【映画】時代には逆行しているけどこういうのもたまにはいいよね ノー・セインツ 報復の果て ネタバレあり感想

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

ノー・セインツ 報復の果て
(C)2021 LOS ARGONAUTAS PRODUCCIONES S DE RL DE CV. ALL RIGHTS RESERVED.

製作国

アメリカ、メキシコ

監督
アルフォンソ・ピネダ・ウジョア
脚本
ポール・シュレイダー
出演者
ホセ・マリア・ヤスピク
ロン・パールマン
ティム・ロス
トミー・フラナガン
ニール・マクドノー
ブライアン・コックス
シャニン・ソサモン
パス・ベガ

過去のある超強い親父が暴れ回る。これは昨今増えているプロットの映画群ですが、
今回の映画ノー・セインツ 報復の果て(原題:There Are No Saints)は似たような展開を想像するプロットでありながらそこからはほんのちょっとズラしがあります。

元殺し屋が犯し続けた罪から生まれる因果、そしてその代償を支払うことになる血に始まり血で終わる報復の話となっています。

ジャンルはアクションで上映時間は約99分となります。

あらすじ

ネトは殺しの生業から身を引き、良き父として生きることを望んでいる。出所後、今も愛する妻ナディアと息子フリオに会いに行くが、ナディアの新しい恋人ヴィンセントの存在を知ることとなる。ヴィンセントは表では不動産業を営むビジネスマンだが、裏ではネトと同じ殺しの世界に生きる男だ。ネトは足を洗い、かつての妻と愛する息子を取り戻そうとするが、ネトに血の恨みを持つ多くの男たちが彼の行く手を阻む・・・。

Rakuten TVより

ノー・セインツ 報復の果てを配信している配信サービス

※2023年6月24日時点

見放題レンタル
Amazon Prime Video✖️
Netflix✖️✖️
U-NEXT✖️
hulu✖️✖️
DMM TVプレミアム✖️✖️
月額無料トライアル
Amazon Prime Video500円登録から30日間無料
Netflix990円〜1980円無し
U-NEXT2189円登録から31日間無料
hulu1026円登録から2週間無料
DMM TVプレミアム550円実質最大3ヵ月無料
特徴
Amazon Prime Video最高のコストパフォーマンスと豊富なジャンル
プライム会員の特典が利用可能!
Netflix充実のオリジナルコンテンツ
配信作は全て見放題!
U-NEXT映画、ドラマ、アニメなど最新作から名作まで、24万本以上配信
月額会員になると、毎月1,200ポイントもらえる!
hulu100,000本以上の映画・ ドラマ ・ アニメ ・ バラエティを楽しめるオンライン動画配信サービス
テレビで放送中の人気番組の見逃し配信や、ライブ配信も充実!
DMM TVプレミアムアニメ・エンタメ作品が充実!
DMMプレミアムなら新作アニメ 、懐かしの名作アニメが見放題

登場人物

ネト・ニエンテ

元殺し屋で死刑囚でギャング内での通称は“拷問師”

州警察官が犯行を偽証していたとして釈放された

息子フリオのことは大切に思っている

ヴィンセント・ライス

ナディアの新しい恋人

南を仕切っている通称“北の顔”

ナディアのことは飾り程度にしかみていない

フリオ

ネトの息子

父であるネトのことを慕っており、彼の無実を信じていた

神父に憧れて日曜礼拝の手伝いをしている

ネトへの報復としてヴィンセントに誘拐される

ナディア

ネトの妻

出所したネトのことは邪険にしており、フリオとは関わってほしくないと思っている

イネス

ヴィンセントの経営するストリップバー“レディーバード”のストリッパー

ヴィンセントを追うネトに国境を越えるために妻のフリをして欲しいと雇われる

サンズ

ジャングルに住む変人で元捜査官

最初から最後までバイオレンスたっぷり

主人公ネトが“拷問師”と呼ばれるほどの元殺し屋であり、彼の過去の罪禍への報復を巡る話となるためバイオレンスたっぷりな映画となっています。

ノー・セインツ 報復の果て
(C)2021 LOS ARGONAUTAS PRODUCCIONES S DE RL DE CV. ALL RIGHTS RESERVED.

元死刑囚になるくらいの殺し屋だったので最初から合間合間でよく襲撃されます。

対象は警官からギャングまで恨みを相当に買っているのでこれも“報復”となるわけですね。

この映画の本当の報復はこんなもんじゃ済まないのですが…

そして合間合間で狙われるということはそれだけ定期的にアクション的な見どころが挟まるということですね。

ネトの置かれている立場も分かり、ついでにアクションも見れる、設定と見せ場を上手く両立している内容ですね。

そしてこの襲撃に対する姿勢でネトの心情というか姿勢も分かるようになっています。

足を洗おうと考えている立場なので警官からの暴行には抵抗せずボッコボコにやられ、
同じギャング相手なら銃を持った複数人に囲まれても大立ち回りで返り討ちと、
このようにどんな相手と返り討ちに出来る実力を見せつつその実力を見せる相手で彼の姿勢が読み取れるようになっていますね。

ですがこの映画のアクション以上の見せ場…と言ってもいいのかは微妙ですが、力を入れているのは拷問シーン。

主人公のネトが“拷問師”と通称されるほどの男でそしてそんな彼に対する“報復”がテーマのこの映画。

後半になるとアクション以上に拷問、拷問、拷問というよりバイオレンスな内容になります。

元々血の出る映画ですがより痛い描写が挟まりますね。そこまでしっかりと映すわけではないですが、
熱湯やら爪の間に…やら指を…やら見ていてヒエッとなる描写が増えていきます。

そして最後の拷問はここでは深く話せませんが、ネトにとってかなり精神的にくるものになってます。
まぁ拷問と報復を主題で話を回すと最後はこうなってしまうよねって内容ですね。

後半になるとこのような痛い拷問シーンがかなり多いので苦手な人は注意するべき内容です。
単純なグロさとかそういう方向ではないのでグロが苦手でもこっちはダメだわって人はいるはずなので。

肉体的だけでなく精神的な物も含んでいるので拷問としての内容は中々に真に迫っていると思います。
ただ因果応報な話なのでこの描写が露悪的かというとそうでもなくやはりこの映画には全て必要なシーンだったと思いますね。

今の時代っぽくはない映画

この映画の内容というか立ち位置というべきでしょうか。
これが一昔前の香りが漂うものになっています。

全体的な雰囲気が男臭い。というか昔の主流感がある雰囲気です。

危険な香りがする男が暴行とセックスで突き進むなんていつ以来だよってもんですよ。

今時ここまで男だけで話が進む映画というのも珍しいですし、女性が出てきても搾取される側だったりセックスシンボルだったりと。

妻とストリッパーとそれぞれ勢い任せの情事があったりするところとか、危険な香りがして色気の男にはみたいなこんなん昔懐かしですよね。

ちなみにだから悪いとは全然思ってなくて色々な映画があるべき世の中で、こういう今となっては珍しい形で話が進む映画が世に出てそれを楽しめるということもやはり良い物だなと感じるわけです。

このタイプの映画を良いと感じるなんてお前は時代錯誤な人間だなと言われたら謝るしかないですが。

昔のテンプレートの形が今は珍しい、こういうギャップの新鮮さというのも楽しみの1つだとと思いますね。

血に始まり血に終わる…けどちょっと唐突感も

ノー・セインツ 報復の果て
(C)2021 LOS ARGONAUTAS PRODUCCIONES S DE RL DE CV. ALL RIGHTS RESERVED.

この映画は主人公ネトへの因果応報の話。なら焦点となるのはその因果の代償を支払うことになるのは誰になるのかということ。

この事前知識があると冒頭の一文だけで誰になるのか分かってしまいますが…

元殺し屋で死刑囚だけあって様々な人間に恨まれているのがネト。
がっつり因縁つけられて襲われるなんて当たり前、それでも警察だけには足を洗うと決めた以上抵抗しなかったりします。

でもギャング相手なら正当防衛成り立つ部類とはいえ躊躇いなく殺ってしまう辺りでこの結末は決まっていた気もします。

そんな街中にそして妻からも忌み嫌われているといってもいい部類の人間のネトにも唯一の味方がいます。

それが息子のフリオ、この映画はある意味彼中心に動いている部分もある映画だと思います。

出番自体は序盤の方で誘拐されてそのまま最終盤まで出ては来ないんですが、ネトと黒幕含めて彼にはフリオの存在を行動動機としている人物が多いんです。

死刑囚で殺し屋の父の無罪を信じ、彼を慕い彼を聖人のようにも思っていると、正直ネトの息子という境遇からは信じられないくらいの良い子です。

ちなみにこのフリオ、かなりの美少年です。
自分はここら辺も正直意図があるような気もしています。

ルッキズム甚だしいこと言いますが、この映画の登場人物はみんな悪人面だったりスレた顔つきをしています。
そんな中で彼の純粋さを引き立てるためにこの配役になったのでは?と少し考えてしまうのです。昔の感覚丸出しな作風だから尚更ですね。

このストーリー、最初は単純にヴィンセントの怒りを買ってフリオが誘拐され、過去の罪のせいでほとんどの人に助けてもらえない…
というのが代償だと思っていたんですが、最終盤になると様相が変わっていきます。

というかよく考えたらこの見方の方が表面だけ見ているだけの感想で、
普通に考えたらそりゃ最終盤のような展開の話になるよなとちょっと自分の見方を反省しました。

話の流れはすごいシンプルで誘拐された息子を追ってヴィンセントの元に辿り着き、彼からどこに息子をやったのか聞き出し(意味深)そこに向かうっていうね。
過程にはそれなりにトラブルはありますが、よくある過去のある強い親父が返り討ちにしながらって感じでそこまで意外性のある展開でもないですしね。

そう、意外性がないのです。

つまり息子を誘拐した本当の理由も本来ならネト当人とはそこまで関わりが深くない怒った男の暴走より、過去の因果が関わっている方が意外性がないはずなのに自分はなぜかそっちの可能性を無視してしまったんですよね。

言い訳すると実際出てきた黒幕がポッと出に近いというのもありますが。

ストーリーの途中で意味深に合間合間で挟まる女性への過去の拷問シーン、これが黒幕の行動理念となっていたというわけです。

要は復讐で自分の大切な者が奪われたのだからネトからも奪うというシンプルなお話。
ちょっと問題があるとすれば上でも言いましたがこの黒幕がポッと出なところ。

この黒幕、元捜査官の変人のサンズという拷問されたヴィンセントの口から急に語られる人物なのであまり伏線が張られているとは言えないんですよね。

一応女性への拷問が伏線なんでしょうけど、それで観客がサンズに辿り着くのはやっぱ無理があります。

正直ヴィンセント省いて最初からサンズを出し、過去の女性への拷問をネト、サンズ双方の視点から見せてその思いを感じさせた方が最後の報復の重みが増したんじゃないかなぁと。

まぁそんなポッと出の過去の回想で出てきた女性の夫であったサンズがネトへの報復として目の前でフリオを拷問して殺害する。
正に作中で言われている血に始まり血で終わる救いも何もあったもんじゃない終わり方です。

冒頭で出る一文の、

父の罪の報いは子の代に及ぶ

出エジプト記 20章5節

正にこの終わり方を迎えるわけですね。

このような文だったり、協力者であるイネスの名前の由来だったり宗教要素も結構強めだったりします。

結局は愛する息子、妻、敵ですら全て失い因果の元だったネト本人が生き残り、そして裏切った相手にまた拷問を始めて当初の目的だった足を洗って抜け出すことは出来なくなる。

自分を最も慕ってくれた最も愛しい人物を自分のせいで失い、その世界から結局抜け出せないきっかけとなってしまうこの足を掴まれる様が彼の代償ということなんでしょう。

この映画のストーリー、昨今よく見るようになった実はやばい過去を持つ親父が華麗に法で捌けぬ悪を倒し人を助ける話ではないです。
寧ろ自分の過去に全てを奪われて自分だけは残される、そんな教訓のような内容となっていました。

これがもしネトにその道に進むことになったどうしようもない過去などがあったのなら別の話の進み方が出来たのでしょうけど、
実際はそんなものは描写されずただ殺し屋として活動してきた存在ですからね。

そしてサンズに関してもヴィンセントの言を信じるなら元捜査官ということなので何の落ち度もなく障害だったから狙われたという可能性も当然あるわけで。

何の過去もなくただ理不尽に人を苦しめた人間は全て失い生きたまま苦しむのが妥当ということなのかもしれません。

まとめ

ハードボイルドで救いがないのが良い雰囲気出している親父映画でしたね。

男女の描写が大分昔の作風となっている映画なんですが寧ろそれが今だと新鮮で楽しめました。

ストーリー面に関しては黒幕は途中でネトがヴィンセント一派に殺害されていたらどうしてたんだろう?とかガバい部分が気になったりもしましたが、
因果応報なラストなどハードで救いがない展開にしたのは正しいと思います。

強い親父が相手を無双して返り討ちになんていうのもいいですが、過去がある以上救われない結果になる形があるというのもこれはこれで正しい形の1つだと言えますしね。

拷問描写など怖いとかグロいではなく痛い描写が多いのが好み分かれそうなのでそこだけは注意ですね。

他の映画感想

他の親父映画感想はこちら。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA