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製作国
韓国
監督
キム・ヒソン
脚本
ソ・ジェヒョン
出演者
ユン・ギョンホ
サ・ウ
リュ・ゴンファ
ユル・チャン
今回はアマプラにて鑑賞の韓国の不良映画、スキル・オブ・ファイト(原題:싸움의 기술/The Techniques of Fighting)
先に言っておくと…というか自分も鑑賞し終わえて初めて知ったんですが、続編前提の映画となっております。
なので人物描写に関しては微妙に不足しているように感じる出来となっています。(続編で納得が行くかはまだ見てないから分からない)
分かりやすく言うとテレビドラマのスペシャル回を前後編で放送しているような映画ですかね。
ジャンルはアクション、上映時間は約72分となります。
目次
あらすじ
お前は許さない。
喧嘩最強の不良たちが激突するバイオレンス・アクション!ゴヌは有望な格闘技の選手だったが、不公平な審判に回し蹴りを喰らわせ転校となる。転校先で不良達とその番長を簡単に倒してしまったゴヌは地域でも有名な存在となり、多くの高校を支配するサングの耳にも入ることになる。
TELASAより
スキル・オブ・ファイトを配信している配信サービス
※2024年6月26日時点
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登場人物
・テ・ゴヌ
元テコンドー選手
不当な判定をした審判にキレて回し蹴りをした結果、ドクサン高校に転校することになった
高校を取り巻く理不尽な環境を見て実力でそれを覆そうとする
・サング
ドクサン高校を配下にしているデジン北高校のボス
自分の舎弟やドクサン高校の生徒から上納金を納めさせている
ヒスに惚れて付き纏っていて彼女に近づく者を粛清している
・カン・デホ
ドクサン高校のナンバー2
ゴヌにいち早く目をかけ友人となる
ヒスと出会ってからは彼女と両思いとなり、サングに隠れてデートを重ねる
・ユン・ヒス
デホと密かに付き合っている女子高生
サングに一方的に付き纏われている
・ヨンジュンとジホ
ドクサン高校の不良
上納金のためにカツアゲをしていたところをゴヌに返り討ちにあうがデホを通じて友人となる
・ドクス
ドクサン高校のトップ
サングに従っていてドクサン高校の舎弟であるデホ達に上納金のためのカツアゲを行わせている
ざっくり概要
今作自体が全体で言うと中盤で終わるような映画ではあるんですが、とりあえずいつも通り今作の範囲での中盤までのざっくりとした内容を。
テコンドーの選手だったゴヌ。
彼は試合中の不当な判定にキレて審判に回し蹴りを喰らわして結果、スポーツ高からドクサン高校への転校をやむなくされてしまう。
叔母と共に引っ越しが終わり街を散策していたゴヌはそこでカツアゲの現場を目撃してしまう。
助けを求められて複数の不良達を返り討ちにしたゴヌ、しかしその不良達は自分の転校先であるドクサン高校の生徒だった。
スポーツ校からの転校と言うことで教師から問題を起こさないようにと釘を刺されるゴヌだったが、不良グループのヨンジュンに因縁をつけられてしまう。
彼をあっさりと返り討ちにするゴヌだったが、今度はヨンジュンの友人ジホに呼び出されて1対6での喧嘩を余儀なくされてしまう。
テコンドーを駆使して喧嘩を優勢に進めるゴヌだったが、そこに高校のナンバー2であるデホが現れてゴヌ達を仲裁して場を納める。
喧嘩を終えたデホ達はカツアゲした金をドクスへの上納金を納めることに不満を持つが、彼がトップのうちは従うしかない。
なら彼をトップから引き摺り下ろせばいいと自分達相手に喧嘩で優勢に立つゴヌに期待するようになる。
後日デホが街を歩いているとデジン北高校の生徒とぶつかり揉め事に。
1対3でも優勢に喧嘩を進めるデホだったが背後からレンガで殴られて一転してリンチされてしまう。危ういところでゴヌが現れて3人を組み伏せてデホを救う。
喧嘩に勝った2人、ゴヌは今の高校を取り巻く環境をデホから聞き出す。
先ほどの喧嘩相手だったデジン北高校はドクサン高校を支配下に置いている高校。
そしてそこのボスであるサングがドクサン高校のトップであるドクスに従っており、それによって上納金を求められているという構図なのだった。
ゴヌにドクスを下してトップになれと薦めるデホ。現状に不満を持つゴヌはデホと協力し合うことに決めるのであった。
デホ、ジホ、ヨンジュンの仲間になるゴヌだったが、彼らの上納金なためだけに行うカツアゲだけは見過ごせず諌める。
そしてドクスからの召集も無視して4人は街に駆り出すのであった。
次の日登校したら教室にデホ達の姿がないことに気付くゴヌ。デホ達は召集を無視したことによりドクスに呼び出されて脅されていたのであった。
その現場に現れるゴヌ、ドクスとの決闘を申し込みテコンドー対柔道の喧嘩が始まる。
その結果前評判よりは遥かに弱かったドクスはゴヌに負け、捨て台詞を吐いてその場を後にする。
それはドクサン高校のトップがゴヌに移った瞬間であった。
ゴヌがトップに立ち祝杯を上げる4人、その一方でトップから下ろされたドクスはデジン北高校のボス、サングに泣きつくがあっさりと尻拭いを断られてしまうのであった。
祝杯の途中でデホは1人、中学時代の友人でありデジン北高校の生徒であるジンテが開いた合コンに向かう。
そこにはジンテの話を無視してやってきたサングが惚れている女子生徒であるヒスも参加していた。
サングを恐れてヒスが参加していることに激昂するジンテ。それを諌めた後に空気が悪くなったことで帰宅するデホをヒスが追いかける。
デホを気に入ったヒスは彼に追い付いた後に互いに連絡先を交換して別れるのであった。
一夜明けサングへの上納金を払っていないことに不安を持つ仲間達を自分が何とかするからもう払うなと言うゴヌ。
それを盗み聞きしていたドクスは再びその録音を持ちサングの元に向かい上納金を円滑に納めるために再び自分がトップになれるようにと頼み込む。
そしてサングはジンテにドクスと協力してゴヌを潰すよう指示するのであった。
合コンで出会ってから密かにデートを重ねていたデホとヒス。しかしそれもドクスに目撃されてその写真をサングへと渡す。
それを見たサングはデホの友人であるジンテを呼び出し“ヒスに会ったらお前を殺すと伝えておけ”とデホに伝えるように命令するのであった。
デホの元に向かい、上納金のこととヒスのことについて警告するジンテ。しかし、こちらにはゴヌがいるとデホはジンテからの警告を無視する。
彼ら2人の道はお互いに忠告しあった後に分かたれた。
ジホ達もヒスのことを知り、デホにもう会わないように忠告するが、ゴヌだけはサングを恐れず気にせずに会うべきだと伝える。
その夜、ゴヌの家でデホ達とヒスを初めとした女生徒と遊ぶゴヌ達。
解散したところでジンテに見つかったジホとヨンジュンが上納金のことで呼び出され、人気のない場所に連れて行かれることに。
ジンテからの上納金の催促を断るジホとヨンジュンだったが、2対4と多勢に無勢の喧嘩で劣勢に追い込まれる。
その時、ジホがジンテに対してデホの子分であった過去をつついたことで激昂したジンテに頭を思いっきり殴られて救命に運ばれるのであった。
仲間であるジホが大怪我を負わされたこと、デホの彼女であるヒスが狙われていること、そして学校自体が上納金を求められていること。
サングの支配に抗おうとするゴヌは果たして彼を下すことが出来るのか…
中盤までは大体こんな感じ凄腕転校生の不良界隈での成り上がりの話ですね。
この後の最後の勝負の結果は…続編があるということで察してください。
不良映画としては“熱”がまだ足りない
本作は凄腕の実力を持った転校生がそこの不良の世界に納得が行かずに実力で成り上がるという不良映画なんですが、
その不良映画らしい“熱”というのが今作の段階だとまだ足りていない内容となっていました。
続編のためにその“熱”を作ることの前フリ全力になっている1作です。
その前フリ全力という前提をとりあえず置いておいて今作の範囲だけの話となるのですが、
不良映画というのは大体社会から馴染めず隔絶された存在が現状に不満を持ち納得がいかない中で不良ならではの筋の通し方や現状の打開をするもの。
そこで形成されている社会へのフラストレーションとその解放が大事だと自分は思っているのですが、
本作の主人公であるゴヌにはそのフラストレーションからくる“熱”がイマイチ足りていないように見えるんですよね。
理由としては単純にゴヌがなぜ高校で成り上がろうと思ったのかという描写が不足しているからですね。
とにかく仲間との絆の深さや何でその仲間のために成り上がろうとそこまでするのか?という部分に対する“熱”を感じる部分(要は動機)が足りないんです。
学校に転校してきてヨンジュンやジホ達から因縁を付けられることから関係が始まり、その後に学校のナンバー2のデホとも繋がっていくという流れなんですけど、
これだとゴヌが彼らと連み始めるきっかけも理由もイマイチ理由が分からないんですよ。
元々は彼らのやっているカツアゲという行為に対しては憤りや嫌悪感を持っていたのに、
そんな彼らと連むのは何でなのか?そしてそんな彼らになぜそこまで仲間意識を強く持ったのか?それが全然見えてこない。
転校による孤独感を感じていたからとかそういうのが理由なのかもしれませんが、それにしてももうワンクッション彼らとの関係が始まるきっかけとなる描写が欲しかったところです。
この仲間意識への理解がなかなか深まらないことによって、ゴヌが不良社会でなぜそこまで成り上がりを目指すのかという部分も結果として共感しきれなくなってしまっているんです。
いや、動機としてはこちらは“理解”は出来るんですよ?
仲間が不良のボスであるサングの指示で上納金のためにカツアゲをさせられる、
そしてデホと両思いとなっているヒスもサングという障害によってその想いが結実するのが困難。
そんな理不尽に対しての怒りでサング打倒のために動くと、この動機はとても分かりやすくはあります。
でも、何でゴヌがデホ達に仲間意識をそこまで持っているの?という前提のせいで理解は出来ても共感にまで至らずそこに対する“熱”を冷ましてしまうのです。
これらはやっぱりゴヌの抱えているフラストレーションの存在がよく分からないから、これに尽きると思うんです。
今作の中でのゴヌの設定で言うと例えばテコンドー選手として追いかけていた夢を失い思い通りにいかない目標を失った焦燥感とか、友人もいない土地でスポーツ校から今までとはノリが違う学校に来てしまった孤独感とか。
ありきたりですがこういった物が描写されていればそんな環境で不良とはいえ自分に関わってきてくれた連中に仲間意識を持つのは分かるんですよ。
でも実際にはどっちも軽い扱いですし、描写もないなんですよね。
テコンドーの選手としてはいやぁ…バカやっちゃったなぁ…くらいのノリですし、孤独感に関しては全然描写されていません。
現状だとテコンドー選手だったというのは強さの理由に使われていない。
他に真面目に考えるならそもそもイラついたから審判蹴って転校する羽目になるような奴だし、
そもそも根が不良体質のやつが転校先で最も自分が自分でいられる居場所を見つけただけなのかも?と身も蓋もない結論の可能性もあります。
フラストレーションが描写されない以上は案外そっちなのかもしれません。
と、ここまで色々言いましたが“熱”が足りないというのはあくまで本作の範囲の話。
この映画は続編ありきの構成。
ラストで仲間のためにサングに立ち向かうも彼の喧嘩殺法にボロ負けして「楽しい高校生活になりそうだ」と不良ドラマの1話目のような台詞でこの映画は幕を閉じています。
たった1人でサングに挑み負けて初めての敗北にボロボロになって敗北感を味合うとようやく視聴者にも共感出来る“熱”を持ったゴヌ。
このラストでようやく分かりやすい“熱”を視聴者と共に抱えたことを考えると、
この映画は理不尽を行い敗北感を与えたサングという存在を必ず倒す。この“熱”をゴヌに持たせるためだけの前フリ映画だったと捉える事も出来るのかもしれません。
実際のところは2をまだ見ていないのでその答えは分かりませんが、
少なくともサングのテコンドーと喧嘩は別物だというセリフからゴヌは競技ではなく喧嘩を覚えるというのは予測出来る。
それは今まで培ってきた競技者としてのお行儀のいい自分を本格的に捨てると言う形になるため、
社会的には非行への一歩にも社会への反発が進むとも取れるので不良映画としては期待出来る流れにはなりそうだなと思っています。
例え社会通念上から道を外れているやり方や意地の通し方だったとしても、そのお行儀や現状の理不尽をぶち壊すことに共感を得られるのが不良映画のファンタジーな良さ。
なので個人的には不良ならではの青臭さや“熱”も伴う仁義や反発で成り上がりきる姿を見せてほしいですね。
ちなみにBGMもだいぶ大人しいのでそっちも不良映画らしく下品なくらいのロック調で行ってほしい。
まとめ
不良映画としてはまだまだ“熱”の足りない映画。
これ1作で終わっていたら不満の方が多い映画でしたが、ラストでようやく共感出来る“熱”を放ち、サングというボスが作り出した今の劣悪な環境のフラストレーションもしっかりとリンクしました。
つまりようやく前フリが終わりゴヌと見ている側の考えがリンクして次に進む訳ですね。
前フリだけで1作使うのは映画としては連ドラのような遊びを入れられる贅沢な構成、まぁこういう映画は続編の評価に完全に引っ張られるタイプの映画でもあります。
なのでこの映画が良かったと思えるか、それともやっぱりダメと思うかは1作かけて蓄えた“熱”が発散される続編次第。
期待半分不安半分で2を見てそれをしっかりと判断したいと思います。
こちら2の感想となります。
【映画】スキル・オブ・ファイトII 感想 蓄え放たれた“熱”と最高のカタルシス他の映画感想
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