【映画】クワイエット・プレイス:DAY 1 感想 本当に見て良かった…

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クワイエット・プレイス:DAY 1
Ⓒ2024 PARAMOUNT PICTURES

製作国

アメリカ

監督
マイケル・サルノスキ
脚本
マイケル・サルノスキ
出演者
ルピタ・ニョンゴ
ジョセフ・クイン
アレックス・ウルフ
ジャイモン・フンスー

クワイエット・プレイス:DAY 1(原題:A Quiet Place: Day One)見てきましたよ。

実は最初は見るつもりが無かったんですけど、音を出していけないというクワイエット・プレイス特有のシチュエーションにおいて猫が出るという猫映画の気配を感じ取って見る決意をしたわけです。

でも蓋を開けてみたら猫よりも人間ドラマに号泣させられてね。

観客的には大して怖くなくなってきたクリーチャー達もシチュエーションと魅せ方を変えることでしっかりと怖い存在として活躍してくれていましたし…

うん、もうはっきり言います。

この映画は見て良かったです。

あらすじ

“音を立てたら即死”は、
この日[DAY 1]始まった―


物語は、ひとつの家族を襲ったあの衝撃から471日前、世界が沈黙した日[DAY 1]へと遡る。音を立てるものすべてに襲い掛かる謎の生命体が突如として大都市・ニューヨークに襲来し、猫を抱えた1人の女性は、“即死度MAX”のサバイバルを余儀なくされる。果たしてこの街に生き残る術など存在するのか。この絶望に、彼女はどう立ち向かうのか。そして、“音を立ててはいけない”というルールに人類はいかに辿り着くのか。究極のサバイバルの先に、彼女たちが見たものとは…

公式サイトより
パラマウント・ピクチャーズ(日本版)より

た直後の感想

シチュエーションの変化で最早災害映画

今回は今までのシリーズからシチュエーションを変えたことで最早災害映画の域に入っていた今作。

クワイエット・プレイスシリーズののクリーチャーって2作を経て観客からすると実際のところ、種も底も割れている存在なんですよね。

弱点も対処法もある程度分かっていて、破られた沈黙のラストでは最早子供にだって殺されてしまう存在になっています。

そんな儚い存在となってしまったクリーチャーをどうやってまだ怖い存在だと思わせるか。

本作ではこの課題をシチュエーションの変化でしっかりと補い、災害映画のようにクリーチャーを表現することで改めて脅威というものを思い出させるような作りになっていました。

今回は副題のDAY1が示す通りに前日譚であり、1日目からを描いた映画。

クワイエット・プレイス:DAY 1
Ⓒ2024 PARAMOUNT PICTURES

それをNYという音を完全に消し去るのは難しい都会で、しかも直接クリーチャー達が来襲した爆心地でもある状況なんですよね。

直接来襲した爆心地であるということはクリーチャーの数は今までのシリーズとは桁違い。
しかも1日目なので一切の対策も知識もない状況なんですよ。

更に更に人もまだまだ生き残っているので…となると当然パニックも付きもの。(これは前作でもチラッと語られてましたね)

なのでこの映画の描写は今までと違って災害映画なんですよ。

音を立ててもせいぜい2〜3体くらいまでしか現れなかった今までとは違い、今作は文字通り嵐の如く大量のクリーチャーが人々を飲み込んでいく。

そして襲われたことでパニックになり悲鳴が起きて更にクリーチャーが現れて…と泥沼の様相が描かれていました。

クワイエット・プレイス:DAY 1
Ⓒ2024 PARAMOUNT PICTURES

特に埠頭を目指す人々を惨殺して襲う姿には流石にクリーチャー達の怖さを久々に思い出させてくれましたね。

実際今回はクリーチャーを1体すら倒すことなく終わっています。

何一つ攻撃が通じず、犠牲の元に対策を積み重ねていく。

観客視点だと既に底が割れているはずのクリーチャーを絶望的なほどの数の多さと1日目という知識の無さ。
これらによって人々が対処出来ずに翻弄されていく姿。

災害映画のようなジャンルに変わりましたが、それによってクリーチャー達が再び怖い存在として描写されたのは本作の上手いところでした。

まぁ何より怖いのは都会の喧騒や人々のパニックが犠牲の積み重ね(つまり単純に人が減っていくこと)によりクリーチャーへの対処の認識が共有されていくことでシリーズ特有の沈黙にどんどん支配されていくことなんですけどね。

相変わらずこの沈黙は静寂に包まれる映画館での鑑賞とは相性抜群でしたね。

最期の選び方

このシリーズは個人的な認識ですが、ホラーという部分はあくまでシチュエーションとしての下地として使われているだけにすぎない。

メインとして描かれているのはいつも人々の絆や結び付き。
そして命の価値が儚くなった世界で自分の命を何のために誰のために懸けるのか、これらを描いているとそう思っているんです。

クワイエット・プレイス:DAY 1
Ⓒ2024 PARAMOUNT PICTURES

本作では人々の結び付きというのは都会故に出発点はやはりどこか希薄、つまり誰しもが赤の他人なんですよ。

そんな中でこんなことが起きなければ結び付くことがなかったサミラとエリックの2人の道中と絆、そして結末。

これに自分はガッツリと号泣してしまいました。

今作の主人公のサミラは冒頭でも分かる通り若くして末期癌(?)の女性なんですよ。

猫のフロドを支えに近づいている人生の終わりに様々な思いを抱えながら生きている。

そんな中で起きるクリーチャーの来襲。
そこで彼女が選ぶ道というのはみんなと逃げることではなく思い出のピザ屋パッツィのピザを食べに行くこと。

そしてその道中で猫のフロドが結びつけたのがこんなことになった世界で1人でいるのを恐れる、法を学びにイギリスから来ていたエリックなわけですよ。

この普段だったら絶対に結び付かない2人。

クワイエット・プレイス:DAY 1
Ⓒ2024 PARAMOUNT PICTURES

自分の命の最後の使い方を決めた女性と最初はおそらく1人でいることが怖かった男性。

ある種の凸凹コンビではあるんですが、こんな全然違う2人だからこそ、今作のドラマは泣けるんですよ。

前2作の登場人物の関係性というのは家族や友人でした。

でも今回のサミラとエリックの2人は何度も言いますがこんなことが無ければ一生接点を持たなかったであろう2人。

家族でも友人でも知人でもなく、赤の他人から始まった関係性。
でもこの2人は目的地のピザ屋まで一緒に進むんですよ。お互いに声も碌に出せない状況の中で。

たった一度だけ雨が降りしきる中で彼女の自宅でサミラの事情を聞いただけなのにそれでも付き合うエリック。
どっちにしても自分に残された時間が限られているのならその時間を思い出の地を目指すことに使うサミラ。

こんな命が儚くなった世界だからこそ自分の命の使い道を自分の最後の願いを叶えるため、赤の他人の願いを叶えることに使うことに使う2人とか。
こんなんストーリーが進むごとに目頭がどんどん熱くなるに決まっているじゃないですか?

時にクリーチャーに追われ、時にサミラがダウンすれば薬を探しに向かい、赤の他人だった2人がどんどん絆が育まれるのが分かるんですよ。

そして目的地となる思い出のピザ屋パッツィに辿り着いた後の2人の描写がまたいいんですよ。

パッツィはこの状況なんで当然崩壊しているんですが、そのピザ屋が思い出になるきっかけとなったサミラの父が演奏していたジャズバーに向かう2人。

ここでね、エリックがそこら辺の無事だったピザ屋を探してそこのピザを取ってきてパッツィと書いて2人で食べる姿。

昔の思い出の味には浸れなかったかもしれないけど、サミラとエリックの新しい思い出の味は作れてるんですよ。

ここで何も語れずとも微笑み合う2人。

この映画…というかシリーズ通してですが全体的に声を出せないことからこそ伝わる心理描写が上手い。
でも今回それがより引き立つのはやはりサミラとエリックが赤の他人だったからだと思うんです。

このバーのやりとりを経てのクライマックスの展開。

サミラがエリックにフロドを託して音を出してクリーチャーを引き寄せるための囮になるというね。

正直これは予想は出来ていました。それでも自分は泣き続けました。

サミラは自分の命の最後の使い道はパッツィのピザを食べることと最初は決めていたはずなんです。
でもエリックとの道中を経て彼女が選んだ最後の命の使い道はエリックとフロドを生かすためなんですよ。

ほんの少し前まで赤の他人だったはずの相手、でもその僅かな時間で確かに共に生きた関係性、そのために命を使う決断。

このサミラの決断に涙腺決壊ですよ。

でもこの2人はやはり特別なのか、エリックが逃げる途中で出してしまった音に引き寄せられてクリーチャーはサミラから離れてエリックは前作で語られた船に乗り込みフロドと生還し、サミラはそれを見届けると。

どんだけ都合が良くてもこの2人の別れ方はご褒美だったんだなと信じたいですね。

色々な人間関係、そして命を懸けた人々を描いてきたシリーズでしたが、

自分はこのシリーズの絶望的な状況でも人と人との結び付きを信じているような作風がやっぱ本当に好きだなと再確認できました。

まとめ

なんか自分でもびっくりするくらいに心に響く映画となっていました。

最初の頃は猫に泣かされるかぁくらいの気持ちで見に行ったのに蓋を開けたらサミラとエリックという人間2人に泣かされてしまって…

その当初の目的の猫のフロドの方はトラブルメーカーでもなく2人を結び付き導くような日本風に言うと招き猫的な存在でしたね。

クワイエット・プレイス:DAY 1
Ⓒ2024 PARAMOUNT PICTURES

ある種ご都合主義という物を肩代わりしてくれた存在でもありましたが、この世界ならこれくらいの強引な存在は必要だったということで。

テーマとして命の使い道というものをこれだけ強く押し出されて、そしてクライマックスとラストのサミラの決断を見ると、
自分の最後の死に方を決めるのは生き方を決めるのと同じなのかもなぁと少し人生について考えてしまうくらいでした。

エリックの方も破られた沈黙の展開を考えると、安息の地があんな状況になりましたがフロドと共に生き残っていて欲しい。
そして続編があれば是非ともあの一家と新しい結び付いてほしいなと思いますね。

とにかく今回は号泣しっぱなし。

ホラーとしても底の割れた相手を新しいアプローチでちゃんと怖がらせてくれましたし、ドラマなんかは一切ケチがつけようがない。

最後にもう一度言いますが、

見て良かった…本当に見て良かった映画でした。


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