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製作国
アメリカ、イギリス
監督
ギャレス・エヴァンス
出演者
トム・ハーディ
ティモシー・オリファント
フォレスト・ウィテカー
ジェシー・メイ・リー
ルイス・ガスマン
ジル・ヴィンターニッツ
ジョン・カミンズ
ジェレミー・アング・ジョーンズ
アクションもストーリーも大混乱
それでもアクションは気持ちよく
ストーリーは…あー、もう滅茶苦茶だよ
今回はネトフリオリジナル映画、ハボック(原題:Havoc)の感想。
あのザ・レイドのギャレス・エヴァンス監督、そこにトム・ハーディが主役というとにかくアクションを期待して見た本作。
溜めが長いものの大混乱の中で解き放たれたそのアクションは正に文字通り血湧き肉躍る物。
ストーリーまで大混乱なのはちょっと気になるところでしたが、予想通り、期待通りに楽しめる映画でした!
ジャンルはスリラーアクションで上映時間は約107分となります。
目次
あらすじ
事の発端は、甚大な被害を出した麻薬強奪計画。人生に疲れ果てたひとりの警察官は、ある政治家の息子を救出するため、腐敗しきった街の裏社会で戦い抜くことを強いられる。
Netflixより
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※2025年4月28日時点
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登場人物
・ウォーカー
殺人課の刑事
市長候補であるローレンスに弱みを握られており、彼の言いなりになっている
ローレンスとの関係を断つことを条件に彼の息子チャーリーが巻き込まれた事件でチャーリーを捜し守ることを受け入れる
・チャーリー
ローレンスの息子
母親とのことで父とは不仲
恋人ミアが起こしたトラブルのために中国マフィアのツィの取引のためにコカインを奪う
・ミア
チャーリーの恋人
ツィとトラブルを起こして彼の取引のために協力する原因を使った
・ローレンス・ボーモント
街の不動産王で市長候補
ウォーカー達の弱みを握っており、汚職などを彼に揉み消させていた
息子チャーリーが巻き込まれた事件でウォーカーに息子の捜索と護衛を要求する
・ヴィンセント
麻薬課の刑事
チャーリー追跡の最中で重傷を負ったコルテスのために容疑者であるチャーリーを追うとウォーカーに宣言する
・クラリス
中国マフィアのボス
息子ツィが銃撃されて殺害され、身元確認のためにアメリカに来た
息子をを殺したとされる容疑者であるチャーリーを確保するように部下に命じる
・エリー
殺人課にウォーカーの相棒配属された制服警官
ざっくり概要
クリスマスを控える夜。
逃走するトラックを追いかける警察だったが、トラックから投げられた洗濯機をまともにぶつけられて警官の1人コルテスはICUへと送られてしまう。
警察を振り切った強盗チャーリー達は取引のためにツィに物を渡すが、その時襲撃が起きてツィは殺害されてしまう
殺人課の刑事ウォーカーは新しい相棒エリーと共に事件の捜査に当たる。
防犯カメラに映っていたチャーリーを見たウォーカーは現場をエリーに任せてとある場所へと1人向かう。
そこは市長候補であるローレンスの元。
過去に起こした出来事で彼に弱みを握られているウォーカーは彼の汚職の払拭などに協力させれていたのだった。
そんなローレンスに防犯カメラに映ったチャーリーの姿を見せるウォーカー。
チャーリーはローレンスの息子であり、市長選を控えている彼にとってはこの事実、そして息子を思う父としてチャーリーが中国マフィアに狙われていることは致命的な出来事。
ウォーカーはチャーリーを守る代わりに今後2度と会わないことを条件にチャーリーを探し出して守ることを要求する。
ツィの母でありマフィアのボスであるクラリスは息子の死を知りアメリカへとやってくる。
息子を殺害したとされる容疑者であるチャーリーを必ず探し出すように指示を出すのだった。
コルテスの見舞いに訪れるウォーカー、そこには当時トラックを追っていたヴィンセント達がおり、チャーリーが容疑者であることを知り、彼を必ず探し出すとウォーカーに宣言するのだった。
マフィア、警察、双方に追われる中逃走を図ろうとするチャーリー達。
彼らはチャーリーの恋人のミアの叔父で育ての親であるラウルに逃走のための手引きを協力を頼む。
チャーリーのことを知りながら黙っていたウォーカーは捜査から外されるが、その前にエリーにミアのことを聞きラウルの元へと向かう。
そしてラウルから携帯を奪いラウルを騙りミアをバーへと呼び出すのだった。
その頃ローレンスはチャーリーの件でマフィアに狙われていることを勘付き移動を始めていたが、その最中で襲撃に合い捕まってしまう。
ローレンスの確保の後、更にクラリスはチャーリーの仲間の1人を捕まえて現在のチャーリー達の居場所を聞き出すのだった
ミアが待つバーに向かうウォーカー、彼女と話しミアとチャーリーを守れるのは自分だけだと言いチャーリーの居場所を聞き出そうとしている中、ヴィンセント達もバーにやってくる。
彼らの顔を見たミアはツィを殺害したあの日の襲撃犯はヴィンセントだと語る。
そしてウォーカーとヴィンセント達、更にミアの居場所を聞き出したマフィア達がやってきてバーの中は戦場と化す。
ラウルの死がありながらも何とかチャーリーとミアだけは守って逃走したウォーカー、急ぎエリーに連絡をしてヴィンセント達が襲撃犯であることを伝える。
あの日起きたのは追跡は強盗を警察が追っていたという構図ではなく、ヴィンセント達がコカインを確保しようとしていたがそれをチャーリー達に奪われて追跡していた。
そしてクラリスの部下であるチンがヴィンセント達を手引きして取引しようとしていたが、ヴィンセント達が失敗したため彼らを使い邪魔者であったツィを殺害させてコカインを奪ったのだった。
エリーにICUにいるコルテスの元に向かい事件に関与しているか聞き出してほしいと頼むウォーカー。
彼が関与していればそれは確実に自白をしてくると信じていたからだった。
チャーリーを中心に巡って錯綜する状況、ウォーカーはチャーリーを守り抜き過去の清算を行えるのか。
正に雁字搦めなストーリー
製作陣的にはアクション以外を期待せずに見た本作。
実際汚職警官、汚職市長、中国マフィア、犯罪する息子、裏切り者。
過去の弱みを握られてそれぞれがそれぞれの選択でどこか素直な身動きが取れない、そんな息苦しさが主人公のウォーカーからは感じ取れるのですが、
でも見ている側のテンションとしては、
うぉぉぉぉ!
1人を除いて碌でもない奴らの大暴れ!
アクションはすごいけどストーリーはそんな奴らの話だからどこか手前勝手な話だったぜ!
こんな変なテンションになるくらいにはしっちゃかめっちゃかな状況の話でした。
溜めた分アクションはやっぱ良い!
この映画、自分はアクションしか期待していませんでした。

そりゃまぁザ・レイドのギャレス・エヴァンスの作る映画ですから、期待値としてはそうなってしまいますよ。
で、そのアクションなんですが、序盤は冒頭のトラックとパトカーのすげぇ派手なカーチェイス以外は大人しめで、
おぉ?これ大丈夫か?まともに作ろうとして最大の期待と魅力まで失いかけてないか?と不安になったのですが。
流石にそんなことはない。
中盤から血みどろ、勢力入り乱れの長回しアクションが堪能出来ました。

文字通りというか物理的に血が湧き肉が躍っている
中盤からのバーで行われる三つ巴からマージで気持ちいい。
相変わらずの長回しによるアクションでナイフが刺さる、頭は思いっきりぶん殴られる、
うぉ!すげえ血みどろ
気持ち良すぎるくらいの耳をつんざくような銃撃音でバッタバッタと頭を体を容赦なく撃ち抜かれていく登場人物。
うぉ!すげえ中身
ここら辺の控えめであるもののだからといって無視はしないゴア表現とアクションの質が実にかみあっており、ここからキタキタキター!とテンションぶち上がりましたね。
そして最後の戦闘。

勢力入り乱れまくり、敵も味方も重なりまくり、銃弾至近距離で打ち込んで返り血浴びまくり、しっちゃかめっちゃかと言う言葉がこれほど相応しいアクションもないでしょう。
ないんですが、でもこんな状況でも誰が何をやっているのかはちゃんと分かるんですよね。
これはアクションとしてのバランス感覚がなせる技、長回し多めでこれほど入り乱れながら、これをやるというのは本当満足感がめちゃくちゃ高い。
カット割で格好良く見せるのもいいですが、やはりアクションとして視点が忙しいというノイズが少ない格好良さというのはやはり長回しでこそ生まれる物ですね。
後やっぱりこの映画のアクションは音が良いです。
銃を撃った時、殴った時、刺した時、不謹慎極まりないですが、命が削り取られるような音を気持ちよく発してくれるので爽快感がすごかったですわ。
というかこういう荒々しく獰猛なアクションはトム・ハーディにはよく似合いますね。
もう顔だけで神経が昂っていて獣のように見えるこの俳優にこそこのアクションのノリは相応しい。
監督と役者がしっかりハマりあっていたアクションでしたよ。
こんな感じで期待していたところをちゃんと期待通りにお出しされたんで、満足感はたっぷり詰まったアクションでした。
ストーリーが大混乱
元々そこまで期待はしていなかったですが、ストーリーの方は悪いわけではないですけど、やはり弱め。
というのもアクションがしっちゃかめっちゃかだったのですが、ストーリーも同様だからですね。
事件の中心点にいてみんなが狙うローレンスの息子チャーリーという構図なんですけど、
これここまで登場人物の思惑を混ぜ混ぜしなくてもって思うくらいに単純な話のはずなのに微妙に混乱というか困惑するんですよね。
それぞれのチャーリーを狙う思惑がウォーカーは彼を守って汚い仕事から足を洗いたくて、
ローレンスは汚職をしている市長だけど息子だけは大事、
チャーリーを狙うクラリスは息子の仇撃ちのため、
そしてヴィンセント達汚職警官は欲と目撃者の始末のためと。
登場人物それぞれがマジで好き勝手な思惑で動いているんですよね。
そもそもチャーリー自体も恋人のためとはいえコカイン盗みなんてやっているんで、見ている側の気持ちの置き所がなくてまるで収拾がつかない。
特にローレンスとクラリスがそれぞれ息子を思ってなんか感動的な死を迎えたりはしますけど、
君ら汚職市長候補とマフィアだからそんなんしても…とはなるんですよ。

そもそもの主役のウォーカーだって全くもって綺麗な人間ではない。
過去に潜入捜査官を殺害した汚職に手を染めてそれを使われてローレンスの汚職の払拭に協力、汚れ仕事に協力させられてしまっている。

犯罪組織と汚職も警察も結びついて雁字搦め、過去の選択でその中にハマってしまったウォーカーの自業自得な苦労は演じるトム・ハーディの顔や仕草で大体分かるでしょう。
ただこれ自体はタイトルであるHavoc(大混乱)の通りではある。
結局それぞれはどれだけ息子思いでも所詮は犯罪者、ヴィンセント達はただ欲で動く、全員手前勝手で混乱の中で当然の末路を迎えていく。
誰にでも僅かな美点はあっても手前勝手にそれぞれ動いたら大混乱になるし、大混乱な末路に結局なるんですよ。
この街のシステムだって上記の通りに汚職と組織が結びついて大混乱。
だから頭使ったり、誰かに寄り添おうと思って見たら損をする、この大混乱というこいつらの状況の方を楽しんだ方がテンション高く見れると思いますね。
そんな中で正しさを唯一貫くのがエリーな訳ですが、この大混乱の中で彼女を見極めることこそがこの映画のキモなのかなと。

どいつもこいつも手前勝手な連中ですが、エリーの正しさを信じたウォーカーは逆転の糸口へと繋がりましたし、彼女を助けたチャーリーは無事生き残ることは出来ました。
悪が蔓延りシステムが狂っているからこそ、彼女のような正しさという一点を美徳にしてクリスマスに福音が訪れるようにした構成だとは思いましたね。
後はウォーカーの結末ですが、最後の瞳を見ると生存か死亡かは曖昧な形にはしてあるなと見ましたが、
まぁもし生き延びていたなら彼の言葉通りに一度逮捕されて過去の清算をしたい気持ちでいっぱいでしょう。
過去の選択の過ちが巡り巡ってここまで巻き込まれたら、流石に過去の汚職を無かったことにするより法に委ねて向き合った方がいいに決まってますわな。
まぁアクション同様にストーリーも大混乱、個人的にはもう少しスマートな形にしても良かったかなと思います。
アクションがしっちゃかめっちゃかなのは美点になるけど、ストーリーがこれはあまりよろしくないというのが本音でしたね。
まとめ
全てが期待と予想通りのいい映画でした。
ストーリーは予想通りのクオリティでしたし、アクションは期待通りのクオリティ。
こういうアクション映画というのは定期的に世に出てきて欲しいですね。
特にアクションはザ・レイドのフォロワーとも言えるジェイルブレイクが最近の自分の基準になっていたので、

どうなるかなと思っていましたが、流石の長回しと血みどろっぷり。
もう一度言いますがこういうアクション映画は定期的に世に出てほしい!
ネトフリオリジナルアクション映画としては求める物はしっかり入っている。アクションを求めるなら大当たりと言える映画でした!
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