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製作国
アメリカ
監督
ケリー・マーセル
脚本
ケリー・マーセル
出演者
トム・ハーディ
キウェテル・イジョフォー
ジュノー・テンプル
リス・エヴァンス
ペギー・ルー
アラナ・ユーバック
スティーヴン・グレアム
クラーク・バッコ
昨今叫ばれているMCU疲れ。
自分も割とそれに該当していて今や興味のあるキャラクターが出る作品だけ追うくらいでいいかと思っている立場の人間です。
そんな中でもう1つのアメコミ映画ユニバースであるSSU。
MCUほど他の映画の鑑賞や隅々までの描写の把握が必要なくはっきり言うと雑さの方が目立つシリーズなんですが、そんな雑さが自分にとっては丁度よく付き合えるシリーズとして大好きなユニバースだったりします。
そんなシリーズの最先鋒であり大人気であり引っ張ってきた存在であるヴェノムの完結作『ヴェノム:ザ・ラストダンス』
雑なシリーズながらも確かに積み上げてきた2人の描写から迎える別れ。その積み上げてきた物の集大成を堪能してきました!
目次
あらすじ
<俺たち2人>でいることが、世界を破滅に導く――
ヴェノムに隠された秘密を知るシンビオートの<神>ヌルが
2人を分かつ最大最凶の敵として登場!
シリーズ最大スケールで描かれる2人の決死の逃亡劇と、
ヴェノムの秘密を狙って容赦なく立ちはだかる
最強シンビオートとの壮絶な戦い。
「あいつは相棒なんだ」
「エディ、最期まで一緒だ」
あたり一面が火の海と化す
ラストの死闘の末に<俺たち>2人が迎える最終章
公式サイトより
結局この雑さ加減が好きなんだよなぁ
ヴェノムシリーズ(と言うかSSUに)今更言うことでもありませんが、今作も例によって雑な映画ではありました。
ヴェノム達シンビオートの創造主たるヌルがエディとヴェノムが持っているコーデックスを狙うというのがメインストーリーなんですが。
1作目からあるコーデックスを何で今更ヌルが把握して狙い始めたのかとか、ヴェノムにならなければコーデックスは探知されないのに事あるごとにわざわざ雑にヴェノムになるとか、新キャラのペイン博士が思わせぶりに雷に耐えられるというのが特に理由の説明もなく最後のシンビオートとの融合で発揮されるだけとか、後半に大量に出てくるシンビオート達は一気に出てくるだけで全く“個”を把握出来ないままにやられて消化されていくとか。
羅列すると雑さにはキリがありません。
前作からの数少ない続投組のマリガン(とトキシン?)とかすげえ雑な処理。
普通の映画というかよく出来た映画と言われる類の物ならここの雑さに過程を割いてしっかりと物語的に意味ある形に持っていくんでしょうけど、でもこの映画はあくまでエディとヴェノムの物語でしかないんですよね。
だからこれらの物は全部2人の物語を引き立てるための舞台装置(下手すればそれにすらなっていないかも?)だからこの雑さはこれはこれで正しい作りなんです。
でも今まで敵だったシンビオートがヴェノムを守るために集まるのは割と熱いと思います。
で、肝心の2人の物語ですが、ここだけはしっかりと終わりから逆算された物語になっていたと思っているんです。
この映画は2人の最後のダンス、つまり別れの物語です。
だから普通のヒーロー映画だったら何だかんだで強大なヌルの手先にだってある程度の活躍や善戦するシーンを入れるてもいいはずなんだけどこの映画にはそれを入れていない。
この映画で2人がヒーローとして活躍らしいアクションで活躍したのなんてそれこそ冒頭の犬を助ける時くらいでしょう。
そこからは徹底してやられて、それでも出来る限りの行動をする姿はこれはこれでヒーローではあります。
コーデックスを持った2人がヌルに敵わず狙われ続ける限り、世界に未来はないという状況を確実に積み上げ続けて容赦無くこの2人には別れが必要となりその時がラストに向けて迫ってくるわけですよ。
“俺とお前”は落ちこぼれの負け犬かもしれないけど“俺達”なら負け犬じゃなくヒーローにだってなれる。そしてこの世界にいるヒーローはこの2人だけなんですよね。
何だかんだでずっと雑だったシリーズとストーリーでもこれだけはしっかりと積み上げてきた描写。
やっぱこのシリーズは互いに埋め合い補い合った種族を超えた確かなラブストーリーなんだよなぁ。
今回なんてマーティン一家との交流でいい父親になれるとかやっちゃいますからね。
だから全体的に雑さが目立っても最後の別れだけはやっぱり涙してしまう。
このエディとヴェノムの別れだけはしっかりと別れから逆算されて見せたい物だけはしっかり見せようとしているのでやっぱ雑でも好きなんですよねぇこのSSUというシリーズは。
エディの物語はここで終わってしまうのかもしれませんが、ヴェノムの物語はMCUに残して来た物によって続いていくかもしれない。
何ならエンドクレジットで絶対に絶滅しないと作中で言われたゴキブリに寄生してSSUでもまだ生き残っているかもしれない。
望めるのであればこれらをきっかけにまた“俺”ではなく“俺達”の物語を見れることを期待したいですね。
まとめ
既に打ち切りが見えてしまっているようなSSU。個人的にはこの見通しというのはかなりショックではありました。
自分としてはこの緩く楽しめる金のかかったジャンクフードのような世界観や会話、そして丁度いい雑さが大好きだったんですけどね。
いいじゃん、緻密でも高尚でもない内容でただキャラの魅力だけを緩い空気で見せて伝えるだけで世界を繋いでいく映画があってもと思うんですが、
でも、今の世間の風潮では特にアメコミヒーロー映画という枠組みではそんなシリーズは需要に乏しいし儲からないんでしょうねえ。
でも個人的には大好きだったSSU。
12月に公開されるおそらく最後の晴れ舞台であるクレイヴン・ザ・ハンターも楽しみに見て、またいつか何かをきっかけにこのジャンクな魅力のあるSSUが爆発することを願いますよ。
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