この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

製作国
アメリカ
監督
ジェシー・アトラス
脚本
ジェシー・アトラス
アーロン・ウルフ
出演
ブルース・ウィリスドミニク
パーセルアンディ
アローノムザモ・ムバサ
今回はアマプラにて鑑賞の映画、ラスト・ダイ・ハード(原題:ASSASSIN)の感想。
ブルース・ウィリス最後の出演映画であり、思いっきり便乗感ある邦題となっていますが、最近のブルースの近況についてのちょっとショッキングなニュースを見てから何か見ておきたいなと思って今回鑑賞に至りました。
この映画に関してはもう内容はどうでもいいのです。ブルース・ウィリスが最後に出演したというそれだけの事実を価値にして今回は見たのですから。
ジャンルはアクションで上映時間は約87分となります。
(C)2022 DLL LLC. ALL RIGHTS RESERVED
目次
あらすじ
ありがとうブルース!不死身の男最後の作品
Rakuten TVより
ヴァルモア率いる米軍は、他人の体を乗っ取ることができるマイクロチップ技術を発明する。その矢先、最新鋭の兵器を確保した男による世界平和を脅かす陰謀が発覚。ヴァルモアはマイクロチップを使った極秘任務を遂行することに。
この映画を配信している配信サービス
※2025年9月13日時点
見放題 | レンタル | |
Amazon Prime Video | ✖️ | ◯ |
Netflix | ✖️ | ✖️ |
U-NEXT | ✖️ | ◯ |
hulu | ✖️ | ◯ |
DMM TVプレミアム | ✖️ | ◯ |
登場人物
・アレクサ
意識不明となった夫セバスチャンの真実を知ろうとする女性
セバスチャンの上官であったヴァルモラに問い質しに行った際の事態で彼の身に何が起きたのかを知ることになる
・ヴァルモラ
セバスチャンの上官
彼に与えた任務の際に起きたトラブルの解決のためにアレクサを利用する
・セバスチャン
ドローン操縦士の軍人でヴァルモラの部下
任務が終わり昏睡状態となって戻ってくる
・エイドリアン
セバスチャンの任務に関わっていた男
ざっくり概要
ここからはいつも通りに途中までのざっくりとした内容を。
3ヶ月前ドローン操縦士である夫セバスチャンが任務で昏睡状態で帰宅したことで妻のアレクサは彼の上官であるヴァルモラに銃を突きつける何があったのかを問い質す。
内容は機密事項として話そうとしないヴァルモラだったが、その話の最中ただの主婦にしか見えない女性が突然信じられない身体能力で2人を襲撃する。
女性を鎮圧した2人はヴァルモラの部下と共に女性に襲撃してきた理由を聞くが、女性は襲撃の記憶が無く状況を正確に把握しておらず混乱していた。
軍事委員会の議員であるハーモンと連絡を取ろうとするヴァルモラだったが彼は側近に刺され重傷を負っていた、そしてその側近もまた襲撃時の記憶を失っていた…
事態に巻き込まれたアレクサはヴァルモラとその部下と共に“安全な場所”へと移動する。
アレクサは事情を詳しく聞かされないまま夫を助けたいならと彼らに謎の装置に繋がれる。これはあなたの夫もしたことでもあると…
そして装置が起動する前にこの言葉を忘れるなと伝えられる。
“これは私の体じゃない”
意識を手放したアレクサが目覚めた時、彼女は自分では別の女性の体に乗り移っていた。そしてその状況を知っているかのように男から襲撃を受けるアレクサ。
劣勢に追い込まれたアレクサだったが男が手も体も別人のものだと言い、男に気絶させられるとアレクサは自身の体で目覚める。
しかしその手には別人の体に付けられたはずだった傷が残っていたように一瞬錯覚する。
ヴァルモラ達から意識を他人の体にデジタルマッピングしたと教えられるアレクサ。
そして彼らに見せられたスマホに映っていたのは先ほど自分が乗り移った女性と襲撃してきた男が仲良くこちらに手を振る姿だった。
他人の意識の中に入り襲撃する。これが未来のドローン戦争だと伝えられるアレクサ。
これは誰にでも近づけ悪党を倒せるが時に犠牲が伴うこともその犠牲がセバスチャンだった。
そしてアレクサはセバスチャンの任務の際にターゲットで黒幕である男エイドリアンの存在を教えられる。
内密に大統領一家を密航させられるほどの力があるエイドリアンやセバスチャンの“潜入”に気付き、そして中にセバスチャンが“潜入”していた男を射殺してその男の中に埋め込まれていたマイクロチップを奪ったのだった。
そのマイクロチップは通称“クモ”追跡不可能で脳幹に潜り込みそれを通じて相手の意識に乗り移ることが出来るチップだった。
乗り移った状態で撃たれたセバスチャンは謂わばファイル転送に失敗してクラッシュした状態。
エイドリアンに抜き取られた“クモ”を取り戻せばセバスチャンを目覚めさせることも可能かもしれない。
エイドリアンを捕まえるセバスチャンの意識が残る“クモ”を取り戻すためにアレクサはヴァルモアに協力することを決断する。
新しく別の人間に乗り移るアレクサ。
妊婦の女性に乗り移り、彼女の体を使いエイドリアンと関係のある男を始末していく。
しかしその行いに他人を使って人を殺すことに抗議するアレクサ。自分ではない他の人間にやらせるように言うがマイクロチップが誰に埋め込まれているか分からない状況で今信用出来るのがアレクサしかいないとされ却下される。
そして乗り移ったその夜。
妊婦に乗り移った後遺症からか自身が妊娠している感覚を感じるアレクサ。暗示で元の感覚に戻るが、この乗り移りの自身に起きる危険性も感じるのだった。
その後も続けて画家の女性であるマリに乗り移りエイドリアンに近づくアレクサ。
しかし先の殺しによりエイドリアンがアレクサ達の動きに感づく。彼の逃亡を防ぐためにアレクサは次々と別の人間に乗り移り逃亡を助けようとする者を殺害していくのだった。
何度も他者に乗り移り殺害していったことに悔恨の念を抱くアレクサだったが、ようやく標的であるエイドリアンと対峙することに。
再びマリに乗り移りエイドリアンとデートをするがその最中にマリの体から自分の体に戻れなくなってしまうアレクサ。
ヴァルモア達もその異変に気づくが、アレクサはマリに乗り移ったまま自分の体の元に戻ってきてしまう。
作戦のためにエイドリアンの元に戻るアレクサだったが、何とか再び自分の体に意識を戻すことに成功する。
その様子を見てヴァルモラがアレクサに声をかけて2人で食事をしてセバスチャンについて話をする。
しかしアレクサがトイレに行っている最中でヴァルモラに“クモ”が入り込んでしまう。自分が操られることを悟り自分を殺せと言うヴァルモラ。
彼を撃ち殺したアレクサはこの事態の悪化を感じ、降りようとするのだった…
設定はいいんだけど芯が通っているのは1つだけ
脳幹に埋め込まれたマイクロチップから他人の意識に入り込んで、暗殺が行えるようになる。

これが本作の軸となる設定。
そしてマイクロチップにより相手に入り込んでいる最中に殺害されたら、チップに意識が残りそこに夫が入っているから黒幕であるエイドリアン取り戻そうとする。

ちなみに黒幕中の黒幕と言われますが、何の黒幕かは分からなかったりする。
ここまでの設定自体はいいんですけど、色々と掘り下げが不足しているのが勿体無いかなと感じました。
この設定、普通に考えたら最低でも3つの問題があるわけですよ。
1つ目は当然倫理面。
乗り移った人間で殺害すると言うことはその人間に罪を全て被せるということ。そこの相手の人生に対する責任というものがどうしてもこの映画は薄めとなっています。
途中でヴァルモラがそれについて言及したりもするのですが、それも『他人の人生なんだから騒音として責任を感じる必要がない』という如何にも軍人な言及なんで倫理面での掘り下げがない。
2つ目は社会に対する懸念。
人にチップ埋め込むだけで乗り移れるなんてこんなもん実際にあったら社会が疑心暗鬼になって混乱するに決まっているんですが、そこのリスクについても言及は無し。
この設定だったらここって大事だと思うんですが、それも薄いんですよねぇ。
3つ目はこれを行ったことによるしっぺ返しですね。
この手の人の人生を使うという設定ならこれが1番外してはいけない部分。なのでこれに関してだけは割としっかりとしておりました。
定期的な乗り移った人間の身体的な部分を引き摺る後遺症。
乗り移ったのが妊婦なら自分の体が妊娠しているような感覚に、傷を負ったら自分が傷をあったような感覚にと所謂幻肢痛的な描写が挟まると。
こうやって人に乗り移り続けることのリスクが入り込み、そして同じ人間に何度も入り込んでいると今度はチップ無しでも自分と相手の境界線が曖昧になっていく。

こういったリスク描写があるのは良かったですね。しっぺ返しがちゃんと出来ています。
そしてそれがオチにも繋がっているのも悪くない。
相手との境界線が曖昧になる、これは実はセバスチャンも例外ではなかったということで、実はエイドリアンに入っていたのはセバスチャンだったという真実が明らかになる。
これを利用してセバスチャンはヴァルモラ達からの追跡を避けていたのですが、結果として自我の境界線が無くなり、誰にでもなれる存在としてアレクサと共に権力などを握ろうとするのですが、その末路としてアレクサ自身に殺害されてしまう。
誰にでも乗り移りすぎて自意識が曖昧になり、誰にでもなれるなら自分である必要が無くなるという、最も取り戻したがった相手こうなっていたというのはいいしっぺ返しだと思います。
ここだけはそれっぽい設定だけやってそれっぽい話だけしているこの映画の中で確かな芯のある設定と話でした。
もっと設定を活かしたアクションが欲しかった
チップを通じて相手に乗り移るという面白い設定、そしてこの映画はアクション映画。
なんですけど、アクション面ではあまり期待通りの内容ではなかったですね。
相手の体を乗っ取って自分で動けるというのはやっぱり求められるのはギャップだと思うんですよ。
思いもよらない相手が急に動き出す、この映画で言うなら最初のただの主婦の襲撃がそれですよ。
そういったギャップが欲しいのに途中からは原題通りの暗殺で済ましてしまう勿体無さ…!
乗り移って相手の体を使うなら老人や女子供が急にキレッキレのアクションするとかそういうギャップのあるケレン味を求めるわけですよ、こちらは。
そこら辺がカバー出来ていないのは映画の規模の問題か、はたまた真面目すぎたのか…。
どちらかは分かりませんが、とりあえず個人的な期待にはあまり応えてくれないアクションでした。

あっ、最後の入れ替わりながら状況打破するアクションだけは割と好きです。
ありがとうブルース・ウィリス
この映画を見た目的は9割どころか10割がブルース・ウィリス。

最近彼の近況で悲しいニュースが入ったのでなおさらこの目的意識が強めで見たわけです。
ぶっちゃけね、彼の引退前に出演していた映画というのは映画として見れば本作も含めて微妙ではあるのです。
でもいいんです。彼が出ているからもういいんです。
この映画でもあまり活躍せずにアクションだってほぼ無しで大物っぽさを出したまま退場しますが、この大物っぽさという箔がある状態で退場させてもらえただけで近年なら高得点でしょう。
どんな役柄でも微妙な映画でも演じてくれれば俳優ブルース・ウィリスの存在はそこに残る。本当にこれだけでいい。
ただただどんな形でも映画の中に存在を残してくれてありがとうとしか自分にはもう言えないのです。
まとめ
正直この映画に関しては判官贔屓が入り込みまくりで正しい評価は出来ません。
冷静に見たらきっと微妙な映画なんでしょうけど、ただブルース・ウィリスが出演していた。もうそれだけでいいじゃないと思いながら見ていたくらいです。
それ以外は微妙でも気になってもこの際もうどうでもいいです。彼の俳優としての姿を残したこれだけで今や殆どの引退前の作品には価値があるのですから。
他の映画感想
他のブルース・ウィリス出演映画感想はこちら。