【映画】これはプロフェッショナル 仕事の流儀 エージェント:0 漆黒の暗殺者 ネタバレあり感想

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エージェント:0 漆黒の暗殺者
(C)2021 VIRTUOSO PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.

製作国

アメリカ

監督
ニック・スタグリアーノ
脚本
ニック・スタグリアーノ
ジェームズ・C・ウルフ
出演者
アンソニー・ホプキンス
アビー・コーニッシュ
アンソン・マウント
エディ・マーサン
デヴィッド・モース
ディオラ・ベアード

今回は殺し屋を題材にした映画エージェント:0 漆黒の暗殺者(原題:The Virtuoso)の感想。

この映画を一言で言えば“殺し屋”のドキュメンタリー映画。

彼らの心情や手順、心得や哲学などがモノローグで何度も丁寧に語られるため、プロフェッショナル 仕事の流儀を見ている気分になれます。

仕事の受付までに面白い決まった手順があったり、犬と仲良いところなんかはジョン・ウィック風味、
その場での手順確認なんかはイコライザー味があると言えばそれとなく雰囲気の把握が出来、親しみも感じるのではないでしょうか?

ストーリー的には正体不明の相手に対して調査ではなく殺害で話を進めると少々場当たり的な感じがあるのですが、
まぁ色々な“殺し屋”の仕事が見れるのでこのドキュメンタリーにはこれでいいのかもしれないなとも思えました。

ジャンルはアクションで上映時間は約110分となります。

あらすじ

どんな相手も目立たず瞬殺する伝説の暗殺者ゼロ。任務中に一般人の命を奪ってしまったことから、血塗られた過去を償うようにひっそりと生きていた。だがある日、彼のボスであるザ・メンターから再び殺しの指令を授かる。ターゲットは素性不明の犯罪者“ホワイト・リバーズ”。裏社会から足を洗うために、最後の任務を遂行するゼロの前に現れたのは、謎の人物から依頼を受けた別の殺し屋デキシーだった。ターゲットをめぐり衝突する、伝説の暗殺者vs完璧を追求する殺し屋。超一流の知力とスキルを駆使した戦いには、思わぬ結末がまっていた…

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登場人物

ゼロ

確実で完璧な下準備をして臨む暗殺者

ある依頼で一般人の女性を巻き込んで自戒の念にかられている

メンターから素性不明の“ホワイト・リバー”の暗殺の依頼を受け再び仕事に

軍人家系でゼロ本人も勲章を貰うなど優秀な軍人だった

ザ・メンター

ゼロの上司

彼の父とは軍人時代の同僚で長い付き合いだった

デキシー

ロージーズ・カフェのウェイトレスで鋭い観察眼の持ち主

プロフェッショナル 仕事の流儀 殺し屋編

完璧な殺し屋だった男がとある仕事で無関係の犠牲を出し、
心に傷を負う中で新たな依頼として謎の存在“ホワイト・リバー”殺害の依頼を請け負うという本作。

エージェント:0 漆黒の暗殺者
(C)2021 VIRTUOSO PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.

この映画の特徴は何といっても“殺し屋”のモノローグ。
これの存在でまるでプロフェッショナル 仕事の流儀 殺し屋編を見ているような気になってくるのです。

とにかく“殺し屋”のモノローグが多く、仕事中の1つ1つの行動を説明してくれます。
長い殺し屋稼業からの経験則からの心得や哲学、これらが丁寧に語られるので、
“殺し屋”のその時の心理状況やなぜこうするのか分かる説明過多とも親切な映画とも言えますね。

このモノローグが本当に丁寧でですね。
“殺し屋”の仕事の手順や注意すること、人の動きの読み方から犬などの不確定要素のケアまでしっかりとやっているのです。

なのでこの映画はスマートなアクションを楽しむのではなく、事を荒立てすぎない正しくスマートな“殺し屋”の映画と言えますね。

実際殴り合いのアクションの方は大分泥臭いです。

そしてラストの真実が明らかになるとモノローグの人物が切り替わるのですが、
ここでもやはり“殺し屋”としての心得な哲学が語られ個人的にはドキュメンタリー風味を感じる内容だと思いましたね。

意外と影響しない過去、進展しないストーリー

エージェント:0 漆黒の暗殺者
(C)2021 VIRTUOSO PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.

この映画のメインストーリーは正直場当たり感があって進展に乏しい映画となっていたりします。

殺し屋のゼロが碌な下準備の時間を与えられないままに行った仕事で無関係な犠牲者を出し、
その傷を抱えたまま“ホワイト・リバー”の暗殺を請け負うわけですが、
意外とこの過去の傷がゼロの行動に影響するということがありません。

普通なら巻き添えを出さないように、確実に目標を見誤らないようにと振る舞うんだろうなと予測するでしょうが、
疑わしい人間を取り敢えず全員殺しにかかり、その傷に苦しんでいる様子はあまりないんですよね。

一応怪しいと思うにいたる根拠は示されているので問題はないですが。

それじゃキーパーソンのように見える過去の傷は意味ないじゃん!と思うでしょうが、
あくまでゼロの行動に影響が無いだけでストーリーとしてはちゃんと影響があるのでご安心を。

そのストーリーへの影響というのが“ホワイト・リバー”の真実と共に明らかになるわけなんですが

前提としてこの映画のストーリー的には“ホワイト・リバー”を追っているという内容なのですが、
ただゼロが怪しい人間を狙うだけと進展と動きには乏しい映画にはなっています。

標的の詳細は謎、そしてバーで居合わせた人物達を殺し屋特有の洞察力で堅気ではないと推測して定まらないならみんな殺るという流れ。

そりゃ怪しい人間みんな殺れば真実には辿り着くでしょうよといった感じで、
正体不明の相手に対して調査で真実を暴くという話にはなっていないんですね。

相手を減らせば進展するというある意味殺し屋らしいストーリーの進め方とも取れるのですが…

そんな中で怪しい人間を全て殺害して仕事中に心を通わせた女性デキシーと大人の時間を過ごした後に真実が暴かれます。

まぁもう簡単に予想はつくでしょうがその女性デキシーが“ホワイト・リバー”です。
はっきり言ってこれ予想出来ない人はいないと思います。
もっと正確に言うとデキシーだけが“ホワイト・リバー”なのではなく殺した人間全てが“ホワイト・リバー”とも言えるんですけどね。

というかパッケージやら商品ページのあらすじやらでネタバレ決めてきていますし。

過去の傷で腑抜けになったゼロを見た上司のメンターが殺し屋達に彼の殺害を依頼して、
そしてゼロにもまた“ホワイト・リバー”の殺害を依頼するという、
過去の傷がゼロの行動ではなくストーリー的には影響していると言うのはこう意味なのです。

ラストはあっさりと…あっさり過ぎるくらいにゼロはデキシーに撃ち殺されて終わりますが、
これもやはり“殺し屋”という仕事を説いている内容としては外せない展開だったのでしょうね。

これだけモノローグで殺し屋というものを語ると末路や継承という物を書くのが自然ということですね。

ただ最後のデキシーの決断、ゼロに託された唯一の願いを聞き入れるかのようにと彼の可愛がっていた野良犬に引き金を引かなかった決断は尊重したいですね。

これは殺し屋としては失格なんでしょうが…自分は尊重いたします。

正直ゼロのストーリーとしては虚しいラストなんですが、人の死に纏わる“殺し屋”の最期というのはこんなものなのかもしれません。

“殺し屋”という物をモノローグで手順や心情を説明してドキュメンタリー風にやるとこういうラストしかないよと言われているようでしたね。

ゼロという男

エージェント:0 漆黒の暗殺者
(C)2021 VIRTUOSO PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.

完璧な仕事を続けながら1つの大きな失敗で傷を負いそれをきっかけに命を落とすことになった本作の主人公ゼロ。

モノローグがたくさん自分のことを語るだけあってこの映画を見た方は何となく彼のことが気に入ってしまうと思います。

“殺し屋”という死が付き纏う仕事に属しながら1つの巻き添えを起こしたことを気に病み続ける繊細さのある親父。

これはお姉様方からイケオジに憧れる男まで魅了する実にたまらないキャラ造形でしたね。

殺し屋としては長年やっているにしてはどこか脆い部分が

もう何がいいって殺し屋として人里離れた山小屋に住んでいるのですが、
そこで出会った野良犬という存在に癒されているのが実にあざとい。

最初の巻き添えによる失敗まではせいぜい餌を置くだけに済ませていたのに、この失敗の後には犬に初めて触れてそこからの彼なりの溺愛。
モノローグが多いこの映画でこの犬の部分だけは何一つ語られない、これが彼という人間を推察する要素になっていますね。

ラストでデキシーが彼がトランクに残した何かのメッセージを見て山小屋に行き犬に銃口を一度は向けつつも引き金を引かなかったことから見ても相当な何かをデキシーも感じ取ったことなのでしょう。

長年殺し屋として活動していたにしては繊細すぎる気も致しますが、
“ホワイト・リバー”を巡る中ではそんな精神状態でも殺し屋としてはしっかりと冷静に動くというこのアンバランスさ。

人によっては脚本の矛盾とも取れる部分ではあるんでしょうが、自分としては繊細なイケおじとしてたまらん物がある人物と捉えましたね。

まとめ

渋い大人に作風に対してモノローグでたくさん説明してくれると、分かりやすさが重視されている作風で丁寧過ぎるくらいの殺し屋の映画でした。

ストーリーとしては正直オチは読めますし、そもそも正体不明の相手を殺すという目的に対して話の展開の仕方が怪しいやつを殺すというのは少々雑な気がしないでもないですが、
ただこれだけモノローグで殺し屋という物を語っているところを見ると殺し屋の末路というところに話を向けたかったのかなとも感じます。

正しく殺し屋の映画なのでアクション的な派手さがまるでないのですが、
それはこれこそが普通の殺し屋の行動とモノローグで説明しているのでこの映画の味と見るべきでしょう。

個人的な感想としてはこれだけモノローグで殺し屋としての心構えや哲学を丁寧にラストで人物の視点を変えた時にまでやっているからこそ
ラストのデキシーの人間らしい決断が光ると思ったので、結果として最後には人間というものを描いているように感じて好感を持てました。

殺し屋の映画だからこそこういうラストは光りますね。


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