なら苦境に立たされた人間がとれほどの思いで立て直したのか、そして現在での苦しい生活も描写しそうなもんですが、そんなことは一切やりません。
そして後者の人間関係もまた潔い。
大体の関係性は口頭で済まされてしまいます。
ナムサンが何としても救おうと思っている少女スナとの関係性なんてかつてナムサンがスナを救った命の恩人なんですと、
主役の動機となる少女との関係性ですら回想もなく口頭で済ませるくらい潔いのです。
正直この潔さによる情報の取捨選択でナムサンが少女のために何でそこまで命を賭けるのかは、情報から理解するのであって共感にまでは至らないかもしれません。
普通ならこんな苦しい世界だからこそ人との関係性が1番大事なんだとか、スナにどれくらいナムサンが娘を重ねているのかとか描写するもんです。
ですが、この映画はそこら辺は徹底的に省いている。
あくまでドンソクの無双が1番大事なのがこの映画。
崩壊した世界でドンソクの戦う舞台を整えて、人間関係で戦う動機を作ればいい、
ドンソク無双のために逆算して余計なところには時間をかけずにさっさと進行する。
これを荒と見るか潔さと見るかは人によって分かれるでしょうが、この映画の売りはドンソク無双なんだと理解して作ったらこうなるんだよって言う。
それくらいの取捨選択の潔さを感じる世界観の構築でしたね。
形成されたディストピアは終わりも含めていい
戦う舞台となる崩壊した世界で物資が豊富で人々を集めているマンション。
ここで形成されているディストピア感はなかなか良かったんじゃないかなと思います。
崩壊する前から死んだ娘を復活させるために人々を実験体として使っていたマッドサイエンティスト、ハン・ギス博士。
彼によって支配され形成されたマンションの秩序はオチも含めて崩壊した世界で生まれるディストピアとしては個人的には好みでした。
まずは自身の実験体を集めるためにまずは兵隊や他の大人達を過酷な世界や自分自身が抱えている境遇からの救いを餌に掌握する。
前者は兵士達、後者は先生ですね。
先生に関しては例によって潔い取捨選択により背景の多くは語られませんが、
最期に見せるカツラがズレて見える姿と余命が短いということから考えるとガンや白血病の類だったのだろうなと推測しています。
そして今度は実験体である若者を集めるために彼らを使い、子供達は教育のためと称して親から隔離して、
親は浄水施設で働かせて労働力と水という絶対的な資源によって管理をよりコントロールしやすくする。
うーん、いい世界観。
更には子供達がいい成績を収めるとより良い部屋に住めるようになるところなんかは、
親の方を上手く歪ませている感じがして本当好きでしたね、この辺り。
親としては子供がいい成績を収めればいい環境を手に入れることが出来る、
だからこそ子供と離れても会えなくても受け入れる心境になってしまう、
まぁ過酷な世界における実にいいディストピアの形成でした。
被害者でもあるのだけれど子供達に対してはある種の加害者にもなっている親達という本人達が意図せず加担する邪悪な構造。
取捨選択が潔い映画でしたが流石にドンソクの相手となる存在の舞台作りには力を入れていましたね。
行いは自分に返ってくる
この映画は基本的に親を描き子供を描いている映画でもあります。
主人公のナムサンは世界が崩壊する際に娘を亡くしており、だからこそスナを娘と重ねている部分もあったのでしょう。
相手役となるヤン・ギスも歪んでこそいますが、娘を生き返らせるために実験を繰り返していたと娘への愛情だけは最後まで本物ではありました。
マンションに連れて来られる親達も何だかんだで子供のためという部分はあったでしょうし、親としての愛情という物はそれぞれ一貫していた部分です。
しかし、モブも含めてのそれぞれの親の結末はスナの祖母が語った「行いは自分に返ってくる」この言葉通りの結末を迎えていました。
常にスナを救うために動いたナムサンはスナを無事救うという結果が返ってきましたが、
人々を犠牲にしてきたヤンは崩壊したマンションの秩序の中で銃を乱射した際に娘のソヨンも誤って射殺してしまう。
そして周りの親達もその際に自身や子供の命を奪われるという結末を迎える。
これは本人達が意図していたかそうではないかに関わらず子供を差し出し、また犠牲にして生活していた人間に対して報いを払わしたという結末なのでしょう。
崩壊した世界の過酷さを現すかのように苦境であっても正しく行動した者しか報われないという、このシビアさを描いていた世界観と合わせたディストピアの崩壊だったと思いますね。
最大の魅力はやっぱりドンソク無双!
色々とストーリーやら何やらについて語ってきましたが、この映画のメインはマ・ドンソクの無双。
そのために全てを取捨選択して舞台を整えて用意してあると言っても過言じゃぁありません。
敵の悲哀も過酷な世界もスナのピンチもそんな物は全てこのドンソク無双の前には霞むってもんですし、
この無双が見れるだけで正直この映画は成立していると言えます、それくらいのセールスポイントです。
何といってもドンソク演じるナムサンの初登場シーンが巨大なワニを後ろから引きずり切り刻みと、
もうここだけで俺たちがどんな映画を作ったのか分かったよな?と強いメッセージを受け取れた気がするくらいですからね。
もうその後はたまらんですよ。
ならず者集団相手に素手で無双。
マンションの兵士相手に銃で無双。
もう1つおまけでやっぱりマンションでヤンの実験で爬虫類人間にされた兵士相手にナタで無双。
どうです?文字だけでたまらんでしょう?
言っちゃなんですがどの戦いも苦戦なんて一切しない、苦戦したとしたらマンションの階段登って膝痛めたくらいってもんですよ。
ドンソクが出ている映画で期待する物は完璧に見ることが出来る、需要が良く分かっている映画でした。
ちなみにドンソクのことばかり書きましたが、女兵士であるウノのアクションの方も滅茶苦茶いいです。
ドンソクのアクションがどっしりと構えて叩き潰すアクションならこちらは華麗に動くCQCアクション。
マジでキレッキレに軽やかに動き回り、カメラワークもその速度に合わせて激しく動き、まぁかっけえんですわ。
コート靡かせるアクションはなぜこうカッコいいのか。
単純に質が高く種類も違うアクションが楽しめる1粒で2度美味しい、これぞ分かりやすい良いアクション映画って内容になっていましたね。
この部分を製作が売りであり需要であるとしっかりと認識し、そしてその期待に応えるように作り込んでいる、
ちゃんとセールスポイントを理解している映画はやはり強いですねと言わざるを得ない魅力でした。
まとめ
ドンソク無双が見れてただただ幸せな映画でした。
取捨選択が本当に潔いのでドンソクとその相手をすることになる敵だけに集中出来るのですごい見やすさもあるんですよね。
舞台の整え方の強引さや説明や描写不足な関係性などのストーリーラインなどぶっちゃけ完全にB級映画のノリなんですが、
そこにネトフリ資本が入るとあら、不思議、絵面とカメラワークなどが一流なB級映画が完成となるわけですよ。
まぁ、ぶっちゃけマッドマックスを作ったようなもんですしね。
ドンソク無双を豪華に見せるためにここまで金をかける、これをさせるに値するマ・ドンソクはやはり素晴らしい俳優ということですね。
やっぱ売りを最初から定めてそこから逆算して作る映画というものは大外れはしないってことですわ。
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