この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
製作国
台湾
監督
ケヴィン・コー
脚本
ケヴィン・コー
出演
ツァイ・ガンユエン
ホアン・シンティン
ガオ・インシュアン
ショーン・リン
阿Q
今回はネトフリ限定ホラー、呪詛(原題:咒)の感想です。
ジャンルは当然ホラーで上映時間は約111分となります。
この映画の見どころ
・日本のホラー映画のような馴染みがある作風のホラー
・怖さの幅が広く最後まで恐怖に慣れることが出来ない演出の数々
目次
あらすじ
かつてある宗教施設で禁忌を破り、呪いを受けたリー・ルオナン。そして6年後、あの時の呪いが今度は自分の娘に降りかかったと知り、必死で我が子を守ろうとするが…。
Netflix配信ページより
登場人物
・リー・ルオナン
ドゥオドゥオの母
6年前に行ってはいけない地下道で呪われた
・ドゥオドゥオ
リーの娘
リーに6年ぶりに引き取られるも呪いに巻き込まれる
・シエ・チーミン
ドゥオドゥオの里親をしていた男性
怖すぎホラー
いやー久々にゾワっとするホラーが見れました。
正直ちょっと見たことを後悔するような内容でした。(褒め言葉)
ともかく演出と描写が上手かったですね。
呪いがテーマなので周りも巻き込んで序盤はじっとり生理的な嫌悪を与える描写で攻めてきて中盤から恐怖を一気に畳み掛けてくる、
うん、いいメリハリです。
序盤はともかく見ている側を不安にさせよう気持ち悪くさせようという強い意志を感じます。
何もないところを見上げたり、大量の虫を出したり、鼻血が出たり、肉が動いたりなど、まぁ気持ち悪かったですね。
精神科に通ったりなどのシーンがあるので最序盤の事故や自殺の映像がなければ、この序盤の描写はミスリードに使えるレベルでしたね。
後半でも皮膚に昔の蓮コラに近いものが出来る描写があるので視覚的にきつい描写には余念がありません。
このままの路線で行ってもいい映画になった気はするくらいしっかりやってます。
村の描写などは人相手の生理的嫌悪感も出したりなど贅沢セットでしたね。
中盤からは畳み掛けるように直接的な演出入れてきます。
ここからはもうガクブルの連続でしたね。
音や急な登場の演出も使ってはいるんですが、それに頼らない演出の方が多かったです。
直接的に襲われるシーンや黙々と頭打ちつけたりとか画面の使い方もあって怖かったですよ。
特に自分が怖かったのは道がループしたシーン、
柱の上から人らしきものが吊り下がっているところで何度も同じ場所にループして柱の上でエンジンが止まり…
ここのシーンはタイミング的にも序盤の不安を煽る恐怖と後半の直接的な恐怖との折半って感じでここから流れ変えて全力でいくからな?って宣言受けたような気がしましたよ。
視点は基本的にリーを始めとした登場人物の撮影映像というPOV視点でこれもしっかり活かされた演出であり、久々に緻密に構成されたホラーを見た気分です。
こういう感じでしっかりメリハリつけてあの手この手で怖がらせてくるので最後まで恐怖に慣れることが出来ないホラー構成でした。
しかしこの映画で何より怖いのはラストの仕掛け。
といっても何か予想はつくといえばつくんですが、
最後に見ているこちらを盛大に巻き込んでくれます。
呪文を唱える、心で念じるそれに我々はリー達にお願いされ、
彼女達に感情移入しているので祈ってしまうわけなのですが、
それは娘救うためにみんなで呪い負担して分散させようとする“祈り”ではなく“呪詛”をやらされてしまうというオチでした。
どうりで呪文の時間が長いわけです。
いや、本当に何てことしてくれんのこの人…
最後の最後でこちらを全力で巻き込んでくるストロングスタイルなホラーになり、ここに来てまさかの我々まで呪われてしまいます。
ここまで来るまでの話も見たこと後悔するくらい怖かったのですが、最後に本当に後悔させてくる演出をかまされてしまいました。
我々が呪われてドゥオドゥオが助かったのなら良しと思いましょう。
ちなみに自分はこの映画を見終わった日は久々にホラー映画のせいで寝付きが悪くなる体験をしました。
昔の気合い入れた邦画ホラーの雰囲気も感じられて日本人には馴染みやすいホラーでしたね。
ストーリー構成
この映画のストーリーというべきか話の流れというべきか、それ自体にはそこまで極端に特筆する内容ではなかったです。
追い込まれていく状況でなんとか打開策を見つけようとする王道ですがよくあるプロットなので目新しいというわけではないんですね。
そうなってくると舞台設定やホラーとしての演出などでどう肉付けしていくかによるんですが、この肉付けの良さでストーリーの質を高めていましたね。
現在と呪われた6年前を交互に映し、呪いの源流を見せる構成も見事なんですが、
それ以上に最後の仕掛けのために見ている側の感情をどう強く移入させていくか、この導線の上手さですね。
まぁまず親と子の話というのがともかく分かりやすいですよね。
6年前の呪いの件で一度は手放した娘のために立ち向かうというのはとても分かりやすいですし感情移入も出来ます。
里親でもあったシエもそうですし、ともかくみんなドゥオドゥオのために行動するんですよね。
シエは自分の抱えてる問題からのドゥオドゥオのために動く理由が分かってかなりいい人でしたね。
これによって出てしまう犠牲もありますし、でもだからこそドゥオドゥオには救われてほしいと見ている側としては願ってしまうわけです。
リーも最終盤に我々に向かって娘への愛情について未熟さ含めて赤裸々に告白してくれますし、
一緒の思い出を残してきたけど自分を含めて全て忘れてほしいなど、こんなこと言われたら救われてほしいとそりゃこっちも祈ってしまうってもんですよ。
ともかくこの母と子に感情移入させまくってからの最後の仕掛けというストーリーなので、
上手くやったもんだなと思いながらもなんて意地悪なことしてくれたんだともこちらは後悔もしてしまうわけです。
ともかくラストのためにストーリーがあると言う感じなので、そこに向けてしっかり計算して作られていたよく出来た意地悪なストーリーでした。
まとめ
日本人なら馴染みのある作風で久々に超良質なホラーを見ることが出来ました。
視覚的にはちょっと嫌悪感あるシーンも多かったのですが、
ミッドサマーなど昨今のホラーの当たりを見るとこの生理的嫌悪感というのを上手く使うのがカギになってる感じがしますね。
多分見ると後悔するタイプの映画ですが、自分は見てしまったので出来れば多くを巻き込みたい所存でございます。
ネトフリ加入者の方々はぜひ一緒に見てみんなで後悔してみてください。
邦画でもこれくらい本気出したホラーをそろそろ見てみたいですね。
他のホラー映画感想はこちら。