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製作国
メキシコ
監督
チャバ・カルタス
出演者
ルイス・アルベルティ
ノエ・エルナンデス
ルイス・クリエル
レオナルド・アロンソ
ダビッド・カルデロン
ギジェルモ・ナバ
イスラエル・イスラス
描かれるのは“英雄”ではなく“現実”
そんな“現実”の中でも彼らは正しさを貫き、そしてその正しさの価値を知っている。
そんな彼らの戦いは間違いなく尊い物。
今回はネトフリオリジナルのメキシコ映画カウンターアタック(原題:Contraataque/Counterstrike)の感想。
この映画は自分の中ではめちゃくちゃクリティカルでした。
構成自体はよくあるアクション映画、でも舞台となるメキシコの現状、その中で主役となるコウモリ隊の面々の信念、この2つだけで物凄く胸に来るものがありました。
何というか正しさの価値を貫く男達の物語というものはやっぱいいもんだなと思える映画ですよ。
ジャンルはアクションで上映時間は約85分となります。
目次
あらすじ
人質救出作戦で新たな敵を作ったゲレロ大尉。彼とその精鋭の部下たちを待ち受けていたのは、犯罪者グループによる急襲だった。
Netflixより
この映画を配信している配信サービス
※2025年
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登場人物
・ゲレロ大尉
特殊部隊“コウモリ隊”の隊長
麻薬組織の摘発を担当した結果、休暇中に彼らに狙われることになり、仲間達と共に撤退戦に臨むことになる
・タンケ
コウモリ隊の隊員
・ポロ
コウモリ隊の隊員でスナイパー
・コンボ
コウモリ隊の隊員で軍医
・トロ
コウモリ隊の隊員
・ホセフォ・ウリアス
麻薬密売組織のリーダー
自身の逮捕に動くコウモリ隊の休暇を狙い始末しようとする
・カルラとルシア
ウリアスの組織によって殺害された軍人の大量の死体を見つけた女性達
通報しようとしたとこほを攫われそうになり、ゲレロに助けられるが死体の捜査の後に誘拐されてしまう
ざっくり概要
ここからはいつも通りに途中までのざっくりとした話の内容を。
バーで飲んでいた特殊部隊“コウモリ隊”のリーダー、ゲレロ大尉。
飲み終わり外に出たところ、警察に何かを通報しようとしていた女性2人が男達に攫われそうになるところを目撃する。

共に飲んでいた友人が男達はホセフォ・ウリアス率いる麻薬密売組織の人間であり、
その中の1人にホセフォの弟がいることでゲレロに関与するのをやめるように忠告するもゲレロは構わず女性達を助けに入る。
彼女達が目撃し通報しようとしたのは麦畑に埋められていた大量のバラバラの遺体だった…
操作の結果埋められていた10人の遺体はウリアスを追っている最中に行方不明になっていた軍人達のだと判明する。
これを受けて軍、そしてコウモリ隊はホセフォ・ウリアスとその仲間達を追うことを決定すし、ゲレロがその事件を担当するのだった。
その頃ホセフォは弟に遺体が見つかったこと、女性達を始末出来ずに通報させたことを責める。
そしてホセフォと通じている長官からコウモリ隊とゲレロの情報を渡し、彼らを奇襲して始末しろと命令を下す。
ゲレロ達はホセフォの情報を得るためにまず彼の組織の重要人物でもあるエドゥアルド・メディナ、通称“エル・マラーノ”の確保に動く。
それはエドゥアルドを逮捕することで、彼にホセフォの情報と引き換えに自由を保障する証人保護の交渉をするためだった。
無事敵の1人の殺害のみというスマートな結果でエドゥアルドを逮捕したコウモリ隊。
検察庁に彼を引き渡し、ひとまずの任務を終え、ゲレロ達は休暇に入る。
しかし、ホセフォは長官から彼らの休暇の情報を得る。そして弟に彼らの奇襲を命じるのであった。
休暇に入ったコウモリ隊のメンバー。
ゲレロ、タンケ、ポロ、コンボ、トロ。
車で移動する5人に車でぶつかり襲撃する組織の男達。第一陣を退けるコウモリ隊だったが、間髪入れずにホセフォの弟達が現れて彼らを追い詰めていく。
何とか返り討ちにするも弟の手によりタイヤはパンク、それにより更なる襲撃を予感するも、基地までは40キロ、そして検問所へは20キロもの距離があり、
ゲレロは基地に増援を頼み徒歩で検問所まで行くことを決断する。だがその道は6時間もかかる道であった…
道路を外れて移動するゲレロ達、だが9人の追手を確認し、弾が足りないながらも再び銃撃戦に入りながら撤退する。
徹底の最中で見つけた洞穴を利用して再び襲撃を凌ぐもポロとタンケが負傷してしまう。
2人を応急処置しながら追手の早さを怪しんだゲレロは全員の携帯を追手の遺体の上に残して再び検問所へと向かう。
傷が酷くなっていくポロ、脱水症状により膿む可能性が高いタンケ。そしてホセフォの弟の携帯を調べることで長官の裏切りを知るゲレロ。
様々な問題を抱えながらも検問所へと向かう道中で密売組織の敷地を見つけるコウモリ隊。
心許ない残りの弾薬と仲間の負傷、治療と武器の確保のために彼らは“寄り道”をすることを決断する。
しかし、その一方でホセフォ達は血の跡を辿り、確実にコウモリ隊へと迫っているのであった…
どうしようもない現実の中でも正しさを貫くこと
この映画の主役であるコウモリ隊の“信念”の描かれ方。これは自分の中ではグサグサと刺さるくらいに感動出来る物でした。
この映画の製作、そして舞台はメキシコ。
映画の描かれ方がどれほどの現実感の伴うものかは日本にいる自分達にははっきりと理解出来る物ではありませんが、
それでも自分達より麻薬、暴力、汚職、こういったものが遥かに近くに隣にあるのは間違いない世界なのでしょう。
そしてそれこそニュースなどの又聞きでしかなく申し訳ありませんが、
正しさを主張する政治家の台頭に対しては妨害や殺害などが行われたこともたまに耳にするような世界です。
そんなある種傍観や諦めを強要するような世界の中だからこそなのか、
この映画の中で正しく力を使おうとするコウモリ隊の尊さというものがすごい胸を打つんですよね。

この映画の話自体は本当に良くある構成なんですよ。
汚職や巨大組織に対して対抗した数人がそいつらな狙われて生き残ることを目指して撤退戦をする。こんなのはそんなに珍しいものではありません。
でもメキシコという舞台、そしてコウモリ隊の善人っぷりがこのよくある構成を輝かせているわけですよ。
この傍観や諦めが強要される世界でどこまで行っても彼らは善人として、そして力を持った軍人として正しくあり続けるんですよね。
こういう映画だとゲスい仲間がいたりするもんですが、そんなのするいなく彼らは高潔。
仲間は見捨てず、民間人は絶対に守り抜こうして、彼女達に気遣いだって見せる最高の軍人達です。

そして彼らは正しいからこそ困難に向き合い挑まざるを得なくなり、そして正しさのために戦い散ってしまう仲間も出てくる。
この正しい人達が散っていく哀しさと虚しさがこの映画の味であり、そして絶対に忘れてはいけない部分でしょう。
最後の籠城戦は死亡フラグを立てる仲間が出てくるんですが、この頃には本当にやめてくれよ…生き残ってくれよぅ…って自分は本当に懇願してしまいましたからね。
そして最後まで彼等は彼等らしくてですね。
仲間達が散ったことへの復讐心だってあるでしょうに、それでも正しさを持っているからこそ、密売組織のボスであるホセフォを法の裁きに委ねるんですよ。
どれだけ葛藤があろうとも最後まで正しさで耐え切るのがすごい。最後まで正しさを一貫したからこその感動と虚しさがあると思うんです。
“悪が勝つために唯一必要なのは善人が何もしないこと”
この最後のテロップの通りの人間であるコウモリ隊。
こんな世界で正義を心から信じ切れているわけでもないでしょう。
世の中を簡単に変えられるとも思ってもいないでしょう。
でもそんな現実を理解しながらもも正しさを貫くことの価値もまた確実に知っている、だからこそこの映画の彼らの戦いは尊いのです。
「こんなことがあると時々軍隊を辞めたくなる、そして続けたくもなる」
これを言える人間がどれほどいるのか、久しぶりに本当の意味で格好いい映画の軍人を見た気がします。
英雄ではなく現実のアクション
アクション映画なので当然アクションは大事。
この映画のアクションはアクション映画比で現実感のあるアクションです。
でも特殊部隊だからこその練度を感じられるアクションでもあります。
冒頭のアクションだけでヒーロー的な動きではないのものの急な襲撃にも連携をしながら冷静に対処して、武器がないから回り込んでナイフなどで敵を始末して武器を奪っての火力確保。
更には定期的な応急処置でも彼らの練度というものが一瞬で分かるようにしている。

動きはリアルな重さと速さなんですけど、それを理解した構図や人物の魅せ方というものが上手い印象でしたね。

こんなんを冒頭の2分で見せてくれるんだぜ!
後、これはメキシコだからと言うべきか、敵の練度も中々の物でどう見ても無能そうなホセフォの弟ですら死に際にコウモリ隊の車をパンクさせて移動手段を無くす、そして手榴弾を投げて最後まで抵抗したりと
メキシコの環境故の雑魚ポジでもこれくらいの最低基準の練度を見せつけてくるというのも中々に上手い情報の提示でした。
合間合間でも当然見せ場はあり、洞穴を活かした戦闘は素直に良かったですね。
洞穴に3人が先に入り、残りの2人で奇襲してそこに追い込むとか数に劣りながらも勝てる戦いをするのは特殊部隊としての練度が見えて惚れ惚れしてしまいます。
そして感極まる物しか出てこない最後の籠城戦。
ここでは絶望感かなりある戦闘なんですが、それでもコウモリ隊の冷静さと意地が光ってたまんない。
多勢に無勢をいいとこなんですが、それでも民間人を励まし、絶対に脱出させると語るゲレロとかもうね、もうねぇ!
M2機関銃とか絶望感ある物出されても、それでは誰も死なないのがまたコウモリ隊の実力の魅せ方として素晴らしいんですよ。
機関銃な弾切れになったのを全員が一斉に察知して反撃に転じるのとか、すげえいいなって思いますもん。
そんな派手な銃撃戦の締めが意地の格闘戦なのもいいんですよ。
ここの格闘戦は今までと比較してももっさり。本当にもっさり。でもそれがいいんです!
仲間を失い多勢に無勢を乗り切った満身創痍の格闘戦。このもっさりこそが彼らの正しさと耐え切った証とも言えるアクションなんですから。
まとめ
自分はこの映画、滅茶苦茶好きです。
良くある構成のアクション映画なのに舞台や登場人物の味付けだけでここまで光輝く物になるのかと、感嘆してしまう。
こんなよくある話で予測も可能な話なのに、後半頼むからみんな死なないで欲しいと願い、
死に直面した時には胸を打たれ涙してしまったのはそれだけのめり込めた証と言えるでしょう。
ネトフリオリジナルは高級なB級感を求めている身なのですが、これもそうだと言えば間違いなくそう。
でもそれだけでは済まない感想が自分の中には芽生えたのも間違いない映画でした。
短くもしっかりとまとまって見やすいので個人的にはかなりオススメです!
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