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製作国
カナダ
監督
アン・フォリー
脚本
アン・フォリー
エマ・レイン・ウォーカー
出演者
マトレーヤ・スカールウェナー
ミッチェル・クレバー
ジェシカ・マクラウド
ブレイク・ウィリアムズ
ドローレス・ドレイク
ホラーの呪いの感染も日々進化している…
かつてはビデオテープ、そこから映像媒体の進化により様々な呪いの感染が行われてきたホラー業界なわけですが、今回はスマホのアプリ。
といってもこれもまぁまぁ使いこまれた設定なのでアプリというだけでは斬新さは足りません。
しかし、この映画『Shall we プレイ?(原題:Shall We Play?)』はそこにもう一捻りを加えたことで呪いの進化というものを見れる映画となっておりました。
ジャンルはスリラーホラーで上映時間は約87分となります。
(C)2020 ENOUGH SAID PRODUCTIONS INC ALL RIGHTS RESERVED
目次
あらすじ
あなたも“プレイする?”
Rakuten TVより
1年前のある出来事によって心を病んでしまったステイシー。回復に向かっていた彼女は、新しい恋人マットに夢中になっていた。ある日、親友のジェスとエマを家に呼んで楽しく過ごしていたステイシーだったが、エマが本に挟まっていたメモを見つけたことがきっかけで、再び精神が不安定になる。回復に向かっていたと思われていたステイシーには、誰にも言えない秘密があったのだ。それは、死者と思われる2人の金髪少女が出てくる夢を何度も見ることで、眠れない日々を過ごしていたことだった。ある時、ジェスの提案で死者の霊と交信するアプリを試すことにしたステイシー。しかしなぜかステイシーのスマホには、死者との交信アプリがすでにインストールされていて…。
Shall we プレイ?を配信している配信サービス
※2025年3月5日時点
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登場人物
・ステイシー
1年前のとある出来事で精神を病んだ少女
それ以降、知らない少女達が出てくる現実的な夢を見るようになった
・エマ
ステイシーの親友
体育会系でステイシーの様子やそれに纏わる出来事で彼女を心配する
・ジェス
ステイシーの親友
エマとは違い、軽い性格でステイシーが直面する事態にも真剣にならない
・マット
ステイシーに最近出来た彼氏
・ベティ
ステイシーに親身な祖母
ざっくり概要
ここからはいつも通りに途中までのざっくりとした内容を。
心を病んでしまい、一部の記憶を失いカウンセリングに通う少女ステイシー。
彼女は毎晩同じ少女達が現れ自分に接触したがり最後は盛んで終わるという現実感のある夢に悩まされていた。
カウンセラーはその夢をステイシーの抱えている問題にあるかもと推測し、それさえ吐き出せば記憶が戻るかもしれないと、診断する。
その夜、親友のジェスとエマ、そしてその後に恋人のマットと自宅で遊ぶ約束をしていたステイシーは彼女達を待つ間に頼んでいたピザの店員が急に「やめろ!」と叫んだと思ったらその矢先には普段通りの対応に戻るなど、不可解な出来事に見舞われる。
定期的に幻覚を見るようになっていた彼女はこの出来事にいつものことと思いながらも不穏な物を感じながらエマ達を迎えるのだが、この不可解な事態は続き、今度は家にいる祖母ベティがステイシーに向かって「お見通しよ!」と叫ぶ生々しい夢まで見てしまう。
不可解な事態を気にしながらもエマ達とたわいもない会話をしながらはしゃぐステイシー。その時エマが読んでいた本から1957年4月18日と日付が記載された謎のメモが挟まれているのを見つけ出す。
そのメモには“Xに印された場所に悪魔の箱はあらず”“音を立てないこと”“死者の魂が目覚めた時お前の魂は壊れるだろう”と書かれていた…
興味を持った彼女達3人は本を見つけた地下室に向かうも、そこからは特に不可解な物は何も見つかることはなかった。
しかし、出ていく際にジェスが半端に閉めたドアを閉め直そうとしたステイシーは一瞬そこに謎の2つの影を見るのだった。
リビングに戻った彼女達は今度はさっきまで無かったはずの古い写真を見つける。
その写真を見たステイシーは驚愕し、ジェスとエマに自分の現状を彼女達に告白を始める。
それは自分が見るリアルな女の子達の夢のこと、そしてその写真に写っていたのは夢に出る女の子達だったのだ。
その話に興味を抱いたジェスは交霊術のアプリで少女達の意図を聞いてみようと提案する。
数ある交霊術のアプリから1つのアプリに目をつけたステイシー達、それをダウンロードしようとするのだが、ステイシーはかつてそれをダウンロードしていたのだった…
アプリを起動したステイシー。
“Shall We Play?”と書かれた起動画面からアプリの進行に従うが、気味の悪い映像が流れ続ける。
それでも「夢の女の子達はだれ?」「何が望み?」と質問するステイシー、するとアプリは反応し、霊からの返事が返ってくる。そこに書かれていたのは…
ステイシー
この返答を見たステイシー達は急いでアプリを消したが、その瞬間に写真が倒れ、電気が消えるというポルターガイストのような現象が起きる。
急いで逃げようとするジェスとエマだったが、その時遅れてやってきたマットが現れ、それを見たジェスは何事もなかったかのようにマットをステイシーの元に案内するのだった。
マットが来たことでジェスとエマは帰宅して彼と2人きりになるステイシー。マットが持ってきた酒を飲み、一部の記憶が飛んでしまい、彼に2階にある自室へと連れて行かれる。
ステイシーを抱こうとするマットだったが、朦朧としながらも拒絶するステイシーを見て憤り、
彼はそのまま眠ってしまったステイシーの服を乱し、写真を撮り誰かに連絡をする。

しばらく経ち、ステイシーの家に忍び込む2人の男達。
それはマットの悪友であり、彼らとマットは寝ているステイシーにタチの悪い内容の落書きをして撮影し、それを多くの人間に投稿するのであった。その横であのアプリが密かに起動していたことも知らずに…
ステイシーは自分の部屋にいる少女達のリアルな夢を見る。そして目覚めた彼女の目に飛び込んできたのはスマホに届く大量のメッセージだった。
昨夜のマットの行為によって自らが裸の写真を送ったとされて噂されるステイシー。
心配して電話してきたエマに意識がなくそんな写真は投稿していないと釈明する。
エマが自分の家に誘って急いで準備をしようと顔を上げたステイシーの前に再び少女達が現れる。
ステイシーに語りかける少女達。
名前を尋ねたステイシーに対してアビゲイルとモイラだと名乗り、そしてステイシーの名前を知っている理由は祖母ベティに聞いたからだと教え、再び消えていく…
混乱しながらもマット達に書かれた落書きを消すためにシャワーを浴びるステイシーの体にアビゲイルとモイラ達は触れ、彼女の体に手形を残していった。
エマの家に向かう道中にマットとその友人に出会すステイシー。投稿のことを詰め寄るもあくまでステイシーが送ったとし、更に投稿はみんなに送ったと言う彼にステイシーは深い失望と自身の境遇に精神的に追い詰められていく。
エマの家につき相談するが、親身なエマに対してジェスは何か深みを持たせるようにステイシーはイカれ、投稿は彼女がやったこととして追い詰めてしまう。
更に追い詰められて行ったステイシーは彼女達に少女達のことを再び話し、立て続けの自らの不運はあのアプリと少女達のせいだと思い込む。
前にもあのアプリを使ったことも告白したステイシーはエマとジェスにもう一度少女達と交信して目の前から消すために協力するように頼むのだった…
自宅への帰路につくステイシー。
その途中で急に現れた祖母ベティに出会い、事情を話す。
それより先になぜか写真のことを知っていたベティはいつも支えてそばにいると励まし、家に帰ろうと言う。
自室に戻り、セージなど除霊に使う手段を整えて再び交霊の準備をするステイシー。

家族のことでヒステリーになりながらもステイシーのことを心配し家族で過ごしたいと語る母に対して、ステイシーは今日は友人が来るからと断る。
その夜エマとジェスが自室にやってきた再び彼女達は交霊を試みる。その後に訪れる悪夢と少女達が現れた真実を知る由もなく…
やはり今の時代はホラーもアプリ
ホラーの恐怖と言えば呪いや死の感染。
かつてのビデオテープを用いたリングが最も日本では代表となる存在でしょうが、それから時代は移り変わり、呪いの死の伝染方法は変化していきました。
それは動画や配信となり、上記のリングの貞子もそれに倣って感染方法を変えていきました。

柔軟だなぁ。
そして本作『Shall we プレイ?』の感染方法はスマホのアプリ。時代は移り変わりここまで来ました。
と言ってもこれも最初に言った通りにまぁまぁ使い古され手垢のついてきた設定にはなってきているんですけどね。
で、アプリで感染すると言ってもただのアプリではつまらない、というかそれっぽい曰くはつけないといけない。
なので本作では交霊術のアプリというあまりに胡散臭すぎる設定のアプリとなっているわけですね。
そしてもう少し踏み込んだ特徴となっているのはこのアプリ、正確にはそれそのものが呪われているというよりもあくまでトリガーになっているという風に自分は判断しました。

というのはこの映画の霊となる連中の設定ですね。
この霊となる少女達が亡くなったのは主人公ステイシーとその親友エマとジェスが見つけたメモに記されていた通りに1957年に亡くなった。
その原因となったのはステイシーの祖母ベティが少女の時に見つけた木の箱、それを見つけたことを契機として不可解な死を遂げ霊となった存在です。
そしてステイシーが再び箱を見つけた時に祖母であるベティが今度は亡くなり、
そしてこれは作中でははっきりと語られておらず推測となりますが、ステイシーは作中より前にアプリをダウンロードして起動しているとされています。
なのでおそらくは祖母ベティと交信しようとしたことでこの少女達まで呼び寄せてしまうという、この交霊術のアプリをトリガーとして祖母の姉妹であるこの少女達がステイシーを連れて行こうとしたと見ていいでしょう。

当然1957年にスマホもアプリも存在しませんし、元々あった呪いに対してたまたま交霊術のアプリが確かな力を持っており繋がってしまったと見る方が自然ではないかなと。
このただ見てはいけないアプリを見たことにより感染というよりも、
ただのちょっと力のあった(かもしれない)アプリを呪われている少女が起動したことで本格的な感染の呪いへと進化したという設定になったのが独自性があり中々面白いアプリネタでしたね。
このアプリはステイシーに対しては正と負の側面を両方見せており、 1つは当然祖母ベティとの交信。
彼女は定期的にステイシーを励まして、再びのアプリの起動もそれとなく止めていたりするなど、
病んでしまったステイシーの絶対的な理解者であり味方でした。
そして消えるその瞬間までステイシーの強さを信じていた存在でもあり、ステイシーが彼女の死で再び会いたかった理由や病んでしまった理由には十分理解出来る存在でもありましたね。
そして負の側面である、少女達。

彼女達は祖母のベティの姉妹であり、呪い?で死んでしまい、新たな呪いの手先となっているような存在でしたが、呪いだけあり、中々にタチが悪い。
常にステイシーの夢に出てきて、幻覚や白昼夢を見せるなんて当たり前。
彼女の弱った心の隙間や復讐心にも的確についてくる存在です。
この正と負、どちらが勝ったのかというと結論だけ言うと、負の側。
ベティがステイシーの強さを信じておりましたが、その信頼はあっけなく裏切られてしまう結果となりましたね。
個人的にはホラーであろうと安易な形での主人公敗北バッドエンドはあまり好みでもないのですが、今作は許せる範囲。
というのも最後に亡くなったステイシーによりあのアプリの呪いパワーがさらに上がり、
妹のポーラをきっかけにありとあらゆる人間に勝手にアプリがダウンロードされて起動するというあの街、というか世界が終わりかもしれないwという規模になるからですね。
感染型ホラーでネットの力を借りるバッドエンドでここまでやられたらこちらとしては笑いと尊敬の白旗を上げるしかない。
ちょっと捻ったアプリの呪いの設定と強化されていく過程、その両方が楽しめる今風設定の感染の形でした。
序盤の雰囲気作りは結構好きでした
この映画の序盤。
主人公であるステイシーが一部記憶を失い、更にメンタル案件をやっているというのもあって序盤の雰囲気はまぁまぁ不気味な物がありました。
そう、怖いのではなく不気味です。

何処か噛み合わない違和感のある会話など周囲からステイシーだけが置いて行かれているような雰囲気があるんですよね。
ステイシー自体ははメンタルをやりはしたけど回復に向かっていると確信している、でも何か見ている観客からすると歪さがある。
この記事だと上記でアプリの呪いとネタバレしてしまったいますが、序盤だけなら異変は全て妄想で頭の中で作った少女や祖母というオチになってもおかしくない雰囲気がありました。

人によってはそっちの方が好みだったかも?
祖母のネタバレと少女達の存在で明確なホラー側の話になりこそしましたが、
この序盤の雰囲気を終盤近くまでまぁまぁ引っ張れたのは中々良かったのではないでしょうか。
そこから霊騒ぎだけではなく、彼氏マットの酷すぎる裏切りなどで自身の身の不幸は霊のせいだと確信して再び交霊を試みようとする姿なんかは病んだ結果で、
作中でも言われている解離性遁走による思い込みなのか、それとも本当に霊の仕業なのか分からない真に迫る物がありましたね。
なんと言っても俯瞰して見ているはずの我々も少女を見ているのがステイシーだけだから確かに精神なのではないか?と騙されそうにはなるんですよ。
このメンタル案件があるのでエマとジェス、親友2人の対応も真っ二つになるのも面白い。
といっても彼氏を寝取ったり、(というか最初から共謀していた?)ステイシーを信じないジェスの方は多分最初から親友ではなかったパターンなんでしょうけど。

ただ交霊アプリをかつてダウンロードしていた、祖母ベティだけ分かりやすく違和感があるので、ベティの真実が分かっても膝を打つほどの気持ちよさのある種明かしではなかったのは残念ですね。
もう少しこのベティの現実感や実在感を出して違和感を少なくしてオチがどちらに傾くのか読めなくしていれば、話的な面白さはもっと上がっていたと惜しさも感じました。
まとめ
多分あまり評価は高くはならないでしょうけど、個人的には嫌いではないホラーでした。
何といっても呪いが強化されていく様を見れるというのは貴重ですからね。
本作の新しいようで既に使い古されたアプリによる感染というものに一捻り加えた設定が加点ポイントです。
それにしてもこのネット時代、霊の皆様方も感染や移動手段がとても便利に、楽になり、
利便性の向上は人間だけの物じゃねえなとこういう映画を見ていると変な価値観を持ってしまいますね。
今回のアプリだけではなく、今度は今の風潮を考えると昔流行ったAI辺りがまた台頭してくるのでしょう。
まぁでも現実で考えるとアプリは霊よりもウイルス仕込まれている方が絶対ホラーになるんでしょうね。
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